著者
坂村 健
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.41(1986-HI-007), pp.1-8, 1986-07-09

文字列入力の過程において、入力効率がいいことと同時に作業者の疲労が少ないことは重要である。本論文は、これらの目的を達成するため新たに設計されたTRONキーボ-ドを中心としたBTRONオペレーティングシステムにおける入力仕様について報告するものである。BTRONはビットマップディスプレイの制御とマンマシンインタフェースにおけるリアルタイム性に特に注意して作られたワークステーション用OSである。TRONキーボードの設計においては、今までデータの無かった日本人の手の諸元データの測定から始め、その解析により人間工学的に打ちやすく疲労の少ない物理的キー配置を決定した後、多数の文書入力データの分析によりキーの文字配列を決定している。また、図形入力のための電子ペンを合わせて提案している。
著者
佐々木渉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.57-60, 2008-05-21
被引用文献数
1

ヤマハ株式会社開発の音声合成ソフトウェア VOCALOID2 をエンジンとして初音ミクを代表とする DB (音声サンプル・データベース)を制作しはじめてから 1 年弱が経過致しました。その間 VOCALOID2 は、音楽制作やマルチメディアコンテンツにて積極的に活用され、動画投稿サイトを介して多くの人々に認識されていきました。本稿は、この一年間に於いての、初音ミクの規格開発者としての雑念からの考え、方向性を書き留めます。
著者
森田 正典
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1987, no.33(1987-HI-012), pp.1-9, 1987-05-14

日本文入力方式の優劣評価の重要要素である「キー配置の記憶負担量」と、「熟練者の到達入力速度」の二項目について、各種の異なる入力方式の性能を、合理的且つ定量的に比較評価する計算方式を導いた。この計算方式によって、既存の各種方式を比較評価した結果、子音と母音を分離し、且つ音読漢字を左右の一対打鍵で入力できるように工夫した「M方式」が「記憶負担量」において格段に「仮名文字入力方式」に勝るのみでなく、「熟練者入力速度」においても優れていることが明らかになり、既に得られている使用実績を理論的に裏付けることができた。
著者
原田 康徳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.114, pp.41-48, 2005-11-17
参考文献数
3
被引用文献数
4

子供でも簡単にプログラムを楽しむことができるViscuit(ビスケット)を紹介する.Viscuitは,柔らかい書き換えという原理に基づいて図形の配置を変更することで,アニメーションを生成する.プログラミングと実行のモードがない,エラーを出さずにとにかく実行する,など,それを使用する人にとって敷居ができるだけ低くなるように,設計をした.本稿では,これまでの使用経験を交えながら,特に子供向けとして注意して設計した部分を中心に,述べる.We introduce Viscuit, a visual programming language for kids. Fuzzy rewriting that executes programs softly is its main innovation. It is appropriate for kids because the programming mode and execution mode are unified such that no error is possible for any program or input. Typical programs produce animations by repetitive execution of rewrite rules. This article presents details of Viscuit's design considerations for kids and reports on several experiences.
著者
三末 和男 杉山 公造
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.60, pp.17-24, 1994-07-14
被引用文献数
3

グラフを辺がスプリングで構成される物理モデルとみなし,その安定状態を見つけることでレイアウトを自動的に求めるスプリング・モデルに,「磁場」の概念を導入したマグネティック・スプリング・モデルを提案する.提案する方法では,辺を「方位磁針」と見なすことで磁場から受ける回転力が定義され,辺の向きや方向を制御することが可能である.それにより,複数種類の辺を持つ有向グラフのレイアウトにおいてそれぞれの辺を一定の方向に向かせることや,混在グラフ(有向辺と無向辺が混在したグラフ)のレイアウトにおいて有向辺だけを一定方向を向ける,無向辺も特定の方向にそろえるといった制御が可能になった.A novel method for drawing graphs is proposed. The method is a type of laying out a graph by finding a stable state of a model of the graph in a physical system. The method uses a model called "magnetic-spring model," which is an extension of spring model. In the magnetic-spring model, a graph is placed in a magnetic field and each edge of the graph is replaced by a compass made of spring. This modeling enables to define rotational force on edges to control orientation of the edges. Thus, this method can draw graphs that have two or more kinds of edges while orienting each kind of edges in the same orientation.
著者
建石 由佳 小野 芳彦 山田 尚勇
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.25(1988-HI-018), pp.1-8, 1988-05-09

日本文の表面の情報から、構文や意味によらないでその文章の読みやすさを評価する式を、読みやすさと関係のある表面情報のうちの4種類、すなわち(1)文の平均の長さ(文字数)、(2)各文字種(英字、ひらがな、漢字、カタカナ)について、その文字種の連(同一文字種の文字の一続き)の相対頻度、(3)文字種ごとの連の平均の長さ、(4)読点の数の句点の数に対する比、から線型式により求めた。主成分分析により、読みやすさに関係のある成分を見つけ、その計算式を評価式とした。この成分はサンプルとしてとった科学技術系の日本文におけるスコアの分布が、読みやすさについての経験的知識とよく一致した。また、このスコアを読みやすさの指標に使えることを、クローズ法と、それにかかる時間の計測とを用いた実験により確かめた。
著者
江渡 浩一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.41, pp.11-18, 2007-05-11

WikiWikiWeb (Wiki)は、1995年にウォード・カニンガムによって開発された Web 上の情報共有システムである。Wiki は建築家クリストファー・アレグザンダーによるパターンランゲージの概念から考え出されたシステムであり、利用者が設計に参加できるようにするという目的が存在していた。また、同じ出発点を持つ方法論として XP (エクストリーム・プログラミング)があり、両者は目的設定において非常に近い関係にある。本論では、ウォード・カニンガムが Wiki を作り上げた経緯を出発点とし、どのように Wiki が発展していったのかを概観することによって、Wiki が本来持っていた目的とは何かを明かにすることを試みる。WikiWikiWeb (Wiki) is an information sharing system on the Web developed by Ward Cunningham in 1995. Wiki is derived from pattern languages proposed by Christopher Alexander, a building architect. The original goal of Wiki is helping users participate in design processes. The XP (Extreme Programming), a methodology for software development, also has similar backgrounds and goals. In this paper, I describe the history of Wiki and try to confirm the original goal of Wiki.
著者
竜岡 博
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.3(1987-HI-016), pp.1-9, 1988-01-18

日本文の入力用のキー配列は、さまざまなものが行なわれている上に、さらに次々に新しい提案が提出されるが、これを統一しようとすることは好ましくない。むしろ、どれもハンディキャップなしに、自由に市場で競争しうる環境を育成・維持・発展させることが望ましい。そのような環境に適合したキー配列として、機能入力、カーソル移動でも手のひらの移動をまったく伴わず、各キーの操作時間の平均値とバラツキが最小、各指の使用頻度が適切、逐次押しと両手交互押しを100%達成しているソフト化されたmykey配列について、その操作法の概略と特色とを述べる。
著者
木村 泉 大野 健彦 松井 龍也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.23, pp.47-54, 1994-03-10
被引用文献数
1

日本語文入力用キーボード配列として、仮にすぐれた新配列が開発されたとしても、それが現に広く使われている配列(たとえばQWER)と強く干渉したとすれば、普及の見込みは少ない。それでは人々に、あえて新配列を練習してみようかという気を起こさせることはできない。この種の干渉がどのような仕組みによって起こるかを明らかにするため、3名のQWERTY熟練者にそれぞれドボラック配列英文打ち、ドボラック配列ローマ字打ち、および快速ローマ字配列(日電)を増田の練習法によって練習してもらい、干渉現象の発生状況を観察した。予備的解析結果について報告する。If a new, superior keyboard arrangement is to replace widely used one such as QWERTY, interferences between the new and the old arrangements must be minimal. Otherwise people will not invest time and effort for the allegedly superior one. This paper presents preliminary results of an experiment for revealing the nature of the interferences that occur to skilled typing of QWERTY when the typist practices Dvorak or NEC's Kaisoku keyboard arrangement.
著者
広田 光一 廣瀬 通孝
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.38(2002-HI-098), pp.13-18, 2002-05-17

五感情報通信という言葉が広く使われるようになってきた。このような興味のひとつの側面は従来扱われてこなかった感覚情報をメディア技術に導入することである。本稿では触角および嗅覚情報の伝達について筆者らの試みを紹介する。触覚情報の伝達のひとつの方法は接触などのインタラクションの対象となるものを触覚的なモデルとして構築し仮想空間の中で再現することである。嗅覚情報はこれを構成する匂いの要素(原臭)が明らかになっておらずしたがって任意の匂いを扱うことは難しいが、匂いの種類を限定することでこれを電子的なメディアで扱うことはある程度可能になってきている。
著者
西田 健志 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.41, pp.19-26, 2007-05-11
被引用文献数
1

匿名による発言は議論への積極的な参加を促す一方で、責任の所在を暖味にするため、実名を伴う参加に比べて軽んじられやすい。そこで我々は、伝統的な署名技法である傘連判状を採り入れることで、議論への参加しやすさと発言責任・発言力の確保の両立を可能にする以下のようなコミュニケーションプロトコルを提案する。まず、参加者は匿名で発言して加盟者を募る。加盟者が十分な人数集まった場合には、加盟者全員の名前が傘連判状の形で公開される。In computer-mediated group communication, anonymity enables participants to post controversial comments without risking accusations of improper behavior. While this may encourage more open and frank discussion, it diminishes accountability. In addition, anonymous comments are perceived as weaker than non-anonymous comments. We propose a communication protocol that allows a user to send a strong message to the group without having to assume sole individual responsibility. The system posts an anonymous comment, and then calls for supporters. When sufficient numbers of supporters have been gathered, the system reveals the names of all supporters as a round-robin signature. This prevents the originator from being identified.
著者
徳井 直生 伊庭 斉志
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.111(2003-HI-106), pp.21-28, 2003-11-07

昨今の計算機技術の劇的な進歩は,ラップトップコンピュータを楽器として扱い様々な音響処理をリアルタイムに行うという新しい音楽の演奏形態を生み出した.しかし,そうしたライブパフォーマンスでは,実際に演奏者が何をしているのか,観客の側からは分からないことが多い.そこで,本論文は,3次元ビジュアルインタフェースに基づく音楽パフォーマンスシステムを提案する.音声信号の流れなどの音響的なプロセスやそれらの制御関係などをビジュアルとして聴衆に提示することによって,音楽のパフォーマンスに音以外の新しい意味を付加することを試みる.
著者
江渡 浩一郎 高林 哲 増井 俊之
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.115(2004-HI-111), pp.5-11, 2004-11-11

メーリングリストはグループ・コミュニケーションにおいて一般的であるが,送られたメールは通常はユーザが保持するだけであり共有されない.また送られたメッセージを編集してまとめることはできない.WikiWikiWeb (Wiki) はWeb 上で情報を編集・共有するための柔軟で使いやすいシステムであるが,通常は編集履歴を保持せず,また誰が編集したのかはわからない.本論文では,この両者の長所を統合した新しいグループ・コミュニケーション・システムqwikWeb を提案する.qwikWebは,メールを送信するだけで新しいメーリングリストを作ることができ,同時に対応するWiki サイトが作成される.全てのメールはWiki ページとして蓄積され,通常のWiki ページと同じように編集できる.ユーザは特別な管理を必要とせずに,メーリングリストとWiki の両方の機能を同時に活用することができる.
著者
武田 達弥 五十嵐 健夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.93-98, 2008-01-31
被引用文献数
1

本論文では、グループにおける検索活動を支援するシステムについて提案する。グループ内のユーザの間では興味・関心が共有されているため、検索活動の重複が大きい。そのため、グループのメンバがそれまでに行った検索履歴を利用することで、次に他のメンバが同じような検索を行ったときに目的となる情報にたどり着くまでの時間と労力を省くことが出来ると考えられる。本稿では、一つの実現例として、検索クエリが入力されたときに、過去に同じクエリで検索され有用と判断されたページを提示するシステムについて説明し、実際にユーザに使用してもらった結果について報告する。When searching a web using a keyword, the search engine returns many results and the user needs to pick desired one manually by visiting the returned many pages one by one. We try to reduce this burden by reusing the result of this task by other group members. Our basic assumption is that group members are expected to share general interest. For example, if one member picks page A as an appropriate search result for search query X after examining many search results, it is likely that another group member also wants to get page A when submitting search query X. This paper proposes search history sharing system that allows the users to get page A immediately when the second group member submit query X to save the user from checking many search results. Finally, we discuss our preliminary test.
著者
磯村 陸子 大谷裕子 新垣 紀子 野島 久雄 無藤 隆
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.39, pp.37-44, 2000-05-12
参考文献数
8

インターネットを日常的に利用している43名の既婚女性を対象に、インターネット利用に関する一週間の日誌調査を実施した。調査では、インターネット上の活動だけでなく日常生活の人間関係やコミュニケーション全体を対象とし、またネット利用に関する事実だけでなく、ネットコミュニケーションを通じて彼女たちが何を感じているのかについても検討した。その結果、既婚女性というユーザー層の属性や生活背景を反映したネット利用の形態として、ネットの内と外とが断絶した利用の形態ではなく、家庭との両立や日常生活との連続性を保った形での利用を行っているという連続性仮説が支持された。また、このような利用実態に関わるネット利用と心理的要因との関連も見出された。Authors conducted a research on daily Internet use by married women, Forty-three married women using Internet were asked to keep diaries on their Internet use for one week. The diaries were also designed to include information on face-to-face and telephone communication other than on-line communication such as electronic mails. Detailed analysis of the diaries suggests that the Internet use by the subjects is characterized as follows: 1) continuity or commonality between on-line and off-line communication, 2) priority of family life over the Internet use. No significant relationships were found between degree of the Internet use and negative psychological variables among these users,
著者
大島章嘉 冨樫聖代子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.60, pp.9-16, 1994-07-14
被引用文献数
1

入力時間の速さを推定することを目的としたリーチ&ストロークモデ(以下ではR&Sモデルと略す)を1987年に開発し、これにより入力方式別の良否の判定を試みた。対象は、JIS、新JIS、ローマ字、親指シフトの4方式であった。今回調査はこのモデルを前提に、次の課題に答えようとするものである。()親指シフトの改良型としてニコラ方式では、半濁音キーを別途与えている。この効果はどの位期待できるか?()変換時間、無変換時間もR&Sモデル内に取り込んで推定すると、全体としての入力時間の良否はどうなるか?対象とする入力方式は、iJIS、iiローマ字、iii親指シフト、ivニコラ、である。変換方式は、機種の普及状況を勘案して、iローマ字入力に対応するものとして、NEC98キーボードiiJIS入力に対応するものとして、シャープの書院を前提とした。In 1987, the method of reach and stroke model (R&S Model) had been developed for the assumption of data entry speed. By this model, an assessment was made for keyboard-type methods of data entry which are JIS, New JIS, Roman letters, and thumb shift. This project is to respond the subjects below under the condition of R&S Model. (1)As a reformed method of thumb shift, Nicola method provides separate Handakuon Key. How effective is it expected? (2)In case of considering Kanji exchange time within R&S Model, how does it effect to the time of data entry? The keyboard-type methods here are JIS, Roman letters, thumb shift, and Nicola. By giving concern to diffusion of machine type, Kanji exchange are; i NEC 98 keyboard-applicable to Roman letters ii Shoin by Sharp-applicable to JIS.
著者
前田 真季子 堀内 靖雄 市川 熹
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.9(2002-HI-102), pp.39-46, 2003-01-30

人は視線の動きやうなずきなどのジェスチャーを用いて、対話の円滑なやり取りを行なっている。自然対話は話者同士の音声情報、視覚情報を用いた相互作用によって進行していくものであるため、音声におけるあいづち現象などと同様に、ジェスチャー同士にも話者間に相互作用が生じていることが推測される。そこで、本論文では、特にうなずきに着目し、ジェスチャーによる相互作用を分析した。分析に用いたデータは、6組の親しい友人同士による対話であり、収録には正面映像を撮ることが可能な、2つのプロンプターを使用した。そして、その収録データを一般に公開されているアノテーションツール“ANVIL”を用いて、アノテートし、分析を行なった。分析の結果、うなずきは、あいづちと同様に相手話者の発話に対する何らかの応答動作として生じる場合よりも、自己発話内の方が多く生じる傾向が見られた。また、うなずきが二人の話者で同時に発生する現象が多いことも示唆された。
著者
笹島 宗彦 來村徳信 長沼 武史 倉掛 正治 溝口 理一郎
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.68(2007-HCI-124), pp.57-64, 2007-07-07

携帯電話などのモバイルインターネットサービス利便性向上を目的として,タスク指向型メニューの実現に向けた取り組みについて報告する.タスク指向型メニューとは,ユーザが対峙している状況やしたいと考えている行動を主にメニュー選択することによって所望のサービスサイトへ到達することを支援する枠組みである.本報告では,ユーザの行動モデル記述方式とその実規模範囲への適用,モバイルサービス改善シナリオ等について報告する.
著者
綾塚祐二 暦本純一 松岡 聡
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.62(1996-HI-067), pp.23-30, 1996-07-11

ハードウェア技術の進歩は高機能な計算機を携帯可能にし、ユーザと現実世界の間に常に計算機が介在することが可能になってきている。一方、計算機上の世界ではWolrd Wide Webが普及し、多種多様な情報をユーザが手軽に得ることができる。これらの情報は現実世界のオブジェクトに関するものも多いが、その関連性は現実世界のオブジェクトからは自明ではない。本研究では現実世界のオブジェクトとWWWの世界との連携をとることを目的とするハイパーメディアシステムを提案する。具体的には、携帯型の計算機と、現実世界のオブジェクト群に添付されたIDを用い、現実世界のオブジェクトからWWW上の情報へ繋がるリンクを構築する。
著者
小谷 章夫 朝井 宣美 中村 安久 大塚 正章 密山 幸男 尾上 孝雄
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.115(2004-HI-111), pp.63-70, 2004-11-12

近年、携帯電話などのモバイル端末が文字情報流通の主役となりつつあり、モバイル端末の小さな筐体に組込まれた低解像度表示デバイス上に限られたドット数で可読性の高い文字を表現することが求められている。そのためには個々の表示デバイスにあわせた専用フォントの開発が不可欠であるが、主観に頼らざるを得ないフォントの開発では,多大な工数がかかることが問題となっている。本研究では、フォントの読みやすさを決定する要因として最も重要な「文字重心」に注目し、文字輪郭を用いた重心位置評価手法を提案する。これにより、主観評価による文字重心位置を計算によって特定することができ、フォント開発工数の大幅な短縮が可能になる。