著者
町野 ひろみ 野村 理 和田 簡一郎 熊谷 玄太郎 田中 直 浅利 亨 石橋 恭之 花田 裕之
出版者
弘前大学大学院医学研究科・弘前医学会
雑誌
弘前医学 (ISSN:04391721)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2-4, pp.108-112, 2021 (Released:2021-03-15)
参考文献数
9

目的 : 津軽地方での外傷診療において,我々はりんご農作業に関連した頚髄損傷をしばしば経験するが,その受傷機転や臨床像には不明な点がある. 本調査の目的は,りんご農作業により生じた頚髄損傷の受傷機転と臨床経過を明らかにすることである. 対象と方法 : 2015年1 月から2019年8 月までに弘前大学医学部附属病院高度救命救急センターに搬送された,りんご農作業に関連した頚髄損傷症例を対象とした.診療録より患者の属性,発生月,受傷機転,神経学的重症度および予後についての情報を抽出した. 結果 : 同定された10例のうち9 例が男性であり, 5 月と6 月に多発した( 7 例).受傷機転は2 つに分類され,乗用草刈 機運転に関連するもの( 5 例)と梯子などからの墜落( 5 例)であった.退院時のAmerican Spinal Injury Association Impairment Scale( AIS) は,Aが1例,Bが2 例,Cが2例,Dが3例,Eが2例だった. 結語:りんご農作業に関連する頚髄損傷は5 から6 月に好発し,乗用草刈機運転,梯子上の作業中に発生していた.重 症例も観察され,予防策の構築が急務である.
著者
野村 伸一 Nomura Shinichi
出版者
神奈川大学 国際常民文化研究機構
雑誌
国際常民文化研究叢書7 -アジア祭祀芸能の比較研究-=International Center for Folk Culture Studies Monographs 7 -Comparative Study of Asian Ritual Performing Arts-
巻号頁・発行日
vol.7, pp.19-66, 2014-10-01

祭祀は神を迎える行為である。神には中国でいう天神地祇(天地の神がみ)、人鬼(死者の霊魂)、祖霊などを含める。また朝鮮半島の雑鬼雑神、水中孤魂、妖怪(トッケビ)、日本でいう無縁仏や怨霊、悪霊も広い意味では神(かみ)である。これらの神(かみ)招きに伴う一定の身体行為を祭祀芸能とよぶ。それは狭義には神の振る舞い(神態かみわざ)だが、神(かみ)をよび招く特定の仕種、神歌、呪語の唱えも祭祀芸能である。東アジアではこうした祭祀芸能が多彩に展開されてきた。ところで、これを掬い取り、全体のなかに位置付けるためには基軸が必要である。筆者は先にそれを提示した(『東シナ海祭祀芸能史論序説』、2009年)。だが、批判も代案もなかった。それは何を意味するのか。祭祀芸能には庶民の精神世界が凝縮されているのだが、それを体系的にみようという意向がないということなのである。日本のアジア認識はまだ地域別、個別ということである。本稿ではそれを乗り越えるために新たに次のような基軸を設定した。全六章である。すなわち、「1.暦―神と暮らし」「2.担い手と伝承」「3.祭祀芸能の開始と末尾― 戯神、請神、神送り」「4.仏教、道教と祭祀芸能」「5.祭祀芸能の様態を特徴付ける要素 1)他界観の表現 2)祭場の光景 3)神・霊の表現 4)神のことば、祝願 5)性差 6)諧謔と悲哀 7)舞踊、振り、歌 8)火9)祭具」「6.まとめ―総括と課題」である。 以上のうち1 ~ 4 章はいわば総論、比較のための大枠提示である。一方、5章では個々の祭祀芸能の様態(芸態)を特徴付ける要素を取り上げた。これは各論に当たる。要素は仔細にみていけば限りがないが、ここにあげたものは基軸に準ずるものといえるであろう。6章では、課題として三点、記した。すなわち「1)東方地中海周辺地域と中国内陸部の文化の差異」「2)海、山、野の文化と祭祀芸能」「3)東アジア祭祀芸能の変容」である。1)は伝統的な比較の視点としていうまでもなく重要である。2)は、東方地中海周辺地域の文化を総体的に捉えるための視点である。琉球の御嶽(うたき)も朝鮮半島南部の堂山(ダンサン)も山(山神)、海(海神)とかかわる。つまり、この海域では「海、山、野の文化、とりわけそれらにかかわる祭祀は密接で不可分」なのである。3)では祭祀芸能の変容にとどまらない状況を「断絶した祭祀芸能の諸相」として述べた。都市はこの百年余り、一年中、「祝祭」をつづけるために神霊や無祀孤魂を語らないできた。しかし、その価値観は今、明らかに閉塞している。さいわい今日、東アジアの祭祀芸能はまだ基層のところで生きている。それを多くの人が想起できるようにしたい。基軸の提示はそのために必要である。これは本稿の結論でもある。同時にそれは容易ならざる課題でもある。
著者
野村 茂夫
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 人文科学 (ISSN:03887375)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.164-153, 1988-02-25
著者
名取 俊介 小川 晋平 野村 智昭 芳賀 智顕 羽根田 俊 ターリブ アリー 坂本 央 竹内 利治 長谷部 直幸
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.807-812, 2010 (Released:2012-02-28)
参考文献数
28

症例は63歳,男性.高血圧,高尿酸血症にて近医通院中だったが内服中のカルシウム拮抗薬を数日間自己中断していた.2009年3月上旬,12時30分ころから前胸部痛が出現し近医を受診した.13時ころ心電図記録中にST上昇とともに心肺停止状態となり,そばに付き添っていた元看護師の妻が心臓マッサージを開始,救急隊到着時の意識状態はJCS III-300,自発呼吸はなかった.自動体外除細動器で心室細動を確認しDC360J×1回で除細動され心拍再開後,前医に搬送された.13時20分,前医到着時は意識清明,自発呼吸も回復しており,心電図のST上昇も消失していた.冠攣縮性狭心症,致死性不整脈疑いで当院に再搬送された.硝酸薬の点滴,カルシウム拮抗薬再開で入院経過中に胸痛発作はなく不整脈も出現しなかった.内服継続下での冠動脈造影,アセチルコリン負荷試験,心室頻拍誘発試験はいずれも陰性であり,植込み型除細動器の植え込みは見送った.冠攣縮自然発作の心電図記録直後に心肺停止となり,bystander(救急現場に居合わせた人)による心肺蘇生と,救急隊による除細動の連携により合併症なく,心室細動から蘇生した稀な症例である.
著者
市川 真士 村田 崇 木野村 茂樹 鈴木 岐宣 三好 達也
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
日本エネルギー学会機関誌えねるみくす (ISSN:24323586)
巻号頁・発行日
vol.97, no.3, pp.232-238, 2018-05-20 (Released:2018-05-31)
参考文献数
5

新型のプリウスPHVに搭載されている新開発プラグインハイブリッドシステムは,旧型のプリウスPHVと比べ,よりいっそうの高効率・低損失化と小型・軽量化を目指して開発を推進し,次世代環境車の柱となるにふさわしい省エネ性能を実現した。EV性能は,EV距離とEV出力ともに旧型より大幅アップを実現し,実使用でのEVカバー率の向上が可能となった。さらに,駆動用バッテリの充電は,ACおよびDC充電に加え,世界初のソーラー充電システムを採用した。駐車中のソーラー充電で,日当たり最大EV距離6.1 km分の充電が可能であり,よりCO2フリーなEV走行が可能となった。

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著者
野村朱鱗洞著 藤本一幸編集
出版者
層雲社
巻号頁・発行日
1989
著者
野村 英樹
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.97, no.5, pp.1135-1139, 2008 (Released:2012-08-02)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1
著者
坪井 俊貴 田村 典敏 野村 幸治 石田 泰之 樋口 壯太郎
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第25回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.123, 2014 (Released:2014-12-16)

廃棄物処理処分に伴い排出される副生塩は、有効な処理処分方法あるいは資源化の方法がなく、最終処分場で保管または廃棄物として処理されているのが現状である。このような背景下で副生塩のリサイクル方法の一つとして、道路凍結防止剤や除草剤がある。この中で電気分解により次亜塩素酸ナトリウムを生成し、滅菌剤として利用する方法が実用化され始めた。副生塩には塩素とカリウムが含まれ、電気分解にかけると次亜塩素酸ナトリウムに次亜塩素酸カリウムが混在し、通常のソーダ工業の製品として流通できない。しかし、カリウムが含有されていても滅菌効果には支障がないため純正の次亜塩素酸ナトリウムに対してエコ次亜と呼称している。今回、放射能に汚染された焼却飛灰を水洗除染し、排水中の放射性セシウムを吸着剤により除去した後、イオン交換樹脂を用いて高濃度カルシウムを低減化した洗浄排水を用いて、エコ次亜生成実験及び自己酸化実験を行った。