著者
田中 利雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.175-181, 1987
被引用文献数
1

食文化に食事の形態と食器がつきものであるように, 飲酒文化にも飲み方や酒器は切リ離せない。特に清酒は燗という独特の飲酒習慣が培われてきたため, その酒器も時代変遷をたどっている。<BR>本稿は燗に視点をあてて酒器の移リ変リを探リ, 飲酒を通して時代風俗やライ7スタイルを点描している。酒器-つとっても文化の香を感じる一編である。
著者
田中 信行
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.300_2, 2017

<p> パラリンピック競技大会(パラリンピック)では、オリンピック競技大会と異なり、女子選手の参加割合が非常に低い(田中2015)。この問題は、国際パラリンピック委員会(IPC)においても問題視されている。IPC会長は、女子選手の参加について1996年アトランタ大会で24%であった状況から、20年が経過する2016年リオ大会には、43%にすることを2013年のThe EU Conference on Gender Equality in Sport in Vilniusで示した。ただその検証結果は発表されていない(2017/5/18)。本研究は、IPC会長が示した20年間の女子選手の参加状況の概要を明らかにすると共に、障害者スポーツにおけるGender問題の要因について考察することを目的とした。女子選手の参加状況は、1996年アトランタ大会24.2%、2000年シドニー大会25.5%、2004年アテネ大会30.6%及び2008北京大会35.0%及びロンドン大会35.1%と上昇が確認された。リオ大会については、全登録選手名簿を元に女子選手の参加状況を競技別・地域別等に整理し、同大会のGender問題を報告する。</p>
著者
芦田 貴司 小野 圭昭 田中 栄士 上杉 直斗 村岡 正規 小正 裕
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.123-133, 2010

<p>【目的】近年,誤飲・誤嚥事故を目的として嚥下機能の解明,摂食・嚥下障害原疾患の予防および治療法の確立等の研究がおこなわれているが未だ十分ではなく,摂食・嚥下障害をもつ患者や高齢者では日々誤飲・誤嚥事故のリスクに直面している.そこで,阪神地区を調査対象として,市消防本部への調査を実施して誤飲,誤嚥事故の実態を明らかにし,その調査結果を詳細に分析することにより窒息事故を回避する一助とすることを考えた.市消防本部への調査を実施し,3 カ年の全救急業務の中から誤飲・誤嚥に関する事案を抽出して,その内容を検討した.</p><p>【方法】都市圏のベッドタウンのひとつである阪神地区を対象に,平成16 年から18 年までの3 カ年に各市の消防局・消防本部に救急要請があった全救急事故のうち,一般負傷の中から,誤飲・誤嚥に関するすべての事案を抽出し分析をおこなった.調査内容は,①性別,②年齢,③傷病程度,④覚知時刻,⑤事故概要,である.</p><p>回収したデータをもとに誤飲,誤嚥とその他の3 群に分類した.この調査は,平成19 年2 月におこなった.</p><p>【結果】今回の調査対象とした地域の救急車要請件数は年平均261.7 件であった.そのうち,誤飲件数の割合は年平均15.8%,誤嚥件数の割合は年平均75.5%,その他の割合は年平均8.7% であった.</p><p>誤嚥件数では,男女間に有意な差が認められた.年齢別発生件数では,誤飲は若年層に多く,誤嚥は後期高齢者でもっとも多かった.傷病程度は誤飲,誤嚥事故とも軽症がもっとも多かった.しかし,誤嚥事故の中には,誤飲事故ではみられなかった重症や死亡例が認められた.覚知時刻は,誤飲事故のもっとも多く発生したのは20 時台で,誤嚥事故は12 時台であった.原因物質は,誤飲事故でもっとも多かったのは薬品で,誤嚥事故ではパンであった.</p><p>【考察】それぞれの食事形態や食べ物の特性を理解して食べることは,窒息を防止する効果的な方法である.また,家族との同居の場合には,家族に救急システムの指導をおこなうことや,窒息を解除する方法を指導するなどの啓発活動の重要性が示唆された.</p>
著者
田中 通泰
出版者
日経BP社
雑誌
日経情報ストラテジ- (ISSN:09175342)
巻号頁・発行日
vol.20, no.8, pp.18-22, 2011-09

米菓で国内トップシェアを握る亀田製菓は、「亀田の柿の種」や「ハッピーターン」など主力8商品に経営資源を集中させる戦略が奏功し、売り上げを拡大している。田中通泰社長は「おかしのことでケンカしよう」というスローガンを掲げて従業員の意識改革を促し、健康志向で市場拡大が見込まれる米国など海外市場を攻略する。
著者
上田 泰之 田中 洋 亀田 淳 立花 孝 乾 浩明 信原 克哉
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.101-108, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
28

【目的】投球動作中の肩関節離開力,前後および上下方向の力学的ストレスに影響を与える因子を明らかにすること。【方法】対象は野球選手81 名。肩関節最大離開力・前方・上方関節間力を従属変数とし,肩関節,体幹,骨盤に関する因子27 個を独立変数とした重回帰分析を行った。【結果】肩関節離開力を従属変数とした場合,ボール・リリースでの肩関節水平内転角度,体幹回旋角度など6 個の因子が選択された。肩関節前方関節間力を従属変数とした場合,非投球側足部接地での肩関節水平外転角度と肩関節水平外転トルクの因子が選ばれた。肩関節上方関節間力を従属変数とした場合,肩関節最大外旋位での肩関節外旋トルク,ボール・リリースでの肩関節外転トルクなど7 個の因子が選択された。【結論】肩関節離開力に影響する因子は報告されていたが,本研究では肩関節前方・上方関節間力についても検討した。その結果各々の力学的ストレスに対し影響する因子は異なることが示された。
著者
壷井 章克 岡 志郎 田中 信治 齋藤 宏章 松田 知己 青木 智則 山田 篤生 多田 智裕
出版者
日本小腸学会
雑誌
日本小腸学会学術集会プログラム・抄録集 (ISSN:24342912)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.30_2, 2019

<p>【目的】 小腸angioectasiaの取り扱いとAI(artificial intelligence)による小腸angioectasiaの検出能について当科の治療成績から検討した。</p><p>【方法】 検討1)2007年8月~2018年3月に当科でCEかつ/またはダブルバルーン内視鏡にて小腸angioectasiaと診断(適応病変は治療)し1年以上経過観察した91例194病変を対象とした。検討2)CE画像を使用し、deep learningを用いて教育したconvolutional neural network(CNN)のangioectasiaに対する検出能を検討した。</p><p>【結果】 検討1)Type 1a(oozingなし)41例は全て無治療経過観察、Type 1a(oozingあり)17例とType 1b 33例はpolidocanol局注法主体の内視鏡治療を施行した。小腸angioectasia多発が再出血の有意な因子であったが、無治療経過観察群に再出血を認めなかった。検討2)2,237枚のangioectasiaの静止画で教育したCNNを用いて、正常画像10,000枚と488枚のangioectasiaで検出能を評価し、感度98.8%、特異度99.1%、陽性的中率84.3%、陰性的中率99.9%であった。読影時間は323秒であった。</p><p>【結論】 小腸angioectasiaのうちType 1a(oozingなし)は無治療経過観察で問題なく、AIはCE読影の負担軽減に寄与すると考えられた。</p>
著者
福間 愛富 土田 修平 西山 奈津美 田中 真一 工藤 亮 幸田 健介 益子 宗 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.313-321, 2021-08-23

新型コロナウイルスの感染拡大で,イベント終了時の混雑緩和は重要な課題となった.本研究では,スマートフォンアプリケーションを通じたイベント終了後の情報提示などによって,無意識での帰宅分散の実現を目指す.そのための事前調査として,スポーツイベント参加者の帰宅行動分析を行い,その結果を踏まえて情報提示用アプリケーション設計指針の策定,提案アプリケーションのデザインを行った.
著者
福間 愛富 土田 修平 西山 奈津美 田中 真一 工藤 亮 幸田 健介 益子 宗 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.305-312, 2021-08-23

新型コロナウイルスの感染拡大で,イベント終了時の混雑緩和は重要な課題となった.本研究では,スマートフォンアプリケーションを通じたイベント終了後の情報提示などによって,無意識での帰宅分散の実現を目指す.そのための事前調査として,コロナ禍におけるリアルイベント参加者に対するアンケート調査を行い,帰宅分散実現に必要な要素の検討を行った.
著者
田中丸 治哉 エラミン カリド アリ エルタイブ 多田 明夫 鳥井 清司
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, 2017

洪水灌漑(spate irrigation)は,季節河川における雨季の洪水を堰と水路によって圃場に導水する伝統的な灌漑方法である.本報告では,スーダン東部に位置するガッシュデルタの洪水灌漑地区を研究対象としている.まず,衛星リモートセンシングに基づくエネルギー収支法(SEBAL)を適用し,洪水灌漑圃場における蒸発散量の空間分布を推定した.その結果,灌漑圃場内で蒸発散量が大きく変動することが示された.次いで,DEMによる地形解析によって,地表の凹凸の程度を表す地形指標が計算された.灌漑期間中の総蒸発散量の標準偏差と地形指標の関係を調べたところ,地表面の凹凸が激しい圃場ほど蒸発散量の変動が大きく,水供給の不均一が生じやすいことが示された.
著者
田中丸 治哉 カリド アリ エルタイブ エラミン 多田 明夫 鳥井 清司 バシール モハメド アハメド アダム アラヤ ゼライ ゲブラムラク
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会誌 (ISSN:18822770)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.781-784,a3, 2016

<p>洪水灌漑(spate irrigation)は,季節河川における雨季の洪水を水路によって圃場に導水する灌漑方法であり,中東やアフリカなどの乾燥・半乾燥地域で古くから利用されてきた。本報では,大規模な洪水灌漑プロジェクトが実施されているスーダン東部のガッシュデルタを対象として,衛星リモートセンシングに基づくエネルギー収支法(SEBAL)を適用し,洪水灌漑圃場(耕作ミスガ)における蒸発散量の空間分布を推定した。さらに,その結果に基づいて,同じ耕作ミスガ内でも場所によって水供給量が異なり,蒸発散量がかなり変動すること,地表面の凹凸が激しい耕作ミスガほど,水供給の不均一が生じやすいことを示した。</p>
著者
藤原 洋一 田中丸 治哉 多田 明夫 アダム バシール エラミン カリド
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.31, 2018

スーダン・ガッシュデルタ洪水灌漑地区を対象として、Landsat8画像によって年毎の土地利用(耕作、非耕作、潅木、水体、湿地)を推定した。さらに、作付けパターンの空間的および灌漑ブロック毎の特徴、休閑ローテーションの空間的および灌漑ブロック毎の特徴を調べた。その結果、植生指標にはNDVI、水指標にはNDWIgs1の時系列データを用いることによって、土地利用分類が良好に行えた(正解率94%)。耕作面積は一定ではなく年によって大きく変動し、耕作地面積の変動係数は最上流灌漑ブロック(カッサラ)で最も小さく、下流灌漑ブロックで大きくなる傾向が見られた。休閑ローテーションのパターンを分析したところ、上流の2灌漑ブロック(カッサラ、メカリ)は耕作と休閑を交互に行う2年ローテーションの割合が多いことが分かった。一方、下流の2灌漑ブロック(メタテイブ、ハダリヤ)では、2年間の休閑を行う3年ローテーションが主流であることが示された。
著者
田中 理久 島田 良 石川 仁憲 小峯 力
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.I_1019-I_1024, 2020 (Released:2020-09-28)
参考文献数
9

全国約200箇所の海水浴場におけるレスキューは2,000~3,000件/年であり,毎年多くの溺水事故が発生していることから,ライフセーバーには重大な事故に繋がる前の迅速な救助が求められる.しかしながら,繁忙期は,数万人の利用者に対して数十人のライフセーバーで活動を行っていることから,すべての溺水に対して迅速な救助は難しい.一方,近年はAIを活用した技術開発が進んでおり,AIが溺水者を自動検知することができれば,監視体制の強化に繋がると考えられる.そこで,本研究では,溺水者を自動検知するAIの開発を試みた.AIモデルにはYOLOv3を用いた.教師データには室内,屋外,海水浴場の3箇所の計12,326枚の画像データを用いた.AIによる溺水者の検知精度を評価した結果,F値は0.7~0.9程度であり,AIによる溺水者検知の可能性を示すことができた.
著者
田中 英一郎 池原 忠明 瀬戸口 隼 森 崇 三枝 省三 弓削 類
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
機素潤滑設計部門講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.43-46, 2012

We developed a new whole body motion support type mobile suit. This suit can be used separately for supporting the upper and/or lower limbs, for assisting ADL (Activities of Daily Living). We also developed a mobile lifter system which can bear both the equipped person and the suit. This suit and the lifter can be used by motor palsy patients suffering from stroke, spinal-cord-injury, and central nerve disorders. Using this device, these patients can recover normal gait with no risk of falling. In this paper, the brain activity during walking using the suit and normal gait without the suit are compared. According to multiple trials with the suit, the activity of the premotor area decreased. In addition, by walking while swinging bilateral arms (even though these arms were assisted by the suit), the activity in the supplementary motor area increased (this area of the brain is related with memory of motion). Finally, the brain activity during walking on the treadmill and in the sightly long corridor are compared. From the result of this experiment, it is effective for gait training to walk with locomotion, because of the improvement the motivation for training. We can conclude that this suit is suitable to assist patients in walking. Therefore it is important for patients to swing their arms during gait training in rehabilitation.