著者
中嶋 正道 田中 憲司 酒井 義文 平井 俊朗 柴田 安司
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

福島県内の阿武隈山地に生息するヤマメにおける放射線被曝の影響を調べた結果以下のことが明らかとなった。1)ヤマメ筋肉中の137Cs濃度が高い個体ほど脾臓で範囲のメラノマクロファージが観察された。同様に鰓における形態異常も観察された。2)血液性状ではヘモグロビン濃度が低下する傾向が見られた。この現象は給餌実験でも観察された。3)真野川で採捕された雌親魚から得られた仔魚におけるmtDNAを調べたところ親魚とは異なる配列が観察された。福島内水試で継代飼育されている系統では観察されなかった。4)アポトーシスに関連する遺伝子の発現低下が観察された。これらの現象には放射線被曝が影響していると考えられる。
著者
舛石 俊樹 酒井 義法 細谷 明徳 鈴木 健一 伊藤 剛 鎌田 和明 水谷 佐和子 村野 竜朗 相馬 友子 永山 和宜 草野 史彦 田沢 潤一 鈴木 恵子
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.461-467, 2011 (Released:2011-08-18)
参考文献数
20

症例は23歳女性.38℃台の発熱・倦怠感・嘔気・関節痛が出現したため,当院救急外来を受診した.インフルエンザ迅速診断キットでインフルエンザA型陽性のためインフルエンザウイルス感染症と診断された.また,血液検査ではトランスアミナーゼの著明な上昇とPTの低下を認め,急性肝炎重症型の診断で当科に緊急入院した.与芝らの劇症化予知式により劇症化の可能性があると判断し,劇症肝炎に準じて血漿交換療法・ステロイドパルス療法を施行した.第2病日よりトランスアミナーゼ・PTの改善を認め,第12病日退院した.肝障害の成因として薬物性肝障害の可能性は否定できなかったが,臨床経過からは新型インフルエンザ(以下A/H1N1 pdm,PCR法で診断)感染が成因である可能性も否定できなかった.A/H1N1 pdm感染による高サイトカイン血症を契機に急性肝炎重症型を発症したと考えられる1例を報告する.
著者
山崎 駆 酒井 義史 梶原 拓己 柴田 智広
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.41, no.10, pp.881-884, 2023 (Released:2023-12-21)
参考文献数
19

In Japan, the shortage of caregivers due to the aging of the population is a serious issue and the demand for care robots is increasing. Changing and wiping, which is one of the main care tasks, is still not sufficiently skilled and is often carried out by carers alone. Against this background, we are developing a dressing assistance robot system. However, the task of picking hangers from the hanger rack was a bottleneck in our dressing assistance robot system. Therefore, we developed a hanger recognition method based on active object recognition for implementation in a dressing assistance robot system and improved the recognition accuracy. In this paper, the usefulness of a recognition method using active object recognition in the hanger recognition task is evaluated through experiments and future prospects for integration into a dressing assistance system are described.
著者
酒井 義
出版者
信州大学
雑誌
教育実践研究 : 信州大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13458868)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.59-66, 2002-07-31

In this paper, a school reform project "Ashita mo hayakuikitai gakkou tukuri" was introduced and discussed. In order to prevent various recent school problems, bullying such as school refusal, violence, and anti-social behaviors, the reform project was plan. At a junior high school, the project was implemented for 3 years. Cooperation with people at the area and improvement of self-esteem of students and teachers were two important goals of the project. The school system has been changed and the teacher and students in the school have become more positive in their attitude toward school. The people at the area were more engaged to the school.
著者
酒井 義朗 三輪 涼子 光岡 正浩 渡邊 浩
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.5, pp.751-754, 2020-05-01 (Released:2020-05-01)
参考文献数
20
被引用文献数
1 2

In the hospital, antibiotics are widely used to treat infections. We report a case of acute kidney injury (AKI) caused by an antibiotic drug combination. A 30-year-old Japanese male presented with lung metastases, pneumothorax, empyema, and methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) infection. The patient received a combination of vancomycin and piperacillin/tazobactam, which resulted in elevated vancomycin trough concentration and subsequently in AKI. Renal function was restored upon vancomycin and piperacillin/tazobactam cessation. Though this patient had AKI most likely due to the combined use of two agents as has been reported in many cases, vancomycin trough concentration showed an unexpected abnormal increase when halting vancomycin treatment. This is the first report indicating a drug-drug interaction between vancomycin and piperacillin/tazobactam with unexpected abnormal vancomycin trough concentration, leading to AKI, additionally we think that there was a situation that he stressed against the kidney by a history of medications caused renal dysfunction and co-administration. We suggest that when using vancomycin in combination with piperacillin/tazobactam, the trough concentration of vancomycin must be confirmed simultaneously with renal function and evaluation, and that the combination of these two drugs should be minimized.
著者
伊藤 忠 太田 和義 馬渕 晃好 國島 宏樹 山崎 一徳 森田 良文 谷川 智康 吉久 みな子 久保 晃 酒井 義人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.751-756, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
19

〔目的〕本研究は,ケイデンスを変化させた後進歩行練習直後の運動機能の影響を検証することである.〔対象〕対象者は,高齢者6名(以下高齢者群),若年者7名(以下青年群),中学生7名(以下少年群)とした.〔方法〕3分間の後進歩行練習を,メトロノームを使用して,ケイデンスを自由速度から50%の速度へと30秒ごとに増減させて実施した.運動機能評価は,自由歩行速度,timed“up & go”test (以下TUG),5 m最大歩行速度,片脚立位時間,座位開閉ステッピングテスト,chair stand test(以下CS-30)とした.〔結果〕共通して,5 m最大歩行速度,CS-30で有意な向上を認めた.〔結語〕後進歩行練習は,年齢によって若干の違いは出るが,運動機能向上に有用であることが示唆された.
著者
酒井 義人 松山 幸弘 岡本 晃 石黒 直樹
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.96-103, 2007 (Released:2008-01-22)
参考文献数
20

筋弛緩薬として知られるeperisone hydrochloride(EMPP,ミオナール®)の効果につき検討した.6カ月以上持続する男性慢性腰痛症患者74名をランダムに3群すなわち,A群:物理療法のみ行った25例,B群:EMPPを4週間投与した24例,C群:McKenzie法を行った25例に分け,2,4週後にJOA score,Faces Pain Scale-Revised (FPS-R),VAS,SF-36を評価した.また腰椎伸展・屈曲における腰背筋酸素化を,近赤外分光器(NIRS)を用い酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb),脱酸素化ヘモグロビン(Deoxy-Hb)を評価した.2週後ではすべての評価で差を認めず,4週後の評価では,VASでA群とC群間で有意な差を認めた.NIRSでは,2週後で差を認めず,4週後で腰椎伸展時のOxy-HbがB群で有意に増加した.疼痛に関してはMcKenzie法が効果的でVASでは4週という短期間で有意に改善した.EMPP投与では改善はされるものの有意な疼痛改善には至らなかったが,NIRSでの評価では腰椎伸展におけるOxy-Hbの増加が有意にみられた.慢性腰痛患者の保存治療として運動療法とEMPP投与の併用が望ましいと考える.
著者
五十嵐 良典 片桐 耕吾 岸 秀幸 長谷川 毅 小川 聡 星 一 大橋 茂樹 吉岡 秀樹 高田 洋孝 福本 学 前谷 容 酒井 義浩
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.380-384_1, 1992

1990年1月より1991年4月までに経十二指腸的に截石した総胆管結石18例に親子式経口胆道鏡を行った.15例に胆嚢管内に挿入しえた.そのうちの3例は胆嚢頸部まで挿入しえた.螺旋部へは13例,平滑部へは全例挿入しえた.良好な内視鏡像のえられた12例で胆嚢管粘膜像を検討したところ,粘膜血管透見像は螺旋部まで挿入しえた10例全例に,平滑部に挿入しえた12例全例に認められたが,粘膜血管拡張像の合併を螺旋部で4例に,粘膜の凹凸像を螺旋部で2例に認めた.メチレンブルーによる色素法を4例に行い,粘膜模様について観察した.通常観察で平滑とした3例のうち2例は粘膜模様は均一であったが,1例は不均一であった.凹凸を認めた1例も粘膜模様は不均一であった.不均一部からの生検組織像は軽度の慢性炎症性変化であった.
著者
前尾 直子 中塚 和夫 酒井 義生 山之内 夘一
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.131-133, 1991-02-15

水晶体嚢のtrue exfoliationの1例を経験したので報告した。症例は78歳男性で両眼の前房中に薄い透明なセロファン様の膜を認めた。この膜は水晶体前嚢と連続性があり眼球運動に際して可動性を有していた。Pseudo-exfoliativematerialとは明らかに異なる様相を呈しており,隅角所見は両眼とも正常で緑内障の合併もなかった。職歴から強い熱への暴露が原因と考えられた。
著者
加納 嘉人 草野 史彦 酒井 義法 田沢 潤一 渡辺 守 永山 和宜 池邊 佐和子 鎌田 和明 今西 暁 伊藤 祐子 大木 史郎 望月 奈穂子 相馬 友子
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.58-59, 2008

症例は拘置所収容中の42歳男性。重症筋無力症に対して胸腺摘出後ステロイドを内服中であった。吐下血を主訴に救急搬送され、内視鏡では胃内にふりかけ・菓子の袋など大量の異物があり、胃角部に噴出性出血を伴う潰瘍を認めた。止血処置後異物は把持鉗子を用い経口的に30個全てを回収した。内視鏡的に摘出した数として異例であり出血性胃潰瘍の合併もあり類似症例の初期対応、特に関係者からの問診上示唆に富むと考えられ報告する。
著者
酒井 義法 船越 尚哉 家坂 義人 藤原 秀臣 猪瀬 留美子 江幡 恵子 荒川 克己
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.456, 2011

東日本大震災により当院の所在する土浦市も震度6弱の揺れを経験した。直後に発生した停電により長時間のシステム停止を余儀なくされた。その状況を報告する。<br>1.震災による被害状況:1)サーバー類の状況:地震の直接的被害は免れた。メインサーバーは専用自家発電装置に接続されており停止せず。部門サーバーのうち非常電源に接続されたものは退避指示に従いシャットダウン。通常電源に接続されたサーバーはUPS(無停電装置)が作動し計画的にシャットダウンした。2)周辺機器の被害状況:デスクトップPC4台、ノートPC5台。PC用モニター4台。プリンター6台。PDA3台。放射線用高精細モニター4台。47型大型モニター1台。ネットワーク機器 4台(アクセスポイント2カ所、ハブ2カ所 )が破損。<br>当院には東京電力から二系統で送電されており長時間の停電は回避されると想定されていたが、未曾有の震災により約8時間の停電を経験した。メインサーバーは被害がなく、部門サーバー群も計画的にシャットダウンされ、電源供給再開後速やかに復旧した。しかし、周辺機器は転倒、転落で破損が発生し、また多くの周辺機器は通常電源に接続されており停電中は使用不能であった。破損した機器については予備の機器に直ちに交換した。また自家発電用の燃料の備蓄が枯渇寸前であったが、震災直後の交通網の混乱により供給は困難な状況であった。<br>2.地震対策:1)周辺機器設置場所の変更、周辺機器に転倒防止を施す2)サーバー類に関してはUPS、自家発電装置の定期点検を強化し停電に備える。3)予備の機器の確保。3.今後検討すべき課題:1)サーバー類のバックアップデータ保存方法の再検討。2)各種オーダーを一枚にまとめた非常用伝票の作成。3)非常電源に接続されたPCを各病棟や部署に1台確保し、停電時の情報伝達ツールとして活用する。4)自家発電用の燃料の確保。