著者
海沼 亮 櫻井 茂男
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.42-53, 2018-03-30 (Released:2018-04-18)
参考文献数
38
被引用文献数
2 4

本研究の目的は,社会的達成目標尺度を作成し,信頼性と妥当性を検討すること,社会的達成目標と向社会的行動および攻撃行動との関連を検討すること,社会的遂行接近目標と攻撃行動との関連を調整する要因について検討することであった。中学生965名に対して調査を行った。因子分析の結果,社会的達成目標尺度は,社会的熟達接近目標,社会的熟達回避目標,社会的遂行接近目標,社会的遂行回避目標の4因子から構成された。また,社会的達成目標と向社会的行動および攻撃行動との関連を検討した結果,社会的熟達接近目標は,向社会的行動と正の関連を有し,攻撃行動と負の関連を有していた。社会的熟達回避目標は,向社会的行動と正の関連を有し,関係性攻撃と負の関連を有していた。社会的遂行接近目標は,向社会的行動および身体的攻撃と正の関連を有していた。社会的遂行回避目標は,向社会的行動と負の関連を有し,関係性攻撃と正の関連を有していた。さらに,社会的遂行接近目標と攻撃行動との関連は,社会的熟達接近目標の程度によって調整されるという結果も得られた。
著者
水間 玲子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.131-141, 1998-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
49
被引用文献数
2 2

本研究の目的は, 理想自己について, その2側面一自己評価の内的基準, 自己形成を導く指針一に沿って検討していくことであった。そこで, 理想自己と現実自己のズレと自己評価との関連, 及び理想自己の水準と自己形成意識 (可能性追求因子と努力主義因子とからなる) との関連を検討した。研究に際しては, 理想自己に関して, 上記の目的を実証するに意義のあるものとそうでないものとを区別するよう心がけた。結果は以下の通りであった。理想自己と現実自己のズレは, 自己評価と有意な負の相関を示していた。また, 理想自己の水準の高低で群分けを行い, 可能性追求得点と努力主義得点の平均値についてt検定を行ったところ, 可能性追求得点について5%水準で有意に高群の方が高い得点を示していた。ここから, 理想自己の水準の高さは自己評価の低下と関連しながらも, 一方で, 個人の自己形成に向かっていきたいという意識の高さのあらわれともみなしうるのではないかと考えられた。
著者
川端 一光
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.137-157, 2017-03-30 (Released:2017-09-29)
参考文献数
124
被引用文献数
4

本稿では, 本邦の測定・評価領域において, 2015年7月から2016年6月までの1年間で報告された主要な研究を, 「因子分析による尺度構成」「項目反応理論による尺度構成」「教育評価」「関連する統計理論」の4つに分類し, それぞれ概観した。また, テスト理論の観点から各研究領域の課題について論じた。「因子分析による尺度構成」領域の課題として, 一部の研究において, (a) 尺度構成研究における妥当性検証が不十分, (b) 内容的妥当性の確保に関する記述が薄い, (c) 確認的因子分析が活用されていない, ということが指摘された。また「項目反応理論による尺度構成」領域の課題として, (a) モデル適合や尺度得点の精度に関する研究, (b) 安定的な等化を実現するための研究, (c) CTTやIRTの指標に関する研究, のそれぞれについて報告が少ないことが挙げられた。「教育評価」領域では, 教育測定・心理統計学の専門家が不足していること, 「関連する統計理論」では, 近年注目されているベイズモデリングの研究への生かし方に関する議論の必要性について, それぞれ論じられた。
著者
水野 治久 石隈 利紀
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.530-539, 1999-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
49
被引用文献数
54 19

我が国においてカウンセリングが専門的サービスとして認められつつあるが, 援助を受ける側からの被援助志向性や被援助行動に関する研究はほとんど実施されていない。一方で, 米国ではこの領域に関する研究は20年ほど前から行われている。米国における被援助志向性および被援助行動の研究を分類した結果, 1) デモグラフィック要因との関連, 2) ネットワーク変数との関連, 3) パーソナリティ変数との関連, 4) 個人が抱えている問題の深刻さ, 症状との関連の4領域に集約された。研究の課題として, 1) 他の研究を踏まえた上での援助志向性, 被援助行動の定義の必要性, 2) 被援助志向性が低い人に対する介入や被援助志向性が低い人のための援助システムの構築へ結びつく研究の必要性があげられる。このような研究を通して, 我が国の専門・職業的心理学の構築の必要性が示唆された。
著者
安藤 寿康
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.223-233, 1996-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
37
被引用文献数
2

The purpose of this study is to show two types of genetic effects-genetic main effects and genotype-environment (GE) interaction-upon several aspects of motivation as learning outcomes through instruction, using the cotwin control method. These genetic effects can emerge both indirectly, upon the basis of some preexisting aptitudes having been genetically influenced (indirect effects), and directly as some novel genetic architecture never been activated before (direct effects). Nineteen pairs of identical twins and 15 pairs of fraternal twins in the sixth grade received two different English teaching methods: the Grammatical and the Communicative Approach. Indirect genetic main effects were shown in most of the motivational aspects through some genetically influenced aptitudes such as general activity. The direct genetic main effects, most of which were nonadditive, were indicated, too. Marginally significant indirect GE interactions were found upon social extraversion, when the motivation toward a communicative activity was entered as a dependent variable. Finally, direct interaction was also found for general motivation towards English by means of intrapair difference-sum correlation.
著者
長峯 聖人 外山 美樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.190-202, 2019-09-30 (Released:2019-11-14)
参考文献数
66
被引用文献数
1 3

青年期において時間的展望は重要な役割を持っており,特に未来展望はアイデンティティの形成やwell-beingと密接な関連があるとされる。一方で,時間的展望を形成する要因について十分に明らかになっているとはいえない。本研究は,時間的展望(特に未来展望)の形成に影響する要因としてノスタルジアを取り上げ,実験的にノスタルジアを喚起した群(ノスタルジア群)とそうでない群(統制群)の間で,喚起後の時間的展望の程度に差がみられるかどうか検討することを目的とした。またその際,未来展望の群間差を本来性によって説明できるかどうかについても検討を行った。大学生44名が実験に参加し,それぞれノスタルジア群か統制群にランダムに割りあてられた。実験の結果,まずノスタルジア群は統制群よりも未来についてポジティブな態度をとっており,ネガティブな態度をとっていないことが示された。これらの結果は,現在および過去への態度についても同様であった。また,群間における未来へのポジティブ(ネガティブ)な態度の差は,本来性によって有意に媒介されることが示された。最後に,研究のデザインおよび時間的展望の下位概念という観点から本研究の課題と展望について議論された。
著者
松尾 剛 丸野 俊一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.93-105, 2007-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12
被引用文献数
6 3

本研究の目的は, 熟練教師による話し合いを支えるグラウンド・ルールの共有過程を明らかにすることであった。小学校6年生1学級 (女児21名, 男児18名) の国語単元における発話について, ルールの意味や働きかけの意図に関する教師へのインタビュー回答を踏まえながら, 3種類のコーディングによる定量的分析を行うことで, ルールの内容を整理し, ルールが示されていた談話過程を特定した。さらに, その談話過程の特徴を, 定性的分析によって明らかにした。分析の結果, 教師は即興的思考を絶えず働かせながら以下のように働きかけていたことが明らかになった。(1) 子どもが主体的に学び合うことの妨げになっている認識を, やりとりの文脈の中で感じ取っていた。そして, その認識を問い直し, 新たに構成するため, 独自のルールを生成していた。(2) ルールはやりとりの文脈に固有な内容を持つため, 教師からの一方的な提示では, 具体的な意味や重要性を子どもに気づかせることはできないと考えていた。その考えのもとに, 教師は話し合いの流れの中に現れたルールを取り上げ, 意味づけることで各ルールを子どもに示していた。
著者
高田 利武
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.480-489, 1999-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
23
被引用文献数
15 31

文化的自己観の個人への反映である相互独立性と相互協調性について, 日本文化での発達過程を探ることが本研究の目的である。既存の尺度 (高田他1996) に加え児童・生徒用尺度を作成した上, 児童期後期から老人期に亘る横断的資料により発達的変化を検討し, 更に日本人青年の相互独立性と相互協調性を西欧人青年と比較した結果,(1) 日本人青年は西欧人青年に比べ相互独立性が低く相互協調性は高く, 相互協調性が相互独立性を凌ぐ傾向が児童期から青年期を経て若年成人期まで見られる,(2) 相互独立性は小学校高学年から中学生にかけて低下するが, 若年成人期以降は一貫して上昇する,(3) 相互協調性は小学校高学年から中学生にかけて低下するが, 青年期には高い水準を維持した後, 成人期では減少し老人期で再び上昇する, という結果を得た。これらの知見から, 文化的自己観が自己スキーマに反映する際の2種の過程が示唆された。
著者
瀬尾 美紀子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学年報 (ISSN:04529650)
巻号頁・発行日
vol.55, pp.68-82, 2016 (Released:2016-08-12)
参考文献数
66
被引用文献数
1 2

本稿では, 現在の教授・学習研究が「21世紀の学習・教育実践」に対しどのような役割を果たすことができるか明らかにすることを目的とした。「21世紀の学習・教育実践」に関する教育界の議論を踏まえ, この1年間の教授・学習研究を「学習の認知過程に関する研究」「主体的・自律的な学習に関する研究」「協同や相互作用を活かした学習に関する研究」の3つに分類して論評した。学習の認知過程に関しては, 思考・問題解決や言語表現に比べて, 知識獲得・記憶に関する研究が少ないことが明らかになった。一方, 言語表現に関する研究は, コミュニケーション能力の育成に具体的かつ実践的な示唆をもたらすものが多く見られた。主体的・自律的な学習に関しては, 特に, 不適応的な学習行動の適応的側面を見出す研究がリアリティのある実践提案に結びつく可能性が示唆された。協同や相互作用を活かした学習に関しては, 機能の解明から, 規定要因についての検討および協同を活かした教育実践研究へと研究関心が移ってきている可能性が述べられた。最後に, 21世紀の学習・教育実践に対して, どのような教授・学習研究が期待されるか今後の研究の方向性について展望した。
著者
小野田 亮介
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.158-174, 2021-06-30 (Released:2021-07-21)
参考文献数
16
被引用文献数
1 4

本研究の目的は,文章産出において書き手が想定する仮想の読み手に着目し,(1)読み手に合わせた文章産出が困難化する原因を解明し,(2)読み手に合わせた文章産出を促す方法について考案することである。研究1では,中学校2年生の1学級に対して,教示した読み手を説得するための文章産出課題を実施し,文章産出時に想定した仮想の読み手の特徴を報告するように求めた。その結果,読み手を教示したにもかかわらず,読み手を漠然と想定していたり,教示と異なる読み手を想定したりする生徒が認められ,具体的に読み手を想定したと報告する生徒であっても,読み手に合わせた文章を産出しない事例が認められた。そこで研究2では,中学校1年生の2学級を対象とし,読み手の想定を求める「対照条件」と,読み手を記述して固定する「可視化条件」との間で,仮想の読み手の特徴や文章の比較を行った。その結果,対照条件に比べ,可視化条件ではより具体的に読み手が想定されており,文章内の情報量や文章の説得力も増加していた。一方,読み手を可視化していても,文章産出前後で読み手の情報が精緻化されたり,質的に変化したりする読み手情報の変動性も認められた。
著者
石井 僚
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.229-238, 2013 (Released:2014-03-03)
参考文献数
17
被引用文献数
3 4

本研究では, 青年期において死について考えることが, 時間的態度にどのような影響を及ぼすのかについて実験的に検討した。実験参加者である大学生127名を, 死について考える群41名, 生きがいについて考える群43名, 死や生きがいとは無関係なものについて考える統制群43名に分け, それぞれ課題の前後に時間的態度を質問紙によって測定した。時期(課題前・課題後)×課題(死・生きがい・統制)の2要因分散分析を行った結果, 死について考える群においてのみ, 課題後に時間的態度が肯定的になることが示された。死について考えることには, 生きがいについて考えることによっては得られない, 時間的態度を肯定的にするという効果があることが示された。また, 課題に対する自由記述の分析からは, 死について考えることには, 人生の有限性を再認識させ, 時間の大切さについて考えさせるという特徴があることが明らかとなった。以上より, デス・エデュケーションの持つ心理的機能として, 人生の有限性を再認識させ, 現在を中心とした時間的態度を肯定的にするという一側面が明らかになったといえる。
著者
鹿毛 雅治
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.345-359, 1994-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
144
被引用文献数
17 9

Most of us would agree that intrinsic motivation is one of the most important concepts in educational practice. Unfortunately, however, as some researchers have suggested, the concept of intrinsic motivation is so ambiguous that it is very difficult to distinguish it from similar motivational concepts such as the Origin-Pawn and Locus of Control conceptualizations. The purpose of this paper is to make the concept clear by considering trends in conceptualizations of and studies on intrinsic motivation from historical point of view. It is found that the main issue of the studies shifted from “cognitive motivation”(what makes tasks interesting) to “undermining and enhancing effects” of interpersonal and evaluative variables. It is concluded that intrinsic motivation is defined as a motivational state in which learning is undertaken for its own sake and that the mastery orientation and autonomy are its essential components.
著者
越中 康治
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.479-490, 2005-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
31
被引用文献数
2 3

本研究では, 挑発的攻撃, 報復的攻撃, 制裁としての攻撃の各タイプの攻撃行動に関する幼児の認知を比較検討した。4, 5歳の幼児を対象として, 主人公が他児に対して各攻撃行動を示す場面を紙芝居で提示し,(1) 主人公が示した攻撃行動の善悪判断,(2) 攻撃行動を示した主人公を受容できるかの判断,(3) 幼児が日常, 主人公と同様の攻撃行動をするかの報告を求めた。結果として,(1) 幼児は挑発的攻撃は明らかに悪いことであると判断するものの, 報復的攻撃及び制裁としての攻撃に関しては善悪判断が分かれており, 全体として良いとも悪いともいえないという判断を示した。また,(2) 幼児は挑発的攻撃を示す主人公を明らかに拒否していたが, 報復的攻撃及び制裁としての攻撃を示した主人公とは一緒に遊んでもよいと判断した。さらに,(3) 挑発的攻撃及び報復的攻撃に関して, ほとんどの幼児は日常示すことはないと回答したものの, 制裁としての攻撃に関しては示すと回答した者も少なからずいた。本研究から, 報復的公正に関する理解は4, 5歳児にも認められることが明らかとなった。幼児が報復や制裁のための攻撃を正当化する可能性が示唆された。
著者
麻柄 啓一
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.379-388, 1996-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
16

Many people nourish a misconception that vacuums draw substance into them. But vacuums can never draw anything. In fact, air presses substance. This study aimed at investigating why it is difficult for learners to rectify such misconception, by using specially devised questions. Subjects were undergraduates. The main results were as follows; (1) Once their misconception was provoked, most Ss unintentionally tried to modify their knowledge on the amount of air pressure in such a way as not to contradict their misconception.(2) Even when they were instructed in advance to use the relevant knowledge they had, their misconception couldn't be replaced by the correct concept.(3) But the reasoning process based on the relevant knowledge could be activated under a certain type of questions.(4) So we might infer that two contradictory reasoning processes could coexist in cognitive structure in learners.
著者
永井 暁行
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.54-66, 2018-03-30 (Released:2018-04-18)
参考文献数
36
被引用文献数
6 5

本研究は,友人関係で傷つきを回避しようとする傾向にあると分類されていた大学生の中にも,高いソーシャルスキルを持ち円滑な関係を築ける大学生と,そうではない大学生がいることを示し,それぞれの大学生の友人との付き合い方の特徴を明らかにする目的で行われた。そのため,友人関係で傷つくことを回避しようとするか否かという態度と,ソーシャルスキルによって大学生の友人との付き合い方を分類し,また,その分類ごとの居場所の実感について検討した。本研究では大学生357名(男性122名,女性235名)を対象とした質問紙調査を行った。分析の結果,態度とスキルによる友人関係の類型は5群に分類された。それぞれの類型はその特徴から配慮・スキル不足距離確保群,スキル標準傷つき無関心群,スキル成熟傷つき回避群,スキル不足傷つき回避群,スキル成熟親密関係群と命名された。この類型によって居場所の実感の違いを検討したところ,居場所を実感しやすいのはスキル成熟傷つき回避群,スキル成熟親密関係群であった。本研究から傷つきを避けるような気遣いをしてしまう大学生の中にもソーシャルスキルが高く,受容される関係を形成・維持できている大学生がいることが明らかになった。