著者
大平 恵 坂上 慎二 大平 洋 渡邊 安寿香 池田 大輔 吉田 和博 山口 佳奈 村井 毅 黒澤 隆夫 辻野 一三 大塚 吉則 西村 正治
出版者
ライフ・サイエンス
雑誌
Progress in Medicine (ISSN:02873648)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.2043-2048, 2009

近年,胆汁酸吸着レジンであるコレスチミドには,血中コレステロール値を低下させるだけでなく,血糖値を低下させる作用を併せ持つことが報告されている. 胆汁酸とエネルギー代謝との関連が明らかになってきており,コレスチミドの血糖降下作用のメカニズムにも胆汁酸分画の変化が関与している可能性もある. われわれは,外来通院中で高LDLコレステロール血症を伴う2型糖尿病患者19例に対しコレスチミドを12週間投与し,血中胆汁酸分画の変化と血糖降下作用との関連を検討した. 投与後,血中LDLコレステロール値の低下とともに,臍周囲径,空腹時血糖値,HbA_[1C],HOMA-Rの有意な低下を認めた. しかし, 血中総胆汁酸濃度とその分画の濃度には変化を認めず,HbA_[1c] や臍周囲径の変化との相関関係も認められなかった.コレスチミドによる血糖降下作用は,血中胆汁酸分画の変化とは関連せず,他の機序が関与していることが示唆された.
著者
西村 正男
出版者
中文研究会
雑誌
未名 (ISSN:09146334)
巻号頁・発行日
no.29, pp.59-82, 2011-03

2 0 0 0 惑郷の人

著者
郭強生著 西村正男訳
出版者
あるむ
巻号頁・発行日
2018
著者
角井 素貴 柏田 智徳 重松 昌行 西村 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.1, 1997-03-06

近年の通信容量の需要急増に伴い, WDM光伝送システムの広帯域化が求められている。例えばITU推奨の100 GHz波長間隔で32波WDM伝送を行うには, 25 nmの帯域が必要となる。フッ化物EDFAはこうした要求への有力な解の1つとして知られるが, コストや信頼性面では未だ石英系EDFAが有利と思われる。本稿では, 石英系EDFの中で, Al添加EDFとP/Al共添加EDFを組み合わせたハイブリッドEDFAにおいて, 広帯域化を目的として組成最適化を行った結果を報告する。
著者
朴 杓允 西村 正暘 甲元 啓介 尾谷 浩
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.488-500, 1981-09-25
被引用文献数
1

イチゴ黒斑病菌, ナシ黒斑病菌, トマトstem canker病菌およびリンゴ斑点落葉病菌の宿主特異的毒素(それぞれAF-toxin I, II, AK-toxin, AL-toxinおよびAM-toxin I)によってひきおこされた各宿主細胞の初期変性を電顕によって比較観察した。これら毒素による変性像は, 3つの型に分けられた。1つは, 透過性機能の崩壊を伴う原形質膜の陥入・断片化・小胞化, 原形質連絡糸の変形そして細胞壁の崩壊であった。これはAK-toxin-感受性ナシ花弁, AM-toxin I-感受性リンゴおよびナシ葉, AF-toxin I-感受性イチゴおよびナシ葉, AF-toxin II-感受性ナシ葉の各組み合せで見られた。なお, AF-toxin II-感受性イチゴ葉の組み合せでは, 肉眼的な毒性は認められなかったが, 電顕下では維管束細胞の崩壊が観察された。2番目の型は, 葉緑素含量の減少を伴う葉緑体グラナの小胞化であった。これはAM-toxin I-感受性リンゴおよびナシ葉の光合成組織細胞だけで認められた。3番目の型は, ミトコンドリアと粗面小胞体の変性であった。両者とも膨潤・小胞化した。ミトコンドリアでは, その基質は漏出し, クリステの数は減少した。これはAL-toxin-感受性トマト葉で認められた。上記各毒素を処理したすべての抵抗性宿主細胞では, なんらの変性も認められなかった。以上の結果から, AK-toxinとAF-toxin IおよびIIの作用点は, 感受性宿主細胞の原形質膜や細胞壁上に, AL-toxinのそれは, 感受性細胞のミトコンドリアや粗面小胞体上にあると考えられる。なお, AM-toxin Iの作用点は, 葉緑体を持っ感受性細胞では原形質膜・細胞壁および葉緑体グラナ上に存在し, 葉緑体を持たない細胞では, 原形質膜・細胞壁上に存在するものと考えられる。
著者
濱田 麻矢 宇野木 洋 松浦 恆雄 福家 道信 絹川 浩敏 西村 正男 今泉 秀人 藤野 真子 三須 祐介 星名 宏修 大東 和重
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

日中戦争勃発の1937年から東アジアに冷戦体制が確立する1952年までを対象にして、中華圏における文化文芸の諸相に、文学テクスト・メディア分析・体制分析という三つの角度からアプローチした。2011年には移民研究についての勉強会を行い、2012年には40年代の女性形象についてシンポジウムを行った。また2013年は名古屋で、2014年には北京で研究集会を行い、文学、映画、演劇、音楽、などのメディアについて、日・中・台・米・シンガポール・マレーシアの研究者が集まり、横断的な討論を行った。なお、この研究成果は現在翻訳中で、2015年に論文集として出版予定である。
著者
高野 美香 西村 正幸 林 紀孝 利谷 昭治 曽爾 彊 久野 修資
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.276-280, 1992

症例は40歳の福岡県出身の主婦で初診の1年前, 躯幹に紅色丘疹を生じ, 2ヵ月前より同様の皮疹が全身に播種状に認められるようになった。組織学的に真皮上層から中層に異型性のあるリンパ球様細胞の浸潤がみられ, 表皮内にも異常リンパ球が認められた。浸潤細胞の大半はT cellの表面マーカーを有し, cutaneous T cell lymphomaと診断した。初診の2年後, 全身倦怠感と著しい皮疹の増悪, 表在リンパ節腫脹とともに末梢血に異常リンパ球13%を認めるようになった。化学療法(VEPAMなど)を開始したが効果なく, 初診後3年半(白血化してから1年半)の経過で死亡した。
著者
山下 ひろ子 小山田 玲子 奥 直子 西村 正治 石黒 信久
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.333-341, 2012

&nbsp;&nbsp;2007年度,当院では病棟の入院制限を必要とするほどの大規模なノロウイルス胃腸炎の集団感染事例を5件経験した.いずれの事例も発端者が発症してから隔離されるまでに2~5日かかっていた.発症者隔離までの期間を短縮することで集団感染を回避することはできないかと考え,感染性胃腸炎患者の早期隔離に努めてきた.その結果,入院制限を必要とするほどの大規模な集団感染は2008年度と2009年度には各1件,2010年度には0件と減少したことから,2006年4月から2011年3月の5年間に感染性胃腸炎として報告された事例168件を対象として詳細に検討した.入院患者の発症事例85件のうち,各部署で発症を把握した当日(隔離までの所要日数0日)に発症者を隔離した64件では大規模な集団感染を回避できたが,翌日(同1日)に隔離した11件のうち1件(9.1%),翌々日(同2日)に隔離した5件のうち2件(40.0%),それ以降(所要日数3日以上)に隔離した5件では全件(100.0%)に大規模な集団感染が発生した.職員の発症事例83件中81件(97.6%)は,各部署で発症を把握した翌日(同1日)までに発症者の隔離がおこなわれており,大規模な集団感染の発生はなかった.以上より,臨床症状に基づいて感染性胃腸炎患者を早期に把握して隔離することが大規模な集団感染を回避するために有用であることが明らかとなった.<br>
著者
西村 正治 川上 義和
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.349-356, 1984-04-15

低酸素換気応答とは,文字通り生体に低酸素刺激を加えたときの換気の応答パターンを評価する検査方法である。周知の如く,一般に生体に低酸素血症を誘導すると末梢化学受容器,ヒトでは主として頸動脈体を介して換気は代償的に増加する。しかし酸素受容が生命維持に最も重要で必須の生理学的事象であるにもかかわらず,不思議なことにこの低酸素換気応答の程度は個体間のばらつきが非常に大きく,ときには低酸素により換気はむしろ抑制されるという現象すら生ずる。従ってこの応答が種々の心肺疾患の病態の修飾因子となり,病因・病態の解析や治療とくに酸素療法を考えるうえでも重要な意味をもつものと想像されるが,検査手技の複雑さや検査自体のもつ危険性のため,必ずしも日常的な臨床検査項目となるには至っていない。当施設においては,動脈血ガス二重制御装置の開発以来1),高炭酸ガス換気応答と合わせて,本検査を数多くの健常人や患者で比較的容易に施行できるようになった。本稿においては,それらの知見も合わせて,測定方法と評価法に関する現在の問題点を概説し,次に臨床的立場から慢性閉塞性肺疾患と低酸素換気応答にふれ,最後に低酸素換気抑制の問題についても解説を加えたい。