著者
平尾 和子 西岡 育 高橋 節子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.363-371, 1989-05-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
14

タピオカパールは, 調理に際して煮くずれしやすく, 芯が残りやすいなどの問題点があり, その加熱方法はむずかしい.透明感や歯ごたえがあり, 煮くずれが少なく, 芯のないタピオカパールを得るためのより簡便な加熱方法を知る目的で本実験を行った.加熱方法は, 湯煎による加熱の湯煎法と魔法瓶を用いるポット法について比較し, 顕微鏡観察, 物性測定および官能評価の結果から浸水効果や加熱方法を検討した.結果は次のとおりである.1) タピオカパールは, 加熱に際しての浸水効果は認められず, 浸水することなく, 直接ふりこんで加熱するほうが煮くずれしにくい結果となった.2) 加熱方法では, ポット法が湯煎法に比べて煮くずれせず, 弾力があり, 芯のない煮上がりとなるなど, 物性値においても, 官能評価においても最も好まれた. 魔法瓶を用いるポット法は, 加熱途中の攪拌や湯を補うなどの手間もかからず, しかも形状やテクスチャーのよいタピオカパールを得ることができるなど, 簡便かつ効果的な加熱方法と考えられる.3) 湯煎法のうち, 水にふり込んで加熱する水湯煎法は, 熱湯にふり込む熱湯湯煎法に比べて加熱時間が短縮され, とくに2時間加熱することにより, 透明で歯ごたえのある試料が得られた.

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著者
三橋時雄[著] 三橋節子画
出版者
洛味社
巻号頁・発行日
1975
著者
小川 節郎
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.31, no.7, pp.903-909, 2011 (Released:2011-12-13)
参考文献数
9

神経障害性疼痛はペインクリニック診療上,治療が困難な疼痛性疾患の一つである.その理由は疼痛の発生機序が複雑で,機序に見合った鎮痛薬や鎮痛の手段の選択が明確になっていないことがあげられる.本稿では,末梢の神経線維の状態,本症の末梢性疼痛機序に関し,異所性イオンチャネル,神経成長因子の関与,リゾホスファチジン酸の作用,エファプスの発生,アロディニアの発生機序,グリアの関与などにつき解説し,治療においては疼痛機序に見合った鎮痛法を選択することの重要性を強調した.また,近年,本症に対する薬物療法に注目が集まっているので,最近の情報についても解説した.
著者
宮澤 節生
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.7-35, 2013-10-15 (Released:2017-03-31)
被引用文献数
1

本稿の課題は,2003年以後のデータによって,(1)いくつかの外国について犯罪発生率と厳罰化の動向を検討し,(2)外国の研究者が2003年以後の日本の状況をどのように理解しているかを検討し,さらに(3)日本の刑事政策の近年の状況を私なりに検討することにある.(1)については,(1)主要犯罪全体についても,殺人事犯についても,フランス,ドイツ,イギリス,アメリカという主要先進国において発生率が共通に低下していること,(2)犯罪発生率低下の要因はアメリカについて最もよく検討されており,「警察力の増強」と「厳罰化による刑務所人口の増加」が主要原因として指摘されているが,カナダなど犯罪発生率が安定的に低い国々にはそのような要因が存在しないので,明確な結論は得られていないこと,(3)厳罰化政策がとられた国々では政策転換をめざす運動が展開されているが,その影響はまだ見られないことなどを明らかにした.(2)については,2000年以前の日本は犯罪発生率が例外的に低い先進国として関心を集めていたが,その後の発生率の増減に対しては研究関心が見られず,存在するのは,近年の厳罰化をポピュリズム刑事政策として理解する立場に対する批判であることを示し,それに対して反批判を行った.(3)については,新聞論調,犯罪被害者団体の活動,立法・法改正,死刑判決・死刑執行などの状況を検討して,いまなおポピュリズム刑事政策と性格付けうることを主張し,ありうる批判に対して反批判を試みた.
著者
田代 隆良 浦田 秀子 岩永 喜久子 辻 慶子 半澤 節子 鷹居 樹八子 宮原 春美 宮下 弘子 石原 和子
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学医学部保健学科紀要 (ISSN:09160841)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.51-55, 2003-06
被引用文献数
1

長崎大学医療技術短期大学部看護学科では,B型肝炎防止対策として平成2年度からHBs抗原・抗体の測定を実施し,平成10年度からはHBs抗原・抗体陰性者に対するB型肝炎ワクチン接種を行っている.平成2年度から13年度までの入学生932名のHBs抗原陽性率は0.54%,HBs抗体陽性率は1.82%であった.B型肝炎ワクチン接種は315名に行い,3回のワクチン接種による抗体獲得率は97.8%であった.抗体を獲得しなかった6名に追加接種を行い,4名がHBs抗体陽性となったが,抗体価は低かった.また,ワクチン接種後の経過を追跡した76名では,3年次に8名(10.5%)がHBs抗体陰性となった.Antigen and antibody tests for hepatitis B (HB) have been conducted from 1990 to 2001, and HB vaccination has been performed from 1998 to 2001 to the student nurses in School of Allied Medical Sciences, Nagasaki University. The overall positive rates of HBs antigen and HBs antibody were 0.54% and 1.82%, respectively, in 932 students. The seroconversion rates in 315 students who received 3 shots of HB vaccine, was 97.8%. Additional vaccine inoculation to nonresponders showed seroconversion in four of six, but HBs antibody titers were low. HBs antibody returned to negative in 8 (10.5%) of 76 at 3rd grade who acquired HBs antibody by vaccination at 1st grade.
著者
小野 芳朗 西寺 秀 中嶋 節子
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.77, no.676, pp.1513-1520, 2012-06-30 (Released:2012-07-27)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Biwako canal in Kyoto City was constructed in the period from 1885 to 1890 in order to supply water for irrigation systems and develop the utilization of water power, transportation by ship and so on. There were 2 routes on the canal, the one was the route in Ohtoh area beside eastern district of Kamo river for the transportation and later also for hydroelectric power, the other was the route of north-east area of Kyoto for the irrigation. The expropriation performance of the canal was discussed in this paper depended on the maps drawn in the construction and the cadastre on expropriation. The new city planning in the Ohtoh area, especially road networks along the canal was designed, and the canal route was determined to decrease flow rate and to choose the low cost expropriation.
著者
青柿 節子 黒沢 和子 藤木 澄子 吉松 藤子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.451-456, 1982

天ぷらを作る際に衣にしょうが汁を添加すると軽い好ましい衣ができるといわれているのでその理由を検討したところ次のような結果が得られた.<BR>1) 小麦粉のとき水に10%しょうが汁を添加した衣は放置時間に伴ってBL型粘度計による粘度, 揚げ種への付着量, テクスチュロメーターによる硬さ・付着性が低下した.<BR>2) 20分間放置した添加衣を光学顕微鏡により観察すると連続していたグルテンが小さく分散していることが認められた.<BR>3) 揚げ衣はしょうが汁添加後の放置時間の延長に伴って水と油の交代がよく行われた.無添加衣にはこのような傾向は認められなかった.<BR>4) 添加衣, 無添加衣を用いてさつまいもの天ぷらを作り, 官能検査をした結果, 添加衣を20分間放置したものが最も好まれた.<BR>5) しょうがからプロテアーゼを抽出精製して, その酵素液をグルテニン・グリアジンに作用させ, SDS-PAG電気泳動を行った結果, 5分間の反応により, グルテニンの分子量104,000, 84,000に相当するバンドおよびグリアジンの分子量46,000に相当するパンドが消失して低分子化していることが認められた.<BR>以上の結果より天ぷらの衣にしょうが汁を添加するとからりとした好ましい成績が得られることが明らかになった.また魚等の腿臭のある揚げ種にこの衣を用いると, しょうがの芳香も有効に働き, 効果的ではないかと考えられる.
著者
米虫 節夫
出版者
一般社団法人 GPI標準化委員会
雑誌
GPI Journal (ISSN:21893373)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.14, 2016 (Released:2019-01-31)

広島・長崎に対する原爆投下、ビキニ環礁における水爆実験による第五福竜丸事件、さらに東京電力福島原子力発電所の事故と4回も放射線の洗礼を受けた日本においては、国民の多くが強い放射線アレルギーを持っている。一方、火山に恵まれた日本の特性として温泉が各地に噴出し、温泉場における長期療養,特にラジウム温泉の効果は古くから認められている。 東京電力の事故以来、食品の放射線汚染が大きく取りざたされ、低線量の内部被曝が問題とされている。しかしながら、低線量の被曝については、まだ定まった定説がなく、いくつかの異なった説明がなされている。 その様な現状を概観し、低線量放射線の健康影響についての理論を見直すと共に、ラドン温泉である三朝温泉における最新の研究成果を紹介する。 最後に, これらを科学的にとけない不確実性問題・トランスサイエンスとして捉えることの大事さを提案する。
著者
桃井 節也
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲 (ISSN:09155805)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.458-459, 1995-06-25
著者
伊藤 節子
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.61-68, 2014-09-30 (Released:2017-04-01)

Kyoto is an international tourist city visited by 50 million people every year of tourists. Festival of the Middle Ages, which began in 1895 is up to date. While associated with the era Festival 1100 commemoration of the transmission in the middle of the period of the Heian era, I take into account to see the intention fundamental and (take the function of tourism that was used to "view" the word "sightseeing"). In addition, I tried to analyze changes in tourism that caused the change and the emergence of the Lord while comparing the citizens and organizations related to the management of age festival. Then, for the people in the face of the occurrence of these large design, the author revealed it.
著者
菊池 節子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.251-260, 1985

福島県を会津, 県北, 県南, 浜通りの4地区に分け, それぞれの中心都市の小・中学生を対象に豆腐摂取の実態を把握する目的で調査を行った。内容は, 小・中学生には豆腐の嗜好について, その家庭の調理担当者には豆腐料理, 喫食の理由ならびに頻度および購入方法などについて調査を行った。結果は次のとおりである。<br>1) 豆腐の嗜好は, 好きが, 小学生66.9%, 中学生38.0%, ふつうが, 小学生27.8%, 中学生53.4%, 嫌いが, 小学生5.3%, 中学生8.6%であり, 小学生に好きと答えた人が多く, 小・中学生間に危険率1%で有意差がみられた。小・中学生の好きな豆腐料理は, 味噌汁, 麻婆豆腐, 冷奴, 湯豆腐などである。<br>2) 調理担当者の作る豆腐料理は, 味噌汁, 湯豆腐, 冷奴, 麻婆豆腐で約85%を占め, 炒り豆腐, 煮物, 白和え, 揚げ出し豆腐は, それぞれ6%以下であった。<br>3) 豆腐喫食の理由は, 栄養があるが約50%を占め, 豆腐は栄養的にすぐれた食品であると認識されていることがわかった。次いでおいしい, 好き, 調理が簡単, 経済的などの理由があげられた。<br>4) 豆腐料理の喫食頻度は, 小学生の家庭では, 週2回27.6%, 週3回25.6%, 中学生の家庭では, 週2回29.9%, 週3回27.1%で, 平均すると週2.9回であった。<br>5) 豆腐の種類別嗜好は, 地区平均では, 木綿豆腐59.6%, 絹ごし豆腐39.2%であった。しかし会津地区では, 木綿豆腐26.6%, 絹ごし豆腐68.8%で, 他地区との間に危険率1%で有意差がみられた。その他県北と県南, 県南と浜通り間にも危険率1%で有意差がみられた。<br>6) 豆腐の購入先はいずれの地区でもスーパーマーケットからの購入がほとんどで, 豆腐屋からの購入は少ない。また購入店の指定については, いずれの地区も指定していない家庭が多い。<br>7) 現在の豆腐に対する要望は, 固さ, 大きさ, 形, 包装について, 今のままでよいが約80%であったが, 固さにおいてもっと固く, 形において料理別にほしいという要望があった。
著者
原田 節雄
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.136, no.4, pp.226-229, 2016

1.はじめに 1990年頃のことだ。国際標準化の世界に大きな異変が起きた。日米欧の各国が参加する国際標準化機構ISO(Organization for International Standardization)や国際電気標準会議IEC(International Electrotechnical Commission)の規格審議の場で,審議対象になる複数の類似
著者
坂井田 節 塩谷 栗夫 田中 稔治
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.44-49, 1987-01-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
16
被引用文献数
8 8

木酢液を主成分とする製剤が鶏の産卵成績や卵質におよぼす影響について検討した。本製剤は,広葉樹の樹皮や木片を乾留して得られる液体を精製したものに,コンフリーやセルラーゼ系酵素を添加し,この液体を4倍量の軟質炭素末に吸着させたものである。この製剤を1.5~2.0%飼料添加して産卵鶏に投与したところ,実験-1では産卵率が対照区より2.9%上回り,実験-2においては4.1~4.4%上回り,統計的にも1%水準で有意差を生じた。飼料要求率については,実験-1において対照区より0.06下回り,実験-2においては0.17~0.18下回り,統計的にも1%水準で有意な改善傾向が見られた。卵殼強度については,対照区2.84,投与区3.09となり,投与区が1%水準で有意に高い値を示した。卵白高,卵黄高,ハウユニットについては,当日卵では区間に差を生じなかったが,貯卵期間が長くなるのに伴って投与区のほうが高い値で推移する傾向を示した。このため区間および区×貯卵期間の相互作用項は1%水準で有意であった。これらの実験結果から本製剤の投与は,産卵成績や卵質について改善効果のあることが示唆された。