著者
浅川 陽一 高橋 泰樹 齊藤 進
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.242, 2007

我々はこれまでに高分子安定化ベンド配向セルは、高分子安定化によって実効的な回転粘性係数の増加とレズリーの粘性係数の変化によるフローの減少が起こり、過渡応答特性の低速化が起こると報告した。我々の最近の研究から、高分子安定化スプレイ配向セルの過渡応答特性は、高分子安定化によって高速化することがわかった。本研究は、高分子安定化スプレイ配向セルの過渡応答特性の高速化メカニズムについて詳細な解析を行った。
著者
浅川 陽一 横田 孝次 七海 真 高塚 直樹 高橋 泰樹 齋藤 進
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.12, 2005

OCB形LCDでは、初期駆動時に臨界電圧以上の電圧印加により初期のスプレイ配向をベンド配向に遷移させることが必要である。本研究は、ベンド配向を高分子安定化法によって安定化し、前述のような電圧印加を不要にできる事を論理的と実験の両面から明らかにすることを目的とする。安定化処理時に印加する電圧の周波数を高く(100kHz)にすることによってベンド配向を完全に安定化できることがわかった。
著者
浅川 陽一 高塚 直樹 高橋 泰樹 齊藤 進
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.192, 2006

OCBモードは、高速応答と広視野角をもつモードとして注目されている。OCBモードは、初期駆動時にスプレイ配向からベンド配向に遷移させる初期遷移操作が必要な事と、駆動電圧にベンド配向を保持する電圧が必要であるという問題を抱えている。それらの問題を解決するための手法として、高分子安定化法が提案されている。本研究は、高分子安定化πセルの過渡応答特性について検討した。過渡応答速度は、ベンド配向において、高分子安定化の効果によって低下した。過渡応答速度は、UV照射エネルギーに依存することがわかった。
著者
小林 孝資 浅川 陽一 高橋 泰樹 齊藤 進
出版者
一般社団法人 日本液晶学会
雑誌
日本液晶学会討論会講演予稿集 (ISSN:18803490)
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.153, 2008

私たちの以前の論文において、液晶材料としてZLI-2293とUV硬化型モノマーとしてRMM-34が使われたベンド配向セルの立ち上がり、立ち下り共に過渡応答特性が高分子安定化によって低速化することを報告した。しかしながら、この報告書では高分子安定化によって液晶とUV硬化型モノマーであるZLI-4792とRMM-34をそれぞれ用いることで、立ち下がりの過渡応答時間が改善することができた。
著者
高橋 泰 三木 かおり
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.25, pp.8, 2003

一般的な色彩学の分野で論じられている色知覚の特性は、塗料(反射光)や特定の光源についての実験が大半である。宝石の場合、ファセット・カットされたカラーストーンは表面反射光、内部反射光、透過光が入り交じり複雑な外観を示すため、一般論で論じることができるとは限らない。カラーストーンにも人間の色知覚の特性が作用するか確かめるため、最初に透明な平板状の着色ガラスに対する近似色をカラーフィルムを組み合わせて作成し、機械測色により色差を算出した後、同じサンプルを被験者に目視検査で比色してもらった。その結果、色差の判定においては、明度の高い黄色、ピンク色、青色では機械測色の色差が小さかった割に、敏感に反応した。一方、明度の低い赤色、青色で色差の数値の割に、反応が鈍かった。また、緑色では明度の高低にかかわらず、肉眼は敏感に色差を知覚できることがわかった。このことは、透明体においても人間の色知覚の鈍感な色と敏感な色が同様に存在することを示し、色彩学での一般論に準ずる結果であった。<br> 次にカラーストーンのカット石について、前述した着色ガラス同様の比色実験を試みた。各カット石の近似色をカラーフィルターで作成し、それぞれのカラーストーンとの比色実験を被験者による目視検査で行った。結果は着色ガラスの場合に類似していた。高明度の黄色、青色、ピンク色、青紫色、緑色は機械測色における色差が比較的小さいにもかかわらず、その差を感じ取った被験者が多かった。イエロー・ダイアモンド、イエロー・トルマリン、ブルー・フルオライト、ロードライト・ガーネット(明)、クンツァイト、モルガナイト、タンザナイト、グリーン・フルオライトがその例である。逆に機械測色の色差が比較的大きいのに対し、肉眼がその色差を感じ取れなかったものは、暗色の赤色、青色、紫色であり、例としては、ロードライト・ガーネット(暗)、合成ブルー・スピネル、アメシストであった。<br> また、これらの検証を通して新たな問題点が浮上した。ファセット・カットされた石の色は外観上非常に複雑であり、平板状の着色ガラスに比べ近似色を作成する場合、難易度が格段に上がったことである。それは近似色フィルムとカット石の色差が着色ガラスの場合に比べ大きいことにも現れている。人間の目は複雑なカット石の色をどう捉えているか確認するため、カット石中の色を明度により明、中、暗の3段階に分け、それぞれの近似色を前述の実験同様に作成し、被験者に目視検査で比色してもらった。ここでの明色はKatzの色分類における「光輝」に、中色は「明るい容積色」、暗色は「暗い容積色」に相当する。比色実験の結果、中明度の「明るい容積色」を人間の目はファセット・カットされたカラーストーンの色として認識していることがわかった。
著者
山口 開 奥瀬 千晃 鈴木 啓弘 小林 裕太郎 長田 達郎 巴 雅威 遠山 裕樹 林 毅 吉田 秀樹 高橋 泰人 前山 史朗 打越 敏之 飯野 四郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.18-22, 1998-01-25
参考文献数
19
被引用文献数
1

症例は23歳, 女性. 飲酒歴, 輸血歴および鍼灸治療歴はない. 常用薬剤なし. 感冒様症状に伴う食欲不振, 腹部不快感および2週間で約4kgの体重減少を主訴に近医を受診した. 生化学検査でtransaminaseの上昇を認め急性肝炎が疑われ当科紹介, 入院となった. 入院時現症では標準体重の-32%のるいそうを認め, 入院時検査所見では総蛋白, コリンエステラーゼの低下及びtransaminaseの上昇が認められた. しかし肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性で, 抗核抗体および抗ミトコンドリア抗体も検出されず免疫グロブリンはいずれも正常ないし軽度低下を呈した. 腹部超音波およびCTでは著明な脂肪肝を認めた. 肝生検像では肝実質にacuteyellow collapsed cellを含む巣状壊死を散見し, 大脂肪滴沈着をzone 2~3に小葉の1/2以上に認め飲酒歴がないことからnon-alcoholic steatohepatitisと診断した. 本例は肥満, 耐糖能異常を伴わず, 薬剤服用歴もなく経過より急激な栄養障害による飢餓状態が原因と考えられた
著者
中崎 秀徳 堀 和将 牛山 さほ子 美崎 定也 山口 英典 大島 理絵 手島 雅人 堀 拓朗 大坂 祐樹 高橋 泰彦 鈴木 晴子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】近年,予防医学の重要性が増しており,障害を未然に防ぐことは大切である。また,病院の中だけでなく,地域生活の中で予防することが重要である。当法人における「痛み予防教室」は,「通院しないまでも予防法を知りたい」,「気軽に参加できる教室は興味がある」といった地域住民のニーズにより企画され,地域住民の関節痛予防および改善,関節痛に対する適切な運動方法の提示・指導を目的に行っている。「痛み予防教室」は,当法人のグループ病院から選出された運動教室運営委員によって構成されている。運動教室では,主に膝関節,股関節をテーマにして,関節痛の原因と予防に関する講義,関節痛の予防体操,筋力測定を1時間程度行っている。当初は,病院を退院された患者や近隣住民に対して,グループ病院内で1ヶ月に1回行っていたが,平成25年11月より,都内のカルチャーセンターより委託され,無料で運動教室を開始した。また,今年度は,カルチャーセンターの秋季イベントでの開催依頼を受け,当法人監修による個別健康相談会を実施した。今回,カルチャーセンターと連携して運動教室を行った実績および個別健康相談会での結果について報告する。【方法】平成25年11月から平成26年11月までの期間において,運動教室に参加した者および秋季イベントの個別健康相談会に参加した者を対象とした。運動教室の調査項目は,1)開催数,2)延べ参加者数,3)講座内容とし,後方視的に抽出した。個別健康相談会の調査・測定項目は,1)参加者の属性(年齢,性別),2)等尺性膝伸展筋トルク(伸展筋トルク)とし,「膝が痛い」,「股関節が痛い」など個別に相談がある参加者に対してのみ,疼痛等に関する問診表,生活の広がり[Life-Space Assessment(LSA)]および転倒自己効力感尺度[Fall Efficacy Scale(FES)]に関する質問に回答させた。統計解析は調査項目の記述統計を行った。さらに,伸展筋トルクとLSA,FESの関連をみるため,相関分析を行った。【結果】運動教室の開催数は12か月間で22回であった。運動教室の延べ参加者数は367名(1開催の平均数:16.7名,範囲:4-27名)であった。講座内容は膝関節講座11回,股関節講座11回であり,それぞれの参加者数は膝関節講座180名(平均16.4名),股関節講座187名(平均17.0名)であった。今期の個別健康相談会は2回実施し,延べ参加者数は91名であった。本相談会の対象者の属性は,年齢[平均値±標準偏差(範囲)]61.9±11.1(38-88)歳,男性10名,女性81名であった。そのうち,膝や股関節に痛みなどがあり,個別相談を行った参加者は20名(男性2名,女性18名)であった。参加者からの主な相談内容は,「関節痛に関すること」,「予防法や運動方法を知りたい」などがあり,相談後の感想として,「わからないことを相談できてよかった」,「自宅でも運動してみる」,「現在の筋力がどのくらいなのかわかった」などの声が聞かれた。また,個別相談者の伸展筋トルクは1.25±0.31(0.63-1.88)Nm/kgであり,LSAは100.2±22.4(52-120)点,FESは34.6±4.7(27-40)点であった。LSAでは,20名中6名が満点(120点)となり,天井効果が認められた。相関分析の結果,伸展筋トルクとLSAに相関は認められなかったが,伸展筋トルクとFES(r=0.52)に相関が認められた。【考察】対象者の活動範囲は伸展筋トルクと関連していなかった。天井効果は,対象者の能力が指標の上限に達して測定できない場合であり,特定の対象を評価した場合に生じるといわれている。LSAに関する先行研究では,高齢者を対象としたものが多いが,本研究の対象者は平均年齢61.9歳であり,先行研究と比較して若い参加者が多かったため,対象者の活動範囲を十分に評価できなかった可能性が考えられる。一方,対象者の転倒自己効力感は伸展筋トルクと関連していた。これは先行研究を支持する結果であった。下肢筋力の低下は,転倒恐怖感を招くことが予想される。運動教室において膝伸展筋力を測定して,対象者にフィードバックすることは,自身の現状を知ることによる自己効力感の向上に寄与するものと考えられる。参加者に対して,アドバイスや運動指導を行ったことにより,参加者のニーズに対応でき,地域住民の関節痛予防に貢献できたと考える。今後は縦断的に調査を続け,運動教室の痛み予防効果を明らかにすることが課題である。【理学療法学研究としての意義】理学療法士が地域の予防活動に積極的に参加することにより,地域住民の関節痛予防に貢献することができる。また,地域活動に参加することにより,理学療法士の認知度が向上し,予防分野での職域拡大につながると考える。
著者
三木 かおり 高橋 泰
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会誌 (ISSN:03855090)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.3-12, 2004
参考文献数
13

On color of gemstone, Sensitive colors and insensitive colors exist in visual sensitives to color difference. the green and light color of yellow, orange, pink, blue, violet belong to sensitive colors, while dark color of red, blue, bluish violet are classified into insensitive colors. These results indicate that general color sensation fit in with color of gemstones. Though faceted gemstones displayed several colors in own complex appearance many facets show bright colors to shadow colors, detail color sensation is analyzed by the visual test to three color difference. The result suggest that the human color sensation recognized a medium bright volume color as a gemstone color.
著者
藤田 郁代 三宅 孝子 高橋 泰子 酒井 経子 秋武 美紀子
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.6-13, 1977
被引用文献数
2 4

The present study was designed to investigate the process of syntactic recognition of heard sentences in aphasics, especially the effect of changes in word order on syntactic recognition.<BR>Comprehension performance of 27 aphasics was studied by using two types cf active and passive test senteces; sentences having basic word order and sentences having converse word order.<BR>The results comfirmed earlier observations reporting that comprehension of sentences having converse word order was significantly poorer than comprehension of sentences having basic word order. It was suggested that there were two strategies employed by aphasics; the word order strategy and the particle strategy. Subjects were classified into four groups according to ability to use the strategies.<BR>The correlation between the syntactic comprehension and the other variables was discussed.
著者
山口 開 奥瀬 千晃 鈴木 啓弘 小林 裕太郎 長田 達郎 巴 雅威 遠山 裕樹 林 毅 吉田 秀樹 高橋 泰人 前山 史朗 打越 敏之 飯野 四郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.18-22, 1998-01-25 (Released:2009-11-17)
参考文献数
19

症例は23歳, 女性. 飲酒歴, 輸血歴および鍼灸治療歴はない. 常用薬剤なし. 感冒様症状に伴う食欲不振, 腹部不快感および2週間で約4kgの体重減少を主訴に近医を受診した. 生化学検査でtransaminaseの上昇を認め急性肝炎が疑われ当科紹介, 入院となった. 入院時現症では標準体重の-32%のるいそうを認め, 入院時検査所見では総蛋白, コリンエステラーゼの低下及びtransaminaseの上昇が認められた. しかし肝炎ウイルスマーカーはすべて陰性で, 抗核抗体および抗ミトコンドリア抗体も検出されず免疫グロブリンはいずれも正常ないし軽度低下を呈した. 腹部超音波およびCTでは著明な脂肪肝を認めた. 肝生検像では肝実質にacuteyellow collapsed cellを含む巣状壊死を散見し, 大脂肪滴沈着をzone 2~3に小葉の1/2以上に認め飲酒歴がないことからnon-alcoholic steatohepatitisと診断した. 本例は肥満, 耐糖能異常を伴わず, 薬剤服用歴もなく経過より急激な栄養障害による飢餓状態が原因と考えられた
著者
小野 三嗣 尾谷 良行 高橋 泰光 坪田 修三 倉田 博
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-13, 1968
被引用文献数
1

剣道5段2名, 3段3名, 初段2名, 無段 (経験約1年) 3名, 剣道は全く無経験であるが他のスポーツには習熟しているもの4名を対象として, 木刀, 竹片, 竹刀によるストレーンゲージ打撃を行わせた。その時の張力並びに微分曲線を陰極線オッシログラフ並びにペン書きオッシログラフに記録し, 大要次の如き結果を得た。<BR>1) 剣道熟練者はその静的筋力を打撃力に転換する率が高い。また張力発生の傾斜も鋭いため, 衝撃エネルギーとして考える時, 未熟練者よりも遥かに大きな値を示す。<BR>2) 熟練者は打撃に際して上腕三頭筋を有効に使用し, しかもその瞬間に上腕二頭筋は充分に弛緩させている。未熟練者では上腕二頭筋と三頭筋が同時に収縮することが珍しくない。<BR>3) 熟練者は同じ動作のくりかえし, 或いは用具の変更によって, 筋放電パターンに大きな差異を生じることはないが, 未熟練者では変動が大きい。<BR>尚シンクロナイズ装置付電子ストップウオッチを用い, 四肢のそれぞれ二肢を同時に動作しようとする場合の時差を測定した。<BR>剣道選手に特有と思われる所見は発見できなかった。
著者
高橋 泰隆
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.23-50,i, 1979-03-25 (Released:2010-11-18)

Formosa Railway in occupation by Japan (1895) was under the control of military forces and the railway construction plan was based on militarism first of all. From this point of view, Formosa Railway in early stage of Japanese occupation can be said militaristic one.When the Railway Bureau of the Government-General of Formosa managed Formosa Railway, the militaristic aim of railway was made a large revision. Thus constructed Formosa Railway became not only militaristic line but also industrial one greatly.In other words, goods transport was most important in Formosa Railway. Goods transport by train putting Formosa economy into a group of Japanese Capitalism, Formosa colonization was completed. On this stage, Taiwan Seito & Co., Ltd. being in a strong position over many companys of sugar industry and Mitsui Bussan, a trading corporation, established the transport route of raw materials and goods. These companys in Formosa under Japanese occupation made the Government-General of Formosa construct the railway and the seaports throughout the whole. After the construction of them, they linked their private lines to Formosa Railway and the seaports, shortened the transport time, increased the safety of transport and saved the transport-cost. As a result of it they got much profit.
著者
高橋 泰
出版者
The Health Care Science Institute
雑誌
医療と社会 (ISSN:09169202)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.43-57, 1995

現在急速に進行する高齢化に社会が対応するために最も必要とされる課題は,ある老人がいた場合,この人がどのような形態でケアの提供を受けるのが最も効率が良いかということをはっきりさせる方法論の開発であろう。この問題を解決するには,高齢者の機能レベルや家族状況毎に在宅で訪問サービスを受ける場合,老人病院,特別養護老人ホーム,老人保健施設等でサービスの提供を受ける場合のおのおののコスト計算が必要になる。そしてこれらのコストを比較するときには,在宅施設を問わず,すべてのコストが同じ物差しで測られる必要がある。今回の研究は,このようなコスト計算を行うための前段階と位置づけることができる。今回の研究では,(1)高齢者施設のユニット内で提供されている全サービスの分類およびユニット内で発生する全業務に対する業務コードの作成,(2)施設内で発生する全コストを調査するための基礎モデルの作成,という2つの作業を行った。
著者
石川 雅俊 高橋 泰
出版者
一般社団法人 日本医療経営学会
雑誌
日本医療経営学会誌 (ISSN:18837905)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.75-82, 2013-08-31 (Released:2013-09-13)
参考文献数
12
被引用文献数
1

In this study, we built to assemble “secondly medical regions database” and analyzed the feature of each medical region using principal component analysis. As a result of the study, we extracted three principal components. The first component was how urbanized the region was. The second one was how plenty acute care was offered. And the third one was how plenty sub-acute and chronic care was offered. Additionally, by using the result of the principal component scores, we displayed the huge gap of Japanese medical delivery system among medical districts. In considering the directionality of the allocation of medical resources in each medical region, it would be desirable in assigning standard hospital bed capacities to consider assignments of beds by reflecting the degrees of urbanization of the regions and the future demands.
著者
一井 亮介 前田 陽一郎 高橋 泰岳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.560-570, 2012-02-15 (Released:2012-02-27)
参考文献数
12

本研究では,リラクゼーションサウンド生成システム構築のためのリラクゼーション効果計測手法の提案を行う.まず意識集中(ストレス時)と音楽聴取(リラックス時)の脳波計測を行い,人間の覚醒状態に関わりがあるとされる特定の周波数帯(θ波,α波,β波)を抽出し,各含有率を解析することによりリラクゼーション傾向をつかむ.次に,提案手法の有用性を検証するため,本研究室で開発した同期性を制御できる大規模カオスを用いて音高,音長,音量を決定し,ユーザが自在にサウンドを生成することが可能なインタラクティブ・カオティック・アミューズメント・システム(ICAS)により人間にサウンドを提示することでリラックス度の有効性検証実験を行った.実験を行った結果,被験者にICASのサウンドを提示したときのアンケート評価値と,本提案手法によるリラックス度の数値がほぼ同じ傾向を示していることが確認できた.
著者
細田 耕 浅田 稔 高橋 泰岳
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,多数の未分化なモダリティの受容器を持つロボット指を開発し,把持,操りなどの技能を発達的に獲得する方法を検証することである.得られた主な成果を以下に示す.1.多数の受容器をランダムに内蔵した柔らかい指の作成シリコンゴムの内部にひずみゲージとフッ化ポリビニリデンフィルムを検出素子としてランダムに埋め込んだ指先センサを構成した.この指先センサをロボットハンドに搭載し,ハンドシステムを構成した.2.試作したセンサの性能評価試作したセンサの性能を,さまざまな対象をこすった際の弁別能力によって評価した.その結果,押し付け,こすることにより数種類のテクスチャを弁別できることがわかった.3.視覚・すべり覚連合学習法の提案視覚によってすべりを観測する初期状態から,経験を通してすべりに関する情報を獲得するニューラルネットワークを構成し,視触覚統合によってロボットを動作させる学習則を提案した.この学習則を用いると,学習初期にはすべりを視覚で捉えているのに対し,学習が進むことによって,視覚・すべり覚による冗長かつ頑健な表現を獲得することができた.4.はめあい作業の学習実験対象物を持ち,クリアランスの少ない穴にはめ込むはめあい作業を対象として,学習初期には視覚に頼って作業を実現し,その作業を通してすべり感覚を学習,作業後半では,視覚を用いなくてもすべり感覚のみで作業の遂行確率を上げられることを実験的に示した.5.持ち上げ動作の学習実験持ち上げ動作を学習することによって提案するネットワークの有効性を検証した.その結果,視覚のみを用いるよりもすべり覚を組み合わせたほうが,すべりの発生を迅速に検出することができ,すべりを防ぐ動作をさせることができることを確認した.また,持ち上げる対象の質量を変化させた場合にも,すべり検出によって把持を継続できることができた.
著者
松原 静郎 佐藤 輝夫 高橋 泰
出版者
一般社団法人日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.129-130, 1992

小学校5年から中学校1年, 中学校2年から高等学校1年の各学年間で追跡調査を実施した。「理科得点」と, 関心・態度に関する合成変数「科学の価値」と「理科の学習」を設定し, 経時変化と前年度の結果が次年度の及ぼす影響を調べた。科学の価値には大きな変化は見られず, 理科の学習では望ましくない方向への変化が見られた。次年度への影響は, 同一変数間で大きいが, 異なる変数間ではわずかに理科の学習と理科得点の間に影響が見られた。