著者
竹内 将俊 田村 正人
出版者
家屋害虫研究会
雑誌
家屋害虫
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.122-126, 1993

1)東京都世田谷区の大学キャンパス内で,チャコウラナメクジの発生経過と日周活動について野外調査を行った。2)発生量は,大型個体,小型個体とも5,6月が最も多く,夏期にはほとんど出現しなかった。また,大型個体は冬期にも活動し,産卵も認められた。3)活動時刻は日没から明け方まで続き,湿度が高い時は活動時刻に明瞭なピークはなかった。4)家屋への侵入と関連して,建造物の壁面や樹木の幹を這っていた個体の割合は季節的には春期と秋期に多く,時間的には終夜観察された。
著者
野田 政樹 山下 照仁 二藤 彰 田村 正人 川口 奈奈子
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

本基盤研究においては、骨粗鬆症の病態生理学の基礎となる骨芽細胞・破骨細胞の研究を展開した.その結果、本研究による現在までの骨吸収に関する研究領域の成果としては,カルシウム向性制御因子である副甲状腺ホルモン、ビタミンDやTGFβを含むホルモンおよびサイトカインによって制御されるオステオポンチンのノックアウトマウスを作成し(Journal of Bone and Mineral Research,1998)、このマウスにおいては、閉経後骨粗鬆症モデルを作成すると、骨吸収が明らかに抑制されることから、オステオポンチンが骨粗鬆症の成立の上で重要な促進的役割を持つ分子であることを発見した(Proceedings of the National Academy of Sciences U.S.A.,1999).更に、骨形成領域の研究の成果としては,骨芽細胞機能の制御の分子機構を解析し、新しいBMP制御分子TOBが、特異的に成体の動物の加齢後期において骨の形成の制御に関わることをin vivoで明らかにし(Cell,2000)、Smadの下流におけるCbfaの発現制御の機構(Journal of Biological Chemistry(JBC)1998)、ビタミンDによる抑制性の転写制御因子Idの発現阻害のメカニズム(JBC,1997a)、helix-loop-helix型転写因子Scleraxisの機能の制御(JBC,1997b)、骨・軟骨系の分化に際してのHMG型の転写因子の制御メカニズム(JBC,2000)を発見した。骨粗鬆症において重要な上記のような骨吸収および骨形成に関わる破骨細胞ならびに骨芽細胞の機能の平衡維持のメカニズムの研究領域の成果としては、老化に関わる制御分子、Klothoの機能(Endocrinology,2000;Journal of Endocrinology,2000)、ウィルスの発現系によるKlothoの遺伝子の制御機構(Journal of Gene Medicine,2000)を解明した。さらに本研究の成果として、この重力などのメカニカルストレスがオステオポンチンとKlotho遺伝子がを介する制御(Journal of Experimental Medicine,2001)(Journalof Endocrinology,2001を明らかにした。本基盤研究A(2)の遂行により、骨粗鬆症においてて骨形成・吸収・平衡バランスと老化の3つの主要な局面において中枢的な役割を持つ遺伝子を現在までの研究で解明し、個々の遺伝子の機能の解析に成果を上げた(英文原著39件,国際学会発表57件,受賞13件)。
著者
相良 慎一 壇上 孝博 田村 正和
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2002, 2002

著者らは, これまでにベースにアクチュエータを搭載した水平駆動式の浮遊型2リンク水中ロボットマニピュレータに対して, 動力学モデルの導出および制御系の構成を行い, 計算機シミュレーションによりそれら有効性を確認している。ここでは, ベースにスラスタを有する水平駆動式の浮遊型2リンク水中ロボットマニピュレータを試作し, 分解加速度制御系を構成して手先位置およびベース位置・姿勢の制御実験を行い, 構成した制御系の有効性を示す。
著者
田村 正秀 三好 正浩 工藤 伸一 吉澄 志麿 伊木 繁雄 沢田 春美
出版者
北海道立衛生研究所
巻号頁・発行日
2002-11-29

北海道では、道内の各保健所を窓口とするHIV抗体検査について、道立衛生研究所が週一回まとめて検査を実施している。検査結果の告知は、検体の送付及び確認検査に要する日数を考慮して採決の2週間後に行っているが、検査依頼者にとっては待機日数が長く心理的負担が大きい。そこで、簡便かつ短時間で血液中におけるHIV抗体の有無が判定できるイムノクロマトグラフィー法を応用したHIV抗体迅速診断キットが、即日告知をふまえた検査手法として保健所への導入が可能であるかを検討し、その結果を報告した。
著者
中島 愛子 田村 正人
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.134-137, 2004-06-15
著者
田村 正人
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.25-36, 2002-07-30
参考文献数
39
被引用文献数
1

本稿は1940~1952年の農村に於ける伝統的な家屋害虫の防除法,とくに土用干し,ハエ(蝿),カ(蚊)およびネズミ(鼠)の駆除法に対してIPMの光を当てることを目的として総括した.人と昆虫との関わりは古く広く深いので,生活の向上と安定化の歴史は「文化」を生んだものと考えられるので,語源や由来についても若干の考察を試みた.また本学会では,過去5年間「家屋害虫のモニタリング」を年次大会のメーンテーマに連続とり上げているので,ネズミのモニタリングについて,ラットサインによる生息の確認と,記号放逐法や捕殺除去法による個体数の推定を,わかり易く解説した.モニタリングによって防除の要・不要を判断し,さらには防除効果の評価も可能となる.
著者
宮田 等 川崎 健夫 小野 裕明 田村 正明 鈴木 崇民 山口 容史 渡辺 みのり 勝亦 正明 VEQUIZO Reynaldo M. JACOSALEM Editha P.
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

原子炉ではウラン燃料が消費されると共にプルトニウムが生成される。危険なプルトニウムの量をモニターできる原子炉ニュートリノ検出器の開発をGd含有新型プラスチックシンチレータを用いて行った。 Am241/Be線源からのガンマ線,中性子をニュートリノ疑似信号として用い,82kgのプロトタイプ検出器の性能を評価した。得られた実験データを基に,Geant4シミュレーションによって1トンの原子炉モニターの性能について評価した。熱出力3GWの原子炉の燃料交換前後でのプルトニウム量に関して、11日間の測定で6% の燃料(プルトニウム90kg相当)の取り出しを2σの有意度で確認できるという結果を得た。
著者
岩月 和彦 那須 裕 野坂 俊弥 岩崎 朗子 御子柴 裕子 本田 智子 楊箸 隆哉 奥野 茂代 田村 正枝 山田 幸宏
出版者
長野県看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

水中運動参加者の中で,生活習慣病を有する高齢者(高血圧症,高脂血症,糖尿病)と,生活習慣病を持たない高齢者の血圧,心拍数の3年間における変化を比較検討した.その結果,高血圧症を有する高齢者では,収縮期圧は140台、拡張期圧は80前後、心拍は73から76の間で保たれ、3年間安定しており服薬による血圧コントロールが適切に行われた場合,血圧及び心拍の上昇は見られなかった.「生活習慣病を持たない高齢者」の血圧、心拍数の平均値の3年間の推移です。高血圧症群と比べますと、収縮期圧が10ほど低く130台の値を示しています。拡張期圧は先ほどと同様で80前後でした。心拍は73から76の間で保たれていました。「高脂血症を有する高齢者」の血圧と心拍数は、生活習病を持たない高齢者と同様に、血圧、心拍とも正常値の範囲内で安定しています。「糖尿病を有する高齢者」は、こちらも同様に、3年問を通して、血圧、心拍とも正常値内で保たれていました。健脚度の「最大一歩幅」は、「高血圧症を有する高齢者」、「高脂血症を有する高齢者」、「高脂血症を有する高齢者」「生活習慣病を持たない高齢者」ともに、平成17年4月の時点で年齢相応の平均値より高く、移動能力のレベルが高いことが確認されますが、水中運動継続3年後には、両群ともに、さらに向上する傾向が認められました。「10m全力歩行」は、「高血圧症を有する高齢者」も、「生活習慣病を持たない高齢者」も、5秒前後の値であり、年齢相応の平均値よりも値が小さく、つまり早く歩けること、それも、3年間の年齢の増加に関わらず、3年後にはさらに値が小さく、「歩く」移動能力の向上が見られます。以上の結果、65歳以上を対象とした生活習慣病を有する高齢者の水中運動の継続による身体面への影響を検討した結果、生活習慣病を有する高齢者の血圧及び心拍に水中運動による悪影響は認められず、生活習慣病を持たない高齢者と同様に、下肢筋力や柔軟性が改善され、維持される傾向が認められました。
著者
保田 健二 田口 正 田村 正平 戸田 昭三
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.442-445, 1977-07-05
被引用文献数
2

テフロン・ポーラス・フィルムを用いた小型の抽出装置を考案し,生体試料中のセレンをDDTCで四塩化炭素又はシクロヘキサン中に抽出して,炭素炉原子吸光法で定量した.生体試料の湿式灰化には硝酸と過酸化水素水を使用し,セレン(VI)の還元には濃塩酸を用いた.本法の検量線は0〜40ng/mlで良好な直線性を示し,1%吸光感度は,.0.9ng/ml,検出限界は4.0ng/ml,抽出操作を含めた測定の変動係数は約9%であった.本法をNBSの標準試料とIAEAモナコ海洋研究所より研究室間分析のために供試されたカキの粉末に適用し,それぞれ良好な結果が得られたので,フトツノザメの筋肉中のセレンを定量してみたところ,0.28μg/g(湿重量当たり)という値が得られた.
著者
向山 雅夫 ROY Larke 崔 相鐵 田村 正紀
出版者
流通科学大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

平成13年度および平成14年度においては、1.小売企業のグローバル化を分析するための独自のフレームワークを作成した上で、2.欧州企業はどのような戦略によってグローバル化を実現しているのか、3.なにゆえにそのような戦略展開が可能になるのか、その際の鍵概念は何か、を明らかにした。明らかになったことはおよそ以下のごとくである。1.小売企業のグローバル化を、従来のように「参入動機分析・参入手段・参入状況に関する構造分析・その成果」をばらばらに分析するのではなく、グローバル化行動をプロセスとしてとらえる必要性を提示し、そのための分析枠組みを構築した。2.この枠組みにしたがって、欧州を代表する企業のグローバル戦略を分析し、主としてケーススタディによって、各企業がグローバル展開できた鍵要因を抽出した。それらは次のような要因であった。(1)戦略哲学の変更(2)ブランド管理(3)生産性概念の拡張(4)付加価値チェーン重視(5)新市場への参入(6)業態革新平成15年および16年度においては、1.業態は各国市場間でどのように変容しているのか、2.技術移転の視点から業態変容を分析するための枠組みはどのようなものか、を明らかにすることを目的として、業態実態調査を実施した。明らかになったことはおよそ以下のごとくである。1.調査対象2企業、対象国6カ国での実態調査の結果、業態には各国間および各企業間で大きな差異が存在することが明らかになった。従来の業態概念は、これらの市場間差異を説明する概念としては不完全であり、新たな概念として「Formula」を提起した。2.Formulaは、小売企業による「事前適応-事後適応」行動によって生み出される。グローバル経験を元にして海外進出に先立って市場適応し、さらに現地での知見を加えてさらなる適応行動を繰り返し、それが結果的にFormula差異を生むことになる。流通技術は、この事前適応および事後適応プロセスにおいて移転される。
著者
田村 正人 梨本 正之 石崎 明
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,未分化な筋芽細胞株であるC2C12細胞にcanonicalなWntとして知られるWnt3aならびにnon-canonicalなWntであるWnt5aを過剰発現させた細胞株を作製した.C2C12細胞では,骨基質タンパク質の一つであるMEPEを産生していないが,Wnt3a-C2C12細胞ではBMP-2によってMEPEやMMP-13の発現が大幅に誘導された.これらの結果から,骨芽細胞の分化においてWntとBMP-2の2つのシグナルが協調して特異的に骨基質タンパク質やMMPの発現を調節していることが明らかになった.次に,骨芽細胞分化においてWntとBMP-2の2つのシグナルの間でどのように調節しているのか検討した.canonical WntシグナルがBMP-2の誘導するId1 mRNAの発現を調節することを見出した.また,BMP-2はC2C12細胞の筋管形成を抑制するが,Wnt3a-C2C12細胞ではこのBMP-2の筋分化抑制作用が低下していた.すなわち,WntとBMP-2の2つのシグナルの間にクロストークがあることがわかった.さらに,Wnt3aによりOPG濃度は著しく増大した.一方,RANKLの発現はWnt/β-catenin及びBMP-2いずれによっても抑制された.活性型β-catenin応答領域を特定するために-253までの領域の4つのLef/Tcf1認識候補部位の変異レポーターコンストラクトを作製した.転写活性の検討ならびにクロマチンIP法を用いた結合因子の同定を行った.以上の研究からWnt/β-cateninシグナルの標的遺伝子としてOPGを同定し,転写活性化機構の詳細を明らかにした.骨芽細胞においてWnt/β-cateninシグナルとBMPシグナルが協調してOPGを介した破骨細胞の分化と機能を調節している可能性が示された.
著者
田村 正統 益子 貴史 徳田 恵一 小林 隆夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.545-553, 2002-04-01
被引用文献数
19

本論文では,不特定話者の音声合成単位である"平均声"モデルから,任意話者の特徴をもつ音声を合成する手法を提案する.提案手法は,HMMに基づくテキスト音声合成システムに基づいている.HMMに基づく音声合成システムでは,多空間上の確率分布(MSD)に基づくHMMを用いてスペクトル及びピッチパラメータを同時にモデル化しており,HMMのパラメータを適切に変換することにより合成音声の声質や韻律特徴を変換できる.本論文では,MLLRアルゴリズムをMSD-HMMに拡張し,ピッチ及びスペクトルモデルの話者適応を行うことにより,目標話者の少量の文章を用いて,声質のみでなく韻律情報も適応できることを示す.主観評価試験により,ピッチ及びスペクトルを同時に話者適応することにより,平均声モデルを数文章で適応したモデルから,特定話者モデルからの合成音声に近い音声を合成できることを示した.
著者
新田 恒雄 神尾 広幸 雨宮 美香 松浦 博 内山 ありさ 田村 正文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.73, pp.29-34, 1995-07-20
被引用文献数
8

マルチモーダルUI (U)の設計?評価を短期間に行うラピッドプロトタイピング開発環境について述べる。開発環境は、MUI設計支援エディタMuse、UIScript変換、およびマルチモーダル対話プラットホームMultiksDialのツール群からなり、Museで作成したMUIを中間言語(IScrip)を介してcode?dataに変換した後、マルチモーダル対話プラットホームMultiksDialの上で実際に操作・評価することができる。Museでは各UI?Object(ボタン/音声認識/センサなどの入力オブジェクト,イメージ部品/テキスト部品/録音合成/規則合成などの出力オブジェクト)のプロパティ設定をdialogue boxを利用して簡単に行えるようになっている。ラピッドプロトタイピング開発環境の整備により、様々なタスクを対象に短期間にMUIを試作・評価することが可能である。In recent years, we have developed various types of multimodal dialogue systems, including a ticket vendor, an ATM, and an information kiosk. Because the designing of multimodal user-interface (MUI) is more complicated than that of existing UI based on graphical UI (GUI) and has not obtained its regular method yet, the development of a multimodal dialogue system requires a long span of time. Through the experience on iterative design of the above mentioned applications, we came to think of the importance of the rapid-prototyping of multimodal dialogue systems for collecting data systematically over various types of application areas. In this paper, we describe a platform of multimodal dialogue systems and rapid-prototyping by using a multimodal UI design support tool with which system developers can design panels, set properties of input/output channels, describe plan-goal scenarios, and evaluate multi modal UI easily.