著者
鍋島 俊隆 野田 幸裕 平松 正行 毛利 彰宏 吉見 陽 肥田 裕丈 長谷川 章 間宮 隆吉 尾崎 紀夫 山田 清文 北垣 伸治
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、幼児・学童期において問題視されている心理社会的ストレスを想定し、幼若期マウスに社会的敗北ストレスを負荷し、社会性行動について評価した。幼若期マウスは心理社会的ストレスに対して、成体期マウスに比べて脆弱であり、成体期まで持続する社会的行動障害を示した。社会的行動障害モデル動物としての評価系を確立できた。この動物の社会性行動障害には、グルココルチコイド受容体の活性化、モノアミン作動性神経系およびグルタミン酸作動性神経系の遺伝子発現変化に伴って、これら神経系の機能異常が関与していることが示唆された。
著者
水島 治郎 土倉 莞爾 野田 昌吾 中山 洋平 伊藤 武 津田 由美子 田口 晃
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

第二次世界大戦後、西欧諸国の多くで政権を掌握していたキリスト教民主主義政党は、1990年代に入ると各国で凋落し、政権を離れるに至ったが、国によってはその後、党改革を進め、一定の「革新」を可能とした例もある。本研究ではこのキリスト教民主主義政党の危機と革新という現代的展開の動態を明らかにすることで、西欧保守政治における構造的変容の実態の解明を試みた。成果は学会セッション企画、著書、論文などで幅広く公表された。
著者
小野田 正利 佐藤 晴雄 吉川 武彦 野田 正人 古川 治 楠 凡之 松本 剛 和井田 節子 岩切 昌宏 山野 則子 瀧野 揚三 西川 由紀子 新井 肇 小林 正幸 山下 晃一 岩永 定 入澤 充 嶋崎 政男 清水 和夫 清水 和夫 嶋崎 政男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

2000 年代に入ってわが国の学校現場では、教職員と保護者の間に時として激しい対立やトラブルが生じようになり、それらをどのように解決していくか、あるいは減少させていくかという課題が生まれてきた。本研究は、このような問題現象が増加している理由や背景の分析はもちろんのこと、具体的にどのようにすれば、トラブルが大きくならずに解決につながっていくかを考察したものである。このために研究者のメンバーの専門領域をより学際的なものとし、教育学だけでなく、法律学、精神医学、臨床心理学、福祉学などの幅広いものとして構成した。そこで得られた研究成果を、全国の12か所でシンポジウムとワークショップを開催する形で発表したが、これらの成果の多くは、6つの書籍などの成果物として結実した。
著者
小椋 雅夫 亀井 宏一 堤 晶子 野田 俊輔 佐藤 舞 藤丸 拓也 石川 智朗 宇田川 智宏 伊藤 秀一
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.31-35, 2011-04-15 (Released:2011-12-07)
参考文献数
11

グルココルチコイド (以下,ステロイド薬) の全身投与が長期にわたるステロイド依存性ネフローゼ症候群,頻回再発型ネフローゼ症候群,ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群などのいわゆる難治性ネフローゼ症候群ではステロイド薬の副作用が大きな問題となる。とりわけ骨合併症である成長障害 (低身長),骨粗鬆症,大腿骨頭壊死は重篤かつ不可逆的なものが多い。今回,私達はステロイド薬の副作用による骨合併症を呈した難治性ネフローゼ症候群4例に対してリツキシマブ療法を行った。リツキシマブの投与後,全例がステロイド薬からの離脱が可能となり,骨密度の改善や新たな骨合併症の予防が可能となった。リツキシマブは小児の難治性ネフローゼ症候群において再発抑制効果があり1)2),ステロイド薬の減量中止が可能となるが,infusion reactionをはじめとして,重症感染症,間質性肺炎,進行性多巣性白質脳症などの重篤な副作用を呈することもあり,使用にあたっては注意が必要とされる。
著者
生坂 政臣 大平 善之 野田 和敬 鋪野 紀好 塚本 知子 鈴木 慎吾 上原 孝紀 池上 亜希子
出版者
千葉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

医学生のProblem-based learning (以下PBL) テュートリアルにおいて、患者再現VTRを用いることにより、プライマリ・ケアの実臨床に即した幅広い領域での診断推論が行われるか否かを、従来の紙媒体を用いたPBLテュートリアルとの比較において検討した。その結果、患者再現VTRを利用しても鑑別疾患数は増加しなかったが、心理・社会面を含めた多方面からアプローチする診療が意識づけられ、さらにテューターへの負担も少ないなど、患者再現VTR利用のメリットを明らかにすることができた。作成コストは小さくないが、このような患者再現VTRは今後の卒前の医学教育に大きく資するものと期待される。
著者
松浦 弘幸 中野 正博 野田 信雄 小井手 一晴 伊藤 安海 根本 哲也
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.27-33, 2007-07-31

我々は,光線力学療法に使用される電磁波の照射エネルギーと温度との関係を表す基本式を提案した.電磁波療法は,電磁波の熱的側面が利用されたものであり,治療計画の立案には,理論的な裏づけが重要である.我々の計算によれば,比熱0.3cal/g.Kの標的組織に100mW/cm^2の低出力パルスレーザーを1秒間照射した場合,局所的な温度上昇は,0.67K程度に達すると予測される.この1秒間で熱が拡散する深さは,0.1cmと見積もられる.また,熱平衡時では,筋肉の温度上昇度合いは高々2.4Kであり,体温が37度であることを考慮すれば,低出力レーザーや電磁波は,温熱療法に利用できる可能性がある.一般には標的組織の厚さが有限であるために,標的組織の背後からの熱反射を考慮する必要があり,温度上昇は本論文の見積もり値よりも大きくなる.これらの点を改良するには,反射率,吸収係数,熱伝導率などの物性値に温度依存性を知る必要がある.
著者
西澤 奈津子 大隅 清陽 藤森 健太郎 稲田 奈津子 金子 修一 石見 清裕 桑野 栄治 野田 有紀子 安田 次郎 和田 英信 松岡 智之 末松 剛 吉永 匡史 武井 紀子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

古代日本においては、律令制の導入に続いて、8世紀になってから礼の本格的な導入が始まり、9世紀には儀式書の成立という形に結実する。その後9世紀から12世紀にかけての古代から中世の変革期において、中国の礼を受容して形成された儀式が支配構造との関係でどのように変容したかを、中国の賓礼や軍礼、凶礼などに該当する儀式を検討することによって明らかにした。また、同時期の中国や朝鮮半島諸国の礼や儀式の変化と比較することによって、日本の儀式の変化の特徴に迫った。その結果、中国において当該期に礼や儀礼が庶民化すること、皇帝権力の伸長により変化があることなどが確認された。
著者
佐藤 真琴 田中 博志 津野田 賢伸 高田 雅士 秋田 庸平 伊藤 雅樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.451, pp.55-60, 2005-11-24
被引用文献数
10

無線LANや音声・画像処理等, 規格が次々に生まれ, 高い処理性能が要求される分野において動的再構成可能プロセッサが注目を集めている.我々は同プロセッサとして, 性能面積比の向上を狙ったFE-GAの研究開発を進めている.本論文では, Fast Fourier Transform (FFT)のFE-GA向けアルゴリズムの考案, FE-GAへのマッピング, 主演算器利用率と呼ぶ性能評価指標の提案, 及び性能評価を行った.その結果, 2048点FFTに対して乗算器に対する主演算器利用率は96%となり, 本アーキテクチャはFFTに対して性能面積比が高いことがわかった.
著者
笹月 健彦 石川 冬木 野田 哲生 鎌滝 哲也 伊東 恭悟 丹羽 太貫 中村 祐輔
出版者
国立国際医療センター(研究所)
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
1999

本領域は、発がんの分子機構の解明を第一の目標とし、第二に細胞のがん化防御およびがん化した細胞の排除機構の解明を目指し、併せてがん研究の最終目標であるがん克服のための道を拓くことを目的とした。発がんの分子機能の解明のために、研究対象を分子・細胞レベル、臓器・個体レベル、家系・集団レベルにそれぞれ設定し、遺伝子および染色体の構造の安定性と機能発現のダイナミクスに関する恒常性維持機構、内的外的発がん要因によるこれらのゲノム維持機構の破綻と細胞のがん化の関連、新しい発がん関連遺伝子の同定および既知遺伝子も含めたこれら遺伝子群の変異に引き続く多段階発がんの分子細胞生物学的機構、を解明することを目指した。一方、発がん防御の分子機構の解明に当たっては、生体が備え持つ数々の恒常性維持機構によるがん化の防御、免疫系によるがん細胞の排除機構を分子レベルで解明することを目指した。DNA二本鎖切断によるチェックポイントの活性化、二本鎖切断の相同組換え機構と、それらの破綻と発がんの関係が明らかにされた。ヘリコバクター・ピロリ菌と胃がんとの関係が確立され、そのがん化機構の鍵となる分子が発見された。動物個体を用いてのがん関連遺伝子の機能解析により、Wntシグナル、Shhシグナル、PI3-Akt経路といったシグナル伝達系が生体内において果たしている役割と発がんにおけるこれらの活性化の重要性も明らかとなった。胃がん発症に関与する遺伝子の候補領域が同定され、21番染色体候補領域から胃がん感受性遺伝子が同定された。多数の癌関連抗原を同定すると同時に、NK細胞活性制御に関与する分子同定の分野やTヘルパー細胞の癌排除における役割、NK細胞やマクロファージなどの自然免疫系の特異免疫誘導における役割の分子レベルの解明も行われ、これら基礎研究成果の臨床応用のための探索的臨床研究の進展もみられた。
著者
太田 浩 芦沢 真五 渡部 由紀 野田 文香 新田 功 横田 雅弘 堀田 泰司 上別府 隆男 杉本 和弘
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

欧州で進行中の大学評価プロジェクトであるNufficのMINT、CHRのIMPI、IAUのISAS、ACAのAIMの開発者と利用した大学に聞き取り調査を行うと共に文献調査を行い、プロジェクト間の相違点、課題、利点などを明らかにした。そのうち、IMPIが開発した国際化評価の489指標を翻訳し、日本の文脈に照らして妥当と判断される152の指標を使い、質問紙調査を日本の228大学に対して行った。調査で収集したデータの分析結果に基づき、日本の大学国際化の評価に関する現状と今後の評価のあり方、及び日本の大学にとって最も有効性が高いと考えられる指標群、また有効性が高くないと考えられる指標群を明らかにした。
著者
八重樫 由美 坂田 清美 小野田 敏行
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

肥満割合の高い県北地域と全国平均に近い地域の小学4年生の児童・保護者にアンケート調査を実施した。児童のアンケート結果から、県北地域の児童は肥満の少ない地域と比して、バス・車での通学が多い、勉強時間が短い、相談相手がいない、給食の残食が多い、おやつをあまり摂取しない、野菜摂取量が少ないことが分かった。保護者のアンケート結果から、県北地域で栄養を考えた献立にしていない、自身の健康感があまりよくない傾向がみられた。
著者
野田 智洋
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

鉄棒運動の技を視覚的に提示した場合、客観的な運動経過は観察者にどの程度把握されるのかを明らかにする目的で、小3と中1の被験者にコマ数の多いもの、少ないもの、専門家がコマ選びをしたものという3種類の連続写真を提示し、記憶した運動経過を紙人形の操作によって再生させる実験を行った。その結果、以下のことが明らかになった。(1)コマ数の多寡は再生課題の得点に有意な影響を与えない。(2)専門家によるコマ選びも、機械的コマ割りと比較して再生課題の得点に有意な影響を与えなかった。(3)分散分析で、学年×群の交互作用が認められなかったことから、被験者の年齢は(1)と(2)の要因に対して有意な影響を与えなかった。
著者
野田 公夫 足立 泰紀 足立 芳宏 伊藤 淳史 大田 伊久雄 岡田 知弘 坂根 嘉弘 白木沢 旭児
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

1930 年代の日本では「資源」という言葉が急浮上した。そして「あるもの」ではなく「作ることができるもの」という側面が過剰に強調されただけでなく、人すらその対象に加わえられた(人的資源)。これは、ドイツにもアメリカにもない特異な現象であり、物質的豊かさに恵まれない日本が総力戦体制に立ち向かうための重要なレトリックであった。本研究では、総力戦体制期の農林資源開発に関する、日・独・米三国の比較史的研究をおこなった。