著者
羽渕 裕真 大内 浩司 小野 文枝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.374, pp.11-14, 2004-10-18
参考文献数
1

2004年8月30日(月)から2004年9月2日(木)まで、8th IEEE International Symposium on Spread Spectrum Techniques and Applications, ISSSTA2004(第8回スペクトル拡散技術と応用に関する国際シンポジウム)がオーストラリア、シドニーのソフィテルウエントワースホテルにて開催された。発表件数は196件、プレナリ講演は5件であった。本橋では、本国際会議の参加報告と本国際会議の近年の動向についての報告がなされている。
著者
土肥 義康 山田 敏規 上野 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.549, pp.17-24, 2000-01-19

シャッフル交換ネットワークとde BruijnネットワークはFFTなどの並列計算に適した構造としてよく知られている.N点から成るシャッフル交換ネットワークとde Bruijnネットワークの2次元VLSIの面積と配線長は, それぞれΘ(N^2 / log^2N)とΘ(N / logN)であることが知られている.本論文では, N点から成るシャッフル交換ネットワークとde Bruijnネットワークが3次元VLSIにO(N^<3 / 2> / log^<1 / 4>N)の面積とO(N^<1 / 2> / log^<1 / 4>N)の配線長でレイアウトできることを示す.
著者
下野 孝一 Tam Wa James Vazquez Carlos Speranza Filippo Renaud Ron
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.228, pp.57-62, 2010-10-07
参考文献数
14

本研究においてわれわれは,奥行き地図(depth map)を平滑化(smoothing)することによって,立体画像で観察される書割効果を減じることができることを報告した.われわれはまず,立体画像の左眼原画像から奥行き地図を計算し,さらに平滑化を行った後,DIBR(depth-image based rendering)法を使って右眼用の画像を作り,立体加工画像を作成した.観察者は立体原画像と立体加工画像を観察し,それぞれの画像の質,書割効果の程度,視覚的快適性の程度を評価した.16名の観察者の結果は、平滑化奥行き地図で作成した立体加工画像は、原画像と比較して画像の質はいくらか低下するけれども、書割り効果を減じうることが示された.
著者
大野 光平 井家上 哲史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.473, pp.193-198, 2009-03-02
参考文献数
5

2008年8月25日から28日の4日間にわたってスペクトル拡散技術に関する国際会議ISSSTA2008(10th IEEE International Symposium on Spread Spectrum Techniques and Application)がイタリア・ボローニャのSavoia Regencyホテルにて開催された.また,2008年9月10日から12日までの3日間,UWBに関する国際会議ICUWB2008(The 2008 IEEE International Conference on Ultra-Wideband)がドイツ・ハノーファーのライプニッツ大学ハノーファーで開催された.本稿はISSSTA2008とICUWB2008について概要を報告する.
著者
ガルシア イアン 阪口 啓 荒木 純道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.250, pp.119-125, 2008-10-15
参考文献数
9

本稿ではヌル拘束を用いたガウスMIMOブロードキャストチャネルにおける送信を,送信機最適化プログラミングとして定式化している.ただし,チャネル推定は完全に行われているものとしている.本アプローチは周波数共有や様々なマルチユーザMIMO,MIMOメッシュネットワーク,基地局連携など,送信ウェイトにヌル拘束が存在するようなシナリオに適用できる.合計通信容量拘束と達成可能範囲境界は合計電力とアンテナ毎の電力のケース,およびヌルされた素子における最大干渉レベルがコントロールされた完全ヌル(ヌル空間)拘束や部分ヌル拘束に対する行列のラグランジュ双対性を用いて導出できる.またプリコーディングへの方法が導入されている.ユーザプリコーディングはブロードキャストにおいて"ヌルブロードキャスト"として私たちが参照している修正されたチャネルを用いて実行される.合計電力拘束条件下では"SINRマッチング"双対性がヌルブロードキャストにおいて合計通信容量,完全ヌルおよび部分ヌル拘束のための合計通信容量プリコーディングを得るために使われている.
著者
吉川 茂 武藤 葉子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.635, pp.13-18, 2001-02-15

ホルン奏者の上唇の運動を3次元的に理解する目的で, 透明のマウスピースとナチュラル・ホルンを用いて唇の運動を正面と横からのストロボによる擬似スロー・モーションとして観測し, さらに座標軸を設定して1コマごとに運動を解析した。上唇の開閉運動は上唇の先端を追跡することによって分かる。この開閉運動に重なってはいるが, 別種の波動が上唇表面に発生しており, その伝搬経路と伝搬速度は唇を横から観察するときに現れる可視化映像上の輝点(波頭に相当する凸部)の運動を解析することによって知れる。最低の2次モード音F_2(87.3Hz)を上級者が吹奏すると, 波動はマウスピースのリムに接する唇の端点から発生し, 唇の中央まで水平に伝搬し, そこから上方に曲がり, リムで反射されて元に戻る。波動が唇の中央まで水平に伝搬するとき, 唇は外向きに開いていく。高次モード音のF_3やF_4では波動は主に垂直方向にのみ伝搬する。伝搬速度は約1〜4m/sの範囲にあり, 唇の張力や吹奏圧の影響を除外すると, 約1.8m/sと推定された。さらに波動をレイリー型表面波と仮定すると, 唇のずり弾性率は約4×10^3N/m^2となった。また, 波動伝搬と開閉運動を再現できるような1質量-3バネモデルを提案した。
著者
杉延 学 奈良 重俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.135, pp.1-7, 2001-06-19
参考文献数
8

本研究では光電子非線形能動素子に対する応用非線形ダイナミックス的な立場から新機能デバイスの有力な候補の一つとして、SEED(self-electro-optic device)素子があり、これの単一でのSEED素子での量子閉じ込めシュタルク効果によって起こる双安定性とそれらの結合系を考える。そしてSEED素子を並列に結合したモデルについて考察する。これはSEED素子間のキャリア移動を考えたもので、単一素子には見られない多安定性について述べる。
著者
宮脇 健三郎 西口 敏司 米村 俊一 佐野 睦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.35, pp.13-18, 2010-05-07
参考文献数
17

本稿では,複数センサを用いた人間の食事行動の認識手法について検討する.食事行動の状態認識は,料理を食べた直後にその感想を求めるなど,食卓での話題を適切なタイミングで提示する,食卓コミュニケーション支援エージェント等に応用できる.カメラによる食事中の顔や唇の状態認識,および加速度センサによる手首の回転や移動の検出を併用した,食事行動の状態認識方式を提案する.
著者
関川 宗久 稲葉 直彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.69, pp.35-37, 2012-05-21
参考文献数
4
被引用文献数
1

前稿(1月NLP)では,著者らはヒステリシス素子で結合される3つの線形LC発振器のリアプノフ解析を行うことにより,2-トーラスアーノルドタングと名付ける極めて興味深い分岐現象を回路実験において観察した.本稿では,離散力学系の2-トーラスアーノルドタングの発生について考察する.また,離散力学系にも「2-トーラスから3-トーラスへのネイマルク・サッカー分岐」と呼ぶに相応しい分岐現象が見られるかを議論する.
著者
岩崎 大輔 関川 宗久 稲葉 直彦 遠藤 哲郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.498, pp.17-22, 2012-03-20
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では4LC発振器のリアプノフ解析を行う.関川らはヒステリシス素子で結合される3つの線形LC発振器のリアプノフ解析を行い2-トーラスアーノルドタングと呼ばれる極めて興味深い分岐現象を発見した.まず,本研究で対象とする4LC発振器に発生しうる卜ーラスの分岐について考察を行う.2-トーラスから3-トーラス,3-トーラスから4-トーラスの分岐は不動点の分岐ではないが明らかな分岐現象であると著者らは確信する.2-トーラスから3-トーラス,3-トーラスから4-トーラスの分岐には,主にネイマルク・サッカー分岐とサドル・ノート分岐が関与すると考えられる.後者の分岐では2-トーラスアーノルドタングが発生することがある.本研究では「3-トーラスアーノルドタング」と呼ばれる分岐現象が存在するか否かについて議論する.そして将来4LC発振器の解析を行い,このシナリオを検討する.
著者
萩原 雄一 小川 博久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.715, pp.127-131, 2004-03-09
参考文献数
25

日本に暗号モジュールを評価する制度が無い現在,アメリカとカナダが運用しているFIPS 140.2に基づくCMVP(Cryptographic Module Validation Program)は一定の成功を収めている.本稿ではCMVPの成立要件及びその問題点を考察し,日本版CMVP(JCMVP)への改善案を提唱する.
著者
近藤 あき 中越 明日香 山本 洋紀 田中 忠蔵 梅田 雅宏 江島 義道
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.100, pp.13-18, 2004-05-21
参考文献数
6

色対比効果とは、同じ色でも周囲に存在する色に依存して異なる色に知覚される現象を指す。この効果は色を空間的に比較する脳過程の存在を示している。本研究では色の空間比較過程に関与する脳部位を、fMRIを用いて検討した。視覚刺激は等輝度のテスト刺激と周辺刺激であった。テスト刺激と周辺刺激の境界が隣接する条件と間隙がある条件(0.5°または1°)を設けた。テスト刺激と周辺刺激は実験を通して常に赤緑変調されたが、同じ位相で変化する条件と逆相で変化する条件が交互に提示された。この時、色対比が生じて、テスト刺激の物理的な色変調は一定であるにもかかわらず、見かけの色変調は逆相条件で強まった。この間の脳活動をfMRIで測定すると、間隙がない場合には、見かけの色変調に相関した脳活動が低次から高次に至る多くの視覚野で観察された。間隙が大きくなると、低次の領野では脳活動が激減したが、後頭の背側と腹側の特定の高次領野では有意な活動が残った。これらの結果から、色比較の空間範囲は視覚経路の階層が上がるにつれて広くなると考えられる。
著者
千田 昌伸 柴田 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.345, pp.27-31, 2003-09-25
参考文献数
7

「III族窒化物半導体」を用いた高光度青色,緑色,短波長LEDの開発に成功したことから,従来からの赤色LEDと併せて,可視光の3原色と呼ばれる「赤」「緑」「青」がすべてLEDでまかなうことができるようになり,大型フルカラーディスプレイ,液晶のバックライト等,LEDの用途が大きく拡がってきた.また,短波長LEDを励起光源とし「赤」「緑」「青」などの蛍光体を組み合わせて光らせることによる白色LEDへの製品適用も始まった.
著者
土田 哲 アリソン エイミ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.101, pp.93-98, 2009-06-18
参考文献数
10
被引用文献数
1

1991年に飯島澄男博士によりカーボンナノチューブが発見されたことにより、宇宙エレベータ建設に必要な引張り強度を持つ材料を手にする可能性が出てきた。宇宙エレベータの実現により、従来のロケットによる物資輸送と比較し、画期的な低コストで人や物を軌道上に輸送できると期待されている。この論文では、宇宙エレベータの概要と世界での研究開発動向を述べるとともに、日本が持つ技術を積極的に用いて実現を目指す「日本版宇宙列車構想」について説明する。この構想では、カーボンナノチューブの強度にだけ注目するのではなく、機能部品としての特性を積極的に使うこととしている。((1)銅と同等の低電気抵抗特性を利用したケーブルからの給電、(2)半導体特性を使ったコイル、スイッチ、電子回路を組み込んだスマートケーブルの開発、(3)スマートケーブルの機能を利用したリニアモータの実現)
著者
小野 正虎 柏木 温子 松田 一朗 伊東 晋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.151, pp.25-30, 2002-06-20
参考文献数
5

多視点画像から物体の3次元形状を獲得する手法として視体積交差法が知られている.一般にこの手法を動きを有する物体に適用する際は,複数のカメラによって多視点画像を同時に取得する必要があり,各カメラのキャリブレーションや同期に要するコストが問題となる.そこで本稿では,単一のカメラと複数色光源を利用して視体積交差法と同様な原理を実現する手法を提案する.まず,基準となる物体の影を計測し,光源の位置とカメラパラメータを推定する.次に測定対象に色の異なる光源を同時に照射した際の床面の影を撮影し,各光源に対応する影を画像上の色の違いに基づいて分離する.これらの影と光源を結ぶ錐体を考え,その共通部分を抽出することで物体の3次元形状を求めることが可能となる.
著者
冨手 要 藤木 真和 麻生 隆
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.427, pp.75-80, 2008-01-10
参考文献数
6

本稿では,複合現実感において現実の影と光学的な整合性を保って仮想の影を描画する手法を示す.現実物体からの影が投射されている領域は仮想物体からの影の影響を受けないとして,我々の手法では,現実空間を撮影した画像に含まれる現実の影の領域を避けて,仮想光源ごとに現実もしくは仮想物体に起因する影を実画像に加える.本稿では,提案手法の理論的背景について述べた後,レンダリング技法としてレイトレーシングを用いた実装方法を説明する.さらに,検証実験により光学的に矛盾のない影画像を生成できることを確認したので,実験の内容と結果を示す.
著者
阿部 正幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.57, pp.61-68, 1999-05-20
参考文献数
18

任意の第三者が入出力関係の正当性を検証することができるUniversally Verifiable Mix-netを二種類提案する。提案方式は, 古典的なCut-and-Chooseを用いない初めての方式である。その計算量は入力数Nおよび許容できる不正サーバ数tに対してΟ(tN logN)であり, 小・中規模の無記名電子投票に適している。また, 提案方式の一つでは, 各サーバのプロトコル参加が一度で済むため, e-mailのように比較的オーバヘッドの大きな通信路を利用する事も可能である。
著者
面 和成 宮地 充子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.421, pp.45-52, 2000-11-06
被引用文献数
1

最も広く知られているオークションはEnglishオークションである。電子オークションが満たすべき性質には、(a)Non-repudiation, (b)Anonymity, (c)Secure against framing attacks, (d)Unforgeability, (e)Verifiability, (f)Unlikability among different auctions, (g)Linkability in a auction, (h)Traceability, (i)Efficiency of bidding, (j)One-time registrationの10個あり、我々はそれらの全てを満たすより現実的な電子オークションを提案する。それらの中で特に注目すべき3点は、(1)電子掲示板を導入することで、各入札者の入札および入札値の検証の計算量を大幅に削減する。(2)登録管理者(RM)、オークション管理者(AM)および入札者に対する匿名性が1回の登録で実現される。(3)RMおよびAMの両機関が協力したときに限り落札者および不正入札者のみが特定される。
著者
得丸 公明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.220, pp.55-60, 2011-09-22
参考文献数
11

情報理論というとシャノンを思い浮かべる人が多い.しかしジョン・フォン・ノイマン(1903-1957)も,生命の自己複製と進化を自動的になしとげる複雑さを生みだすメカニズム「オートマトン」の研究として情報理論の必要性を訴えていた.そして,組合せ,熱力学,形式論理学,デジタルといった基本概念を吟味し,万能チューリングマシン,デジタル神経ネットワーク,長期記憶メカニズムといったシステム構成要素を論じていた.情報は離散的で有限個の元からなる論理記号が,一次元状に配列された表現であり,それが媒体を変調して回線上を伝搬し,宛て先でデジタル復調されて複雑な意味を構築する.デジタル信号はアナログ信号よりも信号対雑音比(S/N比)にすぐれているから,組合せ理論にもとついて符号語の種類が桁違いに多くなり,一回だけ送信すれば相手にメッセージが届く.ほぼ無限に作り出せる符号語が,一度送信するだけで相手に届くことの相乗効果として,短い符号語が意味単位の接続や意味の修飾を行うようになった.これが言語における文法,タンパク質合成における非コーディングRNA,コンピュータ・ネットワークにおけるプロトコルスイッチである.宛て先で処理されるための情報以外に,情報を処理する回路の組み立て方を指示した情報を宛て先に送ることができるので,情報によって情報処理回路を作れる.できあがった処理回路を処理回路を作る回路に投入すると,一段上のレベルの処理が可能な処理回路ができ上がる.これを何度も繰り返すと,だんだん処理できる複雑さのレベルが上昇し,複雑さのレベルが同等な子孫を生みだし,さらに複雑さを増した進化を自然に生みだせる.具象概念から類概念・関係性概念に発展したものが,抽象概念,公理,公理系へと発展する過程も自己増殖による複雑化と考えられる.
著者
谷村 正美
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSS, 安全性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.74, pp.13-17, 2000-05-16
参考文献数
1

球形の錘と電源遮断機のスイッチレバーを紐で連結し、この錘を安定的に受け止める開口部を設けたL型金具を電源遮断機カバーに取り付けた構造で、震度5以上の揺れにより、錘が落下することにより、電源を遮断する付属装置を開発した。家屋が倒壊するような地震に対して自動的に電源を遮断し、電気器具の過熱により二次災害を防止することが可能になった。無資格で設置でき、しかも低価格である。