著者
小林 聖幸 野村 貴子 赤岩 譲 扇喜 智寛 扇喜 真紀 石川 賀代 小野 正文 正木 勉
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.194-200, 2023-04-01 (Released:2023-04-13)
参考文献数
22

症例は50歳代男性.全身倦怠感,皮膚掻痒感,褐色尿を主訴に受診し血液検査で総ビリルビンや肝胆道系酵素の上昇を認めた.肝炎ウイルスマーカーや自己抗体は陰性であった.第5病日に入院時はみられていなかった皮疹が四肢体幹に出現し,入院時の梅毒反応定性が陽性であったため,再度詳細に病歴を聴取したところ,入院2カ月前の性風俗産業利用歴が判明した.早期梅毒第2期及び早期梅毒性肝炎と診断したが,患者が近日中に転居予定で長期入院や頻回な外来通院は困難であったことから,2022年1月から本邦で使用可能となった早期梅毒には単回投与での治療が認められているベンジルペニシリンベンザチン水和物(BPB)筋注を用いた.皮疹や肝障害は速やかに改善し,梅毒は治癒した.本邦において早期梅毒性肝炎の治療にBPB筋注が用いられた報告はみられず,有効な治療法と考えられたため,文献学的考察を加えて報告する.
著者
横田 孝雄 柴田 恭美 野村 崇人
出版者
日本植物生理学会
雑誌
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 第50回日本植物生理学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.0708, 2009 (Released:2009-10-23)

維管束植物のうち裸子植物と被子植物の内生ブラシノステロイドはよく研究されており、茎葉、根、種子、花粉などから多種類のブラシノステロイドが同定されている。しかしながら、維管束植物のうち進化上、下位にあるシダ類の内生ブラシノステロイドについては確実な証拠が得られていない。本研究では、数種のシダ類についてガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC-MS)を用いて内生ブラシノステロイドの分析を行った。調べた組織は、スギナ(Equisetum arvence)の栄養茎と胞子茎、ゲジゲジシダ(Thelypteris decursive-pinnata)の葉、ワラビ(Pteridium aquilinum)の葉、ゼンマイ(Osmunda japonica Thunb.)の葉である。その結果、すべての組織からブラシノステロイドが同定された。活性ブラシノステロイドとしては、すべての組織からカスタステロンが同定されたが,ブラシノライドは検出されなかった。カスタステロンの前駆体としては、種子植物と同じ種類のブラシノライドが同定された。各シダの内生ブラシノステロイドの特徴についてはシロイヌナズナと比較しながら議論したい。
著者
野村 政弘 澤田 善次郎 星野 裕 増澤 洋一 藤本 義治
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.107-112, 2002-03-30 (Released:2011-11-14)
参考文献数
9

(株) デンソーが開発したQRコード (図1) はJIS並びにISOにより世界標準に認定された。この日本発のQRコードはパブリックドメインとして全世界に向けて発信している。ここではこのQRコードの開発に当たっての考え方とその適用方法について検証する。特に自動車業界で用いられているかんばん方式の「かんばん」にQRコードを用いた電子かんばんの適用事例を紹介する。
著者
野村 正幸 佐藤 寛次 中田 真一 安倍 信夫
出版者
The Society of Materials Engineering for Resources of JAPAN
雑誌
素材物性学雑誌 (ISSN:09199853)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1_2, pp.1-7, 2009 (Released:2012-02-01)
参考文献数
43

The constituents of Petasites japonicus subsp. giganteus KITAM. (Japanese name: Akita-buki), and the other genus Petasites are reviewed in this paper. Consequently, the structure of new bitter sesquiterpenoids in which the isolations of bakkenolides from the bud of Akita-buki, (local name Bakke), and the mechanism of biosynthesis from an eremophilane skeleton to the novel carbon skeleton (bakkane) as well as total synthesis of bakkenolide-A (B-A) were described. Furthermore, the distribution of bakkenolides from the plants and their bioactive properties are also reviewed.
著者
野村秋介著
出版者
二十一世紀書院
巻号頁・発行日
1992
著者
野村秋介著
出版者
二十一世紀書院
巻号頁・発行日
1994
著者
野村 亮太
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.5-15, 2021 (Released:2022-03-31)

本研究の目的は、落語家の師弟関係の系譜に対して、ネットワーク分析を適用することで、職業落語家が出現して以降の約230年に渡り続いてきた落語の師弟関係ネットワーク(i.e., 落語家ネットワーク)の特徴を定量的に明らかにすることであった。古今東西落語家系図を基礎資料としてネットワーク分析を行った結果、落語家ネットワークは平均次数2.00を示す木構造であり、かつ、スケールフリー性を有することが明らかになった。この結果から、新たな入門者が弟子になって落語家ネットワークが拡大する際に、優先的選択(Barabasi & Albert, 1999)というメカニズムが関与する可能性が示唆された。また平均次数が2.00であることからは、この状況が続けば、落語ネットワークが頂点(落語家)数を維持しながら、拡大し続けることが示唆された。最後に、今後の研究の展望として、落語家ネットワークをテンポラル・ネットワークとして分析する重要性について議論した。
著者
野村 亮太 石田 聖子 福島 裕人 森田 亜矢子 松阪 崇久 白井 真理子
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.111-114, 2022 (Released:2023-02-27)

笑いに関する研究は世界中でおこなわれています。本欄では、英語で発表された笑い学の最近の研究成果を紹介しています。笑いに関する研究は、医学、心理学、社会学、哲学、文学、言語学、動物行動学など、多様な学問領域の専門雑誌に掲載されています。幅広い分野で展開されている世界の研究動向について共有することで、国内での笑い学の研究がさらに発展することにつながればと考えています。 本号では計6本の研究論文についての紹介記事を掲載することになりました。記事の執筆には、6名の研究者にご協力いただきました。どうもありがとうございました。
著者
野村 恭一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.8, pp.1830-1837, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

傍腫瘍性神経症候群(PNS)は腫瘍と神経組織とに抗原交差性が成立し,正常の神経細胞に対する自己抗体が産生され,自己免疫機序により神経障害を来す疾患である.PNSの治療として腫瘍自体に対する治療と自己免疫に対する治療が考慮され,副腎皮質ステロイド療法,免疫グロブリン静注療法,血漿交換療法などの免疫療法が試みられている.一般に,免疫療法はPNSの中枢神経症候に対して治療効果は乏しく,神経筋接合部を含めた末梢神経症候に対して有効性を示す.
著者
田淵 貴大 清原 康介 西浜 柚季子 村山 洋史 大川 純代 山地 太樹 柿崎 真沙子 金廣 有彦 野村 章洋 尾谷 仁美
出版者
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2021-04-05

本研究の目的は、日本における新型タバコに関して、(1)ライフコースに応じた詳細な使用状況(使用の決定要因の解明を含む)、(2)その他の健康行動、飲酒・肥満など様々な健康指標との関連、(3)禁煙への影響、を明らかにすることである。日本の一般住民を対象としたインターネット調査を毎年繰り返し、日本を代表するコホート研究データも活用し、新型タバコ研究を継続的に展開する。精緻な統計学手法で解析し、論文を出版し、結果として政策立案者に有益な情報提供をする。