著者
森田 幸雄 新井 真理子 野村 治 丸山 総一 勝部 泰次
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.585-587, 1994-06-15
被引用文献数
4

2歳の雄, 輸入伝書鳩において総排泄口後方の皮膚に結節(直径約15mm)を認めた. 皮膚の結節および糞便からMycobacterium avium血清型2型が分離された. 分離菌のうち光沢があり隆起した親水性の集落(SmD株)ならびに光沢がなく小さい疎水性集落(RG株)を, 鶏(白色レグホン, 雌, 40日齢)の翼静脈内にそれぞれ10^6個および10^7個接種したところ, RG株投与鶏は39日目に, SmD株投与鶏は77日目に死亡した. SmD株, RG株投与鶏はともに肝臓, 脾臓の腫大が著しく, SmD株投与鶏の肺, 肝臓および脾臓には粟粒大の白色結節が認められた. 投与鶏の肺, 肝臓, 脾臓, 腎臓ならびに膵臓からSmD株およびRG株が回収された.
著者
手塚 和彰 村山 真維 岩間 昭道 中窪 裕也 木村 琢麿 金原 恭子 野村 芳正 柿原 和夫
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

経済の国際化(グローバル化)は、日本を含む先進国の経済構造と雇用構造を根本的に変えることとなった。第一は、使用者と労働者の関係が、両者のほかに、派遣業者や職業紹介業者などが介在し、二面構造から、三面構造へと変化した。この構造をどのように法的に整備するのかに関しては、労働法的規制の少ない英米と、規制を、労使関係(労使の交渉、協約)により強めて来たドイツ、フランスなど大陸諸国も欧州のグローバル化により規制緩和を進めている。我が国も、いわゆるバブル経済の崩壊後、製造業をはじめとして、リストラを進め、正社員の減、従来の年功序列による賃金体系を業績評価による体系に変更した。他方、パートタイマーや派遣労働者はますます比重を高めてきている。第二に、このような雇用構造変化は、日本の先端技術・技能における我が国の国際競争力を低下させている。従前の研究開発システムは、従業員発明制度の不備もあって、新規開発に遅れ、付加価値をつけることのできない企業を低迷、倒産の危機に追い込んでいるが、この点でも本研究は学界に先鞭をつけた問題提起を行なうこととなった。第三に、本研究は、人口、雇用の将来予測を独自に行い、このような少子高齢化の中での、労働市場、雇用の将来でのあり方を探った。とりわけ、高齢者の雇用と年金のあり方を探り、今後の我が国の雇用のあり方とそれを支える法制につき具体的な展望を行なった。さらに、WTO体制の元に進捗する経済のグローバル化と、人口減少にともない、外国人労働者の導入が現実的な課題となってきている。実際に、現在200万人の外国人が日本で就労しているが、その社会的な受け入れの体制や、法制度上の問題は極めて多い。この点に関しても本研究は先端的な分析と方向付けをすることができた。
著者
森山 悦子 岩本 英希 新関 敬 永山 綾子 城野 智毅 下瀬 茂男 中野 聖士 野田 悠 鈴木 浩之 酒井 味和 黒松 亮子 古賀 浩徳 野村 政壽 川口 巧
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.37-44, 2024-01-01 (Released:2024-01-10)
参考文献数
16

atezolizumab+bevacizumab併用療法(atezo+beva)はIMbrave150試験の結果に基づき,本邦でも肝細胞癌の一次治療薬となった.atezo+bevaは,実臨床においてもその有用性が示されている一方で,免疫関連有害事象(irAE)の報告も増加している.今回,我々は切除不能肝細胞癌に対しatezo+beva後に下垂体性副腎皮質機能低下症を生じた3例を経験したため報告する.3症例ともに,主訴は倦怠感であり,低血圧と著明な低Na血症を認めていた.血清ACTH値の増加は認めなかったが,血清コルチゾール値の低下を認め,下垂体性副腎皮質機能低下症の診断に至った.ヒドロコルチゾンの投与により全例で速やかに症状の改善を認めた.免疫チェックポイント阻害剤投与時には様々なirAEが出現し得るが,副腎皮質機能低下症による低Na血症および低血圧症も念頭に入れ,診療に携わる必要がある.
著者
石丸 時大 森 傑 野村 理恵
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.80, no.715, pp.1979-1989, 2015 (Released:2015-10-21)
参考文献数
9
被引用文献数
24 22

This study examines the progress achieved by projects aimed at promoting collective relocation for disaster prevention since the Great East Japan Earthquake and their current state of affairs. This investigation seeks to clarify the spatial characteristics of the residential land currently under construction on hilly terrain as part of these collective relocation projects. Spatial planning for the collective relocation project in Kesennuma city, which deals with a relatively small area, has focused on relocation that respects existing community units, i.e., the identical and unified types. In addition, most of the housing development plans focus on construction that will connect and run linearly along the National Highway 45, which is the main arterial road of Kesennuma.
著者
荒井 秀和 阿曽 克司 宮島 昌克 喜多 敏春 野村 尚樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1021-I_1033, 2013 (Released:2013-06-19)
参考文献数
11

日本海側は海溝型地震による津波の発生の可能性が低いとされており,太平洋側に比較して津波に関する調査や対策の検討が不足している現実がある.このような中,石川県ではこれまでの知見と東日本大震災後に中央防災会議等で議論された内容を踏まえ,石川県に影響の大きな津波波源を設定し陸域遡上の検討を行った.具体的には,既往の海底地質調査結果から活断層の連動等を考慮し津波波源として設定し,最新の航空レーザー測量データ等を用いた遡上解析を実施し,陸域の浸水状況を把握するともに近海での津波収斂箇所を把握した.また,今回想定した最大クラスの想定波源は、沿岸に既往最大津波以上を発生させることができた.
著者
松下 戦具 菊永 佐紀子 青山 純也 野村 毅
出版者
日本顔学会
雑誌
日本顔学会誌 (ISSN:13468081)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.41-50, 2023-12-26 (Released:2023-12-26)
参考文献数
22

唇の外見は加齢に伴い変化する。しかし、どういった質感や特徴が唇の見た目の年齢に影響するかはこれまでよくわかっていない。本研究の目的は、唇の見た目年齢に影響する因子を抽出すること、およびそれらの因子の寄与の度合いを推定することであった。実験では、参加者は20代から60代の唇の写真を印象評定し、その後その唇の年齢を推定した。印象評定値を因子分析したところ「色つや」「ボリューム」「かたち」「シワのなさ」の4因子が抽出された。唇の見た目年齢に対するそれら4因子の影響を重回帰分析で検討したところ、「色つや」と「ボリューム」が特に唇の見た目年齢に影響していることが示された。その一方で、見た目年齢に対する「かたち」と「シワ」の影響は有意ではなかった。
著者
澤田 和輝 野村 理朗
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第21回大会
巻号頁・発行日
pp.9, 2023 (Released:2023-10-18)

大自然の絶景等の広大かつ既存のスキーマを超越する刺激に対して生じる「畏敬の念」と呼ばれる感情反応がある.畏敬の念−好奇心−創造性の関連において,これまでの研究は各心理特性の個人間変化に着目するあまり個人内変化については未検討であった.本研究では,20代を対象に2時点4ヶ月間隔で畏敬の念,好奇心,創造的自己を測定し,潜在変化モデルを用いることで各変数の個人内の変化量の関連を検討した(N = 257; 平均年齢26.10±3.17歳,女性183名).潜在変化モデルにより推定された各変数の変化量に対して,ブートストラップ法を用いて媒介分析を実施した結果,畏敬の念を感じる頻度が増加した個人ほど知的好奇心が増加し,転じて自己を創造的に感じる程度が増加することが明らかになった(間接効果b = 0.18, 95%CI [0.09, 0.29]).本研究の結果は,個人内変化の観点から畏敬の念が知的好奇心の向上を介して創造性を促進することを新たに示唆する.
著者
北尾 浩和 来田 宣幸 深田 智 中本 隆幸 小島 隆次 萩原 広道 野村 照夫
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-17-00039, (Released:2018-02-27)
参考文献数
26

The purpose of this research is to estimate quantitatively by using jump motion as a base material as the basic research about the effect the difference in the linguistics movement instructions on a performance. The effect of five instructions (“A: big jump.”, “B: jump after deeply bended knees.”, “C: highly jump.”, “D: maximum jump.”, “E: jump to touch the ceiling.”) on jump height was analyzed using KINECT. Result, the height of jump was E > D > C> B > A. In order to create high jump, it was found the instruction such as E, with the target point in the external of body was useful. In addition, as attention focused on the part instructed as the effect of the instruction focusing on the explicit of body part like B, it was suggested the attentiveness to other parts and the timing of the operation may be delayed. Instructions like D didn't lead to a high jump because the image of movement was ambiguous.
著者
瀬戸山 博子 野村 真希 矢田 ともみ 吉丸 洋子 楢原 哲史 稲田 浩気 田中 健太郎 蔵野 宗太郎 徳永 尭之 飯尾 悦子 長岡 克弥 渡邊 丈久 江口有 一郎 田中 靖人
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.11, pp.583-586, 2023-11-01 (Released:2023-11-10)
参考文献数
5

Continuation of activities is important for the hepatitis medical care coordinators to fulfill their functions, which must be supported by regional core centers for liver disease management. Thus, we conducted a questionnaire survey among coordinators in Kumamoto Prefecture to identify factors that motivates them to continue their activities. Results showed that coordinators were mainly motivated by a sense of social contribution. The factors considered important in the continuation of their activities are self-evaluation and of others, resolution of concerns about their activities, and the presence of peers/consultants. The regional core centers should actively provide a place and means for the coordinators to be active.
著者
岸田 杏子 野村 泰之 地家 真紀 御子柴 郁夫 岸野 明洋 木村 優介 三浦 正稔 戸井 輝夫 増田 毅 鴫原 俊太郎 大島 猛史
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.78, no.3, pp.157-163, 2019-06-30 (Released:2019-08-02)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

Purpose: This present study was aimed at evaluating the effects of our original teaching method called “Bang Bang, Hu, Kacha” on the learning efficiency. Methods: We invented this method, which involves hand modulation and vocalization of words, for medical students to enable them to easily understand and memorize the anatomy of the inner ear and vestibular organs. We evaluated its effectiveness based on self-completed questionnaires by the students. Results: The results suggested that the comprehension level of the 30 medical students of the anatomy of the inner ear organs, especially the positional relationships of the semicircular canals and cochlea improved dramatically after they underwent training using this methodology. The medical students assigned high scores to this relational hand modulation method. Conclusion: This “Bang Bang, Hu, Kacha” method seemed to be a very useful for medical education, and allowed easy comprehension and memorization of the inner ear and vestibular anatomical structures.
著者
田中 博生 野村 忠慶 西山 昇
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2023, no.FIN-031, pp.154-155, 2023-10-10 (Released:2023-10-12)

過去のプロジェクトで実施した大型小売店舗の来客数予測の取り組みを紹介する。対象となった店舗は都心へ電車通勤できる郊外に位置する。大型小売店舗にとって毎日の来客数予測は、仕入れ数量に関係することもあり重要である。通常の来客数予測は、店長等の現場責任者がそれまでの経験から2,3日後の来客数を予測している。本プロジェクトでは、各店舗の来客数をモデルにより予測、情報共有する仕組みを検討した。予測するにあたり店舗の過去の来客実績、曜日などの季節性、安売り日等のイベント情報に加え、天候情報を組み合わせる事で予測力が向上するとの仮説のもと検証した。最終的には、過去の実績来客数と予測来客数の差異を「学習期間」のデータによる予測により「予測期間」通期で最小化する結果を得られた。
著者
大平 雅子 伊藤 兼敏 野村 収作
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.133, no.6, pp.1277-1278, 2013-06-01 (Released:2013-06-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1 1

The effect of an alerting odorant on the secretion of salivary cortisol during sleep and after awakening was investigated. Salivary cortisol was assessed because this glucocorticoid represents activation of the hypothalamus-pituitary-adrenal (HPA) system, which is a dominant stress reaction pathway in the body. Subjects were exposed to an alerting odorant, Thesaron®, during a 6h sleep period but not after awakening. Surprisingly, cortisol secretion after awakening was found to be suppressed, as well as during sleep. Exposure of this alerting aroma during sleep may have an impact on cortisol secretion after awakening by suppressing HPA activity after awakening.