著者
河合 康 Yasushi Kawai
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.75-86, 2009-02

本稿では,近年のグローバリゼーションの流れの中で,国際的に関心が高まっている国際教育協力について,障害児教育分野に焦点を当てて検討した。その結果,障害児教育分野における国際教育協力は理数科教育などに比べて遅れがみられる分野であるとされてきたが,21世紀に入り,拠点システム構築事業,国際協力イニシアチブなどの政府レベルでの活動によって,その裾野が広がりつつあることが明らかにされた。特に,協働授業研究,青年海外協力隊派遣現職教員への支援及び関連情報の整備・管理において進展が認められることが指摘された。今後の方向性としては,初期条件の検討とマッチング,学校現場に密着した国際教育協力の展開,通常教育との相違点の認識,留学生受け入れ施策の強化,などの必要性が提言された。
著者
河合 康洋
出版者
日本動物遺伝育種学会
雑誌
動物遺伝育種研究 (ISSN:13459961)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1-2, pp.23-34, 2016 (Released:2016-02-05)
参考文献数
30
著者
三好 孝典 今村 孝 小山 慎哉 大場 譲 市村 智康 沢口 義人 北川 秀夫 青木 悠祐 兼重 明宏 上木 諭 河合 康典 斉藤 徹 高久 有一 上 泰 川田 昌克 内堀 晃彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.501, pp.11-16, 2014-03-10

インターネットにより生み出されるソーシャルコミュニケーションは,何万人・何億人もの人々がお互いに映像や音声を共有し合う人類が経験したことのないコミュニケーションを実現している.しかしながら,これまでに世界中の人々がお互いの力覚を同時に共有し,コミュニケーションを行った例はほとんど報告されていない.本報告では,マルチラテラル遠隔制御を応用し,全国8ヶ所での仮想綱引き実験による力覚共有を報告すると共に,従来行われてきた手法との比較,検討を行う.
著者
三好 孝典 今村 孝 上 泰 真下 智昭 石橋 豊 小山 慎哉 上木 諭 寺嶋 一彦 兼重 明宏 青木 悠祐 北川 秀夫 三枝 亮 大場 譲 河合 康典
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

マスターである人間の運動や力覚を遠隔地において忠実に再現しようとするロボットをテレコピーロボットと定義したとき,自身のコピーロボットが遠隔地に存在し,その遠隔地に居る人間(マスター)のコピーが目前に存在する環境において,1.テレコピーロボットの概念の提示と,それを実現するための全方向移動機能を有した双腕コピーロボットの製作.2.通信遅延に対して安定な4chバイラテラル制御アルゴリズムの提案と実装.3.コピーロボットによるバイラテラル遠隔制御の実現.を行い,目前のコピーロボットを通じてあたかも遠隔地のマスターと直接力学的インタラクションをしているかのような体験が実現可能であることが実証された.
著者
河合 康
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.119-129, 1998

本稿では,イギリスにおける特別な教育的ニーズをめぐるオンブズマン提訴事例を取り上げ,その特徴と,親の権利保障の実情を把握することを目的とした。今回,この事例を取り上げたのは,1事例の中で複数の不服申し立てがなされ,各々について,オンブズマンの裁決の基準となる「過誤行政」と「不公平」に関して,異なる判断が示されており,特別な教育的二一ズをめぐる親の権利が実質的にどのような意味を持ち合わせているのを検討するのに適していると考えたからである。本事例における主要な論争点は,子どもの特別な教育的ニーズの評価の段階において,当局が,①子どもの状態について適切な情報を獲得せず,②親に情報を提供するのを怠り,③判定書を作成するかどうかの決定に長時間を要したという点,及び,判定書の作成の前後において,④正規の当局の職月でない者が報告書を作成し,⑤その作成者と報告書について議論するように手配せず,⑥作業療法士の報告を受けず,⑦分子どもに対して別の教育の場を検討しなかった,という点であった。結果は,評価の段階における①~③については,「過誤行政」の結果として「不公平」を親が被った点を認め,当局に賠償の支払を命じた。しかしながら,判定書の作成の段階においては,④,⑤, ⑦については「過誤行政」は認められず,また,⑥については,「過誤行政」は認められたが,それによって「不公平」が生じたとは判断されなかった。今回の事例より,特別な教育的ニーズをめぐるオンブズマン提訴事例においては,手続き上の不備や時間的な遅延の場合に,親の不服申し立てが認められ可能性が強いが,教育の場の決定に直接関わる段階になると,当局の裁量が支持される傾向にあることが示唆された。その一方で,オンブズマンは,教育法令には規定されていない不服申し立て事項を補完する機能を有していることも明らかにされた。The purpose of this study was to analyze the case of the ombudsman concerning special educational needs. In this case parents lodged some complaints which were as follows; 1 ) During the assessment the Council failed to obtain adequate information about their daugher's condition. 2 ) It failed to keep them fully information. 3 ) It took too long time in deciding whether a formal statement should be issued. 4 ) It accepted a report from an officer who was not employed. 5 ) It failed to arrange for them to discuss the report. 6 ) It failed to obtain an occupational therapist's report. 7 ) It failed to consider alternative placements for their daugher. For the complaints of 1), 2), and 3), maladministration leading to injustice was accepted and the ombudsman recommended that the injustice should be remedied. For the complaint of 6) maladministarion was found but injustice wasn't accepted. For the rest of complaints maladministraion wasn't found. From this case study it was suggested that ombudsman would complement the appeal systems which were based on the educational law.
著者
中村 満紀男 二文字 理明 窪田 眞二 鳥山 由子 岡 典子 米田 宏樹 河合 康 石田 祥代
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究では、インクルーシブ教育の社会的背景と理論的基盤について、アメリカ合衆国・英国・北欧について検討した。インクルーシブ教育(インクルージョン)は、先進風・途上国を間わず、国際機関や各国の中央政府が支持している現代における世界的な教育改革運動であるが、その真の意味は必ずしも正確に把握されていない。同時に、インクルーシブ教育運動が世界的に拡大してきた背景とそれを支えている理論についても、共通的基盤と多元的部分に整理して解明されていない。この複雑さが整理されないまま、インクルーシブ教育が差異ではなく、障害のみに焦点化して捉えられる場合、日本における特別支援教育に例示されるようにインクルーシブ教育のモザイク的理解に陥ることになる。こうして、インクルーシブ教育とは、社会的・経済的・教育的格差、文化的・宗教的差異、エスニシティの相違によって生じる社会からの排除を解消し、社会への完全な参加を促進し、民主制社会を充実・実現するために、通学者が生活する近隣コミュニティに立地する通常の学校において共通の教育課程に基づき、すべての青少年を同年齢集団において教育することである。またインクルーシブ教育は、これらの目的を達成するための方法開発も併せて追求している点にも特徴がある。このように、教育改革運動としてのインクルーシブ教育は、差異やそれに基づく排除を解消するための、政治・経済・宗教・文化等、広範囲に及ぶ社会改革運動であり、画期的な理念を提起していて成果もみられるが、既成の枠組みを打破するまでに至っていない。同時に、理念の普遍化が実現方法の画一化に陥っていて、理念とは裏腹の排除を生んでいる例など、今後の課題も多い。
著者
河合 康
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学研究紀要 (ISSN:09158162)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.381-397, 2007-02-28

本稿では,イギリスにおけるインテグレーション及びインクルージョンに関する1970年代以降の施策の展開を検討した。その結果,1970年代以降,政府の諸文書や法令においてインテグレーションやインクルージョンの促進が明示されてきてはいるが,実際の統計データにおいてはインクルージョンが進展しているとはいえない状況にあること及びインクルージョンの実態についてはかなりの地域差がみられることが指摘された。さらに,イギリスでは特別学校の存在が否定されてはいるわけではなく,むしろ1970年代から特別学校がインクルージョンを進展させるために重要な機能を果たす存在として認識されていることが明らかにされた。さらに,1970年代から今日まで,インテグレーション及びインクルージョンを実施するための条件が明示されており,この条件の検討が今後の課題である点が指摘された。The purpose of this study was to analyze the political development of integration and inclusion from 1970s in UK. It was clarified that inclusion was not accelerated as a whole according to the actual statistical data though the promotion of integration and inclusion was indicated at some acts and political documents. The existence of special schools was not rejected. If anything it was accepted that special schools had very important roles to promote inclusion. It was suggested that some statutory conditions to implement inclusion should be examined.
著者
平 英影 寺西 秀豊 劔田 幸子 槻 陽一郎 清水 規矩雄 河合 康守
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.1200-1209, 1991
被引用文献数
17

富山県内のスギ林の分布及び雄花の着花状況を観察しスギ空中花粉調査結果との関連性について検討した結果, 次のような結論を得た. 1. 富山県の平野部におけるスギ空中花粉とその飛散パターンは30年生以上のスギ林の標高別面積, 雄花の着花状況, 花粉飛散開始日, 気象条件によってよく説明できる. 2. 富山県の平野部におけるスギ花粉の総飛散数及び最大ピークは標高200m以下の地帯に分布するスギ林から飛散する花粉によって大きく影響されていた. 3. 観測点から20〜30kmの距離に分布しているスギ天然林からの花粉はほとんど観測されなかった. そのため, 観測点から遠くに分布するスギ林ほど観測点の空中花粉に及ぼす影響は小さいものと推定された.