著者
岡田 真奈 小高 直樹 阪田 真己子
出版者
日本感性工学会
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.207-213, 2020 (Released:2020-04-30)
参考文献数
14

We discussed how people behave on seeing kawaii animal toys. Many studies have indicated the effects of kawaii emotions. However, few have described how they are expressed behaviorally. Therefore, this paper reports observable behavioral indicators. Specifically, we observed 4 human behaviors: smiling, touching, talking, and watching (kawaii toys or people) - during conversations when they see animal toys. Participants were divided into two groups. One (kawaii group) selected the animal toys that they felt had the most kawaii, and another (non-kawaii group) selected the animal toys that they felt had the least kawaii. Time to behavior was measured by annotation software, analyzed by analysis of variance. Comparison of groups showed that kawaii group was smiling, talking, and watching people for a longer time. Conversely, non-kawaii group was watching animal toys for a longer time. These results deepened our understanding of human behavior caused by kawaii emotion.
著者
飯田 仁 岡本 雅史 大庭 真人 石本 祐一 阪田 真己子 細馬 宏通 榎本 美香
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

計2回の漫才収録を通じ,漫才師および観客のデータを収集した.ツッコミ役が聞き手は,ツッコミ・同意のどちらを行うのかにより,ボケ役への顔を向ける潜時に違いがあることが分かった.また,モーションキャプチャによりツッコミを行う際に顔の向きとともに,近づくということが確認された.最後に,「身体ノリ」は観客の有無にかかわらず行われる一方で,観客のいる方が発生しやすく,また,同じネタでも観客の有無によってその表現は異なることがわかった.
著者
山口 莉奈 正田 悠 鈴木 紀子 阪田 真己子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40117, (Released:2017-05-01)
参考文献数
21

本研究では,体育科教員がダンス授業に対して抱く「ダンス指導不安」にいかなる特徴があり,そうした不安が教員歴やダンス指導経験によっていかに異なるのかを調べた.調査1では,体育科教員を対象にダンス指導に対する不安を自由記述により調査した.その結果,ダンス指導不安が5つのカテゴリーから構成されることが示され,理想の授業を実現するダンス技術がない不安や生徒との関係に対する不安が抽出された.調査2では調査1のカテゴリーを基に評定尺度を作成し,調査1とは別の教員に回答してもらった.その結果,ダンス指導不安が調査1と対応する4因子により構成されることが確認された.調査1と同様に,生徒がダンス教育に求めているレベルやニーズを理解しながらも,それに対応するだけのダンス技術がないと感じている教員の葛藤が認められた.さらに,そうした教員の葛藤は,ダンス指導経験の有無に関わらず同程度に認められることが示唆された.
著者
阪田 真己子 丸茂 祐佳 八村広三郎 小島 一成 吉村 ミツ
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.7, pp.49-56, 2004-01-23
被引用文献数
4 3

本研究は,日本舞踊における身体動作の感性情報処理研究の一環として,感性評価実験によって得られた主観的情報と,モーションキャプチャシステムによって得られた物理的情報との対応関係を検討することを目的としている.日本舞踊の既存の演目の中から,「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」という7種の感性情報を伝達すると想定される振りについて,モーションキャプチャを用いた計測と分析を行った.本稿では特に時性要因としての速度情報に着目し,主成分分析によって特定された各振りの代表マーカの速度情報と感性評価で得られた主観的な情報との関連性について検討した.The purpose of the current study is to investigate the correspondence between subjective information obtained from KANSEI evaluation experiments and physical data obtained using a motion capture system. This study is a part of the current research dealing with KANSEI information found in the physical movements in Japanese traditional dance. Using existing Japanese traditional dance programs, several motions which are supposed to communicate seven KANSEI information of 'lonely', 'happy', 'solemn', 'sharp', 'flowing', 'dynamic' and 'natural' were selected. These motions were then measured and analyzed using a motion capture system. In the current study, in particular, special attention was paid to the speed data as the time factor. And investigation was made between the speed data of the representative marker of each motion and subjective factors which had been obtained from KANSEI evaluation experiments.
著者
八村 広三郎 赤間 亮 吉村 ミツ 遠藤 保子 小島 一成 崔 雄 丸茂 美恵子 中村 美奈子 阪田 真己子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,舞踊における身体動作の計測と保存のためのアーカイブ技術,およびそのデータに対する数量的解析を行うことを目的としている.ここでは,デジタル画像処理技術で身体動作を精密に計測できる光学式モーションキャプチャ・システムを利用して,舞踊の身体動作データを取得する.キャプチャして得た各種の舞踊動作データを保存し,これを各種の解析や情報処理において活用する。さらに,動作データは解析や処理の研究に使うだけでなく,CGなどでコンテンツとして作成し,教育や広報活動の素材としても利用する.また,新しい芸術表現の可能性を探るものとして,これらのCGによる舞踊動作の表示を,仮想現実感(バーチャルリアリティ:VR)の環境下で活用することも視野に入れて研究活動を行ってきた.解析の結果や,CG・VRでの表現は,舞踊研究者,舞踊家,芸能研究者など,いわゆる文系の研究分担者へフィードバックし,さらに高度で,よい解析結果や,新しい表現の創出を心がけてきた.このように,このプロジェクトの研究は,単に理が文を支えるということだけではなく,文一理の間で情報を巡回させることにより,より深い成果を得るという形を重視してきた.期間内に対象とした舞踊は,日本舞踊と能楽が中心であったが,そのほかにも,アフリカの民族舞踊なども扱った.また,舞踊の種類には限定されないが,一般的に,舞踊という身体表現,あるいは日常動作をも含む身体動作に共通の動作解析手法,たとえば動作のセグメンテーション,動作や動作者の識別,身体動作の類似検索などの手法についても研究を行った.舞踊動作の質を評価する試みとして,舞踊の中の特徴的動作の抽出やラバン動作解析の手法による,動作の評価を行った.さらに,筋電図などの生体情報とモーションキャプチャによる動作データとの同時計測を可能にし,これらに基づいて熟練者と初心者の違いについて明らかにした.
著者
今川 真志 阪田 真己子
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.19-22, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
12

これまで自己主体感と選択肢に関する研究が行われてきたものの、従来の研究ではボタンを押すといった非常に短期間での行動について明らかにするのみであった。しかしゲームプレイのような日常の場面では、ある行動がより長期的な目標のための手段に過ぎないことも多く、この違いを無視して一般化するのは難しい。そこで本研究では長期的な目標に対する行動における選択肢の数を変化させることにより、短期的ではない目標設定がプレイヤーの自己主体感に与える影響について検討した。この結果、選択肢の数が自己主体感に影響するのは、選択する行動が自己目的的である場合であることが示唆された。
著者
正田 悠 阪田 真己子 Williamon Aaron
出版者
日本音楽知覚認知学会
雑誌
音楽知覚認知研究 (ISSN:1342856X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.35-55, 2017 (Released:2022-01-05)
参考文献数
37

音楽演奏に対する心理的評価に,演奏者と鑑賞者が同じ時間や空間を共有する生演奏が及ぼす影響を調べた。総計110人の鑑賞者に,ヴァイオリンの生演奏あるいは録音演奏の印象について,連続評定(鑑賞中)と全体評定(鑑賞後)で評価してもらった。その結果,曲想の異なる2曲に共通して,生演奏では録音よりも全体的に高い評価がなされ,楽曲の感情的ニュアンスがより明確に受け取られることが示された。その一方で,連続評定の時系列変化については,生演奏では「快・不快」や「覚醒度」の評価が録音よりも抑えられたものになることが示された。このことは,生演奏鑑賞中と鑑賞後の評価が必ずしも一致しないことを示唆する。
著者
阪田 真己子 八村 広三郎 丸茂 祐佳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 人文科学とコンピュータ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.65-72, 2003-10-24
参考文献数
9
被引用文献数
3

本研究では,1名の演者が松本の7Motivesのキーワード「寂しい」「楽しい」「厳かな」「鋭い」「流れるような」「躍動的な」「さりげない」に対応する振りを演じた映像を刺激として評価実験を行った.刺激映像からどのようなイメージが感じ取られるかを調べ,さらにイメージに運動の型がどのような影響を及ぼすかを示す重回帰モデルの構築を試みた.主成分分析の結果,42語からなる松本のCheck List2から6つの成分が抽出され,日本舞踊独自の認知構造が提示された.また,重回帰分析の結果,それぞれの振りから感受される感性的イメージには,固有の運動の型が寄与していることが示唆された.