著者
Kiuchi Atsushi Shimegi Satoshi Tanaka Ippei Izumo Nobuo Fukuyama Ryo Nakamuta Hiromichi Koida Masao
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
International Journal of Sport and Health Science (ISSN:13481509)
巻号頁・発行日
no.4, pp.10-18, 2006
被引用文献数
3

The purpose of this study was to investigate the effects of different intensities of resistance exercise training on established bone loss in ovariectomized (ovx-ed) rats by densitometry and histomorphometry. Thirty Female Wistar rats were ovx-ed or sham-operated (SHM) at 3 months of age and maintained untreated for 5 months after surgery to establish osteopenia. When they reached 8 months, the ovx-ed rats were divided into four groups in accordance with varying weights applied to a squat-training device: The weight classifications were 1) kept sedentary (OVX); 2) lifted 0 g (LOW); 3) 750 g (MID); and 1500 g (HIGH). The rats in the three training groups performed weight-lifting of 10 reps, performing 2 sets per day, 3 days a week for a ten week period. The Femora and tibiae were removed from each rat and were used for analyses. Ovx induced a significant loss of total BMC in all the bones tested. The ovx-induced femoral BMC loss was observed at all locations tested on the bone (proximal, shaft, and distal), and exercise-intensity dependent restoration was found at the proximal and the distal sites, but not at the shaft. In the tibia, ovx-induced significant bone loss occurred only at the proximal metaphyseal site. The training increased the tibial BMC of all sites in an exercise-intensity dependently, irrespective of the degree of ovx effect. At the tibial shaft, the training increased the cortical bone mass significantly above sham level by the bone apposition at the periosteum. At the proximal tibial metaphysis, exercise had no effect on the cancellous bone volume after ovx-induced bone loss. This finding suggests that the exercise induced bone increase in the ovx-ed rats was from cortical bone, not from cancellous bone, at least in the proximal tibia. These findings indicate that the weight-lifting exercise in rats reversed the ovx-induced bone loss in an exercise-intensity dependent and site-specific manner, even in established osteopenic skeleton 5 mon after ovx.
著者
鈴木 明哲
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.26_2, 2017 (Released:2018-02-15)

現代におけるオリンピックやスポーツの教育的価値、そして体育やスポーツによる人格形成は揺るぎない価値として広く世界に流布されており、もはやそこに懐疑を挟むことはタブーである。 しかし、私たちはこれらの不変的な価値にあまりにも縛られすぎていないか。これらの不変的な価値によって、果たして多くの人々が幸福を感じ、そしてまたスポーツそのものが豊かに発展しているのであろうか。そもそもこれらの不変的な価値はどのようにして誕生し、世界に広まっていったのか。歴史的に検証し、現代との「ずれ」を指摘することは、スポーツに「託せないこと」を見出す手立てとなり得る。 本報告では、近代スポーツの功罪を、スポーツ教育と近代オリンピックという二つの事例から考えてみたい。近代以降、スポーツの教育的価値が形成され、しかも公教育システムとオリンピックムーブメントという二つの巨大な力を得て全世界に広まっていった。この教育的価値がいかに現代との「ずれ」を生じているのかを「罪」とし、逆に何が「功」として拾い上げられ、捉え直されるべきであるのか、体育・スポーツ史の立場から提案してみたい。
著者
東山 明子 丹羽 劭昭
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.100_1, 2017

<p> 笑いがパフォーマンスにポジティブな影響を与えることが様々な研究から明らかにされてきている。笑顔に関係する表情筋の中で最も重要な働きを司る大頬骨筋の収縮により、口角を引き上げ、笑顔になる。</p><p> そこで心理的要因や快感情からの笑いではなく、口角を上げるだけ、あるいは逆に下げるだけでの影響の程度を検討した。健常な大学生男女20名を対象とし、連続数字の加算作業による精神的負荷のかかる状況において、口角の指示なし、口角上げ、口角下げの3条件で行い、優勢前額皮上電位、心拍数、注意力正答率、状態不安得点について、比較検討した。その結果、心拍数では、口角上げによる鎮静効果は特に見られなかったが、優勢前額皮上電位は口角上げと下げの両条件で口角指示なしよりθ3波が減少する傾向が見られ、注意力正答率は口角上げが口角下げより高い成績を示す傾向が見られ、状態不安得点は口角指示なしより口角上げのほうが低かった。口角を上げることは不安減少と注意力向上に効果があることが示唆された。</p>
著者
朴 淳香
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.96_3, 2019

<p> 明治期の幼稚園草創期の「遊戯」は、伊澤修二の遊戯研究が端緒となり、フレーベルの思想を元にした指導書に準じる形をとって導入された。集団で唱歌と共に行われていたが、雅楽調で幼児の興味と一致していたとは言いがたい内容であったとされている。明治9年、初の官立幼稚園として設置された東京女子師範学校附属幼稚園では、保姆であった豊田芙雄の記録によれば、「家鳩 民草 水魚 猫鼠 盲ひ 還木 蝶々 此門 兄弟姉妹 風車」などの遊戯を行い、新案を考え、歌詞所作を工夫したとある。明治33年の「幼稚園保育及設備規程」には保育4項目の一つとして「遊嬉」が位置づけられたが、明治期後半の幼稚園「遊戯」は草創期以来の幼稚園「遊戯」に加え、小学校「体操遊戯」の影響も受け、混迷していたと考えられる。児童心理研究が始まり、大正期にかけて幼児の発達に即した内容に変化させようとする動きが見いだされる中、高島平三郎と松本孝次郎は共に、雑誌『児童研究』において「遊戯」に関する複数の論考を発表している。高島と松本の論考では発達という視点から「遊戯」を捉えており、幼児にふさわしい内容へと変化する流れの一端を担っていたと考えられた。</p>
著者
角川 隆明 萬久 博敏 荻田 太
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
pp.18053, (Released:2019-02-25)
参考文献数
32
被引用文献数
2

Through pressure measurement and underwater motion capture analysis, the aim of this study was to clarify how propulsive forces, Froude efficiency, and stroke parameters change with swimming velocity during front-crawl swimming. Eight male swimmers performed 2 trials, once using pressure measurement and underwater motion capture analysis and once using a MAD system. In the analysis using pressure measurement and underwater motion capture, each swimmer performed 16-m front-crawl swimming 10 times at various velocities. During the trials, pressure forces acting on the hand and hand kinematics were analyzed to obtain the hand propulsive forces at each velocity. In the analysis using the MAD system, each swimmer performed 25-m front-crawl swimming 10 times at various velocities while pushing the pad set under the water, and the propulsive force at each velocity was obtained from the pushing force of the pad. This revealed that the mean propulsive force increased exponentially with the increase in mean swimming velocity, and the propulsive index n was 2.62 on average for the 8 participants. Maximal propulsive forces and maximal propulsive powers at maximum were significantly correlated with the results obtained using the MAD system. Froude efficiency varied considerably among the participants, being 0.54 ± 0.05 on average for all trials.
著者
板谷 厚 増澤 拓也 吉田 雄大
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.151_1, 2016 (Released:2017-02-24)

【目的】本研究は、三人で行う簡単な組体操を実施し、その前後に開眼条件(EO)と閉眼条件(EC)における静止立位動揺を調査することで、立位制御における視覚入力に対する依存性が低下することを検証した。【方法】若年成人女性15名を対象とした。対象者は3人一組で実験に参加した。まず各参加者はEOとECで30秒間の静止立位をそれぞれ2回ずつ実施し、足圧中心(COP)軌跡を記録した(pre)。その後、3人組で行う組体操(ピラミッド、サボテンおよび扇)を、各対象者がすべての役割を経験するよう3回ずつ実施した。休憩の後、再び静止立位を実施した(post)。COPの動揺速度を算出し、これらからロンベルグ率(EC / EO)を求めた。【結果】反復測定分散分析の結果、動揺速度において視覚条件×測定時間の交互作用に有意性が認められ、ECのみpostで低下した(p = .009)。対応のあるt検定の結果、ロンベルグ率はpostでpreより低下した(p = .018)。【結論】組体操は立位制御における視覚入力に対する依存性を低下させ、その他の感覚入力に対する依存性を高めることが示唆される。
著者
林 誠 岩間 圭祐 小野 誠司 木塚 朝博
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.68, pp.225_3, 2017

<p> 野球の投手における練習方法に、自分自身のピッチングフォームを巻き戻すように行う逆再生シャドーピッチングがある。本研究では、逆再生シャドーピッチングの達成度が高い者と低い者との間で投球能力に違いがあるのか、さらに、動作をイメージする能力が逆再生シャドーピッチングや投球能力に影響しているか否かを明らかにすることを目的とした。大学野球投手16名(平均球速;128±5.6km)を対象者とし、逆再生シャドーピッチングテストとコントロール及び球速を測るピッチングテスト、動作のイメージの鮮明さを測るイメージテストの3つを実施した。その結果、逆再生シャドーピッチングの達成度が高い者と低い者はそれぞれ8名ずつであった。また、高い者は低い者と比べ球速に有意な差はないがコントロールにおいて有意に優れ、イメージテストにおいても有意に得点が高いことが認められた。これらのことから、逆再生シャドーピッチングの達成度が高い者はコントロールと動作を鮮明にイメージする能力に優れていることが明らかとなった。したがって、自分自身が投げるピッチング動作を鮮明にイメージできることが、コントロールの向上につながっている可能性がある。</p>
著者
林 誠 小野 誠司 木塚 朝博
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.223_1, 2018

<p> 野球の投手に求められる能力の1つに、コントロールの精度の高さがある。わずかな身体の乱れがコントロールの乱れを引き起こすため、コントロールに優れる者は自己の身体の乱れを認知しフォームを修正している可能性がある。先行研究において、関節位置再現や筋出力再現など自己の動作を正確に認知する能力を評価するテストが行われているが、それらの成績とコントロールの精度との関係を調査した研究は行われていない。そこで本研究では、コントロールの精度の高い者と低い者とで運動感覚や動作を鮮明に想起するイメージ能力に違いがあるのかを明らかにすることを目的とした。大学野球投手16名を対象に、関節位置再現テストと筋出力再現テストに加え、動作を鮮明に想起する能力を評価するVMIQ-2テストと頭の中でイメージを操作する能力を評価するCMIテストを行った。その結果、コントロールの精度が高い者と低い者とで関節位置再現と筋出力再現には有意な差は認められなかったが、CMIテストで有意な差が認められた。これらから、単一の関節の位置や筋出力を再現する能力より、一連の動作をイメージする能力がコントロールに影響することが明らかとなった。</p>
著者
蔭山 雅洋 中本 浩揮
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.69, pp.209_2, 2018

<p> 本研究は、通常のボールとは大きさの異なるボール(質量は同じ)を投球することによる短期的な適応が、その後の通常ボールでの投球に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。被検者は、高校生の野球投手9名(年齢16.3±0.7歳、身長174.3±4.7cm、体重66.2±4.7kg、野球歴6.8±1.9yr、投手歴4.1±2.2yr)を対象とした。適応期間では、通常用いるボール(基準球)、基準球よりも-10%小さいボール、基準球よりも+10%大きいボール(+10%球)を使用し、各15球投球させた。なお、実験は、各条件の効果が互いに影響しないよう、3日に分けて実施した。適応の評価は、適応前後におけるボール速度およびコントロール誤差(捕手が構えた位置からキャッチした位置までの距離)とした。その結果、+10%球を用いた適応では、適応後のコントロール誤差は適応前よりも有意に減少した(P<0.05)。この結果より、+10%球を使用した短期的な投球適応は、投手のボールコントロールを即時的に向上させることが示唆された。そして、内省報告より、+10%球は回転数や回転軸などの球質を向上させる可能性が示唆された。</p>
著者
山田 紀史 前川 直也
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.124_2, 2019

<p> 野球の内野手の送球ミスの発生および目標からのバラツキがなぜ生じるかを、捕球・送球動作中に認知課題を課すデュアルタスクを用いて解明することを試みた。実験は10名の大学野球部員を対象にし、前方12mにある3つの目標点へ送球し、ボールの当たった位置と送球動作を2台の高速度カメラを用いて撮影した。その際、目標を事前に告げるコントロール試技、捕球時と捕球から送球への切替時に目標を告げそこへ送球する整合試技とその逆へ送球する不整合試技を行なった。</p><p> 目標からのバラツキは、ボールが当たった座標を主成分分析における第一主成分軸に変換し、そこでのバラツキで評価した。なお、目標点から0.5m以上離れた試技を失敗試技とした。その結果、コントロール試技、整合試技、不整合試技の順にバラツキと失敗の発生割合の増加、および送球時間の増加がみられた。よって、捕球・送球動作中に認知課題が課されると捕球動作の時間が延び、送球動作が変化する。その変化により、コントロールの精度が低下し送球ミスが発生する可能性があり、認知課題が課されるタイミングが遅いほどその影響が大きいと考えられる。</p>
著者
菊政 俊平 國部 雅大
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.237-252, 2020

The present study aimed to examine the influence of game situation information, such as inning and score, on the decision making of baseball catchers in a situation requiring directions to teammates on a play. Collegiate baseball catchers (n = 10) watched a series of video images, recorded from the catcher's viewpoint, showing a simulated sacrifice bunt to the pitcher with no outs and a runner at first base. The participants made a decision about instructing the pitcher where to throw the ball (i.e., toward either first or second base) by pressing a button at an appropriate time. The study was conducted under 4 conditions: 1) same score at the top of the first inning, 2) a one-run behind at the top of the ninth inning, 3) same score at the top of the ninth inning, and 4) a one-run lead at the top of the ninth inning. The participants verbally reported their decision-making strategy. The results suggested that the catcher's judgment bias changed depending on the game situation. It was less biased toward first base when their team was behind at the end of the game, compared to when both teams had the same score at the start of the game and when the catcher's team was in the lead at the end. Also, catchers consciously selected a different decision-making strategy depending on the game situation. When both the teams had the same score at the start of the game and when the catcher's team was leading at the end, there was a strong tendency to avoid the risk of a losing score due to an erroneous decision. This tendency was weak when both teams had the same score and when the catcher's team was behind at the end. Furthermore, the catcher's judgment bias changed depending on the consciously selected decision-making strategy. These results suggest that catchers consciously choose a different decision-making strategy depending on the game situation, and that their judgment bias changes according to their choice.