著者
桑江 朝比呂
出版者
独立行政法人港湾空港技術研究所
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究により,これまでまったく知られていなかった餌が世界で初めて解明された.具体的には,干潟堆積物表面に発達するバイオフィルム(微生物やそれが放出する多糖類粘液で構成された混合物の薄い層)が,小型シギ類の主食となっていることを示した.さらに,この未知の餌の摂食が,より広範な,多くの種にも当てはまる事実であることを示し,どのような要因でバイオフィルムの摂食割合が決定されるのかを解明した.
著者
小川 敦司
出版者
愛媛大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

真核生物の細胞抽出液中における未成熟tRNAの末端プロセシングおよび分解速度を調査した後、その結果に基づいて、標的分子に応答して成熟化する未成熟tRNAプローブを設計し、新規分子応答性遺伝子発現システム『シュードリボスイッチ』の開発につなげた。本システムは、任意分子に対して合理的に構築可能であるだけでなく、その機構上の利点から、既存の人工システムよりも高いスイッチング効率を発揮できる。また、分子応答性を核酸に拡張し、高感度・高選択性の核酸検出バイオセンサーを開発した。さらに、非天然アミノ酸導入用tRNAプローブ骨格の合理的最適化や、発現ON時の翻訳を促進させるmRNA非翻訳領域の同定を行った。
著者
石渡 晋太郎
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

立方晶ペロブスカイトSrFeO3は、金属的伝導性とらせん磁性を併せもつ希有な酸化物として古くから知られていたが、単純ならせん磁性では説明できない磁気輸送特性を示すことから、スカーミオンなどのトポロジカルに新しいらせん磁性相の存在が期待されていた。本研究では、フローティングゾーン法と高圧合成法を組み合わせることで、SrFeO3およびその周辺物質の大型単結晶育成に世界で初めて成功し、磁化・抵抗・ホール抵抗測定から多彩な新奇らせん磁性相を含む磁気相図を確立した。さらに磁場中における偏極中性子回折実験を行うことで、この系が4つの磁気伝搬ベクトルを有するmulti-Qらせん磁性体であることを見いだした。
著者
松田 知成
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2003

飲酒による発がんメカニズムとしてアルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドがDNA損傷を介して、がん遺伝子や癌抑制遺伝子に突然変異を誘発すると考えられている。この説の根拠は、1)アセトアルデヒドはin vitroでDNA損傷を誘発したり、細胞に突然変異を誘発する、2)アセトアルデヒドの主要な代謝酵素であるALDH2の遺伝子多型が食道がんの発生リスクに大きく影響する、の2点である。この仮説を検証するため、アセトアルデヒドがひきおこすDNA付加体、N2-ethyl-2'-deoxyguanosine (N2-Et-dG)、α-S- and α-R-methyl-γ-hydroxy-1,N2-propano-2'-deoxyguanosine (α-S-Me-γ-OH-PdG and α-R-Me-γ-OH-PdG)、N2-(2,6-Dimethyl-1,3-dioxan-4-y1)-deoxyguanosine (N2-Dio-dG)を高感度に測定する手法を開発した。付加体の検出には高速液体クロマトグラフタンデム質量分析器を用いた。この手法で、約20μgのDNAサンプルからこれらの付加体を10の8乗塩基に数個の感度で測定できるようになった。アルコール依存症患者のアセトアルデヒド誘発DNA付加体を測定した結果、N2-Et-dGおよびα-Me-γ-OH-PdGのレベルは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)欠損型において、正常型よりも有意に高いことがあきらかとなった。この結果は、アセトアルデヒドが飲酒による発がんのイニシエーターとして働くという説明に良く合う。さらに、α-Me-γ-OH-PdGのDNA修復機構について検討した結果、この付加体はメチルアデニンDNAグリコシラーゼによって修復されることを示唆するデータが得られた。
著者
北野 勝久
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

低温プラズマと液体を接触させて行う液中プラズマプロセスにおいて、気相中のプラズマによって生成される液中フリーラジカルを質量分析装置と電子スピン共鳴法と用いた測定手法を確立することにより、その反応機構を解明することを進めた。気相中の原子種が由来となりイオン・ラジカル化した活性種が、液中に溶存することで液中の活性種となることで、各種の液中反応に寄与していることが分かった。
著者
吉野 純
出版者
岐阜大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,可能最大規模の台風上陸を想定した台風災害外力を評価することを目的とする.台風予測に特化した高効率で高精度な台風災害外力モデリングシステムを新たに構築することで,温暖化の進行に伴い北西太平洋上の「強い台風」の勢力と頻度が一層増す傾向にあることが明らかとなった.また,温暖化の進行に伴い,全国的に可能最大高潮が徐々に増大するトレンド(傾き:約+0.5m/100年)にあり,一方で,年々変動によるばらつき(標準偏差:+0.7m~1.0m)も大きく,温暖化の進行の度合いに関わらず近い将来であっても悪条件が重なれば可能最大規模の高潮災害が発生する可能性があると結論づけられた.
著者
田中 義浩
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究は,各種食品の食塊の物性測定を行い,嚥下食前の物性を明らかにし,そこに至るまでの変化を解析して,その動態を調べた.また,義歯装着者に対しても同様に解析し,健常者との比較を試みた.被験食品はせんべい,チーズ,ピーナッツを選択した.被験者は健常者と義歯装着者を,義歯装着者はアイヒナーB4,あるいはC群を選択した.直径12mm,高さ10mmのアクリル製のコンテナーに食塊を格納し,直系5mmのプランジャーを用いて物性を測定した.測定項目は破断エネルギー,弾性率,粘性率,硬さ荷重,付着性,凝集性である.解析には多変量解析を用いた.また義歯装着者の解析には健常者から得られた因子スコア係数を使って,因子スコアを算出した.健常者では凝集性が他項目とは独立していて,咀嚼の進行に伴い収束したが,他の測定項目については,収束しなかったため,残りの5項目について主成分分析,因子分析を行った.その結果,全ての食品において,おおむね因子1は破断エネルギー,硬さ荷重,付着性と,因子2は弾性率,粘性率と相関が高くなった.すなわち,嚥下直前の物性は,食品の相違にかかわらず,各項目の構造的な位置関係が一定になることが示された.義歯装着者は求めた因子スコアから,健常者と比較して,咀嚼回数が少なく健常者の嚥下直前の物性に至る前に咀嚼を終えている被験者,咀嚼回数が多く健常者よりさらに咀嚼が進行した状態で咀嚼の後期に至る被験者の二通り認められた.また凝集性は健常者と同様で,他の物性の項目とは独立して一定の値に収束した.以上結果をまとめると,健常者の嚥下直前の食塊物性は,各項目間の構造的な位置関係が一定になることが示され,いわゆる嚥下閾地の存在が示唆された.また,義歯装着者での解析から,食塊物性からの咀嚼の評価には,凝集性,咀嚼回数,凝集性以外の物性の3者での評価が必要であることが示唆された.
著者
中島 琢磨
出版者
龍谷大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では、佐藤栄作政権期の沖縄返還に至る政治外交過程を、返還実現を可能とした安全保障上の条件に焦点をあてて明らかにした。本研究では、返還交渉の時期を①沖縄の早期返還を日米の検討の俎上に載せるための交渉、②沖縄の施政権返還合意のための交渉、③沖縄返還協定の作成交渉という三つの段階に分けて分析し、争点として日米安保条約の沖縄への適用の問題、特に安保条約における事前協議制度の問題に着目した。史資料として新しく公開された外務省文書、ジョンソン、ニクソン両大統領文書、国務省文書、陸軍省文書、「楠田實文書」「三木武夫文書」「若泉敬文書」等個人文書、日記、回想録、新聞、雑誌、インタビュー記録等を使用した。
著者
河尻 耕太郎 TIMOTHY G. Gutowski
出版者
独立行政法人産業技術総合研究所
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011

本研究において、経済と環境の両側面から、最適な太陽電池産業のグローバルなサプライチェーンを明らかにし、それを実現するための政策について定量的に検討した。具体的に、コスト分析用データベースの開発、サプライチェーン最適化シミュレーターの開発、政策による CO2 排出量削減効果の評価を行った。成果は、学会発表、論文投稿を行うとともに、世界の太陽電池発電量、電気代削減金額、CO2 削減量を計算できるソフトを開発した。
著者
篁 宗一
出版者
聖隷クリストファー大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

早期介入を目的として、精神科看護師ら精神保健専門職と協働して小学生を対象としたメンタルヘルス教育を開発し、効果を測定した。小学6年生の115名を対象に調査した。過去一年間に悩みを抱えた者は52.8%と多かった。対象者を二群に分けて、教育プログラムの有無によって教育効果を測定した。介入群では知識尺度で介入後の得点の上昇が有意にみられた。ストレスコーピングの「サポート希求」の項目にも有意な変化がみられたことから、教育には対象者が悩みを抱えた際の相談につながる効果があることが示唆された。
著者
芥川 智行
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2003

16年度に、有機デバイスへの応用が可能な有機物等のナノ構造、特にナノドットやナノワイヤ構造等の低次元ナノ構造の構築を可能とした。17〜18年度では、ナノドット・ナノワイヤ・ナノリング・2次元ドメイン構造に至る種々の低次元ナノ構造を作製する技術を確立すると同時に、金ナノ粒子や有機半導体ナノドット構造と半導体ナノワイヤ構造が接合した集積化構造の作製に関する検討を行った。Langmuir-Blodgett (LB)法やスピンコート法に代表されるウエット法を用いて、分子の有する自己組織化を利用したナノデバイス構造の作製を試みた。研究対象として用いた分子系は、電気伝導性・超分子化学・界面化学の観点から設計した両親媒性マクロサイクリックbis-TTF分子である。ウエット法を用いて作製した様々な形態の低次元ナノ構造の集積化について検討した。直径13nmの金ナノ粒子とナノワイヤの集積化構造の作製について検討を行った結果、金ナノ粒子は、ナノワイヤの交差点上に配列し、Langmuir-Blodgett法を用いる事で金ナノ粒子の専有面積を自由に制御する事が可能となった。次に、ナノワイヤー金ナノ粒子複合構造から成るLB膜の電気伝導性に関する検討を行った。金ナノ粒子の専有面積の増加に伴い、電気抵抗の温度依存性に変化が見られた。金ナノ粒子の占有面積の増加に伴い、電気抵抗の温度依存性に変化が見られ、金ナノ粒子の基板上での占有面積が2次元パーコレーションの閾値を越えると、その電気伝導度の温度依存性に特異的な挙動が観測された。室温付近では、活性化エネルギーE_a=0.14eV程度のナノワイヤにより支配される半導体的な温度領域が観測されるのに対して、温度の低下に伴いより活性化エネルギーの小さなE_a=0.01eV及びE_a〜0eV程度の伝導領域が出現する事が明らかとなった。低温領域に於ける伝導は、金ナノ粒子間のホッピングとトンネリングによる伝導で支配されていると考えられる。ナノワイヤー金ナノ粒子集積化構造においては、基板面内で少なくとも3種類の伝導パスが存在し、低温においては金ナノ粒子間の量子伝導が出現していると考えられた。
著者
竹内 望
出版者
千葉大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

アジア内陸部天山山脈のウルムチNo.1 氷河の雪氷微生物の調査を行った.その結果,氷河表面には3種のシアノバクテリア,2種の緑藻の繁殖が明らかになった.上流部で採取したサンプル分析の結果,春から夏の融解期に緑藻が繁殖し,さらに融解が激しい年にはシアノバクテリアが繁殖することが明らかになった.この季節変化の要因は主に融解量で,大気降下物として供給される窒素も関与している可能性があることが示唆された.
著者
越村 俊一
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

巨大地震災害発生直後の津波災害インパクトの即時的開示を目標とした広域被害把握技術の体系を構築した.広域被害把握までの流れは,数値解析と津波被害関数による浸水域内建物棟数および被害棟数の推定,衛星画像解析による津波浸水状況の把握,浸水域内建物棟数の推計,航空写真の判読による建物被害の把握,航空写真・衛星画像による瓦礫量の把握という,4つの技術で構成する.本研究では,2011年東北地方太平洋沖地震津波災害を事例として上記研究の実証を行い,その有効性と課題を明らかにすることができた.
著者
前川 佳遠理 大久保 由里 北岡 タマ子 田中 輝 ライデルマイヤ マーガレット フェルフーフェン ポール 戸塚 順子 内海 愛子 ランゲン ヨハン・ファン
出版者
国文学研究資料館
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

国内外の史料所蔵機関のウェブサイトやカタログの収集に加え訪問調査を行い、個人・全国の戦友会・団体の事務局に質問票を郵送し、アンケートの集計を行った。個人・戦友会・団体の活動履歴や所蔵資料を国際文書館評議会ICAの国際標準「団体,個人,家に関する記録史料オーソリティ・レコード:ISAAR (CPF) Ver.2」に準拠して作成し公開準備を行った。本課題を機に戦友会事務局資料を中心に寄贈が進み、順次公開の予定である。国外ではインドネシア及び在オランダを中心に東南アジアの戦中・戦後の資料所在情報を調査し、特に俘虜銘々票の原本や原爆被害者調査委員会の原本資料のデジタル化・データベース化を通じた共有化モデルのプロジェクトに発展した。
著者
佐古井 智紀 岡田 和徳 石井 亮太 メリコフ アーセン
出版者
信州大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2010

温度分布のある環境下での温熱生理状態を推定するため、実サーマルマネキンを用いて必要な環境データを得る理論を示し、実サーマルマネキンを用い実証した。黒と銀の円筒型サーマルマネキンを開発し、近赤外熱源がある場合とない場合で比較計測を行った。近赤外熱源がない条件での放射率と近赤外熱源が有る場合の近赤外に対する吸収率は大きく異なることを確認した。CAD上と3Dプロッタでサーマルマネキンの基礎形状を出力し、左手と左前腕のサーマルマネキンを具体化した。
著者
内村 太郎
出版者
東京大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

斜面崩壊事例の大部分を占める小規模な表層崩壊に対象を絞り、安価で簡便な無線モニタリング装置を開発し、斜面災害の前兆を監視して警報を発する実用的なシステムを構築した。これまでに開発してきた、土壌水分量と斜面地表面および内部の傾斜変位に基づく斜面の無線センサーネットワーク機器の機能、信頼性を向上し、国内および中国四川省の地すべり、崖崩れ、堀削工事の斜面に適用し、実証を行った。実測データの分析から、傾斜変位に基づく警報基準を検討した。また、斜面の土壌水分量の増加や、不安定化を検知するための指標として、弾性波速度の低下を利用する手法について基礎実験を行った。また、室内実験に基づき、斜面の降雨と土壌水分量の推移を関係づける水理特性のモデル化、土壌水分量と変位・崩壊危険度を関係づける変形特性のモデル化を行った。
著者
小泉 雄一郎
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2004

Ti-Al金属間化合物の逆位相領域(APD)組織と層状組織を同時に制御し、層状組織制御のみでは得られない特性を実現するための研究を行ってきた。昨年度の研究の結果、熱処理のみで組織制御した場合、γ板析出前にAPDが粗大化するため、層状組織と共存するAPDのサイズは最小で400nmであった。また、APDとγ板の組織複合化の効果を引き出すには、従来の不規則α単相温度からの急冷とその後のα_2+γ二相温度での等焼鈍で得られるより微細なγ板・APD複合ナノ組織が必要であることが示された。本年度は、そのような組織を得るため、γ板の優先核生成サイトとしての転位の役割に注目し、二相化焼鈍前の塑性加工の効果を調べた。具体的には、焼鈍前に圧延あるいは押し込み加工により塑性変形を加えることで優先核生成サイトとなる転位を導入してγ板析出を促進し、昨年度得られたよりも微細なγ板・逆位相領域・転位複合ナノ組織を得ることを試みた。焼鈍前に10%圧延加工した結果、加工なしの場合にはγ板が析出しない条件(1073K 1×10^4s)での焼鈍でも平均間隔(L)88nmの層状組織が得られた。その際の平均APDサイズ(1)は214nnと微細であり、これまでで最も微細な複合ナノ組織が得ることができた。そのような組織を有する結晶の硬さはHV464と、熱処理のみで得られた同程度のL(94nm)を有する結晶の硬さHV366に比べて大幅に向上していた。また、10%圧延後1073Kで5×10^4s焼鈍した試料では、L=49nmとなった。これは、焼鈍前加工なしでさらに長時間焼鈍て得られる最小の五の約1/2であったことから、焼鈍前加工はγ板析出の早期化だけでなく、層状組織をさらに微細にする効果も有することを見出した。押し込み加工によりさらに大きな加工を加えた場合にはL=77nm、1=90nmと共に100nm以下の組織も得られた。
著者
久保田 尚之 LU Mong-ming CHAN Johnny C. L. 片岡 久美 WANG Bin ZHAO Bingke
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

20世紀前半の西部北太平洋域で発生した台風の位置情報について、これまで利用されていなかった紙媒体の気象資料を、アジア各国の気象局や図書館から収集、電子化し、データセットを作成した。この結果、20世紀を通した西部北太平洋域の台風数の変動を調べ、全体では長期トレンドは見られなかったものの、地域的には、赤道に近い台風はより北に発生する傾向が、フィリピン、台湾、沖縄周辺の台風数が減少する台風経路の変化傾向が明らかとなった。
著者
柄谷 友香
出版者
名城大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,過去の災害対応から得た経験や情報を"災害対応ナレッジデータベース(KDDM)"として一元的に集約し,将来的に,国や県,市区町村,企業, NPOなどがWeb等を介して共有・活用できるシステムのデータベース(基盤)を構築した.また, KDDMを用いた実践例として,行政と被災者をつなぐコミュニケーション・ルールのあり方への提言や,過去の災害教訓に基づき,平常時に行われる防災研修のための教材を作成し,自治体や市民,企業, NPOに対して実践した.
著者
大久保 寛
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

地震の発生をいち早く検知するにはどのような方法が有効だろうか。本研究では,地震発生をこれまでよりも数秒早く知るための新しい地震検知技術とその検知を実現するための超高感度な地球磁場(地磁気)センシングシステムの研究開発を検討している。いわき観測点における高温超電導SQUID(HTS-SQUID)磁力計システムによる高感度地磁気観測を実施した。HTS-SQUID磁力計によって観測された地球磁場信号の波形を評価した。世界初のHTS-SQUID磁力計による野外地球磁場計測が成功している。