著者
高橋 小百合 木村 勉 神田 和幸 森本 一成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.58, pp.25-28, 2011-05-13

本研究では,携帯情報端末使用して,手軽に情報保障が得られるシステムを構築した.例えば博物館などでは,展示物解説は書記日本語や音声によるものが中心である.聴覚障がい者にとっては,音声による解説は聞くことができない.また,多くの聴覚障がい者は,手話が第一言語であるので,書記日本語による解説も不十分である.これを解決するために,携帯情報端末の動画配信機能を用いた手話による情報保障システムを構築する.GPS機能を用いて携帯情報端末の現在位置情報を取得する.この情報をもとに現在位置周辺の展示物を画面上に表示させ,それらから選択することで展示物に対応する手話動画を再生する仕組みである.さらに本研究では,公共施設を用いて,評価実験を行った.
著者
吉田 英二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.302, pp.35-38, 2007-10-25

本稿では2007年9月17日から29日までドイツ,ベルリンで開催されたECOC2007で発表された超高速・大容量伝送技術に関連した論文をもとに,会議の最新技術動向を報告する.トピックとしては,100Gb/s/ch変復調方式,光OFDM,デジタルコヒーレント受信,電気補償技術,Tb/s級大容量信号の長距離伝送などである.
著者
富澤 良行 シュレスタ シャンカー・マン 荒井 郁男 後藤 眞二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.300, pp.29-34, 2003-09-04
参考文献数
11
被引用文献数
4

150ピコ秒のインパルス波を用いた超小型地雷探査レーダを開発した。本地中レーダを地表面上で平面的に走査することにより、土中に埋設した模擬対人地雷を3次元的に映像化した。
著者
柳原 崇 金澤 優 梅尾 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.417, pp.35-40, 2005-11-12
参考文献数
12
被引用文献数
2

本稿では, いくつかのビット通信を基本とするセルラーオートマトン上での同期プロトコルを提案する.5ビット通信セルラーオートマトン上で内部状態数が1で動作する同期アルゴリズムを設計した.このアルゴリズムはセル数nが有限個であれば, いかなる数でも2n-2ステップという最適時間で同期するものである.従来のセルラーオートマトンでは内部状態数が4以下の同期アルゴリズムは存在しないとされており, 非常に興味深い結果となっている.
著者
小川 裕太 永田 仁史 藤岡 豊太 安倍 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.166, pp.19-24, 2009-07-27

MUSICに基づく音源方向推定において,頭部伝達関数の影響を受けた2chの受音信号から音声の到来方向を逐次的に推定する方法を提案する.この方法は,音声信号成分の時間-周波数軸上のスパース性を仮定し,既に方向推定した音源に起因する周波数成分の重みを低下させることによって次の音源の方向推定精度を高める.筆者らは,同じ考え方を既提案の重み付きウイナー利得(WWG)に基づいた方向推定[1]において導入しているが,本論文では,よく使われる高分解能法であるMUSIC法にもこの考え方を適用できるように,空間スペクトル上の最大ピークを構成する周波数成分の振幅に基づいて逐次的な処理を行う.さらに,逐次処理から得られる音源方向の候補について,各候補に属する成分パワーの和を計算して音源数を推定する.提案法の性能評価のため,頭部伝達関数を用いて両耳受聴音を模擬し,様々な音源方向からの到来音を想定して音源方向の検出精度を求める計算機シミュレーションを行った.性能評価の結果,音源が3個で各音源の信号対雑音比(S/N)が10dBのとき,コヒーレンスに基づく成分選択を用いた通常のMUSIC法の検出率が約3%であるのに対し,提案法は音源数を既知とした場合が83%,音源数推定も同時に行った場合が78%となり,通常のMUSIC法の性能を大幅に向上できることが確かめられた.
著者
重松 智志 森村 浩季 町田 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.339, pp.31-36, 2002-09-19
参考文献数
5

様々な状態の指に対し,指紋形状のセンシング,デジタルデータへの変換を行い,指紋認証に最適な画像を得る手法を提案する.本手法では,読みとった指紋形状を時間軸方向の信号に変換し,任意のレンジとオフセットでこのデータをデジタルデータに変換する回路を用い,クリアな指紋の読みとりを実現する.また,指の状態に合わせ,適応的に画像を調整する手法も提案する.0.5μmCMOS/センサプロセスを用いセンサチップを試作し,実験により本手法の有効性を確認した.
著者
小林 光 田中 章浩 岸田 悟 渡部 徹 長谷川 弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.542, pp.421-426, 2008-03-05
参考文献数
9

本研究では,バックプロパゲーション法による3層階層型ニューラルネットワークを用いて指紋と声紋によるハイブリッド認証システムを構築した.指紋認証では2次元高速フーリエ変換と逆フーリエ変換によって前処理を行い,ニューラルネットワークへの入力データとした.声紋認証では高速フーリエ変換によって前処理を行い,ニューラルネットワークへの入力データとした.それぞれ各認証を行い,中間層・出力層ユニット数がニューラルネットワークの性能の及ぼす効果を明らかにした.さらに,可変の重み付きAND結合を用いた指紋と声紋によるハイブリッド認証システムを構築し,性能を調査した.これらの結果より, 3層階層型ニューラルネットワークが個人認証システムに有効であることを示した.
著者
伊藤 康一 森田 歩 青木 孝文 樋口 龍雄 中島 寛 小林 孝次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.147, pp.61-66, 2005-06-20
参考文献数
8

一般的な指紋照合手法は, 指紋画像から特徴点を抽出し, 画像間で一致する特徴点ペアの数に基づいて指紋照合を行う手法である.指紋照合において最も困難な問題の1つとして, 環境や個人的な要因によって指先の状態が変化し, それに伴って照合精度が大きく影響を受ける問題がある.この問題を解決するために, 本稿では, 位相限定相関法(Phase-Only Correlation: POC)を使った指紋照合アルゴリズムを提案する.POCは, 2次元離散フーリエ変換した画像より得られる位相成分を使って画像間の類似度を調べる照合法であり, 状態の悪い指紋画像に対してロバストに照合することができる.本稿では, 乾燥肌や肌荒れ, アレルギーなどが原因で指先の状態が悪い人から採取した指紋画像を使い, 特徴点を使った照合アルゴリズムと比較して提案するアルゴリズムが高性能であることを示す.
著者
森村 浩季 重松 智志 島村 俊重 町田 克之 久良木 億
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.161, pp.129-136, 2001-06-29
参考文献数
14

指紋センサと認証システムを1チップに集積した1チップ指紋センサ認証LSIを開発した。本チップを実現するため、チップアーキテクチャ、センサ構造およびプロセス、回路技術を新たに考案した。本技術を0.5μmCMOS LSIに適用し、1チップ指紋センサ認証LSIを試作した結果、その有効性を確認した。今後必要となる携帯端末用途の安全な小型本人認証システムの実現に、1チップ指紋センサ認証LSIのコンセプトが有望な手法となることを示した。
著者
中村 高宏 前田 卓志 松下 雅仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.674, pp.167-172, 2006-03-10
参考文献数
6

指紋認証装置はコストの性能のバランスのよいバイオメトリクス認証技術として最も普及している.本報告では,指紋特徴点の照合処理において,照合相手指紋の特徴点と一致しない特徴点(不一致特徴点)を従来のように一律に切り捨てるのではなく,不一致特徴点に対しても「真の相手側特徴点と一致しない真の特徴点かどうか」を示す「真の不一致特徴点らしさの信頼度(不一致信頼度)」を評価して照合スコアに反映することにより,他人指紋の判別精度を向上するという照合方式を提案する.実験により,不一致特徴点を真偽評価なしに一律に扱う従来の照合手法とは異なり,本人指紋の拒否エラー率がほとんど変化することなく,他人指紋の受容エラー率のみが改善されることを示す.
著者
稲森 真美子 ボスタマン アナス ムハマド 眞田 幸俊 南 英城
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.452, pp.73-79, 2008-01-17
参考文献数
17
被引用文献数
1

ダイレクトコンバージョン型OFDM受信機は端末の柔軟性や廉価性の面で優れているが,DCオフセット,周波数オフセット及びIQインバランスの影響を受ける.以前の報告で著者らは静的DCオフセットおよび周波数オフセット環境下でのIQインバランス推定法を提案している.そこで本稿では,時間変動DCオフセット環境下において提案手法を評価する.提案法はプリアンブル信号を利用し,IQインバランスを簡易な演算によって推定する.本研究では,提案法を無線LAN規格IEEE802.11a/gで規格化されているパケット構成に従いシミュレーションにより評価している.ミュレーション結果から,本研究で提案するIQインバランス推定法はDCオフセット及び周波数オフセット存在下でもIQインバランスを推定および補正できることを示した.
著者
大野 光平 井家上 哲史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.472, pp.193-198, 2009-03-02
参考文献数
5

2008年8月25日から28日の4日間にわたってスペクトル拡散技術に関する国際会議ISSSTA2008(10th IEEE International Symposium on Spread Spectrum Techniques and Application)がイタリア・ボローニャのSavoia Regencyホテルにて開催された.また,2008年9月10日から12日までの3日間,UWBに関する国際会議ICUWB2008(The 2008 IEEE International Conference on Ultra-Wideband)がドイツ・ハノーファーのライプニッツ大学ハノーファーで開催された.本稿はISSSTA2008とICUWB2008について概要を報告する.
著者
藤井 雅弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.324, pp.19-22, 2009-12-01
参考文献数
5

2009年9月9日から11日の3日間にわたってカナダのバンクーバーのHyatt Regency VancouverホテルでICUWB2009(The 2009 IEEE International Conference on Ultra-Wideband)が開催された。本会議はUWB技術に特化した国際会議である。本稿では、ICUWB2009に関して報告し、本会議で議論されたUWBに関する最新のトピックスに関して述べる。
著者
寺内 美奈 久保 敦 長嶋 祐二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.57, pp.59-64, 2006-05-12
参考文献数
6
被引用文献数
4

聴覚に障害のある人のコミュニケーション手段の一つである手話は,手指信号と非手指信号より構成されている対話型言語である.著者らはネイティブサイナによる手話対話をできるだけ詳細に記録し,対話主導権のあり方,会話進行の特徴を明らかにすることを検討してきた.また,非手指動作(NMS)を抑制した場合や手指動作(MS)を抑制した場合に対話中の発話交替に与える影響について解析を進めている.本報告では,時間遅延が発話交替にどのような影響を及ぼすか調べるため,一組の対話中に伝送遅延を施し,その対話状況を解析した.その結果,遅延環境下では協調戦略的介入が2倍近くになることと,招致介入は遅延の影響が少ないことが判明した.また,通常伝送下での対話は遅延環境下よりも戦略的介入が積極的に行われたことを確認した.
著者
栗原 芳高
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.530, pp.33-35, 2004-12-10
参考文献数
17

郵政省電波研究所は1964年5月1日、茨城県鹿島町(当時)に鹿島支所を開設し、主として米国NASAの実験用通信衛星リレー2号および応用技術衛星ATS1号を相手として数多くの実験を実施し、衛星通信技術の確立に努めるとともに、シンコム3号(史上初の静止衛星)を用いて、東京オリンピックTV映像の史上初の実用宇宙中継に成功している。本講演では、鹿島地球局の建設からATS実験終結までの、鹿島における衛星通信の黎明期について回顧する。
著者
野崎 敬策
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.219, pp.49-56, 2011-09-21
参考文献数
4

日本のITSは、1970年初頭から交通安全を主眼に様々な研究開発と実用化がなされ現在に至っている。昭和45年度(1970年)の交通事故死者数は16,765人と最も死者数が多い時代であった内閣府のIT戦略本部が2000年に設置され、e-Japan戦略により2012年交通事故死者数5,000人以下を目標としたが、既に2009年に4,914人と目標を達成している。現在、ITS中長期計画の中では2018年に2,500人以下を目指している。ITS Japanでは、ITS総合戦略2015・新中期計画を立て、安全性、環境負荷軽減、利便性向上、地域活性化、基盤整備と国際化の観点から種々の具体的施策、研究開発・実用化、さらに持続可能なモビリティの実現に向かって次世代ITS:ITS長期ビジョン2030を推進している。本講演では、これらのITS中長期ビジョンの概要に触れ、中でも環境問題と防災・災害に視点を当て述べる。環境問題はCO2削減による地球温暖化対策の一環として全世界・地球的な課題である。また、防災・災害対応への課題は、3・11東日本大震災を経験し未だ半年の状況であり、復興対策と共に早急に進めるべきテーマである。
著者
池田 定博 金田 重郎 金杉 友子 加藤 恒昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.710, pp.113-120, 2000-03-17
参考文献数
6
被引用文献数
2

商品開発やマーケティングでは、効果的なコンセプトの作成が極めて重要である。しかし, 思いついた多数のコンセプトや広告コピー案の中から, 戦略の柱となるキーワード候補を絞り込んでゆく方法は知られていない.本稿では, この問題を解決するため, 「流行ことば予測」手法を提案する.そこでは, まず, 過去・現在・将来における流行語の背景となる社会的要因を、「ことば」として表現する.そして, 今後流行の可能性がある新しい「ことば」と, これら社会的要因との距離を計算し, 「近い」と算出されたことばから, 流行のキーワードを開発する.過去の「ことば」としては、自由国民社発行の「現代用語の基礎知識」を使用し、距離計算にはベクトル空間法を利用した。1998年度の流行語大賞である「ショムニ」等が, どのような背景により流行したかを実験的に分析する。
著者
長谷川 翔平 安住 壮紀 橋本 修 風間 保裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.77, pp.19-23, 2009-06-04
参考文献数
13
被引用文献数
8

本研究では直線偏波を利用する衛星通信移動局用アンテナとして,コニカル状ビームをもつ反射板付きダイポールアンテナを互いに直交させたクロスダイポールアンテナを提案する.そして,これを用いた19素子配列アンテナのビーム走査特性に関して,電磁界シミュレータを用いた解析的検討を行う.具体的には,まず素子アンテナの検討を行い,本アンテナが半球面状に互いに直交する偏波をもち,かつコニカル状の放射パターンを有することを示す.次に,この素子アンテナを用いて19素子アンテナを構成し,ビーム走査特性に関して検討を行う.
著者
田舎片 健太 森下 博和 長名 保範 藤田 直行 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPSY, コンピュータシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.361, pp.205-210, 2011-01-10
参考文献数
17

近年,物理学,化学,経済学といった種々の分野で科学技術計算が用いられている.その計算には,通常多くの浮動小数点演算が含まれており,汎用CPUでは実行効率が悪く,専用計算機上で実行されることが多い.アクセラレータとして使用されるデバイスは様々であるが,FPGAというリコンフィギャラブルデバイスは,微細化による組込み素子の増大に伴い,比較的安価である点,柔軟なメモリアクセスを実現できる点から広く利用されてきた.しかし,FPGA上にアプリケーションを実装することは,アルゴリズムといった理論の研究者にとっては困難であるという問題がある.そこで,本研究では,ALUアレイを構成し,それを利用してストリーム処理を行うことができるシステムを提案,設計する.これにより,ALUへの命令とALU間の接続情報及び演算データを用意することで,ハードウェア上での実行が可能となることを目的とした.また,専用計算機上で実行した場合の性能の目安となることも同様に目的とした.MUSCLという計算流体力学のアプリケーションを用いて評価した結果,演算部分の性能は2.4GHzのIntel Core 2Duo上での実行に対して,約4.1倍が期待できることがわかった.また,パイプライン利用率が専用計算機との比較において大きな割合を占めることがわかった.
著者
荒井 隆行 田中 希美 片岡 竜太
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.338, pp.143-148, 2008-12-02
参考文献数
14
被引用文献数
2

軟らかいゲル素材を用いて,軟口蓋が動き鼻咽腔閉鎖をする声道の物理模型を製作した.その模型では,軟口蓋から咽頭壁に渡ってゲル素材を用い,鼻腔を含むその他の部分はアクリル素材を用いた.4つの鼻咽腔閉鎖パターン(Coronal, Circular, Circular with Passavant's ridge, Sagittal)を模擬するため,ゲル素材の軟口蓋部にひもを付けると共に,両脇と後方からアクリル棒を押し込むことで咽頭側壁と咽頭後壁を動かせるようにした.これらの動作によって鼻咽腔閉鎖の度合いを連続的に変化させた結果,鼻咽腔結合部の開存面積に応じて模型から生成される音声信号の開鼻声の程度が変化することを確認すると共に,スペクトル上に極零対などが現れることを確認した.