著者
長谷部 伸治 牧 泰輔 金 尚弘 前 一廣 殿村 修 永木 愛一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

本研究では、マイクロデバイスの設計論、集積化・安定操作手法を開発し、マイクロ化学プラントが精密大量生産プロセスとして運用可能であることを実証した。具体的には、Ritter反応プロセスに対して、反応条件の最適化、CFDシミュレーションによる解析に基づく設計を行い、49流路を並列化したデバイスを構築した。そして、30分間の安定操作を確認し、これを25系列内部ナンバリングアップすることにより204t/yの生産が可能であることを実証した。また、ヒドロキシメチルフルフラール製造プロセスを対象に、マイクロスラグ反応器の優位性を確認し、開発したマイクロデバイスとその設計・操作論の有用性を実証した。
著者
新井イスマイル 福嶋徹 内藤岳史 土川洋史 比嘉信 釣健孝 佐々木智大 大島秀樹 渥美清隆 松野良信 千田栄幸 山田悟 今井一雅 牛丸真司 金山典世 仲野巧 寺元貴幸 脇山俊一郎 中尾充宏 村本健一郎
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2013-IOT-23, no.10, pp.1-5, 2013-09-20

独立行政法人国立高等専門学校機構法の施行に伴い、平成 16 年 4 月 1 日に全国の国立高等専門学校 (以下、国立高専) が独立行政法人国立高等専門学校機構 (以下、高専機構) 1 法人に集約され、現在 51の国立高専を運営している。独法化前は各高専にて個別にネットワーク運用・調達が任されていたが、運営費交付金が毎年削減されることを考慮し、独法化後は高専機構のスケールメリットを活かした効率的なネットワーク運用・調達に挑戦している。本稿では、平成 24 年度までに得られた、(1) 歴史的 PI アドレスの集約による年間費用削減、(2) 機器・ソフトの一括調達による費用削減、(3) ノウハウ・人材の共有の成果について報告する。
著者
矢神 真奈美 加藤 大也 林 安津美 脇阪 涼子 小林 憲司 鷲野 香織 山本 絢子 立石 早祐美 澤井 喜邦 稲垣 一道 金山 均 片田 直幸 伊藤 光泰
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.430-435, 2011 (Released:2011-07-15)
参考文献数
18

2型糖尿病患者(60名)に対して食品交換表にて指導を24週間介入後,さらにカーボカウント基礎編を上乗せする指導(カーボカウント上乗せ群;30名:男性/女性=14/16)と,食品交換表による指導(食品交換表継続群;30名:男性/女性=16/14)に無作為に振り分け24週間介入し,各群介入前後で糖代謝,脂質代謝,BMI及びメンタル面の比較検討を行った.介入後両群共にHbA1c及びLDL-Cは有意な改善が認められた,さらにカーボカウント上乗せ群では,HDL-C,BMIの有意な改善が認められた.両群間の変化率の比較では,カーボカウント上乗せ群は食品交換表継続群に比べてHbA1c(-13.0±12.8vs-3.8±15.5%;p=0.014)及びHDL-C(12.7±19.5vs 3.0±15.1%;p=0.038)の有意な改善が認められた.メンタル面の評価では,カーボカウント上乗せ群では有意に食事の満足度が高く,食事療法継続の苦痛感が少ないことが認められた.故にカーボカウント上乗せ群では食品交換表継続群に比べてより糖代謝を改善し,さらに患者QOLを高める可能性が示唆された.
著者
金子 恵美子
出版者
一般社団法人大学英語教育学会
雑誌
大学英語教育学会紀要 (ISSN:02858673)
巻号頁・発行日
no.52, pp.31-50, 2011-03-30

The production of a relative clause (RC) by second language (L2) learners in relation to the Noun Phrase Accessibility Hierarchy (NPAH), which refers to an implicational relationship among different types of RCs, is a well researched area in second language acquisition. However, how L2 proficiency affects spontaneous use of RCs is relatively unaddressed. This study investigates how the NPAH effects (Comrie, 2007) interact with learner proficiency in spontaneous speech. RC samples created by learners at four different proficiency levels were excerpted from a spoken corpus compiled in Japan, and accuracy and frequency of these RCs were examined. The results indicate that overall, L2 learners tend to use a less marked (or easier) RC type. However, it has further become evident that the NPAH has a differential influence on the production of RCs depending on proficiency levels. In the present research, learners at a particular level overuse a formulaic template, "generic noun+(relative pronoun)+animate subject+verb," thus creating a more marked, or difficult type of RC with higher accuracy. This can be characterized as a communicative strategy by an adult L2 speaker who has to maintain face-to-face communication.
著者
金 〓〓
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
人間文化論叢 (ISSN:13448013)
巻号頁・発行日
vol.8, pp."3-1"-"3-12", 2005

Toshiko Tamura and Myung-soon Kim flourished in 1910-20 in Japan and Korea. In those days it was an act of a man to write. The feminine was demanded above all to the thing which a woman wrote by the literary world and the society, so that woman does not invade a domain of a man. A lot of studies about that the motherhood is one of a model of feminine, it was used to mobilize a woman for war, while militarism advances. Then is what kind of position was there the femininity at socially and culture in Japan and Korea which had a relation such as an empire and a colony. A purpose of this paper is what did such a demand of feminine have influence on works and the strategy of two woman writer. The work of Toshiko, "The woman author (ONNA SAKUSYA)", depicted a woman writer who immersed herself in "coquetry" by wearing white face powder as part of the creative process of writing novel. It is a unique method that the only woman was able to write, and "The woman author" became one of her representative work because the text is so feminine. But Myung-soon was criticized her work and her personality, too feminine to her mother was concubine that her work smell of face powder when a prostitute make up. A difference of evaluation for a work of two writers was a difference of a woman of an empire, or a woman of a colony. And, it was same in Japan and Korea that the prostitute is perceived as immoral, a danger, a threat to 'normal' femininity and, as a consequence suffers social exclusion, marginalisation and 'whore stigma'. But, in the case of Toshiko she was married, and she write a "Woman author" like prostitute to express her identity, it was only a performance, not her personality. In the case of Myung-soon, she wrote to overcome 'whore stigma', but the man gaze did not forgive that, she cannot acquire her identity. This shows that the woman writing is not same, and it is difficult to acquire her identity in marginal.
著者
金本 伊津子
出版者
平安女学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

「快適」な老後をいかに過ごすかという問題は、長寿社会日本だけが抱えている問題ではない。アメリカ・ブラジルの日系社会も1880年代よりハワイ、アメリカ本土、そしてブラジルへと移住した日本人(一世)だけでなくその子ども(二世)も老齢期に達し、高齢者の急増という社会問題を抱いている。また、それぞれの多文化社会におけるエスニック・マイノリティという日系人の社会的立場は、老いの問題に文化の問題を添加する状況を引き起こしている。本研究は、複数の文化の狭間で老いを迎えるエスニック・マイノリティとしての日本人移民の老いの過程に焦点をあて、日本人が異文化-ここでは三つの多文化社会(アメリカ・ハワイ・ブラジル)-に適応するために文化変容を遂げてきた過程を比較検討し、多文化社会におけるエスニシティと老年期における文化喪失の過程-脱文化化、あるいは、エスニシティ(記憶の総体)への回帰-が相互の関連しあう領域に文化人類学的な考察を行った。調査項目は、各多文化社会における日系コミュニティ成立の過程と高齢化の過程、日系老人を取り巻く社会状況、日系老人を支える福祉施設の設立の歴史とそこでの日常生活、日系老人のオーラル・ライフ・ヒストリー、各多文化社会における他のエスニック・グループの老いの現状、の5項目である。一世にとって、最初に獲得した文化(日本文化)から、対立型多文化社会アメリカ、統合型多文化社会ブラジルへの一方的同化の過程であると考えられてきた長期的異文化適応の過程は、実は、(1)日本文化と移住先であるホスト文化(アメリカ文化・ブラジル文化)との両立の過程であったこと、そして、(2)年齢とともにホスト文化との関係性が薄れるにつれ、長年両立してきた日本文化が重要な意味を帯びてくるエスニシティへの回帰する過程であったことが明らかとなった。
著者
柳原 崇 金澤 優 梅尾 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.417, pp.35-40, 2005-11-12
参考文献数
12
被引用文献数
2

本稿では, いくつかのビット通信を基本とするセルラーオートマトン上での同期プロトコルを提案する.5ビット通信セルラーオートマトン上で内部状態数が1で動作する同期アルゴリズムを設計した.このアルゴリズムはセル数nが有限個であれば, いかなる数でも2n-2ステップという最適時間で同期するものである.従来のセルラーオートマトンでは内部状態数が4以下の同期アルゴリズムは存在しないとされており, 非常に興味深い結果となっている.
著者
金井 肇
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (文学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (乙第2577号)
著者
大関 令奈 清水 晴夫 畠山 巧生 田沼 徳真 鈴木 秀一郎 佐藤 修司 下地 英樹 金戸 宏行 本多 佐保
出版者
市立室蘭総合病院
巻号頁・発行日
2004

症例は76歳の男性.心窩部不快感を自覚し近医を受診,上部消化管内視鏡検査を施行された.胃体下部大彎後壁寄りに3cm大のIIa+IIc病変が認められ,生検にて高分化型腺癌と診断された.平成15年8月11日に精査加療目的で当科紹介入院となった.各種検査にて明らかな遠隔転移やリンパ節転移を認めず,手術目的に当院外科へ転科となった.9月12日に腹腔鏡補助下幽門側胃切除術が施行された.病理組織所見は高分化型腺癌,3.0x2.3cm,pT2,mp,ly2,v1,pN1,Stage IIの診断であった.病変は高分化型腺癌が優勢であるが,粘膜下を主体に免疫染色でsynaptophysin,CD56陽性の内分泌細胞癌が併存していた.本症例は粘膜下に浸潤している部位で高分化腺癌から内分泌細胞癌へと移行していると考えられる部分が存在し,内分泌細胞癌の発生を考える上で非常に興味深い症例と考えられた
著者
浅岡 顕 野田 利弘 山田 英司 金田 一広 中野 正樹
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
地盤工学会論文報告集 (ISSN:13417452)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.47-57, 2002-10-15
参考文献数
16
被引用文献数
16

In critical state soil mechanics, the volume change behavior of soils has typically been analyzed based upon conventional "e-logp' relationships". However, compaction/densification of loose sand, for example, can sometimes occur even without any significant increase of mean effective stresses. This study presents a model which considers the fact that volume change can occur due to decay/collapse of the structure of soils. Taking into consideration the differences between clay and sand, this study models super-subloading surfaces together with rotational hardening using the modified Cam-clay model. The effects of decay of the soil structure, loss of overconsolidation and evolution of anisotropy are mutually discussed concerning their relationship with ongoing plastic deformation. Fundamental constitutive model responses are illustrated in the present study particularly for "compaction" of sand. Repeated application of low-level shear stress upon loose sand yields a huge amount of volume compression, which is due to the rapid collapse of the initial soil structure. Repetition of the loading also results in a rapid increase of the overconsolidation ratio. Drained and undrained shear behavior of the sand naturally changes remarkably along this densification/compaction procedure, which is also consistently predicted using a single set of soil parameters. Elasto-plastic behavior of the same sand at various densities is thus totally described in the present study in a single the-oretical framework based on soil parameters independent of density.
著者
金田 一弘
出版者
大阪歯科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

虚血プレコンディショニングではNOSの刺激作用を有するブラディキニンB2受容体の関与が明らかとなっている.エタノールプレコンディショニングにおいてブラディキニンB2受容体の関与は報告されていない.エタノールの心筋保護効果にブラディキニンの関与をブラディキニンB2受容体の阻害薬であるHOE-140を用いて,エタノールプレコンディショニング効果が消失するか否か,またNOの産生量を測定した.
著者
長堀 金造
出版者
岡山大学農学部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
no.31, pp.45-51, 1968-03

水田からの浸透水は反復利用されるもので局地的な減水深とかんがい面積から算定した水量をもって広域の用水量とすることは,過剰に用水量をみこむことになるので,水資源の有効利用の観点からいっても好ましくない. ゆえに広地域を対象にしたかんがい計画を樹立する際には水収支によって用水量を決定することが合理的な方法といえる. 以上の観点から,低平地水田地帯の水収支による用水量の実態調査を行なった結果,次の諸点が明らかとなった. 1)まず,水収支式は (Q2-Q1)+(G2-G1)+en,+⊿S=0 上式中,(G2-G1)+en,tn+⊿Sが広域水田の消費水量となる. 一般に低平地では(G2-G1)≒0 水量の安定した期間であれば⊿S≒0とみなせるから,本地域のような所では消費水量はen,tnと考えられる. 2)一方,モデル地区内の流量実測データより水収支計算によって求めた消費水量は,Iの期間(7月18日~22日)では水深になおして,11.8mmday,Iの期間(8月10日~14日)では11.0mm/day,Ⅲの期間(9月7日~11日)では7.1mm/dayの値となった. 3)他方,蒸発計蒸発量を基にして求めた蒸発散量 en,tn の結果はI期間が12.04mm/day,Ⅱ期間が11.62mm/day,Ⅲ期間が8.42mm/day,の結果となり,計器蒸発量を基にして算定した方が,3期問とも若干,en,tnが実測水収支の結果より値が大きい. しかし,それらの差は極めて小さい. 4)従って,本地域のように低平地水田地帯の消費水量はen,tnによるものであり,従ってG2-G1≒0⊿S≒0とみなせるものと考えられる. 5)以上から,本地域における消費水量は,en,tn程度のものでありながら,かんがい水量と排水量の両者が極めて多いことは注目すべきで,かんがい排水量を一適正化することが望まれる. 6)次に本地域の用水の反復利用量を検討してみたところ,平均的にみて,およそ5~6mm/dayの水量が反復利用されていることが明らかとなった. おわりに,本論文は昭和37年,著者が京大在職中に行なった巨椋池干拓地,かんがい排水の実態調査研究の一部であることを付記し,御援助いただいた巨椋池土地改良区の関係各位に謝意を表する次第である。
著者
金 英俊
巻号頁・発行日
2013

筑波大学博士 (工学) 学位論文・平成25年3月25日授与 (甲第6406号)
著者
池田 定博 金田 重郎 金杉 友子 加藤 恒昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.710, pp.113-120, 2000-03-17
参考文献数
6
被引用文献数
2

商品開発やマーケティングでは、効果的なコンセプトの作成が極めて重要である。しかし, 思いついた多数のコンセプトや広告コピー案の中から, 戦略の柱となるキーワード候補を絞り込んでゆく方法は知られていない.本稿では, この問題を解決するため, 「流行ことば予測」手法を提案する.そこでは, まず, 過去・現在・将来における流行語の背景となる社会的要因を、「ことば」として表現する.そして, 今後流行の可能性がある新しい「ことば」と, これら社会的要因との距離を計算し, 「近い」と算出されたことばから, 流行のキーワードを開発する.過去の「ことば」としては、自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」を使用し、距離計算にはベクトル空間法を利用した。1998年度の流行語大賞である「ショムニ」等が, どのような背景により流行したかを実験的に分析する。