著者
万倉 三正 野田 泰子 森 昭胤
出版者
岡山医学会
雑誌
岡山医学会雑誌 (ISSN:00301558)
巻号頁・発行日
vol.124, no.1, pp.15-26, 2012-04-02 (Released:2012-04-29)
参考文献数
61

Diabetes mellitus (DM) represents a global health and economical problem. Many patients with DM in Asia, South America, India and East Africa have traditionally used the water extract of unripe fruits of Momordica charantia (bitter melon) as some form of complementary and alternative medicine. Studies of laboratory animals have shown the beneficial blood-glucose lowering and anti-diabetic effects of this remedy. Some oral components that bring lower blood glucose level have been isolated : charantin (sterol glycosides), charantin (polypeptide) and cucurbine-type triterpenes. Part of their actions are related to AMP-activated kinase and repression of the oxidative stress that is increased in DM. Most clinical reports are not fully convincing due to the lack of randomized control studies. The present article reviews the pharmacological and clinical effects of bitter melon with special emphasis on the anti-diabetic effects, and some effects that would require caution in the context of human trials.
著者
松浦 弘幸 根本 哲也 野田 信雄 中野 正博
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.131-136, 2005-10-20
被引用文献数
2

現代日本社会で見られる人口減少の真の理由を明らかにするには、種としての人間が生物学的にどのような未来をたどるかという設計医療工学の視座にたって人口減少社会を観察する必要がある.このことは,人口減少社会の別の側面を見せてくれるばかりか,"生物集団としての人間"を知るためにも極めて重要な視点といえる.本論では、データからモデルを組み立てる帰納的方法と,仮説を立て検証を行う演繹的方法を併用し,数理モデルを形成する.しかる後,現実の社会システムに応用してモデルの完成度高める,予測推計・分析および政策立案に応用する方法を提案する。
著者
野田 航 辻井 正次 伊藤 大幸 浜田 恵 上宮 愛 片桐 正敏 髙柳 伸哉 中島 俊思 村山 恭朗 明翫 光宜
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.158-166, 2016

<p>本研究では,単一市内の全公立小・中学校の児童・生徒(小学3年生から中学3年生)を対象とした縦断データの分析を行うことで,攻撃性の安定性に関して検討した。3つの学年コホート(合計約2,500名)の小・中学生の5年間の縦断データを対象に,潜在特性–状態モデル(Cole & Maxwell, 2009)を用いた多母集団同時分析を行った。攻撃性の測定には,小学生用攻撃性質問紙(坂井ほか,2000)を用いた。分析の結果,攻撃性は特性–状態モデルの適合が最も良好であり,特性変数と自己回帰的な状況変数の双方が攻撃性の程度を規定していることが明らかとなった。また,性差が見られるものの,攻撃性は中程度の安定性をもつことも明らかとなった。さらに,特性変数による説明率は,学年段階が上がるにつれて上昇することが明らかとなり,小学校中学年頃までは攻撃性の個人差はまだそれほど安定的ではないが,思春期に移行する小学校高学年頃から中学校にかけて個人差が固定化していくことが示された。</p>
著者
山下 誠 木野田 典保 角谷 一徳 八木 朋代 石濱 裕規 都丸 哲也
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.EcOF2097-EcOF2097, 2011

【目的】<BR> 当院では、医師をはじめ、義肢装具士、理学療法士、作業療法士が一同に介して、装具に関する診察(以下:装具診)を週2回行っている。入院中に作成した装具が、退院後の環境の異なる在宅生活において、うまく適合しているのか、また、どのように活用されているかについて、不明確な点が多い。そこで、適切な装具の処方が行われているかを確かめる目的で、入院中に下肢装具を作製し在宅退院された障害者に対して、満足度及び装具使用状況に関する追跡調査を実施した。<BR><BR><BR>【方法】<BR> 対象は、2008年4月から2010年3月までに当院入院されていた脳血管障害者のうち短下肢装具を作製し、自宅退院となった29名であった。調査方法は、アンケート用紙郵送形式とした。内容は、満足度及び装具使用状況調査からなるものであった。満足度の評価には、福祉用具満足度評価を使用した。これは、福祉用具使用者の満足度を評価するためにLouise Demersらにより、開発された効果測定の指標であり、満足度を8項目の福祉用具特性と4項目の関連サービスの観点から評価するものである。福祉用具の下位項目は、1大きさ2重さ3調節しやすさ4安全性5耐久性6使い心地7期待した効果8着脱しやすさであり、サービスの下位項目は、1作製の時期や手続き2修理とメンテナンス3専門家の指導・助言4アフターサービスである。これら各項目を1「非常に不満」から5「非常に満足」の5段階で評定する。装具使用状況調査の質問項目は、選択・記入方式とした。内容は、1使用期間2装着自立度3転倒回数4着用時転倒回数5使用頻度と使用場所6修理の必要性7修理の有無8修理の認知度9相談相手の有無10退院後の身体的変化であった。<BR><BR>【説明と同意】<BR> 対象者には当院入院時に担当療法士から、電話にて調査目的の説明を行い同意を得た方にのみ、アンケート用紙を郵送した。<BR><BR>【結果】<BR> 回収率は、29件中20件(68.9%)であり、有効回答19件を分析対象とした。対象者は、男性13名、女性6名、平均年齢58.15歳。疾患は、脳出血9名、脳梗塞8名、その他2名。装具の種類はオルトップ2名、プラスチック製短下肢装具12名、金属支柱付短下肢装具5名であった。また、FIM平均点は、入院時総得点58.22点、退院時総得点87.77点、退院時の移動項目平均点は、歩行6.00点(6名)車いす5.5点(14名)、階段昇降3.6点(19名)であった。満足度評価の算出方法は、福祉用具、サービス共に無効回答の項目以外の得点を加算して、有効回答数で除したものとした。そして、これら2つの合計を総合点とした。総合点平均13.4点であった。内訳として福祉用具平均3.4点、サービス平均3.4点であった。さらに、装具処方における不満足の要因となる項目を検討するために、総合点により、高満足群(n=10平均17.2点)と低満足群(n=9平均9.2点)で2群化(中央値13.7)し比較した。その結果、福祉用具特性では、「重さ」「調節しやすさ」「使い心地」サービスについては、「修理とメンテナンス」「専門家の指導・助言」「アフターサービス」の項目で差がみられ、高満足群が低満足群に比べ優位に得点が高かった(Mann-WhitneyのU検定p<0.05)。使用状況調査の各項目に関しても、高満足群、低満足群間で比較した結果、有意差はみられなかったものの、「使用頻度」「修理の必要性」の2項目で、高満足群が低満足群より使用頻度が高く、修理の必要性も高い傾向がみられた。自宅退院後の転倒者数は10名(52.6%)おり、「使用頻度」ではいつも使用者9名(47.3%)、時々使用している者7名(36.8%)、使用していない者3名(17.7%)であった。「修理の必要性」の有無では、あり12名(63.1%)なし6名(31.5%)であった。<BR><BR>【考察】<BR> 今回の研究では、福祉用具満足度評価に基づいて、不満足の要因を検討し、さらに高満足群と低満足群の間で、使用状況調査にどのような違いがあるのか検討した。その結果、装具処方時に、退院後においても高い満足度を得る装具を処方するには、福祉用具特性では「大きさ」「調節しやすさ」「使い心地」に配慮し、サービス面では「修理とメンテナンス」「専門家の指導・助言」「アフターサービス」に配慮する必要がある。使用状況調査において低満足群では、使用頻度が低い傾向がみられたことから、「重さ」「調節しやすさ」「使い心地」への不満が示唆された。<BR>修理の必要性ありと回答した方の方が、より満足している傾向から、定期的なフォローアップがなされる装具処方に満足していると考察する。<BR><BR><BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>満足できる装具処方をするための着目点が示された。「使われる装具」を処方するためには我々が伝えねばならないものは、機能面に限られないことが本調査から示唆された。今後も家族や利用サービスなどの視点も含め、追跡調査として継続・発展させていきたいと思う。
著者
野田 遊
出版者
愛知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

米国のシティ・カウンティ統合政府の事例等を研究し、基礎自治体と広域自治体が統合して形成される垂直的統合政府の民主性と効率性について明らかにした。統合成功事例では、統合による経済発展や財政効率の向上を実現していた。一方、規模が拡大した政府において、地域を分けて住民の意向を吸い上げる取り組みなどを進め、民主性と効率性の両立に配慮していた。また、効率性はサービスを地域全般に公平に広げる機能を持つ点も明らかになった。これらは、日本の地方制度改革に資する重要な点である。
著者
伊藤 大幸 村山 恭朗 片桐 正敏 中島 俊思 浜田 恵 田中 善大 野田 航 高柳 伸哉 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.170-183, 2016
被引用文献数
8

一般小中学生における食行動異常の実態について, 性別・学年による差異, 併存症状としてのメンタルヘルス指標との関連, リスク要因としての社会的不適応との関連という3つの観点から検討した。一般小中学生を対象に質問紙調査を実施し, 4,952名(男子2,511名, 女子2,441名)から有効回答を得た。独自に作成した小中学生用食行動異常尺度について確認的因子分析を行った結果, "やせ願望・体型不満"と"過食"の2因子構造が支持されるとともに, 性別, 学年段階, 体型による因子構造の不変性が確認された。"やせ願望・体型不満"は, 全体に女子が男子より高い得点を示したが, 特に中2, 中3で女子の得点が顕著に高くなっていた。"過食"では顕著な男女差や学年差が見られなかったが, 女子では, 学年とともにやや得点の上昇が見られた。メンタルヘルスとの関連では, "やせ願望・体型不満"が抑うつと比較的強い相関を示したのに対し, "過食"は攻撃性と比較的強い相関を示した。社会的不適応との関連では, "学業", "家族関係"に加え, 男子では"友人関係", 女子では"教師関係"が食行動異常と有意な関連を示した。
著者
野田 茂 星谷 勝
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.633, pp.41-59, 1999-10-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
27

複数地点で観測値が与えられた条件付対数正規確率場において, 不偏推定・最小誤差共分散規範に基づく Kriging 法と条件付確率密度関数法には固有な差があるのであろうか. この疑問に答えるため, 前者から導いた最適推定値, 推定誤差共分散, 後者からの条件付平均値, 条件付共分散の検討結果ならびに数値分析の結果, 1) 最適推定値と条件付平均値は完全に一致すること, 2) 推定誤差共分散は条件付共分散と異なること, 3) 推定誤差共分散は観測位置のみに依存し, 観測値に無関係であるが, 条件付共分散は観測値に依存すること, 4) 推定誤差共分散は条件付シミュレーションに関与しないことが見出された. 2つの方法は正規確率場において完全に等価であるが, ここで指摘した知見は条件付正規確率場とは異なる性質である.
著者
藤居 東奈 西村 ひとみ 野田 寧
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.136-145, 2015 (Released:2015-05-02)
参考文献数
10
被引用文献数
1

海外で収集した市販食用塩について,主成分,微量成分等を分析し,品質調査を実施した。海外の市販食用塩は,日本国内で生産された商品と比較して塩化ナトリウム純度が高い傾向であった。微量成分は,海水由来の成分,土砂等から混入したと推測される成分など,日本国内の市販食用塩と同様の成分が検出された。食品添加物は,7割の商品で添加されており,日本国内の市販食用塩と比較して,添加物の使用割合が高く,その種類も多様であった。低ナトリウム塩における,塩化カリウムの濃度は,日本国内の市販食用塩では塩化カリウムが50%の商品が主であるのに対して,海外の市販食用塩では30~100%の商品があり,塩化カリウムと塩化ナトリウムの割合が様々であった。以上より,海外の市販食用塩は,塩化ナトリウム純度や食品添加物が日本国内の市販食用塩とは異なる傾向であった。
著者
野田 正幸 山本 晴敬
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.327-334, 1994
被引用文献数
2 10

滅菌処理植物脂肪クリームを用いて,クリームの物性変化におよぼす温度履歴の影響について検討し,以下の知見を得た.<BR>(1) 冷蔵開始温度より温度処理がクリームの粘度に大きく影響した.クリーム構成油脂の固体脂含量が温度処理後の粘度に影響し,固体脂含量が20%以下になると粘度が増加して最大値を示し,油脂が融解する温度以上では粘度の変化はなかった.<BR>(2) 温度処理後のクリームのホイップ特性は粘度の変化とほぼ対応し,処理温度が高くなるとともにホイップ時間とオーバーランの減少,硬さの増加,気泡径の減少がみられ,油脂が融解する温度以上では無処理と同等となった.温度処理によるホイップ特性の変化は,ホイップ時に増加した遊離脂肪が構造に寄与するためと推定した.<BR>(3) クリームの粘度とホイップ特性は温度処理における冷却速度にも依存し徐冷の方が影響が大であった.<BR>(4) 温度処理したクリームは,脂肪が融解する温度に再度温度処理することによって再生できた.
著者
野田 春美
出版者
日本語文法学会
雑誌
日本語文法 (ISSN:13468057)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.131-145, 2003-09