著者
河野 勝 荒井 紀一郎
出版者
日本選挙学会
雑誌
選挙研究 (ISSN:09123512)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.5-18, 2019 (Released:2022-09-12)
参考文献数
25

現代の民主主義は,エリートレベルでの「競争」とマスレベルでの「代表」という,2つの異なる政治過程との関連において特徴づけられ,理解されてきた。本稿の目的は,戦後日本を題材にして,様々な調査データを効果的に組み合わせて利用することにより,競争プロセスと代表プロセスとが織りなす交差の動態を明らかにする。まず,記述統計に依拠して,圧力団体が一般有権者を念頭において行う活動のパターン,また有権者の側の圧力団体への関与のパターンを,検証する。続いて,平均構造モデルを用いて,競争と代表のプロセスが互いに影響を及ぼしあう「行動的共振(behavioral synchronization)」とでも呼べる現象を浮き彫りにする。具体的には,分野ごとまた時代ごとに異なる圧力団体の影響力や戦略に応じて,当該団体に関与する人々の政治的有効性感覚が変動することを示す。
著者
河野 勝行 平井 一男 氣賀澤 和男
出版者
北日本病害虫研究会
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.38, pp.125-126, 1987-11-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
5
被引用文献数
1

コガネムシ類4種 (サクラコガネ.スジコガネ.ヒメコガネ, アカビロウドコガネ) に対する誘蛾灯3種 (プラックライト, 水銀灯, 白熱電球) の誘引性の比較と, 設置場所の違いによる誘引数の比較を行った。4種ともプラックライト, 水銀灯, 白熱電球の順で捕獲数が多く, アカビロウドコガネを除く3種では統計的に有意だった。ヒメコガネは他の3種と比較すると設置場所による捕獲数の違いが大きく, 移動力が低いと思われた。
著者
奈良 禎太 加藤 昌治 佐藤 努 河野 勝宣 佐藤 稔紀
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.138, no.4, pp.44-50, 2022-04-28 (Released:2022-04-28)
参考文献数
34
被引用文献数
1

It is important to understand the long-term migration of radionuclides when considering rock engineering projects such as the geological disposal of radioactive waste. The network of fractures and pores in a rock mass plays a major role in fluid migration as it provides a pathway for fluid flow. The geometry of a network can change due to fracture sealing by some fine-grained materials over long-term periods. Groundwater usually contains finegrained minerals such as clay minerals, and it is probable that the accumulation of such minerals occurs within a rock fracture upon groundwater flow, thereby decreasing the aperture of a fracture and the permeability. It is therefore essential to conduct permeability measurements using water that includes fine-grained minerals to understand the permeability characteristics of a rock; however, this has not been studied to date. In the present study, we use a macro-fractured granite sample to investigate the change of permeability that occurs under the flow of water that includes two different amounts of clay. Findings showed that clay accumulated in a fracture and that the permeability (hydraulic conductivity) of the granite sample decreased over time, which was greater in for the higher clay content. We concluded that the accumulation of clay minerals in the fracture decreased the permeability of the rock. Furthermore, we consider that the filling and closure of fractures in rock is possible under the flow of groundwater that includes clay minerals.
著者
河野 勝宣 神田 貴宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.55-60, 1992-10-25 (Released:2019-12-01)
参考文献数
7

THIS STUDY AIMS TO MAKE CLEAR THE CHANGES IN THE URBAN STRUCTURE OF CITIES IN THE TOKYO'S 30-KM AREA AND THEN, BASED UPON THESE CHANGES, TO FIND OUT POSSIBLE PLANNING ISSUES AND PROBLEMS THROUGH A CASE STUDY OF THE HISTORY OF URBANIZATION OF NODA CITY, CHIBA PREFECTURE. FOR THIS PURPOSE, WE DIVIDED NODA'S URBANIZATION HISTORY INTO THREE PERIODS IN ACCORDANCE WITH CHANGING RELATIONSHIP BETWEEN THE LOCAL GOVERNMENT AND EMPLOYMENT. OUR FINDINGS INCLUDE THE EXISTENCE OF DIFFERENT “COMMUNITIES” IN DIFFERENT PERIODS OF URBANIZATION AND THE NEED FOR, AND IMPORTANCE OF THE LOCAL GOVERNMENT TO CONTROL EFFECTIVELY THE PRIVATE URBAN DEVELOPMENT.
著者
河野 勝行 飯田 博之
出版者
関西病虫害研究会
雑誌
関西病虫害研究会報 (ISSN:03871002)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.3-6, 2013 (Released:2013-09-01)
参考文献数
6

キャベツほ場におけるウヅキコモリグモの個体群密度調査において,落とし穴トラップ法と見取り法の間で,両者の傾向の違いを比較した。同時並行的に行われた落とし穴トラップ法による週あたりトラップ当たりに換算した捕獲個体数と見取り法によるキャベツの畦 5 mあたり2条あたりに換算した目撃個体数の間には相関が認められない場合が多かったが,それぞれの調査期間中の平均値と最大値の比率は 1:2 を超えなかった。したがって,そのほ場において環境保全型農業が行われているのかどうかを,ウヅキコモリグモの個体群密度がある一定レベル以上にあるかどうかで判断する場合,これらの換算法を用いることにより,栽培期間を通した平均値を両調査法の間で比較することがある程度可能であると判断された。
著者
河野 勝宣 前田 寛之
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
日本地すべり学会誌 : 地すべり = Journal of the Japan Landslide Society : landslides (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.121-129, 2013-05-25
被引用文献数
1

本論文は,北海道黄壁沢-シケレベンベツ川地すべり地域における全斜面の地形,地質,地質構造および熱水変質帯に加えて,岩石の強さを簡便かつ迅速に評価できる不定形点載荷強さ試験に基づく熱水変質岩の力学特性を考慮し,AHP法に基づくランドスライドハザードマップを作成し,ランドスライドハザードアセスメントを試みた。<br>  斜面におけるランドスライド危険度は,素因分析項目からAHP法による評点累計によって評価し,I~Vのハザードランクに分類した。ランクIは安定硬岩盤斜面,ランクIIは安定軟岩盤斜面,ランクIIIは不安定軟岩盤斜面,ランクIVは新規の地すべり発生が懸念される不安定な区域およびランクVは再活動型地すべりが懸念される最も不安定な古期地すべり地である。
著者
河野 勝 谷澤 正嗣 西川 賢
出版者
早稲田大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

本研究の目的は、北米で親しまれるポピュラー音楽の中で、自由がどのように表現されてきたかを分析することを通して、この概念が一般の人々の日常の生活の中でどのように受容され発展してきたかを実証的に跡付けることである。本研究の計画は、データセット構築、テクスト分析、ケーススタディという三つの柱によって構成される。データセット構築がほぼ完成したので、今年度はテクスト分析の手法を用いて、様々な角度からfreeおよびfreedomという言葉の表出のパターンを検証した。幸いなことに、研究協力者であるハワイ大学のSun-Ki Chai氏が、短い間ではあったが早稲田大学に訪問研究者として滞在したので、彼から極めて的確なアドバイスを受けることができた。そのアドバイスに従い、1)一般的なシソーラス辞典(“Thesaurus.com” )を用いた分析、および2)心理学者たちの間でよく利用されているテキスト分析のソフトウェアである LIWC (Linguistic Inquiry and Word Count)を用いた分析を、それぞれすすめた。また、ケーススタディのための北米での音楽関係者に対するインタヴューもニューヨークで行うことができた。
著者
河野 勝行 平井 一男 氣賀澤 和男
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.38, pp.125-126, 1987

コガネムシ類4種 (サクラコガネ.スジコガネ.ヒメコガネ, アカビロウドコガネ) に対する誘蛾灯3種 (プラックライト, 水銀灯, 白熱電球) の誘引性の比較と, 設置場所の違いによる誘引数の比較を行った。4種ともプラックライト, 水銀灯, 白熱電球の順で捕獲数が多く, アカビロウドコガネを除く3種では統計的に有意だった。ヒメコガネは他の3種と比較すると設置場所による捕獲数の違いが大きく, 移動力が低いと思われた。
著者
尾形 努 高野 和夫 河野 勝 吉田 一樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-I, 通信I-情報通信システム・理論 (ISSN:09151877)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.719-726, 1993-10-25
被引用文献数
3

通信用電源システムには,バックアップ用として鉛蓄電池が使用されている.鉛蓄電池は,通常は維持充電が行われ,停電発生時に放電し,通信機器への電力供給を継続する.停電発生時に,鉛蓄電池から電力を供給できなければ,社会に及ぼす影響ははかりしれないものがあるため,NTTの各事業所は,鉛蓄電池の容量試験を行って,規定の容量以下のものは,取替えを実施している.現在の容量試験法は,作業時間が20時間以上と長時間に及ぶため,保守者の負担が大きく,簡便に行える劣化判定法の確立が強く望まれるようになった.本論文では,鉛蓄電池の劣化のメカニズムを整理し,内部抵抗と劣化,すなわち容量減退が極めて相関性が強いことを説明している.次に,この内部抵抗を求める手段として,極めて短時間の充放電特性測定が有効であることを述べ,500μs以下の充放電特性測定から求めた内部抵抗と容量の相関性が極めて強いことを明らかにし,これらの相関図より劣化判定が可能であることを述べている.
著者
河野 勝 日置 佳之 田中 隆 長田 光世 須田 真一 太田 望洋
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究 (ISSN:09150390)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.59-61, 1997

Nowadays, ponds in urban parks as habitats of plants and animals are strongly required in order to maintain biodivesity. The authors investigated on present and past situation of aquatic plants and structure of ponds in urban parks by questionnaires which sent to management staffs of urban parks. 160 sample data from all parts of Japan. were analyzed for clarifying relationships between aquatic plants and some factors of ponds' structures.<BR>Consequently, following relationships became cleared.<BR>(1) Approximately 30% of ponds are made with waterproof sheets and area of them are limited below mostly 10, 000<SUP>2</SUP> The main reason that ponds' area are limited is difficulty of water supply.<BR>(2) Most of the substratum of natural or semi-natural ponds are mud or silt in contrast that gravel used in man made (artificial) ponds.<BR>(3) More than 50% of ponds have only hygrophyte and emerged plants. On the other hands floating plants and benthophyte disappeared in many ponds though they were existed in past. It is considered that floating plants and benthophyte are sensitive for environmental impacts such as eutrophication.<BR>(4) Four structural factors; area of ponds, waterproof, structure of ponds' shore, and origin of ponds are related each other. Also certain relationship between hygrophyte or emerged plants and area of ponds or structure of ponds' shore are recognized. However, these kinds of relationships are not exist between hygrophyte or emerged plantsand waterproof or origin of ponds.
著者
勝矢 淳雄 藤井 健 河野 勝彦 山岸 博 野村 哲郎 宇戸 純子
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

1.京都におけるバイオリージョナリズムの展開:地域との連携を通じて、小学生の社家屋敷の見学会、火星や月の観望会、シンポジウム、社家屋敷の特別公開を実施した。賀茂文化研究会を設立し、会誌「賀茂文化」を創刊した。(1)環境資産の保全・継承のための環境バンクの必要性、(2)リーダーの育成の困難さと方策、(3)活性化の方策としての新行事の意義を明らかにした。社家屋敷の見学会は上賀茂探検クラブに移行し、地元の行事として定着させた。バイオリージョナリズムの精神から地域との連携には研究者と地域住民の信頼関係が重要であり、実証的に明らかにした。環境学習の基礎調査も意図して、ナミテントウ集団の翅紋多型に関する調査を上賀茂などで行った。小進化が一定方向に変化しており、気候の温暖化が最も重要な原因である。上賀茂の中位、低位段丘上には、腐植に富む厚い暗色土層が分布し、非アロフェン黒ぼく土で、母材は非火山性物質である。上賀茂特産のスグキナなどに、マイクロサテライトDNAの変異による類縁関係の解析を行い、2つのグループに大別されスグキナはカブ、ハタケナなどと同一グループに属する。環境白書を素材に、環境問題への対処における環境倫理の役割を考察した。2.京都の風と降雨の特性と鴨川への意識:京都地域における風速と降雨量の年最大値を、その発現の原因となった気象擾乱を調べ、発生する線状降水帯の特性を明らかにした。鴨川について、上、中、下流の9つの小学校の6年生と保護者にアンケートを行い、子供たちはもっと鴨川で遊びたいと思っているなど鴨川への意識を明らかにした。3.川にかかわる生活文化と環境の調査:高齢者への聞き取り調査を実施し、過去の明神川への関わり、生活での利用実態を明らかにした。現在の明神川の上流から末端までの水辺空間構成と利用実態の調査および住民意識を調査した。明神川を舞台に「アートプロジェクト」の企画をたてた。
著者
河野 勝彦
出版者
京都大学哲学論叢刊行会
雑誌
哲学論叢 (ISSN:0914143X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.72-87, 1975-04-01
著者
河野 勝泰 富澤 一郎
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

この研究では、地上(電気通信大学及び附属菅平宇宙電波研究所)での、日、季節変化による自然及び宇宙放射線量の観測、観測データ相当の地上放射線照射によるLSIなどデバイスの損傷実験と評価、宇宙放射線検出デバイスの開発と評価を行ない、耐放射線性能の高いデバイスの開発を目的としている。このような地上の放射線や宇宙線を利用して、引き下げ法で自作したシンチレータ用結晶の比較評価を行い、耐高エネルギー宇宙線用シンチレータの開発の基礎をつくることを目指した。既存のMCA(マルチチャネル放射線分析器)と、別の検出プローブを用いて、当研究室で自作したテストシンチレーター結晶(CaF_2:Eu及びGd、濃度0.2-9.85mol%)を取り付けて観測し、スペクトルの検出能力、分解能(線幅による評価)を、標準のNaI:Tlシンチレーションプローブの測定結果と比較した。実際には、昨年度KMgF_3を用いて検出を試みていたシンチレーション発光がプローブの低感度領域であったことを教訓に,希土類EuとGdをドープして,その広幅のf-d発光を長波長領域にシフトさせることを目指した。結果は、作成した全ての単結晶の発光バンドが十分プローブの分光感度ピーク(420nm)に近い領域に入り、標準γ線源(^<137>Cs)とMCAによる放射線計数スペクトルから正確に評価が可能となった。コバルト60γ線源((財)産業創造研を利用)を用いた光子数測定実験から、Eu(0.2mol%)の結晶で61,163photons/cm^3の高い値を得た。得られた関連の成果は、宇宙開発事業団(NASDA)及び日本原子力研究所(JAERI)が後援する"第5回宇宙用半導体デバイスに及ぼす放射線効果国際ワークショップ"(於 高崎)及び"半導体の放射線照射効果"研究会(豊田工大)において発表し多数の宇宙放射線研究者の興味をひいた。