著者
荒川 哲男 藤原 靖弘 富永 和作 渡辺 俊雄 谷川 徹也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.100, no.12, pp.3655-3663, 2011 (Released:2013-04-11)
参考文献数
48

消化管傷害を来たす薬物として,もっとも頻度の高いものは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とアスピリンである.これらの薬剤は,整形外科領域やリウマチ内科で消炎鎮痛を目的とし,あるいは循環器や脳神経領域,ならびに代謝内分泌領域で血管イベントの一次,二次予防の目的で頻用されている.しかし,これらの薬剤による有害事象でもっとも多いのが,消化管イベント(出血,穿孔など)であり,消化器内科医とのクロストークがますます重要になってきた.胃酸分泌領域である上部消化管が病変発生の首座を占めるが,最近,小腸が可視化できるようになり,NSAIDs/アスピリンによる小腸粘膜傷害・出血がトピックスになっている.予防・治療に関しては,消化管全体を視野に入れた新しい考え方が必要になってきた.COX-2選択的阻害薬など,NSAIDs側の工夫も重要である.消化管傷害をきたす他の薬剤としては,抗生物質などがあるが,それらについても少し触れたい.
著者
渡辺 馨 小森 智康 梅田 哲夫 浦野 丈治 及川 芳明 荒蔭 雅治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.98, no.277, pp.9-16, 1998-09-18
被引用文献数
2

NHKでは、MPEGおよび電波産業界に協力して、計2回のMPEG-2 AACオーディオ符号化の2チャンネルステレオの主観評価テストを行った。この主観評価テスト方法及びテスト結果について報告する。この主観評価テストは、ITU-R勧告BS-1116に従って行った。この結果、2回の主観評価テストは連続性が保たれていること、128kbps/stereoのAAC Mainプロファイル, 144kbps/stereo以上のLCおよびSSRプロファイルはITU-Rの放送品質を満足すること、が明らかとなった。
著者
渡辺 正
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.600-603, 1999-09-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
3

アメンボが水面に遊び, 朝露が葉の上でころがり, きれいなガラス面に水滴がさっと広がる。水性インクではプラスチック表面に文字が書けず, 水面に置いたショウノウはあちこち動き回り, テフロンコートのフライパンはこげつかない…どれも表面張力の織りなす世界である。表面張力はどうやって生まれるのか, その大きさは何が決め, どんな要因で変わるのかを考えつつ, いっぷう変わった「表面ワールド」を鑑賞しよう。
著者
渡辺 勉
出版者
拓殖大学人文科学研究所
雑誌
拓殖大学論集. 人文・自然・人間科学研究 = The journal of humanities and sciences (ISSN:13446622)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.43-59, 2018-03-25

The so-called “five sentence patterns” have been widely used in the teaching of English at junior and senior high schools in Japan. The wide-spread use can be attributed to Hosoe’s(1952)grammar book which owes the large part of its description to Onions(1904). This study has investigated how “five sentence patterns” are described in the educational publications: four self-help books; Hosoe’s grammar book(1971); a recent high school textbook(2013); 18 grammar textbooks for high schools used in 1980s.The findings of the investigation can be summarized in three points:(1) the publications investigated are divided into two kinds, those dealing with only simple sentences in the demonstration of the “five sentence patterns” and those taking up complex sentences as well; (2)the complement and the object are realized by grammatical items assuming various functions; a complement can be realized by adjectives, nouns, that-clauses, to-infinitives, gerunds, present participles, past participles and prepositions; (3)the analysis of the structure”object+to-infinitive” is controversial; some treat it as part of “SVOC”, others regard it as part of “SVOO”.The need of developing a new type of “five sentence patterns” is suggested with the idea of verbal valency in mind.

3 0 0 0 OA F特異点

著者
髙木 俊輔 渡辺 敬一
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-30, 2014-01-27 (Released:2017-04-13)
参考文献数
117
著者
渡辺 義昭 渡辺 恵 村上 隆広
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.79-84, 2019 (Released:2019-08-23)
参考文献数
20

市街地内の林で,フクロウ(Strix uralensis)によるタイリクモモンガ(Pteromys volans)捕食の状況と個体群に与える影響を調査した.2008年から2017年の毎冬期に調査地内で163個のペリットを採集した.解析した150個のペリットのうち,2調査期ではそれぞれ21個体,23個体のタイリクモモンガが出現した.調査期間中のフクロウの観察率は最大26.9%,最小0%で,年による変動がみられ,タイリクモモンガの巣穴利用樹木数にも最大25本,最小6本と年変動がみられた.フクロウ観察率の高い年の翌年にタイリクモモンガの巣穴利用樹木数が減少した年があった.また,フクロウによるタイリクモモンガ捕食圧が低下したと考えられる翌年にタイリクモモンガの巣穴利用樹木数が増加したケースもみられた.これらの結果は,フクロウの捕食がタイリクモモンガ個体群に影響している可能性を示唆する.
著者
渡辺 匡一
出版者
仏教文学会
雑誌
仏教文学
巻号頁・発行日
no.42, pp.4-8, 2017-04
著者
渡辺 雅男
出版者
一橋大学
雑誌
一橋社会科学 (ISSN:18814956)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.49-72, 2009-03

市民社会は近代社会のあり方を示す独自の概念である。本論文は戦後日本における市民社会概念をめぐる議論を整理し、そこに込められた歴史的課題を明らかにしようとするものである。戦後日本で市民社会を議論した三つの主要な潮流、すなわち、近代化論者(丸山眞男、大塚久雄、松下圭一)、マルクス主義者(林直道、平田清明)、一橋学派というべき社会科学者(大塚金之助、高島善哉)をそれぞれ分別し、彼らの市民社会論の特徴と意義、またその限界を指摘することにより、市民社会をいかに論じるべきかという課題を探っていくことにする。市民社会論がイデオロギー的役割を過度に期待されたのは、近代化の中で社会が国家と家族から自立しなければならないという歴史的課題を人々が喫緊のものと受け止めたからである。だが、市民社会論をイデオロギーにとどめず、社会を分析する概念体系にまで発展させてこそ社会科学の基礎理論としての意義を全うすることができる。本論文で戦後日本の主要な系譜を検討した理由はここにある。
著者
飯野 修一 渡辺 正平
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.555-559, 1989-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
20

1. モロミ上槽時の圧力増加に伴う搾酒の成分変化は次のとおりであった。漸増するもの(日本酒度, 紫外部吸収及びpH), 漸減するもの (直糖及びMn), モロミタレ歩合80%以上の上槽末期から増加するもの(アミノ酸度, 着色度, Fe, Cu及びZn) 及び増減のないもの(酸度及び低沸点香気成分)の4つのタイプに分類された。2. 官能的には上槽末期から評価は落ち, 雑味と味の薄さが指摘された。なお上槽末期の官能低下にアミノ酸度, Cu及びZnの増加がよく一致した。3. 藪田式自動圧搾機に比べて, 水圧式圧搾機の場合にはFe, Cu, Znの増加及び官能変化は比較的緩慢であった。これは上槽時の圧力増加が緩慢であったからと推定された。終わりに本試験に協力していただきました清酒メーカーの2社に深く感謝いたします。
著者
渡辺 信一郎 伯田 宏 松尾 敬志 原 寛 原志 兎太郎
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.42-50, 1981-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
6

原は以前に灸の効果を従来の経絡説ではなく「非特異性加熱自家蛋白体療法説」を提唱した。これは今日の非特異的免疫療法に相当するものと考えられる。ラットを用い通常のモグサ施灸と同一条件なる電子灸を用い, 連日一定期間施灸し, その後, ヒトγグロブリンを抗原とし, 感作後の足蹠の浮腫増強作用, 血中抗体価の変動を測定し, 抗原にじゃっきされる炎症性浮腫は抗原抗体複合物III型の即時型反応によること, 免疫賦活剤であるレバミゾールと比較すると施灸群の方がより高い抗体価が得られ, 両者併用群で更に強い効果のあることが明らかとなった。灸の臨床面での有効性の1つに免疫増強作用のあることが示唆された。今後細胞レベルで免疫賦活作用の機序について検討を加えたい。