著者
平 朝彦 飯島 耕一 五十嵐 智秋 坂井 三郎 阪口 秀 坂口 有人 木川 栄一 金松 敏也 山本 由弦 東 垣 田中 智行 西村 征洋 鈴木 孝弘 木戸 芳樹 渡邊 直人 奥野 稔 井上 武 黛 廣志 小田 友也 濱田 泰治 室山 拓生 伊能 隆男 高階 實雄 勝又 英信 原田 直 西田 文明 南川 浩幸 金高 良尚
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7, pp.410-418, 2012
被引用文献数
5

東北地方太平洋沖地震において関東地方を中心に前例のない広域的な液状化被害が報告されている.都市地盤における液状化現象を理解し,その対策を立てるには,液状化が地下のどこで起ったのかを同定することが極めて重要である.本報告では,千葉県浦安市舞浜3丁目のボーリングコア試料に対して,X線CTスキャン解析を実施し,非常に鮮明な地層のイメージの取得に成功した.この結果,地面下13 mまでの地層を5つのユニットに区分することができ,その中で6.15 mから8.85 mまでの間で地層のオリジナルな構造が破壊されており,液状化した層であると判定した.この手法は,今後の液状化研究に関して,大きな貢献が期待できる.
著者
伊藤 慎
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.7, pp.508-520, 1999-07-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
55
被引用文献数
1 1

堆積シーケンスの形成は相対的海水準変動と堆積物供給量に大きく支配されている.これら2つの要因の時空変化にともなって, 海進と海退や古水深の変化が発生する.したがって, 地層から識別される海進と海退や古水深の変化は必ずしも相対的海水準変動と一致するものではない.また, 堆積物供給量の空間的変化に対応して, 相対的海水準が一定の場合でも, 海進と海退が同時に発生することがある.このことは, 海進期堆積体と高海水準期堆積体の境界をなす最大海氾濫面が必ずしも同時間面を示すものでないことを意味している.さらに, 堆積速度の変化に注目して堆積物供給量の時空変化が比較される場合があるが, 堆積速度の大小関係と堆積物供給量の大小関係とは必ずしも同じ変動量ではない.このようなシーケンス層序学の基本的枠組みの相互関係を整理しておくことが, シーケンス層序学をさらに発展させ, 新しいモデルを構築していくために不可欠と考えられる.
著者
後藤 和久 田近 英一
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.117, no.4, pp.193-203, 2011

過去30年にわたって,天体衝突と顕生代における大量絶滅の関係を探る研究が行われてきた.しかし,両者の明らかな関係が見出せるのは,いまだに約6550万年前の白亜紀/古第三紀(K/Pg)境界だけである.本研究では,地質学的証拠,地球近傍天体観測データに基づく天体衝突頻度の推定,および月面のクレーターサイズや形成史などの最新の研究を総合的に検討した.その結果,K/Pg境界での天体衝突の規模は,5~10億年に1度程度の頻度の超大規模衝突だった可能性があり,K/Pg境界以外の絶滅境界で天体衝突の明らかな痕跡が見つからないという地質学的証拠とは矛盾しない.一方,K/Pg境界での天体衝突による大量絶滅のメカニズムについては,いまだに十分解明されていない.この理由のひとつは,衝突クレーターそのものに関する地質学的研究が乏しいことである.衝突現象の実態解明のために,衝突クレーター掘削計画の早期実現が望まれる.
著者
高柳 栄子 中山 裕樹 石川 剛志 永石 一弥 井龍 康文
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.116, no.4, pp.237-240, 2010 (Released:2010-10-13)
参考文献数
14
被引用文献数
3

We present strontium (Sr) isotope data for island-surface dolomites at Kita-daito-jima, northern Philippine Sea. The 87Sr/86Sr ratios of 50 samples fall within a wide range from 0.709037 to 0.709079, corresponding to 4.9-2.1 Ma. This wide range in Sr ages reflects the fact that the island-surface dolomites comprise variable mixtures of geochemically distinct, diachronous, dolomite crystal phases. Our results indicate that the Sr isotope ages of multi-generational dolomites on carbonate islands such as Niue and Little Bahama Bank, as well as Kita-daito-jima, should be re-examined employing a new method that determines the Sr isotope ratio of individual crystal phases.
著者
岩野 英樹 折橋 裕二 檀原 徹 平田 岳史 小笠原 正継
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.365-375, 2012-06-15 (Released:2012-11-07)
参考文献数
44
被引用文献数
15 88

同一ジルコン粒子を用いたフィッション・トラック(FT)法とU-Pb法によるダブル年代測定した年代値の信頼性を評価した.試料にはFT年代が33 Ma,自発FT密度が106〜107/cm2の島根県川本花崗閃緑岩三原岩体のジルコン粒子(OD-3)を用いた.U-Pb年代分析は,Nd-YAG(λ=213 nm)レーザーアブレーションシステムを搭載したICP質量分析法を用い,ジルコンを47%HF溶液による洗浄あるいはKOH-NaOH共融液によるFTエッチングを施した後に行った.その結果,33 MaのコンコーディアU-Pb年代が得られた.これは化学処理されたジルコンには顕著なPb損失は生じず,そして同一ジルコン粒子のFTおよびU-Pbダブル年代測定が実行可能であることを示す.今回使用した川本花崗閃緑岩三原岩体のジルコン粒子(OD-3)は若いジルコンU-Pb年代測定の標準試料になりうる試料である.
著者
松浦 康隆 入月 俊明 林 広樹
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.4, pp.312-320, 2013-04-15 (Released:2013-08-28)
参考文献数
51
被引用文献数
4 6

島根県松江市宍道町宍道高校付近に分布する中期中新世布志名層下部よりタコブネ類化石Mizuhobaris izumoensis(Yokoyama)が連続的に比較的多く産出した.これらの産出層準の堆積環境を明らかにするために,微化石を検討した結果,20種の貝形虫化石と12種の浮遊性有孔虫化石が産出した.これらの保存良好な微化石群集は,調査地点の環境が冷温~中間温帯のやや閉鎖的な環境であったことを示す.以上のことから,M. izumoensisの産出は,その産出地点が当時必ずしも暖流の影響を強く受けていた証拠にはならないことを示唆する.
著者
下山 正一 木下 裕子 宮原 百々 田中 ゆか里 市原 季彦 竹村 恵二
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.5, pp.311-331, 1999-05-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
57
被引用文献数
7 9

従来の第四紀地殻運動論では, 九州のほぼ全域を隆起地域と解釈してきた.最近, 九州北部各地に沈降域があることが明らかになったので, 堆積相・貝化石群集・生痕化石などの古水深指標と広域テフラに基づいて九州各地の最終間氷期最高海面期(ステージ5e)の旧汀線高度を比較し, 過去約12.5万年間の九州の地殻運動を見直す作業を行った.その結果, 過去12.5万年間の動きは別府~島原地溝帯を境に, 九州北部は全て沈降地域である.また, 九州南西部にも沈降地域があることが判明した.特に佐伯から川内にかけて九州を北東-南西に横切る1本の顕著な沈降軸(佐伯~川内沈降軸)が存在する.九州南東部は顕著な隆起地域であることを再確認した.沈降地域や隆起地域の隣接分布は, 現在の九州の海岸地形と極めて調和的である.中期から後期更新世にかけて地殻運動が逆転したと考えられる地域が存在する.これは九州の複雑な地殻運動史を示している.
著者
菅森 義晃
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.5, pp.368-374, 2013-05-15 (Released:2013-09-28)
参考文献数
32
被引用文献数
1 1

兵庫県北部の豊岡市但東地域には古生界と考えられている地層が露出している.しかし,この地層の詳細な岩相,年代および地質構造は明らかにされていない.地質学的検討を行った結果,この地層は泥岩,珪長質凝灰岩を主体とし,礫岩や珪長質凝灰岩を挟む赤色チャートを伴う地質体であることが判明した.泥岩からはPseudoalbaillella aff. longicornis Ishiga and Imotoを特徴的に含む放散虫化石群集が産出し,この群集はペルム紀古世最後期~中世中期の年代を示すと考えられる.秋吉帯ないし“志高帯”の下見谷層の岩相および年代と本地域の古生層のそれらを比較した結果,従来の解釈と同様に研究地域の古生層は下見谷層に対比されると考えられる.
著者
鈴木 慶太 酒井 邦裕 太田 亨
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.119, no.3, pp.205-216, 2013-03-15 (Released:2013-07-03)
参考文献数
67
被引用文献数
2 6

本論では,楕円フーリエ–主成分解析,mPD法フラクタル次元を用いて砕屑物粒子の形状を定量的に評価し,河川,前浜,氷河堆積物を形状から判別することを試みた.楕円フーリエ–主成分解析によって,粒子の伸長度(EF1)と突起度(EF2,EF3,EF2 + EF3)など全体的な形状を表す指標が,mPD法フラクタル次元では,表面構造(FD,FDCv)を示す定量的な指標が得られた.この結果に基づくと,砕屑物粒子は氷河,前浜,河川堆積物の順に円形から棒状に変化する.また,氷河,河川,前浜堆積物の順に表面構造が滑らかになり,かつ,滑らか度の標本ばらつきが少なくなる.これらの指標の中で,堆積場ごとの値の違いが顕著であるのはFD,次いでEF1であり,楕円フーリエ–主成分解析とフラクタル解析の結果を統合的に用いることによって,各堆積環境を明瞭に判別することが可能となった.
著者
田崎 耕市 猪俣 道也 田崎 和江
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.413-416, 1980
被引用文献数
3 9

金沢大学大学院自然科学研究科
著者
林 信太郎 伊藤 英之 千葉 達朗
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.XXVII-XXVIII, 1997 (Released:2010-12-14)
参考文献数
1
被引用文献数
1 2

1997年8月16日午前11時頃, 秋田焼山(標高1366m)山頂の北東500mの空沼(からぬま)付近で水蒸気爆発が発生し, 同時に継続時間約1時間の火山性微動が観測された. 噴火の起こった地点は1949年の火口群の位置にほぼ相当する(第1図; 津屋, 1954). ここでは, 噴火の二日後の18日に撮影した写真を中心に水蒸気爆発噴出物およびその火口について紹介する. 現時点で見つかった地質学的証拠から8月16日の噴火の過程を再現すると次のようになる: 1) 新火口b1あるいはb2から泥が吹き出し, 空沼火口に「泥流」となって流れ込み, 2) 次に新火口aから火山灰, 噴石が噴出, 3) 最後に新火口b2から少量の泥が噴出し. それ以前の堆積物を同心円状におおった. なお, 今回の噴火の総噴出量は1万m3以下と推定される.
著者
佐藤 時幸 千代延 俊 ファリーダ メウティア
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.2, pp.87-96, 2012
被引用文献数
1 6

第四紀の始まりの改定に関する諸問題を石灰質ナンノ化石層序の観点から総括した.微化石による地質年代決定精度の向上は,温暖化/寒冷化の問題を汎世界的な詳細な対比に基づいて議論することを可能にしたばかりでなく,寒冷化と第四紀の始まりに関する問題を極めて具体的に明らかにすることを可能にした.結果として,汎世界的な寒冷化は,その直前の温暖期に引き続く事件であり,いずれもパナマ地峡の成立による海洋システムの変化が"Climate Crash"を引き起こし,石灰質ナンノプランクトンや浮遊性有孔虫の地理分布の完成と現在の海洋システム,すなわち"Quaternary style Climate"が成立したことを示している.その観点からすると,第四紀の始まりを, Climate Crashに最も近いジェラシアン階基底で第四紀の始まりを定義することは,極めて妥当であると言える.
著者
山田 国見 安江 健一 岩野 英樹 山田 隆二 梅田 浩司 小村 健太朗
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.7, pp.437-448, 2012-07-15 (Released:2012-12-04)
参考文献数
46
被引用文献数
4 4

垂直変位を伴うA級の左横ずれ活断層である阿寺断層の周辺から採取された地表・ボーリングコア試料に対してフィッション・トラック法による解析を行い,垂直変位量と活動開始時期を推定した.その結果,熱年代学に基づく約70 Ma以降の阿寺断層の垂直変位量は約1 kmであり,断層を挟んだ基盤岩や地形の高度差に基づいて推定された阿寺断層の垂直変位量と変わらないこと,また現在の破砕帯内で現在の断層に沿って20 Ma頃ないしそれ以降でおそらく第四紀以前に広い範囲で加熱があったことが明らかになった.前者は阿寺断層の約70 Ma以降の総垂直変位量が現在の活動様式による垂直変位量で説明できることを意味し,現在の変位様式の活動が第四紀初頭以降に開始したという従来の見解と整合的である.後者はこの時期には既に破砕帯が存在し,おそらく断層運動が始まっていたことを示す.したがって阿寺断層の現在の活動は,かつて存在した古阿寺断層の再活動に当たると考えられる.
著者
武藤 潤 大園 真子
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.5, pp.323-333, 2012-05-15 (Released:2012-10-05)
参考文献数
67
被引用文献数
2 6

東北地方太平洋沖地震後の余効変動の定量的解析にとって重要な東北日本弧の東西レオロジー強度断面を,地球物理学的観測および近年の実験岩石力学結果を用いて作成した.得られた強度プロファイルは,地震前に得られていた奥羽脊梁山脈への測地学的歪み集中や地震の深さ変化を説明する.さらにプレート境界型地震から推定される応力変化量を仮定することで,東北日本弧の粘性構造を求めた.地球物理学的観測から推定されている部分溶融帯や断層深部延長など低強度帯の存在は,内陸地震後の余効変動から推定された東北日本弧の粘性率を説明する.異なる余効変動機構の分離とそれぞれの定量的解析には,東北日本弧粘性構造の著しい不均質性を考慮する必要がある.
著者
山本 裕雄 栗田 裕司 松原 尚志
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.106, no.5, pp.379-382, 2000-05-15 (Released:2008-04-11)
参考文献数
27
被引用文献数
13 14

Geologic age of the "Miocene" Iwaya Formation in Awajishima Island is examined by means of calcareous nannofossils and dinoflagellate cysts. Calcareous nannofossil flora indicates biozone NP 17 to NP 20 or CP 14 b to CP 15 b and a late Middle Eocene to Late Eocene age. The dinoflagellate cyst assemblages also show approximately the same age. These results reveal that the Iwaya Formation is the constituent of the Eocene-Oligocene Kobe Group.Molluscan assemblages resembling those from the Iwaya Formation have been known from the "Setouchi Miocene Series" in the coastal area of the eastern Seto Inland Sea. Molluscan fauna and stratigraphic correlation of the "Miocene" in this area should also be re-examined on the basis of precise geochronologic data.
著者
辻野 泰之
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.115, no.3, pp.122-129, 2009-03-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

北海道古丹別地域に分布する蝦夷層群最上部を函淵層に帰属させた.この層準は砂岩優勢の砂岩泥岩互層で構成され,ハンモック状斜交層理が発達する.本研究では,古丹別地域の函淵層からいくつかのアンモノイド類やイノセラムス類を産出したものの,時代決定に有効な大型化石は得られなかった.しかしながら,古丹別および羽幌地域の羽幌川層最上部からは,下部カンパニアン中部-上部を示すSphenoceramus orientalisやS. schmidtiが報告されており,古丹別地域の函淵層はS. orientalis−S. schmidti帯の最下部に対応すると考えられる.さらに函淵層が,古丹別地域で確認されたこと,また羽幌地域や達布地域の羽幌川層最上部においても,すでに上方粗粒化の傾向が見られることは,羽幌-古丹別-達布地域の広域において函淵層が堆積していた可能性を示す.
著者
吉本 充宏 宮坂 瑞穂 高橋 良 中川 光弘 吉田 邦夫
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.114, no.7, pp.336-347, 2008-07-15 (Released:2009-03-25)
参考文献数
20
被引用文献数
6 13

北海道駒ヶ岳火山北西~北東山麓部に露出する噴出物の層序,14C年代,岩石学的特徴を検討した.これまで40~6 cal kaの間には4層の噴火堆積物が識別されていたが,今回新たに7層の噴火堆積物(P7~P1)を識別した.それらの噴火年代は,約19 cal ka(P7),約17.7 cal ka(P6),約17.4 cal ka(P5),約14.8 cal ka(P4),約12.8 cal ka(P3),約6.5~6.3 cal ka(P2,P1)である.北海道駒ヶ岳火山の活動は,6,000年以上の長い休止期によって少なくとも4つの活動期(39 cal ka 以前, 20~12.8 cal ka, 6.8~6.3 cal ka, 1640 AD以降)に区分される.これら4つの活動期は本質物質の全岩化学組成も異なっている.最近3回の活動期は,4~6回のマグマ噴火からなり,規模の大きな噴火で始まり,その後より規模の小さい噴火を繰り返していたことが明らかになった.