著者
菅 英輝
出版者
上智大学
雑誌
アメリカ・カナダ研究 (ISSN:09148035)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.43-74, 1989-10-30

レーガン政権時代にアメリカの軍備拡大がおこなわれたが, それは産軍複合勢力が意図的におしすすめた政策であった。政策を実行に移したのは, レーガン大統領のもとで高級官僚の地位にあった国防産業のにない手たちであった。実際に軍備拡大にあたっての調整をおこなったのは Committee on the Present Danger であったが, その努力の結果として合衆国に経済的利益があり安全保障上有利になるとされた。しかしながら, 軍備拡大の結果経済的利益があがったのは, 国防関連産業の集中する特定の限られた州においてである。長期的には, 国内経済全体としてはむしろ害が多く, たとえば, 財政赤字の拡大にみられるような経済運営の失敗, 経済活動の無駄, 技術開発の軍事化やゆがみ, さらには安全保障面での形勢の弱体化などが生じた。さらに, アメリカの軍拡は全世界の武器購入国のあいだに紛争を誘発させたり, 紛争そのものを長びかせることにつながった。日本自体もアメリカの軍備増強の影響下におかれている。最近のFSXをめぐる論議やココム論争は, その典型的な例であろう。
著者
初瀬 龍平 戸田 真紀子 市川 ひろみ 野田 岳人 池尾 靖志 堀 芳枝 宮脇 昇 妹尾 哲志 清水 耕介 松田 哲 杉浦 功一 杉木 明子 豊下 楢彦 柄谷 利恵子 菅 英輝 和田 賢治 森田 豊子 中村 友一 山口 治男 土佐 弘之 佐藤 史郎 上野 友也 岸野 浩一
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

本研究の目的は、戦後日本における国際関係論の誕生と発展を、内発性・土着性・自立性の視点から、先達の業績の精査を通じて、検証することにあった。研究成果の一部は、すでに内外の学会や公開講座などで報告しているが、その全体は、『日本における国際関係論の先達 -現代へのメッセージ-(仮)』(ナカニシヤ出版、2016年)として集大成、公開する準備を進めている。本書は、国際政治学(国際政治学、政治外交史)、国際関係論(権力政治を超える志向、平和研究、内発的発展論、地域研究)、新しい挑戦(地域研究の萌芽、新たな課題)に分けた先達の業績の個別検証と、全体を見通す座談会とで構成されている。
著者
渡辺 昭一 木畑 洋一 秋田 茂 横井 勝彦 菅 英輝 吉田 修 木畑 洋一 秋田 茂 横井 勝彦 菅 英輝 吉田 修 都丸 潤子 波多野 澄雄 河西 晃祐 山口 育人
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

冷戦体制の確立期におけるアジア国際秩序の再編問題について、国際援助計画コロンボ・フランの実施過程との関連から検討した。第一に、コロンボ・プランは、イギリスにとってコモンウェルス体制として影響力を残存させるために、インドおよびオーストラリア、ニュージーランドにとってアジア安全保障体制の強化のために、策定されたこと、第二に、その計画のド要な財源となったスターリング・バランスの枯渇により、イギリスの支援が資本援助から技術援助へとシフトしたこと、それによって被援助のアジアは、積極的な資本援助を求めて支援の多様化を図っていったこと、第こに、イギリスのコモンウェルスの存続、アメリカのヘゲモニー支配が強化される中で、その多様化が自立したアジア地域連合という新体制の成、忙につながったことを明らかにした。
著者
菅 英輝 初瀬 龍平 藤本 博 秋元 英一 土佐 弘之 松田 武 油井 大三郎
出版者
西南女学院大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本研究は、アメリカの戦争が秩序形成において占める位置、役割、およびその影響や帰結を体系的・包括的に検討することを通して、それが21世紀の世界秩序形成およぼす影響や問題点を分析・評価することを目指した。研究会は初年度3回、2年度4回、最終年度3回の他、総轄班の会合を2回開催した。初年度は全員の報告を義務付け、最終年度も全員に報告を義務付け、そのときの議論を踏まえて最終報告書用の原稿を提出してもらった。研究成果の公開を心がけ、分担者による学会報告の他、関西大学で海外研究協力者も招聘して国際ワークショップを実施した。ホームページでも研究活動を公開し、くわえて分担者相互の意思の疎通を図った。また、海外研究協力者や国内の知見提供者を招いての研究会開催は、知的交流を拡大するのに役立ち、人的ネットワークの確立という面でも成果を挙げた。この点は、平成19年度から開始することになった共同研究(基盤研究A)を組織するさいにも役立った。また、大型マイクロフィルム資料も購入し、資料面でも充実させることができた。代表者および研究分担者の3年間の研究業績としては、論文57(日本語)、論文8(英語)、編著10(日本語)、単著!(日本語)、単著1(英語)である。なお、現在、科研報告書用に提出された論文をもとに、書き直しをしてもらい、法政大学出版局より研究書として2冊刊行することが決定し、現在その作業を行っている。また、2冊のうち、1冊については、海外研究協力者ボブ・マクマン教授と代表者の菅が編者となって、英語での刊行を目指し、現在鋭意取り組んでいる。
著者
宇山 智彦 秋田 茂 山室 信一 川島 真 守川 知子 池田 嘉郎 古矢 旬 菅 英輝 粟屋 利江 秋葉 淳
出版者
北海道大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

近代ユーラシアの諸帝国を比較し、帝国権力と現地社会の非対称な相互作用、帝国間競争における小国や越境集団の役割、周縁・植民地の近代化、そして20 世紀の帝国崩壊と脱植民地化の多様な展開を論じた。現在の地域大国は半帝国・半国民国家的な性格を持ち、かつての帝国の遺産と記憶に大きな影響を受けている。情報の不完全性のもとでの権力と少数者集団の駆け引きを論じる帝国論の方法は、現在の大国・小国関係の分析にも役立つ。