著者
中村 博文 村島 定行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.9, pp.1559-1563, 1997-09-25
参考文献数
16
被引用文献数
3

英数字列をひとまとまりとみなしてデータ圧縮をする効果を確認するために, 英数字列を少数文字の文字列で表し直して圧縮するという擬似的な方法で実験を行った. compress, 低次で使用したcomp-2, Gageの方法で, 英文ファイルやソースプログラムファイルについて効果があった.
著者
北本 卓也 関 伯実 渡邉 正
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J103-A, no.8, pp.185-195, 2020-08-01

ナンプレは世界中に広まっているペンシルパズルであるが,その1種に「斜め四独」と呼ばれるものがある.これはサイズが 4 × 4 のナンプレパズルであり,通常のナンプレのルールに「対角線上のマスにも1〜4の数字が一つずつある」というルールを追加したものである.本論文ではこの斜め四独に注目し,斜め四独の問題が適切であるための必要十分条件を明らかにする.また,得られた結果を用いて,手動で斜め四独の問題を作成する手順を提案し,斜め四独の問題の数え上げを行う.
著者
小中 英嗣
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J103-A, no.2, pp.55-65, 2020-02-01

本研究では大相撲における力士の実力評価手法を検討する.現在運用されている番付制度が他のスポーツのランキング手法でも見られるポイント交換法の変種であることを示し,設計上の制約を指摘する.その制約を解決する手法として,本研究では,ある時点で各力士にその実力を表す一つのパラメータ(レーティングと呼ぶこととする)を想定し,その差がロジスティック回帰モデルを通して勝率を予測するモデルを提案する.実装が容易かつ数値的に安定したアルゴリズムを示し,6場所制定着以降の約58万対戦の結果を利用し,各力士の各場所での実力評価とその予測精度について議論する.これは著者の調査範囲内では最大規模の大相撲に関する統計的研究である.具体的な応用事例として,提案する実力評価手法が間隔尺度であることを活用し,議論を呼ぶことが多い横綱昇進の条件について新たな観点を提供する.
著者
宮越 規彰 竹内 勇剛
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J102-A, no.2, pp.93-105, 2019-02-01

本研究ではWWW閲覧者の環境に左右されず,書体変化が容易なWebフォントを活用し,Webサイトに表示されるテキストコンテンツの書体を変化させることによって,ユーザへ与える認知的効果を調査した.実施した実験では,高級感が強いと評定された書体と低いと評定された書体との間の同一コンテンツに対するユーザの反応に着目し,書体の変化が向社会的行為に影響を与えるという仮説に基づき,仮想的な寄付行動に伴う額の大きさに与える効果を検証した.その結果,Webフォントによる書体変化の順序の違いによってユーザが寄付を試みる額に違いが観察され,Webフォントを用いてユーザの行動に対して作為的な操作を与えることが可能であることが示唆された.これにより,書体がユーザに与える認知的効果を活かしたサービス開発や表現に本研究の知見が貢献することが期待される.
著者
加藤 浩介 坂和 正敏 片桐 英樹 稙田 公一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J85-A, no.9, pp.967-975, 2002-09-01

あいまい性や不確実性が含まれるシステム最適化に対するアプローチとしては,不確実性を確率論に基づいて取り入れた確率計画法やあいまい性をファジー理論に基づいて表現したファジー数理計画法が代表的であり,様々な形で発展してきている.本研究では,問題に含まれる係数が確率変数である多目的線形計画問題に焦点を当て,制約条件は常に満たされる必要はなく,ある確率以上で満たされればよいとする機会制約条件のもとで複数の目的関数がある値以下になるという確率を最大化するという確率最大化モデルを用いて定式化する.そして,多目的確率最大化モデルに対して意思決定者のファジー目標を導入するとともに,意思決定者との対話により意思決定者の満足解を導出する基準点法に基づく対話形アルゴリズムを適用するという,確率計画法とファジー計画法を融合した新しい意思決定手法を提案する.
著者
松田 俊寛 吉田 正尭 穗刈 治英 島田 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.92, no.11, pp.921-924, 2009-11-01
参考文献数
3

耳栓型,イントラコンカ型,耳覆い型の代表的な3種類のイヤホンの体温によるインピーダンス特性と外耳道伝達関数(ECTF)の周波数振幅特性の変動について検討した.その結果,インピーダンスの上昇率は3%以内であり,ECTFのSD(スペクトルひずみ)値は2.0dB以下であった.そして,このSD値と先行研究の結果を比較し,本測定で得られた装着時のECTF変動による水平面の頭外音像定位の精度に与える影響を考察した.
著者
遠藤 康男 粕谷 英樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.7, pp.1031-1041, 1998-07-25
参考文献数
25
被引用文献数
5

音声における周期ごとのゆらぎは知覚される自然性, 声質を記述するのに重要である.この周期ごとのゆらぎを考慮した音声の分析・変換・合成システムを提案する.システムにおいてゆらぎは, 基本周期ゆらぎ(ジッタ), 実効値ゆらぎ(シマ), 周波数スペクトルゆらぎに分けられ, 自己回帰移動平均(ARMA)モデルで定式化される.このモデルはゆらぎの大きさだけでなくスペクトル特性も定量化する.周波数スペクトルは主成分スペクトル成分に変換され次元が大幅に縮小される.この主成分スペクトルに対しARMAをあてはめる.実験の結果以下のようなことが示された.(1)日本語母音/a/の周波数スペクトルは8個の主成分スペクトル成分で表される.(2)モデルはもとのゆらぎを再現できる.(3)原音声と再合成した母音信号は聴覚的にほとんど違いがない.このシステムはさまざまな音声の研究分野で有用である.
著者
中川 佳弥子 塩見 昌裕 篠沢 一彦 松村 礼央 石黒 浩 萩田 紀博
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J95-A, no.1, pp.136-145, 2012-01-01

近年,教育や福祉の分野において,ロボットを利用した様々なサービスに関する研究開発が進んでいる.これらの分野において,ユーザとのインタラクションの中で,学校の宿題や,健康のための運動などといった,日々のタスクに対するモチベーションを向上させるようなロボットの働きかけが有用である.接触がロボットの印象にポジティブな効果があることは過去の研究において示されているが,ロボットの能動的接触が行動にどのように影響するかは明らかにされていない.ロボットの能動的接触の効果を調べるために,我々は,非接触/受動的接触/能動的接触の3条件で,ロボットが被験者に退屈なタスクを依頼する実験を行った.実験の結果,能動的接触による依頼を行った場合,他の条件に比べてタスクパフォーマンス(達成量及び継続時間)が有意に向上した.一方で,ロボットへの印象とタスクパフォーマンスに相関は見られなかった.これらの結果より,ロボットの能動的接触がユーザのモチベーションを向上させる可能性が示された.ロボットとの接触を伴うインタラクションが想定される様々なサービスにおいて,本知見はロボットの振舞いのデザインに役立つと我々は考える.
著者
丸山 翔太郎 黒岩 眞吾 堀内 靖雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J102-A, no.2, pp.120-123, 2019-02-01

トランペットの音色が演奏者によってどのように異なるのかについて,音響的特徴の分析を行った.また,演奏者の個人性を表す特徴量として口唇振動MFCCを提案しHMMを用いた演奏者識別実験によりその有効性を確認した.
著者
溝井 直史 尾崎 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.1142-1148, 1995-09-25
参考文献数
8
被引用文献数
4

クイックソートはアルゴリズムにおいてよく知られたソーティングアルゴリズムである.このアルゴリズムは分割統治法に基づいている.ソートすべき配列を,その中のある一要素の値より大きな値の集合と小さな値の集合の二つに分割して,それぞれの部分を独自にソートする.この操作は分割された各部分に対して再度繰り返されるので,このアルゴリズムは再帰的な構造をもつ.クイックソートの平均の時間計算量(平均比較回数)はO(n log n)である.但し,ソートすべきデータによっては性能が極端に悪くなる場合があり,最悪の時間計算量はO(n^2)である.本論文では,まず,クイックソートの時間計算量に基づいた母関数を導入し,これを利用して解析的に時間計算量の平均と分散を求める.そして,この平均と分散を利用して,クイックソートの時間計算量の分布が正規分布で近似できるか,カイ2乗適合度検定を行う.更に,クイックソートの時間計算量の分布を3母数ワイブル分布で近似することにより,時間計算量がある値xを超える確率R(x)を精度良く算出する手法を提案する.最後に,ソーティングアルゴリズムの選択に関する考察を行う.
著者
藤原 順一 増田 澄男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.81, no.6, pp.1011-1016, 1998-06-25
参考文献数
10

二つの根付きの非順序木の同型判定を行う線形時間アルゴリズムとして, 辞書式ソートを用いる方法がよく知られている.本論文では, 辞書式ソートを用いない線形時間アルゴリズムを提案する.二つの方法を計算機実験により比較したところ, 本方法の方が30〜50%程度高速であった.
著者
高橋 純 増田 尚美 山田 泰司 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1664-1667, 1999-10-25
参考文献数
2

GumowskiとMiraの写像に関して,その解が状態空間においてロジスティック写像の分岐図のような振舞いを示すパラメータ値を発見した.そのモデルを構成して,この現象の仕組みの解析を行い,併せて,力学系の時間発展を追跡し,この現象が過渡的であることを確認した.
著者
宮崎 龍二 石原 茂和 原田 耕一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.93, no.3, pp.190-203, 2010-03-01

本論文では,形態測定学による形状分析のための標識点データを,三次元デジタイザで取得した形状データから自動的に作成する方法を提案する.標識点は対象間で相同と思われる場所に位置する必要があるが,標識点位置の相同性に関しては,完全に先見的に設定できるものではなく,対象に関する事前情報が必要であるため,自動的に標識点データを作成することは困難であり,従来では手動で標識点座標を取得していた.しかし,対象が三次元形状の場合は,必要な点数が多く,また対象間の相同な位置を目視で見つけることも困難な場合がある.本提案法では,車体形状が前・後面,上・底面,左右面の六面体に近い形状をしていることに注目し,計測データから作成されたメッシュモデルを対象間で対応する領域に分割し,分割された対応領域ごとに対応点を計算することで,車体形状を構成する面に関して相同と思われる位置に対応点が配置された標識点データを作成する.本提案法により作成された標識点は車体形状の形状特徴に基づいたものであるため,視覚的な感性評価を行うための形状分析に適している.
著者
志土地 由香 井手 一郎 高橋 友和 村瀬 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers. A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.94, no.7, pp.532-535, 2011-07-01
参考文献数
4
被引用文献数
2

類似した料理レシピ群における特徴的な調理手順の類似度に基づいて,代替可能な素材を発見する方法を提案する.これにより,利用者の要求に応じて料理レシピ中の素材を柔軟に置き換えられるようになることが期待される.
著者
船橋 賢一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J73-A, no.1, pp.139-145, 1990-01-25

画像等の情報圧縮に3層ニューラルネットワークを応用する研究が近年なされているが,これを3層ニューラルネットワークで恒等写像を近似的に実現する問題としてとらえ,hidden層に一般に非線形ユニットをもつ場合に,主成分分析との関連を明らかにすることにより,データの統計的性質とhiddenユニット数および近似の度合いの下限値との関連を理論的に明らかにした.これにより,3層ネットワークによる情報圧縮の性能は,従来のK-L変換を用いる方法による性能を越えることはないことを理論的に示した.また,汎化(generalization)の現象の理論付けをこの場合に行った.
著者
谷 淳
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J74-A, no.8, pp.1208-1215, 1991-08-25

リヤプノフ安定性を基盤とする多くのニューラルネットモデルは,極小への落込みなどの問題点をもち,その動特性の限界が指摘されている.本論文ではこのようなニューラルネットモデルに対してカオス力学系を導入することにより,それらに新たな動特性を付加することを試みる.本論文で提案するカオス力学モデルは,エネルギー曲面での運動を記述する力学方程式の散逸項に周期的に変動する非線形抵抗をもつことを特徴とし,安定および不安定の位相を繰り返すことにより,状態のカオス的遍歴を実現するものである.誤差逆伝搬学習およびホップフィールド型ネットワークでの記憶想起に本力学モデルを適用した結果,これらの動的過程においてカオス的な極小遷移を確認した.更に,適当なパラメータ操作により発生するインターミテントカオスは,安定性と可塑性が共存したより柔軟な学習,構造性をもった記憶想起などの有効な動特性をネットワークに導くことが確認された.
著者
香田 忍
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.705-715, 2006-09-01
参考文献数
83

超音波キャビテーションは5000K,千数百気圧の高温・高圧の局所場を与える.この反応場の化学的作用を利用したソノケミストリーの現状について概説する.超音波キャビテーションに由来する化学作用の機構について説明し,化学作用の定量化法を示す.更に,化学作用の周波数依存性を明らかにし,有機化学,無機化学,高分子化学,環境工学分野へのキャビテーションの化学作用の応用と問題点について述べる.
著者
長谷川 修 森島 繁生 金子 正秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1231-1249, 1997-08-25
参考文献数
76
被引用文献数
46

「顔」は人間にとって非常に身近な存在であると共に, 顔の持ち主である一人一人の人間における個人的な情報, コミュニケーションに係わる情報を始めとした, 言語的手段では表現しにくいようなさまざまな情報を担っている. 近年, 工学分野では主としてコミュニケーションメディアやヒューマンインタフェースへの応用の観点から,「顔」の工学的取扱いに対する研究が活発に行われている. 具体的には, ユーザである人間を対象とした視覚機能をコンピュータにもたせるための顔の認識技術と, コンピュータあるいはコミュニケーションメディアに表現力豊かな顔をもたせるための顔の合成技術である. これらの研究成果は, 従来個別に検討が行われていた顔関連の心理学, 人類学, 美容, 歯科等さまざまな分野においても活用されつつある. 本論文では, このような観点からコンピュータによる顔情報処理に焦点を当て, まず要素技術としての顔画像合成と表情認識について最近の技術動向を概観する. 次に,「顔」の諸特性について考察した後に, 人と人との対面コミュニケーションの支援, 人と機械との間の顔情報を介したコミュニケーションという二つの立場から「顔」の工学的応用について述べる. また,「顔」情報処理の研究のためのツールやデータベース等についても紹介する.
著者
飯野 陽一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.85, no.11, pp.1254-1263, 2002-11-01
被引用文献数
2

本論文では,紙などで作られたチケット,例えばイベントの入場券や交通機関の乗車券などを情報処理装置の状態として表現する電子チケットを提案する.その際に前提とするのは,チケットはユーザがその所持を示すことで,チケットの権利内容が示され,ユーザが権利者として認証されるということである.更に権利者として認証されるユーザはチケットの譲渡によって変更が可能である.チケットの譲渡を可能にするには,その正当性を検証するために,チケットを受け取り得るすべてのユーザから権利者の認証が行える必要がある.このような認証には公開鍵認証基盤(PKI)を使えばよいが,ユーザとの関係が固定的な鍵で認証を行えば,ユーザごとの使用履歴が追跡可能になるため,匿名性を損ないやすい.この点を解決するために,特定の権利の権利者の存在を示す権限を考え,それを認証する鍵を導入する.この鍵とユーザの関係は固定的ではなく,権利者であるユーザだけが利用できるようにチケットの譲渡に伴ってユーザ間を移動する.この方法は紙チケットの電子的アナロジーになっており,電子チケットに譲渡性と匿名性を自然に実現できることがわかる.
著者
土肥 正 松岡 寿明 尾崎 俊治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.536-544, 2000-05-25
被引用文献数
6

ソフトウェア開発工程の最終段階であるテスト工程において, ソフトウェア製品の信頼性を定量的に評価するためにソフトウェア信頼度成長モデルと呼ばれる確率モデルが頻繁に用いられる.本論文では, 従来までに提案されてきたソフトウェア信頼度成長モデルを統一的に扱うための新しい枠組みとして, 無限サーバ待ち行列モデルを提案する.すなわち, ソフトウェア故障の発生過程を無限サーバ待ち行列としてみなすことにより, 既存のソフトウェア信頼度成長モデルに対して全く新しい解釈を与えるものである.最終的に数値例において, もう一つの大きなモデル化の枠組みである一般化順序統計量モデルとの比較を行い, 提案されたモデルの有効性について検証する.