著者
坂西 明子
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.165-174, 2010 (Released:2019-05-27)
参考文献数
12

1990年代に、京阪神都市圏では都心の雇用が減少し、郊外の外縁部の雇用が大きく成長する就業地の郊外化が生じた。地域間の雇用成長の差異は、都市圏全体としての通勤トリップ数と利用交通手段に影響を与えた。鉄道分担率の高い大阪市では男女とも雇用が減少し、郊外では女性の自動車を利用した通勤トリップ数が増えている。通勤トリップは就業に付随する派生需要であり、その動向を検討する上で、雇用の地域別変化や通勤者の属性と関連付けた考察が重要であることが示唆される。
著者
硲野 佐也香 中西 明美 野末 みほ 石田 裕美 山本 妙子 阿部 彩 村山 伸子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.19-28, 2017 (Released:2017-04-11)
参考文献数
24
被引用文献数
3 4

【目的】本研究は,日本において,世帯収入と子どもの食生活との関連を明らかにすることを目的とした。【方法】 2013年9~12月,東日本4県6市村の19小学校に在籍する小学5年生(10~11歳)及びその保護者を対象に自記式の質問紙調査を実施した。世帯収入が貧困基準以下の群とそれ以外の群に分け,食事区分ごとの食事摂取頻度,家庭での食品の摂取頻度及び外食の摂取頻度と世帯収入との関連について,χ2 検定を用いて検討した。その後,摂取頻度に関する項目を目的変数とし,説明変数は世帯収入として多変量ロジスティック回帰分析を行った。調整変数は児童の性別,居住地域としたものをモデル1,モデル1に家族構成を加えたものをモデル2とした。【結果】調査に同意が得られた1,231名のうち920名を解析の対象者とした。χ2 検定の結果,世帯収入群別に有意な差がみられたのは朝食,野菜,インスタント麺,外食の摂取頻度だった。多変量解析の結果,モデル1,モデル2共に,低収入群が低収入以外群と比べて,学校がある日,休みの日共に朝食の摂取頻度,家庭での野菜の摂取頻度および外食の摂取頻度が低く,魚や肉の加工品,インスタント麺の摂取頻度が高かった。【結論】日本において,世帯収入が貧困基準以下の世帯の子どもは,朝食,野菜,外食の摂取頻度が低く,肉や魚の加工品,インスタント麺の摂取頻度が高いことが示され,世帯の収入と子どもの食生活に関連があることが示唆された。
著者
西 明博 菅家 智史
出版者
一般社団法人 AYAがんの医療と支援のあり方研究会
雑誌
AYAがんの医療と支援 (ISSN:24359246)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.22-26, 2022 (Released:2022-02-25)
参考文献数
17

プライマリ・ケアとは、患者の近くにあって年齢や疾患に関わらずありとあらゆる健康問題に対処する医療である。がんの罹患数の増加や生存率の向上に伴い、プライマリ・ケアにおいてもがんとの関わりは当たり前のことになりつつある。初期治療を終えたがんサバイバーは、治療の合併症による身体的・精神的影響に加え、就労・金銭・家族関係の問題といった社会的影響に直面するため、プライマリ・ケア医も含めた多職種による包括的な関わりが理想とされる。AYAがん患者に対しても、プライマリ・ケアは、ライフステージ毎に生じる様々な課題に対して、気軽に相談できる窓口として、生涯にわたってケアを提供できる可能性がある。しかし、プライマリ・ケア側の受け入れ体制が整っていないことや、AYAがん患者はかかりつけ医を持たない傾向があるといった課題があり、AYAがん診療に十分に関われていないのが現状である。解決するためには、プライマリ・ケア向けの診療ガイドラインや学習コンテンツの作成、がん専門医・専門病院との連携体制の構築、プライマリ・ケアの役割や有用性に関する啓発が必要である。プライマリ・ケアもAYAサポートチームの一員として、AYAがん患者を地域で支える社会の実現に向けて一緒に取り組んでいきたい。
著者
上西 明子
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.37-59, 1997

<p>Noi ricordiamo Pietro Metastasio (1698-1782) come il librettista che porto a compimento la riforma dei libretti delle opere iniziata da Apostolo Zeno (1668-1750). Per quasi tutto il secolo diciottesimo itesti di Metastasio vennero musicati e rappresentati, a differenza dei giorni nostri, molto spesso in tutta l'Europa. Egli restitui dignita letteraria all'opera, espellendo dall'opera seria ogni elemento comico, e costitui uno schema fisso di scena drammatica, separando l'azione affidata a recitativi dall'effusione lirica, confinata nelle arie conclusive. Tale schema condusse alla stilizzazione dell'opera seria, verso cui la generazione seguente assunse un atteggiamento critico. Si puo dire che la storia dell'opera sia quella del cambiamento dell'equilibrio fra musica e parole. Un determinato equilibrio in un'epoca puo apparire sorpassato agli occhi della generazione seguente. Da questo punto di vista, entrambe le riforme, cioe la riforma metastasiana e quella successiva a Metastasio, possono essere meglio intese. In altri termini, una parte della critica verso le opere metastasiane puo essere stata dovuta alla differenza di equilibrio nelle due epoche. Ora il Settecento el'Ottocento sono entrambi ricordi gia lontani. Soltanto adesso possiamo rivedere le opere di Metastasio e capire la ragione della grandissima popolarita di cui godette nel suo tempo, tenendo conto dell'ambiente culturale e sociale del tempo quando la gente si godeva le opere come puro divertimento (parlando e mangiando e divertendosi se non ascoltando le arie dei cantanti popolari). In questo studio ho cercato di analizzare l'effetto drammatico delle arie nelle opere metastasiane, essendo queste il punto essenziale della sua riforma e anche l'oggetto della critica del tempo seguente. L'opera qui scelta e Adriano in Siria (Adriano in breve), messa in scena per la prima volta a Vienna nel 1732 nella sua eta d'oro. Secondo il suo schema, e normale che nei recitativi l'azione proceda e nelle arie conclusive (cioe l'effusione lirica alla fine di una scena) si fermi, e che dopo avere cantato le arie i cantanti escano di scena. Seguendo il costume del suo tempo, l'aria e "da capo aria", e si compone di due strofe, la prima delle quali e ripetuta dopo la seconda. Adesso vediamo come si realizza lo schema in Adriano. Per prima cosa, quasi tutte le arie sono composte di due strofe, adatte alla struttura di"da capo aria". Inoltre, dopo quasi tutte le arie, i cantanti escono di scena. Quindi il pubblico aspetta naturalmente l'uscita del cantante dopo ogni aria. La sola eccezione e l'aria di Aquilio (3-2), dopo la quale Aquilio nell'allontanarsi incontra Adriano, la cui comparsa deve essere inaspettata non solo per Aquilio ma anche per il pubblico. In terzo luogo, la maggior parte delle arie appartiene al tipo che non fa procedere l'azione. Nelle arie tipiche come queste, spesso con metafore, gli affetti dei personaggi fanno presa direttamente sul pubblico. Tale alternanza dei recitativi delle arie crea un ritmo di tensione e rilassamento. Certamente questo ritmo, diverso da quello dei drammi moderni, e difficile per noi capirlo. Ma una volta accettatolo, potremo goderne cosi com'e. Bisogna riconoscere qualche merito in questo tipo di aria, presentata con metafore o espressioni comuni. Alcune arie sparse in atti diversi possono dare rilevanza al tema o all'opera (p. es. le arie di 2-12, 3-6, 3-7). Inoltre, le arie potrebbero dare ai poeti la misura di comunicazione diretta dal palcoscenico alla sala. Oltre a cio, Metastasio tenta talvolta di lisciare l'alternanza fra i recitativi e le arie inserendovi parole comuni. Parliamo ora delle arie non tipiche, quelle che non fermano l'andamento del dramma. In Adriano, quasi un quarto di tutte le arie appartengono a questo gruppo.</p><p>(View PDF for the rest of the abstract.)</p>
著者
大西 明弘
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.221-225, 2005-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
15
著者
佐野 充 村西 明日香 揚野 敏光 伊藤 誠 新美 雅則 白髭 民夫
出版者
名古屋大学
巻号頁・発行日
2014-01 (Released:2014-07-18)

報告書のp.30-31の一部、p.45-46, p.63は都合により掲載しておりません
著者
村西 明日香
出版者
中部図書館情報学会
雑誌
中部図書館情報学会誌 (ISSN:21851743)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.61-71, 2013 (Released:2013-09-13)

利用者のリクエストをきっかけに資料を購入する選書方法"Patron Driven Acquisition(PDA)"について、パデュー大学の事例報告文献に基づいて紹介する。それらの文献からPDA購入資料について、リクエスト者はリベラルアーツ分野の所属者や大学院生が多く自分の専門以外の分野にも関心が高いこと、蔵書として適切であること、よく借りられることなどが明らかになった。それを基に、蔵書構築におけるILL部署と受入部署の協力体制について検討する意義を示した。
著者
衛藤 久美 中西 明美 武見 ゆかり
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.113-125, 2014 (Released:2014-07-19)
参考文献数
39
被引用文献数
4 4

【目的】小学5年生及び中学2年生の家族との夕食共食頻度及び食事中の自発的コミュニケーションと,中学2年生時の食態度,食行動,QOLとの関連を明らかにすること。【方法】2006年度に埼玉県坂戸市内全13小学校5年生,及び3年後に全中学2年生を対象に行われた2回の質問紙調査データがマッチングでき,有効回答が得られた598名(男子303名,女子295名)を対象とした。夕食共食頻度及び自発的コミュニケーション(以下,自発的)を用いて,共食≧週4日で自発的が多いA群,共食≧週4日で自発的が少ないB群,共食≦週3日で自発的が多いC群,共食≦週3日で自発的が少ないD群の4群に分け,小5の4群と中2の食態度,食行動,QOLの関連(縦断的研究),中2の4群と同時期の食態度,食行動,QOLの関連(横断的研究)を検討し,さらに共分散構造分析を行った。【結果】小5の4群と中2の食態度,食行動,QOLとの関連は一部のみで見られた。中2の4群は中2の食態度,食行動,QOLの多くの項目と関連が見られた。A群はB群やD群に比べ,食態度が積極的で,食行動の実践頻度が高く,QOLが高かった。共分散構造分析の結果,小5ではなく中2の夕食共食頻度と自発的コミュニケーションが中2のQOLの各変数に影響していた。【結論】中学2年生の食態度,食行動,QOLは,小学5年生よりも同時期の共食頻度や自発的コミュニケーションの関連が多いことが示唆された。
著者
塩原 由香 村山 伸子 山本 妙子 石田 裕美 中西 明美 駿藤 晶子 硲野 佐也香 野末 みほ 齋藤 沙織 吉岡 有紀子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.66-77, 2020-04-01 (Released:2020-05-27)
参考文献数
28

【目的】本研究は,小学生の日常の食卓に並び,かつ喫食した料理から1食の食事パタンの出現状況を明らかにする。【方法】対象者は,K県の小学5年生235人のうち,4日間の食事記録がある185人(有効回答78.7%)。調査は,2013年10~11月の平日,休日の各2日の連続する4日間に児童自身が写真法を併用した秤量法または目安量記録法によって実施した。解析対象の食事は,185人の朝・昼・夕の3食×4日間の12食/人のうち,学校給食の2食を除く1,850食から,欠食を除いた1,820食とした。料理は食事記録に記載された料理名,主材料並びに食事の写真を照合し,16の料理区分(主食,主菜,副菜,主食と主菜等を合せた料理等)に分類した。食事パタンは,料理区分を組合せた13の食事パタン(「主食+主菜+副菜」「主食と主菜等を合せた料理+主菜+副菜」等)に分けた。解析方法はχ2 検定を用いた。【結果】13の食事パタン全てが出現した。多い順に「主食」19.9%,「主食+主菜+副菜」17.3%であった。食事区分別では,朝食は平日・休日共に「主食」が30.8%,33.4%と多かった。夕食は「主食+主菜+副菜」が多かったが,4割以下の出現に留まった。【結論】食事パタンは全体で「主食」が多かった。夕食は平日・休日共に「主食+主菜+副菜」が多かったが,出現数は4割に留まり,その他10種以上の食事パタンが出現した。
著者
赤松 利恵 衛藤 久美 稲山 貴代 神戸 美恵子 岸田 恵津 中西 明美
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.89-97, 2018-08-01 (Released:2018-09-21)
参考文献数
11

【目的】学校における食育の計画並びに評価の実施状況と関連する知識を把握し,管理栄養士免許の有無と免許取得時期による比較検討を行うこと。【方法】2016年5~12月,栄養教諭・学校栄養職員(1,406人)を対象に,食育計画と評価と関連する知識について,横断的調査を行った。記述統計後,管理栄養士免許の有無,および旧カリキュラムと新カリキュラムでの免許取得で,各項目の回答の違いをχ2 検定およびMann–WhitneyのU検定で検討した。さらに,属性等を調整し,各項目を独立変数,管理栄養士免許または免許取得時期を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った。【結果】904人(回収率64.3%)が回答した。食育計画の実施状況では,約半数が実態把握の実施や行動目標の設定を行っている一方で(各々45.5%,49.1%),7割以上の者が評価指標や数値目標の設定を計画時に行っていないと回答した(各々70.9%,73.3%)。また,数値を用いた目に見える形での子どもの変化を評価している者は14.1%であった。群間の比較では,管理栄養士免許所有者および新カリキュラムでの取得者で,知識はある者が多かったが,実施状況に違いはなかった。ロジスティック回帰分析でも同様の結果であった。【結論】学校における食育の計画と評価の実施状況を調査した結果,目に見える形での子どもの変化を評価している者は約1割であった。また,新カリキュラムでの管理栄養士免許取得者の知識は高かったが,実践している者は少なかった。
著者
大西 明宏
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.175-182, 2013-08-15 (Released:2014-02-01)
参考文献数
18
被引用文献数
4 2

本研究ではロールボックスパレットに起因する労働災害の実態把握と求められる対策を検討するため,2006年の休業4日以上の死傷病報告データの25.5%に相当する34,195件をもとに分析した.その結果,285件のRBP起因災害が確認された.これは労災全体の0.83%(95%CI:0.73~0.93)であったが,年間発生件数を試算すると1,115件(95%CI:980~1,249)と推計され,他の災害と比べても少なくない実態がわかった.業種別では運輸業の件数や千人率が高く,重傷例も少なくなかったが,労働損失日数を用いた災害リスクの比較では比較的治癒に時間を要する骨折でさえ運輸業の平均より低いことから,重篤なRBP起因災害の発生リスクは低い傾向であることがわかった.また,経験1年以下の被災が多いことから雇入れ時教育の充実が求められること,運輸業および卸・小売業では高年齢労働者の被災も多いことから体力低下等への配慮も重要であると示唆された.被災パタンは1)「上肢(指,手,腕)の激突・はさまれ」,2)「下肢(足指,足,脚)の激突・はさまれ」,3)「キャスターによる足部負傷」,4)「頭部・顔面・歯への激突」,5)「RBPの転倒・転落による下敷き等」の5つに整理され,上肢および下肢の激突・はさまれ,あるいはキャスター踏まれへの対策には手足プロテクターや足指の第5指末端まで保護可能な安全靴等の使用が災害防止には有効と考えられた.頭部等への激突防止には荷崩れしにくい積載の徹底,ステー棒を適切に固定できる範囲での積載遵守が必要になると示唆された.全体の42.1%を占め,重大災害につながりやすいRBPの転倒等による災害の防止には使用時に少しでも不具合を感じた時点でフォークリフト等の運搬機械を積極的に使用することが求められるが,実際には使用できない場合も多いことから新たな対策の検討が急務であると示唆された.
著者
高橋 敬一 西 明紀
出版者
日本半翅類学会
雑誌
Rostria (ISSN:09106839)
巻号頁・発行日
no.51, pp.37-39, 2003-06-30
被引用文献数
1
著者
則内 友博 西 明 丸山 憲一 高澤 慎也 藤代 準
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.268-272, 2022 (Released:2022-09-09)
参考文献数
17

近年,新生児の周術期予防的抗菌薬の投与期間および手術部位感染(SSI)についての現状が欧米を中心に報告され,長期に及びやすい新生児への抗菌薬投与期間の短縮が図られている.一方,日本国内からの報告は少なく,現状は明らかではない.そこで本研究では,NICU・GCUの患児の抗菌薬の投与方法,SSI発症率などを調査した.対象は2017年から2020年の間に当院にて小児外科領域の手術を行った新生児,周術期にNICU・GCUに入院中であった患児とし,診療録の記載から後方視的に調査した.SSIの発症率は7.8%(8例/103例)で,欧米での既報と同程度であった.抗菌薬の投与期間の中央値は4日間で,SSI発症群と非発症群との間で投与期間に有意差はなかった.これらの結果からは周術期予防的抗菌薬の投与期間が長い可能性が示唆されたが,今後大規模研究で検証していく必要がある.
著者
新保 みさ 中西 明美 會退 友美 衛藤 久美 坂本 達昭 中村 彩希
出版者
日本健康教育学会
雑誌
日本健康教育学会誌 (ISSN:13402560)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.313-318, 2022-11-30 (Released:2022-12-26)
参考文献数
14

背景:日本健康教育学会栄養教育研究会は2019年度からナッジをテーマとした活動を行っている.本稿では2021年度の活動として2022年3月26日に開催した公開学習会「第2弾!今,注目のナッジを健康行動に活用するには~ナッジと健康行動理論の関係~」について報告する.内容:学習会は3部構成で,第1部は竹林正樹氏による講義「一発でわかるナッジの基本」,第2部は栄養教育研究会からの提案「健康行動理論とナッジについて」,第3部はグループワークによる「ナッジを効かせたチラシ作り」であった.参加者は63名であった.学習会に対するアンケート(回答者数57名,回答率90%)では回答者の98%が「非常に満足した」または「まあ満足した」と回答した.満足した理由には,チラシ作りのグループワークやグループワーク後の発表に対する講師の講評などが多くあげられた.「今後もナッジを勉強し続けたいですか」という問いに,全ての回答者が「そう思う」または「少しそう思う」と回答した.結論:本学習会を通じて,参加者のナッジについての理解を深めることができた.理論と実践を含めた学習会は新たな学びを提供し,今後の学習意欲も高めたことが示唆された.
著者
大西 明宏 江原 義弘
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 = Journal of the Society of Biomechanisms (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.152-159, 2005-08-01
参考文献数
19
被引用文献数
6 2

3段の実験用階段を製作し,若年健常男女20名を対象として室内にて歩行計測をおこなった.モーションキャプチャ装置にて踵に貼付したマーカーの軌跡を計測した.その結果,踵軌跡は緩やかな曲線を描く場合と,直線を描く場合とがあり,後者の場合にはヒールクリアランスが短くなることがわかった.本研究ではその特徴をもとにして,安全及び危険な階段寸法を算出する数式モデルを開発した.本モデルでは適切なパラメータを与えることでヒールクリアランスとよく対応する値を計算により求めることができた.この値が負であれば危険,正であれば安全と判定することで安全な階段寸法を導き出した.長寿社会対応住宅設計指針に則った階段寸法は数式モデルにより算出された安全な階段寸法を満たしており,妥当であることが明らかとなった.
著者
今村 太郎 西 明紀 高橋 敬一 宮ノ下 明大 宮ノ下 明大
出版者
農林省食品総合研究所
雑誌
食品総合研究所研究報告 (ISSN:03019780)
巻号頁・発行日
no.70, pp.19-22, 2006-03

コメグラサシガメ(半翅目: サシガメ科)の25、27.5、30、32.5、35℃における生活史パラメーターを算出した。カメムシはヒラタコクヌストモドキの幼虫を餌として育てられた。温度が25℃から35℃に上昇するとともに、内的自然増加率(r m)は0.0081から0.0275へと増加した。35℃が今回の試験に用いた温度範囲では最も個体群増殖に適していることが分かった。
著者
大熊 優子 西山 紘子 塚田 ひとみ 河西 明代 小野寺 成実 弟子丸 亮太 岸 郁子
出版者
日本産科婦人科内視鏡学会
雑誌
日本産科婦人科内視鏡学会雑誌 (ISSN:18849938)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.205-208, 2019 (Released:2020-01-07)
参考文献数
14

Objective: The objective of this study was to assess the risk of recurrence of ovarian mature cystic teratoma (OMCT) and to evaluate the feasibility of ovarian-conserving surgery.Methods: This retrospective clinical study investigated patients with OMCT who underwent laparoscopic surgery between January 2014 and March 2017.Results: Recurrence of OMCT was observed in 7 of 81 patients (8.6 %)—three patients (3.7%) showed ipsilateral recurrence, and four patients (4.9 %) showed recurrence in the contralateral ovary. Patients with recurrence (mean age 22.5 years [range 15–30 years]) were younger than those without recurrence (mean age 33.5 years [range 16–63 years]). No significant intergroup differences were observed in gravidity, parity, cyst size, intraoperative cyst rupture (cysts that did or did not rupture), number of cysts, and laterality. Conclusion: The recurrence tendency of OMCT in adolescents and in patients in their early 20s was higher than that in older patients. Cystectomy should be considered in children and patients of reproductive age for conservation of the affected ovary. An initial adnexectomy may not obviate the risk of multiple subsequent surgeries because OMCT may recur in the contralateral ovary.