著者
五郎丸 毅 古田 隆 馬場 茂雄 野田 敦子 井口 定男
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.544-547, 1981-06-25 (Released:2008-05-30)
参考文献数
11
被引用文献数
3

The kinetic isotope effects in the in vivo metabolism of three kinds of deuterated aminopyrine (AM), i.e., AM-3-CD3, AM-2-CD3 and AM-4-N (CD3)2, were investigated. In order to evaluate the effect of deuterium labeling on the metabolic rate of AM, an equimolar mixture of AM and AM-3-CD8 (AM : AM-3-CD3), AM : AM-2-CD3 or AM : AM-4-N (CD3)2, was orally administered to rats. Urinary metabolites were extracted with chloroform and the extracts were subjected to gas chromatograph-mass spectrometer after trimethylsilylation. AM metabolites were measured by using selected ion monitoring focused on their molecular ions. The kinetic isotope effect was estimated from the ratio of the amount of the metabolite excreted from deuterated AM to that excreted from AM (D/H ratio). After the administration of AM : AM-3-CD3, D/H ratios of 3-hydroxymethyl metabolites were in the range of 0.347 to 0.403. On the contrary, D/H ratios of 4-demethylamino metabolites were in the range of 1.22 to 1.30. These values indicated that the deuterium labeling of AM shifted the initial step of AM metabolism from oxidation of the 3-methyl group to demethylation of the 4-dimethylamino group. This isotope effect is well-known as a "metabolic switching". In the case of AM-4-N (CD3)2, D/H ratio of 4-formylaminoantipyrine indicated the effect on the oxidative formylation by deuterium labeling.
著者
齊藤大介 野田敏生 古川公宣
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
第50回日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
2015-05-01

【はじめに,目的】厚生労働省の報告では,腰痛は,84%の人が一生のうちに一度は経験するといわれている国民的愁訴であり,慢性疼痛患者の半数以上に腰痛の訴えがあるとしている。腰痛は職業性疾病の6割を占め,長時間のデスクワークや長距離運転等で増悪するといわれており,腰痛予防対策が,労働者の健康確保にとっても大きな課題となっている。そのため,慢性腰痛症に対する対策の必要性があり,予防的に介入することで経済損失を効果的に減じることができるという報告もある。諸家の報告において,デスクワーク従事者は,椎間板ヘルニアの発生率が高く,坐位姿勢は立位姿勢と比較して,椎間板内圧が上昇する事や後部椎間板線維輪が伸張されるといわれている。また,腰部障害に影響を及ぼす因子として坐位時間が挙げられており,慢性腰痛症の誘因の1つである。O’Sullivanらによって報告された腰椎の生理的前弯を保つ坐位姿勢(Upright sitting)は,深層筋を優位に働かせて脊柱の靭帯軟部組織への負担を軽減するとされている。一方,胸腰部を脱力して骨盤を後傾した坐位姿勢(Slump sitting)は,脊柱起立筋にFlexion Relaxation Phenomenon(FRP)が出現し,腰椎を生理的前弯に保つ力源を非収縮性の受動性組織に依存するとされている。この姿勢を長時間保持することは,脊柱の靭帯軟部組織が伸張され,菲薄化することで強度低下を起こし(クリープ現象),脊柱の安定性が損なわれるといわれているが,腰部筋活動に関して経時的な変化を調査したものはない。そこで今回我々は,Upright sittingとSlump sittingの坐位姿勢を保持する間の腰部筋活動の経時的な変化から,異なる坐位姿勢が腰部筋活動に与える影響を調査した。【方法】健常成人男性14名,年齢:30.7±6.8歳(平均±標準偏差),身長:171.1±5.1cm,体重:65.0±9.3kg,を対象とし,1年以内に強い腰部痛の経験がなく,腰部に障害を残遺する疾患及び外傷の既往がない者とした。被験者は大腿骨を坐面と平行にし,膝関節屈曲90°,足底は床から離すようベッドに着坐し,体重の20%の重錘を両側肩関節上からベルトを用いて垂直方向に懸垂した状態でUpright sittingとSlump sittingをそれぞれ20分間保持した。被検筋は,左右の腰部腸肋筋と腰部多裂筋とし坐位保持中の筋活動を表面筋電計にて測定した。また,試行間には十分な期間(7日間以上)を設けた。統計学的解析は,経時的変化に反復測定分散分析と多重比較検定(Dunnet法)を用い,危険率5%未満を有意とした。【結果】Slump sittingの左右の腰部腸肋筋,腰部多裂筋の筋活動電位は,時間経過に伴う変化は示さなかった。また,Upright sittingにおいても腰部腸肋筋の筋活動に有意な変化は見られなかったが,両側の腰部多裂筋の筋活動は経時的に有意に増加し,右側(12分後)の増加が左側(16分後)よりも早期に出現した。【考察】Upright sittingでは,腰部多裂筋の筋活動が経時的に有意な増加を示したが,腰部腸肋筋の変化は認められなかった。このことから,脊柱の靭帯軟部組織への負担が少ないとされるUpright sittingを保つ時でも,保持時間が長くなると下部腰椎に後弯方向のストレスが生じ,筋疲労を誘発している事が推察された。左右の出現時期の違いは坐圧の不均衡によるものと考えられるが,今後の検討課題である。また,Slump sitting開始時の腰部筋活動電位は,平均約8.4μVと低値を示した。これは,FRPが出現したと考えられ,この姿勢を保持するときには筋による力源ではなく,腰部受動性組織の張力へ依存していることが推察された。本研究の限界として,長時間の坐位保持を重量負荷にて再現したため,本来の長時間坐位保持による変化と異なる可能性がある。今後は日常的な作業環境での評価を行えるよう研究を進める計画である。【理学療法学研究としての意義】本研究結果は,臨床の現場や腰痛予防教室において,デスクワークまたは長距離運転等に従事する者の慢性腰痛症を予防するための作業環境設定,適切な作業姿勢の指導を行なう一助となると考える。
著者
西尾 治 吉澄 志磨 野田 衛
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.179-186, 2004-10-15 (Released:2010-07-12)
参考文献数
19
被引用文献数
1
著者
野田 航 松見 淳子
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.13-25, 2010-01-30

研究の目的本研究では、児童の漢字の読みスキルの保持・耐久性・応用に及ぼす流暢性指導の効果を検討した。研究計画個体内実験計画を用いた。場面公立小学校の特別支援学級の教室内において行われた。対象児公立小学校の特別支援学級に在籍する5年生の男児1名が参加した。介入まず、対象児は100%正しく漢字を読むことができるようになるまで、離散試行手続きによる漢字の読みの指導を受けた。その後、半分の漢字については流暢性指導、もう半分の漢字については正確性指導による指導を受けた。流暢性指導では、速く正確に漢字が読めるように30秒タイムトライアルによる指導を行った。正確性指導では離散試行手続きによる指導を行った。正確性指導における試行数はヨークト手続きによって統制した。行動の指標正しく読めた漢字の数と間違った漢字の数を指標とした。結果流暢性指導を行った漢字は、正確性指導を行った漢字よりも、漢字単語の読みを短文内の漢字の読みに応用できるようになっていた。結論流暢性指導によって、漢字の読みの応用を促進することができた。
著者
渡邉 翔一郎 近藤 健一 松岡 絢香 宮武 昌史 野田 慶親
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.135, no.10, pp.676-679, 2015-10-01 (Released:2015-10-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

1.はじめに 1.1 地球環境問題と鉄道をとりまく背景 近年は地球環境問題に対する意識が高まり,低炭素社会実現への期待が日に日に大きくなっている。そんな中で鉄道は環境親和性の高い乗り物として脚光を浴びている。二酸化炭素排出量
著者
松山 賢治 山下 親正 野田 敦子 後藤 茂 野田 浩司 市丸 保幸 五味田 裕
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.32, no.10, pp.4089-4095, 1984-10-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
29
被引用文献数
16 26 23

Isonicotinoyl-γ-aminobutyric acid (GABA) (IG) and nicotinoyl-GABA (NG), candidate prodrugs of GABA, were assessed by measuring various pharmacological responses such as anticonvulsant effect, prolongation of pentobarbital sleeping time and depressive effect on rearing or ambulation in general behavior, in relation to the GABA level in the mouse brain. The GABA level after the intraperitoneal administration of IG at a dose of 1000 mg/kg increased significantly from 2.30±0.02μmol/g wet wt. in the control to 2.93±0.05μmol/g wet wt., while NG caused only a slight increase in GABA level. IG showed a stronger anticonvulsant effect, greater prolongation of pentobarbital sleeping time and greater depressive effect on rearing in general behavior than NG did. The pharmacological effect of IG or NG corresponded well to the GABA level in the brain.
著者
野田 有紀子
出版者
工学院大学
雑誌
工学院大学共通課程研究論叢 (ISSN:09167706)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.149-135, 2006-02-28
著者
野田 潤
出版者
Japan Society of Family Sociology
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.17-26, 2006
被引用文献数
1

本稿は, 近代以降の夫婦関係と親子関係の接続についての人々の了解の形式の変容を明らかにし, 近代家族の情緒的関係の分節化を試みる。読売新聞の悩み相談欄「人生案内」 (1914~2003) の語りを分析した結果, 以下の知見が導かれた。 (1) 夫婦関係と子どもの幸福は1930年代までは無関係とされており, すべての語り手が子どものために頻繁に両親の夫婦仲を重視し始めるのは1970年代以降のことである。 (2) 夫婦関係と親子関係も1960年代までは別個に成立するものとされていたが, 1970年代後半以降, 人々は二つの間に因果関係を想定するようになっている。これらの知見からは, 近代家族の情緒的関係と現在ひとくくりに言われているものが, 近代以降でも変化していたことが明らかになった。なかでもとりわけ現在は, 家族内部の複数の異なる関係を, 容易に影響し合い連動し合うものだとみなし始めている点で, 特殊な時代だと言える。
著者
小野田 元 小野田 晃夫 下田 勉 小野田 憲 岩野 鐵夫 長崎 泰一 千葉 末作
出版者
Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists
雑誌
生物環境調節 (ISSN:05824087)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.151-157, 1998-09-30

水稲の周年養液栽培法と生産性の高い栽培技術を確立する目的で, 高圧ナトリウムランプとメタルハライドランプを設置した完全制御室, 太陽光併用高圧ナトリウムランプ室, 混合光室, メタルハライドランプ室および太陽光室を利用し, 1994~1995年に3回, 栽培試験を行った.<BR>PPFDの大きさは補光ランプを点灯した完全制御室>高圧ナトリウム室>混合光室>メタルハライド室の順で, 太陽光室は最も小さかった.PPFDは玄米重との間で有意な正の, 屑米重歩合との間では負の有意な相関がみられた.また, 玄米重を決定する変数増減法により重回帰分析を行った緒果, PPFDは第1ステップで取り込むと寄与率は96%で, 水稲の生育・収量に大きく影響を与えていた.とくに完全制御室と混合光室では, ランプの光合成増進効果により生育・収量は優るとみられた.また, 全平均照度は玄米重の決定に寄与するが, PPFDよりも寄与率は大きく劣るとみられた.このように, 高圧ナトリウムランプおよびこれとメタルハライドランプの混合光およびこれに太陽光を併用した場合は玄米重は増収し, 植物工場における増収技術になると考えられるが, 実用場面ではさらに検討を要する.<BR>本論文を作成するにあたり, 弘前大学農学部卜蔵健治教授から有益なご教示を賜った.また, 青森県農業試験場育種部長中堀登司光氏, 同前栽培部長玉川和長氏には調査にご協力を戴いた.ここに厚く謝意を表する.
著者
野田 浩資
出版者
環境社会学会
雑誌
環境社会学研究
巻号頁・発行日
no.2, pp.21-37, 1996-09-20

本稿では、岩手県平泉町の柳之御所遺跡の保存問題を検討することを通じて、〈歴史的環境〉という問題領域の特質と〈歴史的環境〉をめぐる地域の意思決定について検討を加える。従来のような「住民 対 行政」の二項の対立図式ではなく、専門家の役割に注目して「住民/専門家/行政」の三項図式を設定することにより、専門家相互もしくは専門家と住民・行政との間の相互作用過程を浮び上がらせ、〈歴史的環境〉をめぐる問題のダイナミックスをとらえてみたい。柳之御所遺跡の保存問題においては、住民団体、歴史学・考古学の専門家団体、地元マスコミという多様な担い手による保存運動が展開された。その過程で、歴史学・考古学の専門家による価値判断が行政によって重視され、一方、歴史学・考古学の専門家は(1)行政内の発掘担当者、(2)保存運動の担い手、(3)遺跡の価値の審判者という3重の役割を果たしていた。また、歴史学・考古学の専門家と地域住民、行政の間にはパースペクティブのずれが存在し、その中でどのように地域の意思決定がなされたかを明らかにする。
著者
野田 章 想田 光 白井 敏之
出版者
プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 = Journal of plasma and fusion research (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.461-465, 2010-08-25
参考文献数
32

ベクトルボソンの生成に向け,2次ビームの反陽子を加速器で自在にハンドリング可能な性能に向上する素粒子物理学上の必要から考案されたビーム冷却法は,確率冷却法によりこの目的を達成し,さらに電子ビーム冷却による電子・分子イオン衝突の精密研究やイオンビームの1次元オーダーリングを実現するに至っている.こうした成果をもとに,より低温の極低温ビーム(クリスタルビーム)の実現に向けて,さらに強力な冷却力を有するレーザー冷却を3次元で実現する試みが進んでいる.本章ではビーム冷却により熱を除去し,ビーム温度の軽減を図り,極低温の結晶化ビームの実現を図るアプローチの概要を紹介する.
著者
野田幸内 編
出版者
開成社
巻号頁・発行日
1883
著者
重信 智宏 野田 敬寛 吉野 孝 宗森 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.255-266, 2004-01-15
被引用文献数
3

無線LANとPDAを用いた柔軟な授業支援システムSEGODON-PDAを開発した.従来の固定型の授業支援システムは,計算機室などの計算機を設置した教室のみでしか実施できず,管理に手間がかかるという問題があった.PDAは比較的安価であり,携帯性に優れるため,柔軟なシステムの運用が可能である.SEGODON-PDAは,内容の異なる2つの授業に対する支援を行う.講義形式の授業では,学生が授業中に演習問題を授業用のウェブサイトからPDA上にダウンロードし,そこで解答する.学生は,PDAを持ち,画面上の解答を見ながら板書する.また,宿題をPDA上にダウンロードし,次回の授業までに教室外で解答を行う.発想法を学ぶ実習形式の授業では,PDAを用いたアイディア収集や発想法の結果を無線LANとPDAを利用して口頭発表を行う.開発したSEGODON-PDAを大学3年生の2種類の授業へ適用した結果,以下のことが分かった.(1)無線LANとPDAを用いたSEGODON-PDAは,講師と学生との対話性のある支援が行え学生から高く評価された.(2)様々な授業内容に対する支援が可能であり,教室外での宿題や予習などにも利用可能であった.We have developed a flexible lecture support system using PDAs and wireless LAN, named SEGODON-PDA. A conventional fixed lecture support system has been carried out only in the classroom such as a computer room. The problem is the trouble of management. PDAs are comparatively cheap and their portability is good. A flexible system can be built using PDAs. The system can support two types of lectures. We applied SEGODON-PDA to a lecture-type class. Students could download the contents for the lecture using a wireless LAN in class and could write something on a blackboard while carrying and seeing a PDA. They could do their homework outside of the classroom. We applied SEGODON-PDA to an exercise-type class. Students could collect ideas for the exercise of an idea generation method. They make a presentation about results of the exercise using their PDA with a wireless LAN. We have applied the system for third year students. The results of the applications are shown below. (1) The results of the application show that SEGODON-PDA is effective and highly evaluated. The class became interactive between the lecturer and students. (2) The system could support several types of lectures. The system could also support the homework or the preparation outside of the classroom.
著者
野田 保
出版者
The Vacuum Society of Japan
雑誌
真空技術 (ISSN:18837182)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.75-95, 1957

分析のやつかいな炭化水素の分析においても十分安定に高性能を発揮し得るRMU-5型質量分析計をあらたに設計製作したが, 十分にその目的を達し得た理由の一つとして, 真空系に対する配慮を十分に施したことが挙げられる。本報告においてはまず質量分析計の真空条件について簡単に論じ, 次にこの主旨にそつて設計したRMU-5型質量分析計の主排気系の各部について述べ, 最後に若干の実験結果を報告する。特に, 高速度排気によつて約2時間で10<SUP>-7</SUP>mmHgの桁に入り, 分析中でも10<SUP>-7</SUP>mmHgの桁を保ち, トラツプ冷却剤の放置寿命が24時間にも達したことは予期以上であつた。