著者
高島 雅弘 趙 大鵬 柳原 健太郎 福井 潔 福永 茂 原 晋介 北山 研一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.5, pp.742-750, 2006-05-01
被引用文献数
40

本論文では,IEEE802.15.4を用いたセンサネットワークにおいて,実環境における無線伝搬特性を確率モデル化し,そのモデルを用いた最ゆう法によりノードの位置を推定する手法を提案する.また,室内での実測から得られた確率モデルを用いたシミュレーション及び位置推定実験による性能評価を行い,提案手法が室内でのマンロケーション管理に有効であることを示す.
著者
初岡 昌憲 恩田 康平 保尾 謙三 竹内 摂 福井 優樹 善入 寛仁 加茂野 太郎 井上 昌孝 山本 一世
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.281-295, 2010-06-30
被引用文献数
1

現在の歯科臨床の場には,MMA系レジンセメントやコンポジット系レジンセメント,セルフアドヒーシブレジンセメントといったさまざまなレジンセメントが存在する.今回われわれは,さまざまなレジンセメントのエナメル質,象牙質,12%金銀パラジウム合金(以後,金銀パラジウム合金)およびセラミックに対する引張接着強さを測定し,レジンセメントの接着性について検討を行った.実験には,MMA系レジンセメントとしてスーパーボンドC&B^[○!R](サンメディカル)およびマルチボンドII(トクヤマデンタル)を使用し,コンポジット系レジンセメントとしてレジセム(松風)およびパナビア^[○!R]F2.0(クラレメディカル)を,前処理を行わないセルフアドヒーシブレジンセメントとしてクリアフィル^[○!R]SAルーティング(クラレメディカル)およびリライエックス^<TM>ユニセムクリッカー^<TM>(3M ESPE),マックスセム(Kerr)を使用した.ウシ抜去歯に#600の耐水研磨紙を用いてエナメル質および象牙質平坦面を作製し,エナメル質および象牙質被着面とした.金銀パラジウム合金にサンドブラスト処理(0.5MPa)を行い金銀パラジウム合金被着面とし,セラミックブロックにサンドブラスト処理(0.3MPa)を行いセラミック被着面とした.被着面積は直径3mmに規定した.クリアフィル^[○!R]CRインレー(シェードXL,クラレメディカル)をテフロンモールドに填塞,硬化させCRブロックを作製した.それぞれのレジンセメントの製造者指示に従い,各被着面に対しCRブロックを接着させた.接着後24時間37℃水中保管した後,万能試験機(IM-20,Intesco)を用いてクロスヘッドスピード0.3mm/minにて接着強さを測定した.各被着面につき8試料とした.なお統計処理は,一元配置分散分析およびTukeyの検定を行った(α=0.05).前処理を行うMMA系およびコンポジット系レジンセメントは,セルフアドヒーシブレジンセメントよりもエナメル質および象牙質,金銀パラジウム合金,セラミック被着面に対する引張接着強さが有意に高い傾向が認められた.セルフアドヒーシブレジンセメントは前処理を必要としないため使いやすい材料であるが,前処理を行うレジンセメントよりも各種被着面に対する接着性が低下することが懸念される.
著者
藤本 真記子 坂江 千寿子 佐藤 真由美 上泉 和子 角濱 春美 福井 幸子 木村 恵美子 小山 敦代 杉若 裕子 秋庭 由佳
出版者
青森県立保健大学
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.321-329, 2005-12-28

看護における新しい考え方、方法の普及速度に差が見られることから、普及に関する影響要因を検討する目的で、全国47都道府県から規模別に抽出し、調査協力が得られた141施設の看護部責任者及び各施設10名のスタッフに質問紙調査を行った。看護部責任者、スタッフそれぞれに質問紙を作成し、個人の属性、施設の状況に加え、革新性(知的興味、上司の姿勢など普及に影響すると考えられるもの)に関する質問に4段階の尺度で回答を得、返送された看護部責任者の有効回答124部、ナースの有効回答886部を対象に、属性と革新性との関係を分析した。その結果、看護部責任者で、「新しいことを取り入れ広める時、チームや委員会を組織する」「リーダークラスの看護師に根拠を説明する」「学会や看護協会などの情報を活用する」などで平均得点が高く、「降格人事をしている」が低かった。スタッフは、「研修の参加者は、内容を伝達し広める使命がある」「病棟では協力体制がある」「病棟責任者は積極的に研修を勧める」などで、低い項目は、「新しいことを取り入れるのは提案者が誰かによる」「新しいものを受け入れにくい理由として『時間がとれない』『面倒だ』と感じることがある」「病棟責任者は『トラブルは引き受けるから』という姿勢である」などであった。属性との関係では、「研修伝達の使命感」は、学会・研修参加回数、講読雑誌数が多い群が高く、20代が低かった。「面倒、時間がない」は、高い年代の群がやや高かったが、全体として低い点数であり、研修伝達と同様、看護者としての使命感が強く自覚されているのではないかと考えられた。学会・研修会、雑誌など、情報へのアクセスと革新性の関連が確認でき、これを普及にうまく活用していくことの重要性が示唆された。
著者
福井 博泰 新庄 エルサ-マルガリータ 梁川 良
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.177-186, 1980-04-25

レプトスピラの抗原変異株を家畜から分離しようとして, Leptospira interrogans血清型canicolaを子犬に, pomonaをSPF豚に接種し, 血液および腎臓をhomologousな免疫血清を加えた寒天平板に培養した. 2〜4週後に寒天上に発育したコロニーを, 大, 中および小型コロニーに区分し, それぞれいくつかずつを無作為に単離し, 沈降素吸収試験によるスクリーニングでその抗原性を親株と比較した. Canicolaの抗原変異株は感染犬10頭中7頭の血液および7頭中3頭の腎臓から得られた. 変異株は血液および腎臓由来の大型コロニーに多数, また血液由来の中および小型コロニーに少数認められた. 変異株は接種菌液からも分離されたが, 感染犬血液からはそれよりも有意に高い割合で分離された。他方pomonaの抗原変異株は感染豚5頭中2頭の血液のみにおいて小型コロニーに認められた. 大型コロニーは豚からは出現しなかった. 変異株は接種菌液からも分離されたが感染豚血液からはそれより有意に高い割合で分離された. 変異株の抗原性は交差凝集素吸収試験などによっても親株とは明らかに異なり, 同じ株由来の変異株はその抗原性が互いに類似した. 以上の結果は, 用いられた株には少数の抗原変異株が含まれており, その割合は実験感染後3〜7日目の犬や豚の血液において有意に上昇したことを示している.
著者
芝崎 靖代 福井 美佳 竹林 洋一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.17-18, 1995-09-20
被引用文献数
1

電子メール、Net-News、電子掲示板(chat)など、ネットワークを介した言語情報によるコミュニケーションが活発になってきた。言語情報には情報の蓄積、加工、編集などの利点があるが、電話やface-to-faceの対話と異なり実時間やインタラクティヴ性に乏しく、音声のイントネーションや表情などを通じて相手の感情を推察できないという問題がある。感情に関する研究は心理学や認知科学の分野で行われているが、実システムの構築例は少ない。従来の研究には、物語の記述から登場人物の感情を認識する試みや、計算機との音声対話における非言語音声からユーザの感情を抽出する試みがあるが、キーボードを介した自然言語情報による対話からのユーザ感情の抽出はなされていない。本稿では、まず、chatにおけるキーボード対話の例を収集し感情表現を解析した結果について述べる。次に、解析結果から特定した感情を用いて構築したシステムについて述べる。
著者
光藤 健司 藤内 祝 不破 信和 古谷 和久 西口 浩明 福井 敬文 山本 憲幸 杉村 友隆 斎藤 昌樹 上田 実
出版者
Japan Society for Head and Neck Cancer
雑誌
頭頸部癌/ 日本頭頸部癌学会 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.93-97, 2006-03-25
被引用文献数
13 11

口腔癌の治療において浅側頭動脈からの超選択的動注法は放射線療法との連日の同時併用が可能となった。この方法を口腔癌の治療体系に組み入れ,治療効果について検討してきた。超選択的動注法を用いた連日同時放射線化学療法をStage III,IVの口腔癌症例に対して術前治療として行い,摘出した原発巣について病理検索したところ約90%という高いCR率を認めた。そこでわれわれはStage III,IV口腔癌に対して原発巣の手術が回避される可能性について検討した。治療スケジュールとして,動注化学療法(DOC 60mg/m<SUP>2</SUP>,CDDP 100mg/m<SUP>2</SUP>)および放射線治療〔40Gy(2Gy/日)〕を4週間の連日同時併用療法を行い,臨床的にCRと診断した15症例には放射線,超選択的動注化学療法を続行した。その結果,13例(87%)については再発を認めず,2例(13%)は局所の再発を認めた。15例中12例(80%)が生存,3例(20%)が死亡(2例が遠隔転移,1例が原病死)した。この治療法は臓器温存が可能となり,機能障害も少なく,患者のQOLの向上に寄与する治療法と考えられる。
著者
福井 竜一 桂田 浩一 入部 百合絵 新田 恒雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.470, pp.513-518, 2010-03-08
参考文献数
11
被引用文献数
2

本報告では,Active Appearance Model (AAM)を利用した表情成分抽出と表情模倣を提案する.AAMは,顔の形状や輝度,照明状況などを複合的に表すパラメータ群からなる顔モデルである.パラメータを変動させることで様々な表情顔を合成できる.通常のAAMは複数人の顔画像から構築されるため,AAMパラメータには表情以外の顔成分も含まれるため,表情模倣には個人間で不変な表情モデルを取得する必要がある.そこで本報告では,まず特定の人物が様々な表情をみせたデータを収集し,これらを主成分分析することで表情成分を抽出する.次に,これを人共通の表情モデルとすることで表情模倣を実現し,試作システム構築とその評価結果を述べる.
著者
坂江 千寿子 秋庭 由佳 上泉 和子 佐藤 真由美 藤本 真記子 福井 幸子 木村 恵美子 角濱 春美 小山 敦代 杉若 裕子
出版者
青森県立保健大学
雑誌
青森県立保健大学雑誌 (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.341-348, 2005-12-28

看護師がイノベーションと認識し、かつ、研究的根拠が明白な看護技術の採用程度とその看護師が所属する看護部の組織的要因との関連性について探求することを目的に、病床数規模別に無作為抽出した看護部責任者141名、及び、各病院10名のスタッフナース計1410名を対象に調査した。スタッフには根拠のあるイノベーティブ看護技術22項目について、E.M.Rogersの普及決定過程における段階モデルを用い質問し採用度を算出した。責任者には、個人的特性の他、雇用状況、研修費用、病院の管理運営会議への参加、研修機会、情報収集の手段、地域交流、専門看護師の勤務形態等、24項目の組織特性を質問し、返送された127部(90.1%)中、有効回答124部、スタッフナースの有効回答886部を分析対象とした。その結果、イノベーティブ看護技術の採用度と看護部の組織特性の関連では、「専門看護師や認定看護師の配置」*、「病院機能評価をうけている」*、「教育・研究機関の併設」**、「院内教育プログラムやセミナーの公開」**、「院内情報ネットワークの整備」*、「文献検索手段としてのインターネットの利用」*、「院外研修の伝達共有の場」**の質問項目で、有意な関連が認められた。さらに、「看護部の意志決定を委員会に委譲することがある」*、「専門性の高い看護師の勤務形態の工夫」***という回答は、組織特性であると同時に、その組織特性を形成する責任者個人の特性としても解釈でき、改めて、看護部責任者の姿勢の重要性が明らかになった。*:p<0.05、**:p<0.01、***:p<0.001
著者
榎 敏明 高井 和之 福井 賢一 若林 克法 横田 泰之 木口 学 福井 賢一
出版者
東京工業大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2008

ナノグラフェンの電子状態は端の幾何学構造により大きく影響を受ける。この問題は、固体物理学からは、質量のない相対論的Dirac電子の境界条件の問題としてまた、化学の視点からは、Clarの芳香族則の問題として捉えることができる。本研究では、STM/STS、AFM、Raman効果、NEXAFS、磁気測定、電子輸送測定を通して、ジグザグ端構造では、局在非結合状態が発生し、この状態は端の化学構造にも大きな影響を受けること、アームチェア端構造では電子波の干渉が起こり、電子的安定化が起ることを実験的に解明した。
著者
下村 郁夫 福井 秀夫 久米 良昭 丸山 亜希子
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

建築基準法における建物の形態・容積・用途に関する規制は、一定の仕様に適合することを求める仕様規定である。仕様規程を、住環境影響やインフラなど建物性能に関する指標で直接制御する性能規程に置き換えることにより、より効率的な規制を実現できる。建物の形態に関する規制は、天空遮蔽率を用いた性能規定に代替できる。建物容積による影響のうち、建物形態がもたらす影響も、天空遮蔽率を用いた性能規定に代替できる。道路に対する負荷の影響は、自動車への混雑課金に代替できる。住居系地域における工場用途の仕様規定も、工場の騒音、臭気等の性能規定に代替できる。
著者
林 国郎 福井 雅男 上井 勲
出版者
公益社団法人日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:18842127)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1028, pp.165-170, 1981-04-01
被引用文献数
4

ワラストナイト結晶の転移温度以上で焼成されたワラストナイト磁器の誘電特性の劣化原因を究明するために行った実験結果は, 次のように要約される.<br>その劣化の原因が, ワラストナイトの結晶型によるものかを調べるために, 高純度のβ-, 及びα-CaO・SiO<sub>2</sub>を合成し, 分散法を用いて, 粉末状態で誘電率 (ε) と誘電正接 (tanδ) を測定したところ, β型では6.5, 及び4.2×10<sup>-4</sup>, α型では8.6, 及び5.0×10<sup>-4</sup>となり, 両者の特性にはほとんど差を認めることができなかった. 次に, ホットプレスによって得たち密焼結体により, 誘電特性を比較したところ, β型焼結体のε, 及びtanδは7.4, 及び3.9×10<sup>-4</sup>で, α型焼結体では8.4, 及び4.4×10<sup>-4</sup>となり, 結晶型による差はなく, このことが特性の劣化の原因でないことが分った.<br>そこで, 磁器の内部微細組織の観察を行った結果, 高温焼成において磁器中に生じたα型結晶と, ガラス質母相の熱膨張係数の差により, 冷却時に母相中に発生したと思われるクラックが, 誘電特性を劣化させる原因になったものと考えられる.