著者
上田 豊 中尾 正義 ADHIKARY S.P 大畑 哲夫 藤井 理行 飯田 肇 章 新平 山田 知充 BAJRACHARYA オー アール 姚 檀棟 蒲 建辰 知北 和久 POKHREL A.P. 樋口 敬二 上野 健一 青木 輝夫 窪田 順平 幸島 司郎 末田 達彦 瀬古 勝基 増澤 敏行 中尾 正義 ZHANG Xinping BAJRACHARYA オー.アール SHANKAR K. BAJRACHARYA オー 伏見 碩二 岩田 修二
出版者
名古屋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

1.自動観測装置の設置と維持予備調査の結果に基づき、平成6年度にヒマラヤ南面と北面に各々2カ所設置したが、各地域におけるプロセス研究が終了し、最終的には南面のクンブ地域と北面のタングラ地域で長期モニタリング態勢を維持している装置はおおむね良好に稼働し、近年の地球温暖化の影響が観測点の乏しいヒマラヤ高所にいかに現れるかの貴重なデータが得られている。2.氷河変動の実態観測1970年代に観測した氷河を測量し、ヒマラヤ南面では顕著な氷河縮小が観測された。その西部のヒドン・バレーのリカサンバ氷河では過去20年に約200mの氷河末端後退、東部のショロン地域のAX010氷河では、ここ17年で約20mの氷厚減少、またクンブ氷河下流部の氷厚減少も顕著であった。地球温暖化による氷河融解の促進は氷河湖の拡大を招き、その決壊による洪水災害の危険度を増やしている。3.氷河変動過程とその機構に関する観測氷河質量収支と熱収支・アルビードとの関係、氷河表面の厚い岩屑堆積物や池が氷河融解に与える効果などを、地上での雪氷・気象・水文観測、航空機によるリモート・センシング、衛星データ解析などから研究した。氷河表面の微生物がアルビードを低下させて氷河融解を促進する効果、従来確立されていなかった岩屑被覆下の氷河融解量の算定手法の開発、氷河湖・氷河池の氷河変動への影響など、ヒマラヤ雪氷圏特有の現象について、新たに貴重な知見が得られた。4.降水など水・物質循環試料の採取・分析・解析ヒマラヤ南北面で、水蒸気や化学物質の循環に関する試料を採取し、現在分析・解析中であるが、南からのモンスーンの影響の地域特性が水の安定同位体の分析結果から検出されている。5.衛星データ解析アルゴリズムの開発衛星データの地上検証観測に基づき、可視光とマイクロ波の組み合わせによる氷河融解に関わる微物理過程に関するアルゴリズムの開発、SPOT衛星データからのマッピングによる雪氷圏の縮小把握、LANDSAT衛星TM画像による氷河融解への堆積物効果の算定手法の確立などの成果を得た。6.最近の気候変化解析ヒマラヤ南面のヒドン・バレーとランタン地域で氷河積雪試料、ランタン周辺で年輪試料を採取し、過去数十年の地球温暖化に関わる気候変化を解析中である。7.最近数十年間の氷河変動解析最近の航空写真・地形図をもとに過去の資料と対比して氷河をマッピングし、広域的な氷河変動の分布を解析中である。8.地球温暖化の影響の広域解析北半球規模の気候変化にインド・モンスーンが重要な役割を果たしており、モンスーンの消長に関与するヒマラヤ雪氷圏の効果の基礎資料が得られた。
著者
ザイダン L. B. P. デイトリッチ S. M. C. フェリッペ G. M.
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.569-574, 1980-12-10

パラグアイから最近導入されたアマハステビアにおける日長の影響について研究した. それらは日長時間に対する反応によって,A) 8,10および12時間の日長で開花,B) 10および12時間の日長だけで開花,C) 8,10,12および14時間の日長で開花,の3グループに分けることができた. 開花中の植物の葉と花序の抽出物からステビオサイドが結晶化できることが示され,茎の抽出物中にも検出されたが,根には認められなかった.
著者
佐藤 大七郎 「人工林の一次生産」研究班 NEGISI K. SIBA Y. YAGI K. CHIBA M. NAGANO S. ORIME T. ASADA S. OSHIMA Y. TERADA M. HATIYA K. TADAKI Y. KARIZUMI N. KATO R. MORI M. ANDO T. SHIMODA H. HOZUMI K.
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.154-158, 1970-05-25
被引用文献数
1

IBPの「人工林の一次生産」研究班によって, 1966年に, 小岩井農場でおこなわれた, 収穫法による林分生産関係の調査方法を検討するための合宿-JPTF-66-KOIWAI-の, 調査結果のあらましである。この合宿で得られたデータは, 関係研究機関にくばられており, 調査結果のたちいった検討は研究班員によって, おいおい報告されることになっている。39年生の, ながいあいだ間伐をおこなっていないカラマツ林(表-1)について, 根および下層植生をふくむ, 現存量と物質生産量をしらべた結果は, 表-2〜4にしめした。上木のカラマツは, 植物現存量の97%をしめたが, その葉量(3.95 t/ha, LA I : 4.24)の全体に対するわりあいは, 乾物重で82%, 葉面積で64%にすぎなかった。この林の乾物生産量は18.46t/ha/年で, その約80%はカラマツ上木によってしめられていた。
著者
加藤 肇 真山 滋志 関根 理江 金沢 英司 泉谷 有香 ウラシマ アルフレド S. 久能 均
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.175-185, 1994-04-25
被引用文献数
2

いもち病菌には, 従来知られていた洋梨型の分生子と同時に, 小型の分生子を形成する菌株がある。気中菌糸に単独または数個が順次分岐してフィアライドを形成する。フィアライドは淡褐色, 花瓶状, 基部は球形ないし楕円球形, 先端部は一端くびれ細くなってから外側に開いてカラー状 (corallette) を呈する。一細胞, 厚膜で基部に隔膜があり, 長さ5.9〜12.5 (平均8.9)μm, 幅3.3〜7.2 (平均4.5)μmである。小型分生子はカラー内の先端の細胞で分化し, 続く小型分生子は別の分岐場所から分化してくる。最初先端の丸い根棒状である。フィアライドの先端部に分化してきた数個の小型分生子が球状の塊を形成する。粘液に包まれた様相を呈する場合もある。個々の分生子はそのまま生長を続け, 新月状になる。細胞壁は薄く, 一細胞からなり, 長さ5〜8 (平均6)μm, 幅0.5〜0.8 (平均0.7)μm, 一核を有する。形成に光は無関係であり, オートミール培地, ジャガイモ煎汁培地は有効であるが, ツァペック培地, ザックス培地は無効である。25℃で移植1日目から形成が始まり交配能力の有る菌株, 特に両性株に多く, 交配型には関係なく, 雌雄性との関係は不明である。シコクビエ (日本, インド, ネパール, ウガンダ産) イネ (ギネア, インド産), コムギ (ブラジル産), Oryza longistaminata (コートジボアール産), クリーピングシグナルグラス(ブラジル産), メヒシバ属 (日本, ブラジル産), レーマンラブグラス (以下日本産), ナルコビエ, ヌカキビからの分離菌株に広く形成された。交配能力のある菌株で形成されないものもある。
著者
Kashfi Fatemeh Agah Amir Fakhraie S. Mehdi Safari Saeed
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE Electronics Express (ISSN:13492543)
巻号頁・発行日
vol.4, no.22, pp.696-700, 2007
被引用文献数
1

We describe a high speed adder that employs a carry-lookahead structure and uses low-voltage-swing pass-transistor-based Manchester carry chain. This structure is implemented in 65nm technology and accommodates 15GHz clock frequency at the slowest corner which is 20% higher than the highest speed in the previously studied high-speed structures.
著者
Shin J.-H. Sohn H.-J. Choi K.-S. Kwon B.-J. Choi C.-U. Kim J.-H. Hwang E.-K. Park J.-H. Kim J.-Y. Choi S.-H. Kim O.-K.
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.1-7, 2003-01-25
被引用文献数
1 15

韓国は1934年以来口蹄疫の発生はなかったが,2000年3月から4月にかけて15箇所でOタイプの口蹄疫発生が生じた.同時期に台湾,中国,日本,ロシア,モンゴルでも,牛または豚にOタイプの口蹄疫発生が報告された.南北朝鮮境界非武装地帯から約5kmに位置する農場において口蹄疫擬似患畜が検出され,緊急調査を行った.病原ウイルスは,3D polymerase 領域,IRES領域,1D/2B領域を対象としたRT-PCR,抗原検出および型別検出用ELISAにより,口蹄疫ウイルスOタイプであることを同定した.発病牛の水疱を材料として1D/2B領域の塩基配列を調べた結果,台湾で分離された口蹄疫OタイプKinmen株と98%の類似性が認められた.原因ウイルスは若齢マウス経代後,黒ヤギ胎児肺細胞接種により分離された.
著者
Upadhyay Rajendra PAVGI M.S.
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.176-180, 1967-06-30
被引用文献数
1

Taphrina maculans Butlerによるウコン(Curcuma longa L.)斑点病の発生程度は, 環境條件と土壌中の感染源の量とに影響されることが示された。葉令により感受性に多少の差異は認められたが, 葉は長い間罹病性であって湿度條件に恵まれている間は感染がおこるので, 葉令は重要な意味をもたなくなる。病気の発生時期の早さや激しさは, 土壌中の有効感染源の密度によって左右される。当地方で8〜9月に多い25〜30℃の気温と多湿で曇りの天候は本病の激発を助長する。
著者
T. Obara K. Koga Y. Kimoto H. Matsumoto S. Sasaki N. Yamada S. Muraki T. Doke T. Goka
出版者
CODATA
雑誌
Data Science Journal (ISSN:16831470)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.IGY76-IGY84, 2010-03-04 (Released:2010-03-04)
参考文献数
4
被引用文献数
3

The Space Environment Data Acquisition equipment (SEDA), which was mounted on the Exposed Facility (EF) of the Japanese Experiment Module (JEM, also known as "Kibo") on the International Space Station (ISS), was developed to measure the space environment along the orbit of the ISS. This payload module, called the SEDA-Attached Payload (AP), began to measure the space environment in August 2009. This paper reports the mission objectives, instrumentation, and current status of the SEDA-AP.
著者
Reddy A. S. Pranesh M. R.
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, 1977-09-15

舗装設計は従来Winklerモデル(弾性支承板)によることが多かったが, これでは板の端で沈下に不連続性が起こる。この矛盾は連続弾性体支持, あるいは弾性スプリング相互の作用を考慮し, スプリング群上に仮想膜を考え, 一つが下がれば引張りのため隣接スプリングも下がるとするFilononko-Borodishモデル(FBモデル)を用い回避できる。また弾性体の代りに厚さHの弾性体層において水平面内のxy軸に関し, σ_x=σ_y=τ<xy>=0,かつ層の上下面で水平変位がないとするReissnerモデル(Rモデル)が簡便である。FBモデルでは膜の特性を知るため平板載荷試験における地表面変位を測って推定し, Rモデルでは土のセン断剛性値が関与する。FBモデルもRモデルもWinklerモデルと弾性体支承の中間のモデルと考えられるが, 両者に関し基礎微分方程式を導き, 解き与え, かつPickett, Rayの方法にならってモーメントと沈下の影響内図表を与えている。
著者
Abdel-Gawad Hamdy I. Elazab Nasser S.
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
Journal of the Physical Society of Japan (ISSN:00319015)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.3199-3203, 1999-10-15
被引用文献数
2

In Plastaua physics, nozalineatr ion ?rcotmstic xvaves are shown to be descrilced T.cy tlae Kortexvegde-Vries eqtration. Wluen flue drag f'orce acted by the xvaves on tire p?trticIes is taken into consid-eration, the goverr'aing eqtration is shown to be 21 genaeratlized Korteweg-de-Vries eqtmation. TheIntegrability properties of this equation are disctrssed. SOIII(2 exzrct soltttions for this eqtzsttionare derixzed by trsing the technicjvxes of atrto-BMcklvrrvd transfor?a'x;xtion and pot)'nornial invarri?rnts.
著者
Kogane S.
出版者
公益社団法人日本ガスタービン学会
雑誌
The International Gas Turbine Congress : book of abstracts
巻号頁・発行日
vol.1991, no.2, pp."II-265"-"II-268", 1991-10

Japan Airlines (JAL) has initiated to use AIMS (Aircraft Integrated Data System) for flight operation, aircraft and engine condition monitoring of 747s and DC-10s in 1980. The system also has been adopted in 767s and 747-400s, which have been introcduced later on. This paper describes the outline of engine condition monitoring using AIMS and application of the system on actual engine maintenance practice to show its effectiveness for engine reliability improvement.
著者
Furuya H. Idemitsu K. Inagaki Y. Arima T. Sasaki T. Kuroda Y. Uchikawa S. Mitsugashira S. Suzuki Y.
出版者
東北大学
雑誌
Science reports of the Research Institutes, Tohoku University. Ser. A, Physics, chemistry and metallurgy (ISSN:00408808)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.89-91, 1997-03-28

It is necessary to obtain the data of some parameters concerning migration behavior of radionuclides in underground water for the safety assessment of radioactive waste disposal. Sorption and desorption experiments were carried out by using tracer amount of plutonium on biotite in a granitic rock. In this study, pH dependence of distribution coefficients of plutonium on a biotite mineral were measured. The following results are obtained; (1) The biotite has the pH buffer capacity at around pH 5. (2) Plutonium sorption rate was fast around pH 6 but slow at lower pH than 5. (3) The 95 percent of plutonium was sorbed on biotite at around pH 5. (4) The 10 to 30 percent of sorbed plutonium in biotite was desorbed with 1N KCl, the 50 to 60 percent with 1N HN0_3. (5) The rest of plutonium sorbed in biotite could not be desorbed even with 1N HN0_3. (6) The neutral plutonyl hydroxide could be an important species sorbed on the biotite.sorptionplutoniumbiotite
著者
Hyun S. Lee B. Lee G. Lee E. Lim J. Kang S. Hwang W.
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.51-56, 2003-01-25
被引用文献数
1 5

今回の研究は体細胞核移植(SCNT)から排除された卵子を単為生殖化(PA)による胚の作出に利用できるかどうか評価するために行われた.成熟培養後に形態的に不良なブタ卵子がSCNTから排除され,その後様々な刺激条件下でPAに用いられた.実験の初期設定において様々な強度の電気振動(1.75,2.0もしくは2.25KV/cm,30μ秒)あるいは様々な処置時間での化学刺激(7%エタノール,5分と6-dimethylaminopurine(6-DMAP)の0,2,3,4時間暴露)を行った.2.0 KV/cmの電気刺激で8細胞期と桑実胚への発育が有意(P<0.05)に改善され,一方胚盤胞形成はエタノールと6-DMAPの4時間による化学処理によって増強された.その結果,卵子の単為生殖化は,1)適切な電気刺激(2.0KV/cm, 30μ秒),2)適切な化学刺激(エタノールと6-DMAPの4時間),3)電気刺激とその後の化学刺激,4)その逆の刺激の4つの刺激のいずれかでおこった.他方,形態が正常な卵子を対照として同様の処置を施した.卵子のタイプに関わらず,電気および化学刺激の組み合わせでは電気刺激のみに比べて着床前発育を刺激しなかった.しかし,両刺激の組み合わせはSCNTからの排除卵子の胚盤胞の細胞数をおおいに増大させ(21.9-22.9 vs 16.9細胞/1胚盤胞当り),一方そのような効果は正常卵子では見い出されなかった(22.2-23.3細胞/1胚盤胞当り).結論として,SCNTから排除されたブタ卵子はPAによって胚盤胞へ発育する能力を有していて,様々な目的でSCNTの有効性を増大させる上で貢献できる可能性を示した.電気および化学刺激の組み合わせは胚盤胞の質を増大させる良好な着床前発育率をもたらした.
著者
S.O.
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
造船協会雑纂 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.103, pp.24-31, 1930-10