著者
奥村 学
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.285-293, 2013-04-01 (Released:2013-04-01)
参考文献数
38

Yahoo!知恵袋などのcQA サイト,食べログなどの口コミ(レビュー) サイト,ブログ,Twitter に代表されるマイクロブログなど,今やCGM (Consumer Generated Media) あるいはソーシャルメディアと称されるメディアは,Web上に多種多様に存在する.本稿では,数あるソーシャルメディアの中から,cQA サイト,口コミサイト,マイクロブログを例に,これらのソーシャルメディアを対象とした分析技術について解説する.
著者
Graham NEUBIG Masato MIMURA Shinsuke MORI Tatsuya KAWAHARA
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
IEICE Transactions on Information and Systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.E95.D, no.2, pp.614-625, 2012-02-01 (Released:2012-02-01)
参考文献数
40
被引用文献数
6 13 6

We propose a novel scheme to learn a language model (LM) for automatic speech recognition (ASR) directly from continuous speech. In the proposed method, we first generate phoneme lattices using an acoustic model with no linguistic constraints, then perform training over these phoneme lattices, simultaneously learning both lexical units and an LM. As a statistical framework for this learning problem, we use non-parametric Bayesian statistics, which make it possible to balance the learned model's complexity (such as the size of the learned vocabulary) and expressive power, and provide a principled learning algorithm through the use of Gibbs sampling. Implementation is performed using weighted finite state transducers (WFSTs), which allow for the simple handling of lattice input. Experimental results on natural, adult-directed speech demonstrate that LMs built using only continuous speech are able to significantly reduce ASR phoneme error rates. The proposed technique of joint Bayesian learning of lexical units and an LM over lattices is shown to significantly contribute to this improvement.
著者
山田 昭彦
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.4_9-4_17, 2010-04-01 (Released:2010-11-01)
参考文献数
25

中嶋章は1930年代に独自にブール代数に相当する理論を構築し,スイッチング理論の研究を行ってリレー回路設計に適用した.1935年にド・モルガンの法則を含むリレー回路構成理論を発表し,1936年には榛澤正男と共著で“+”と“×”の記号を用いてスイッチング回路を論理式で表し,この変換及び簡単化を含むスイッチング理論を発表した.Claude E. Shannon が同様の論文を発表したのは1938年である.中嶋の生誕100年にあたる2008年にフィンランドのTampere University of Technology より中嶋の全英文論文を収録した覆刻本が出版された.
著者
山西 健司
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.186-194, 2017-01-01 (Released:2017-01-01)
参考文献数
30

記述長最小原理(MDL原理)はできるだけ短い符号長でデータを符号化することにより,情報源の推定や予測のための最適戦略を与えるものである.それは機械学習やデータマイニングにおけるアルゴリズムの統一的設計指針を導き,知識発見のコア技術として年々その活用は発展している.これまでMDL 原理は定常的な仮定の下で,正則なモデルを選択するためのモデル選択原理として漸近的な形で与えられ,その適用範囲はある意味制限されていた.本稿では,MDL原理の基礎から始めて,最近の発展,特に,非正則,非漸近,非定常,非確率的といった状況でMDL原理を適用するための方法論についての最近の研究動向を示す.また,データマイニング応用についても言及する.
著者
若林 一敏
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.37-50, 2012-07-01 (Released:2012-07-01)
参考文献数
21
被引用文献数
3

抄録 CやC++言語等のプログラム記述から,ASICやFPGAを設計するためのRTL記述を合成する「高位合成」技術の概要を述べる.まず,LSIの設計工程とその自動化の歴史と,LSIの大規模化による設計自動化の必然性について説明する.次に,高位合成技術の原理を工程ごとに解説する.高位合成は設計効率化以外に高性能化,低電力化,高信頼性化,再利用性の向上など様々な効果がある.なぜ,そのような効果が得られるかを,技術面から解説する.また,高位合成のターゲットアーキテクチャであるFSM(Finite State Machine)とデータパスからなるFSMDアーキテクチャ処理効率をCPUと比較して議論する.高位合成は基本原理が確立されプロトタイプシステムが出てから実用化まで長い時間がかかった.非常に広範な最適化技術の実装が必要だからである.これらの中から代表的な幾つかの技術を議論する.また,高位合成技術はアルゴリズム系のデータ処理回路だけでなく,制御系回路にも有効であることを示す.次に,ハードウェア向けのC記述の基本の考え方を紹介し,最後に,近年適用が広まっているFPGA向けの高位合成技術やそれを利用した新しい応用分野を紹介する.
著者
島津 明
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.320-328, 2012-04-01 (Released:2012-04-01)
参考文献数
24
被引用文献数
1

我々の社会は非常に多数の相互に関連した法令により規定されている.社会というシステムを考えたとき,法令がこのシステムの仕様書の役割を果たしていることを意味するが,法令の持つシステム的側面は従来十分な研究対象になっていない.今後本格化する電子社会においては,法令は一層重要な役割を持ち,安心な社会の実現には,法令の持つシステム的側面を捉える方法論が期待される.「法令工学」は,法令に情報科学的手法,ソフトウェア工学的手法を適用し,完全で矛盾のない法令の制定,法令が規定する社会基盤情報システムの開発などを計算機で支援するための方法論を研究する.本稿は,法令工学の目的やアプローチを紹介し,法令設計の支援,法令の文書化,法令の論理的検証,法令構造指向アーキテクチャなどの課題について示し,課題の解決に重要な役割を担う技術の一つとして,法令文書の言語解析について紹介する.
著者
鎌倉 友男 酒井 新一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.1, no.3, pp.3_37-3_43, 2008-01-01 (Released:2011-03-01)
参考文献数
17
被引用文献数
2 2

例えば,交通バリアフリー関連での音による注意喚起や的確な歩行誘導に,また展示会場における各ブースごとの個別案内に適用でき,その周囲の静音化が達成できる超指向性パラメトリックスピーカの開発に取り組んだ.このスピーカは超音波の非線形現象を積極的に応用するところにアイデアがあるが,これを実現するには,物理をはじめとして,音場解析を目的とした数学,ひずみの少ない可聴音を得るための最適な超音波変調方式や電子回路技術など,多方面からの検討が必要である.音環境の改善や整備を目的としたパラメトリックスピーカの開発過程の一端を紹介したい.
著者
高野 雅典
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.275-281, 2017-04-01 (Released:2017-04-01)
参考文献数
92

ソーシャルビッグデータはヒトや社会について分析し理解するための強力なツールである.ソーシャルビッグデータ登場以前には観測が難しかった大量のヒトの詳細な社会的行動を分析できるからである.本稿では社会科学の研究トピックのうち協調行動・社会的グルーミングと社会構造・内集団バイアス・性的選好の四つについて紹介する.それぞれ先行研究をレビューした後,関連するソーシャルビッグデータ分析による研究について述べる.またWebの普及に伴って新たに発生した問題に関するソーシャルビッグデータ分析研究も紹介する.
著者
古賀 久志
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.256-268, 2014-01-01 (Released:2014-01-01)
参考文献数
32

一般に,ハッシュ法と言えば指定されたクエリとキーが同一であるデータを高速探索するための技術であり,実用上,O(1) の時間計算量で動作する.しかし,近年,クエリと完全には一致しない類似したデータを探す類似検索向けのハッシュ法が開発され,画像やテキストに代表されるメディアデータに対するコンテンツベースパターン認識の分野で成功を収めている.本稿では,このようなハッシュを利用した類似検索技術を紹介する.更に,その応用として(1) 階層的クラスタリングの近似高速化,(2) 複数画像からのオブジェクト抽出の二つの事例を紹介する.
著者
岩田 賢一
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.175-198, 2013-01-01 (Released:2013-01-01)
参考文献数
39

情報理論は,与えられたシステムにおける符号化問題の理論的限界を数理的な情報量を用いて明確にすると共に,その理論限界を達成する符号化法を明確にすることを目的としている.近年,Arikanは,確率過程の分極操作に基づいたpolar符号と呼ばれる新しいクラスの符号を提案している.polar符号は,定常無記憶情報源及び対称通信路の理論的限界を低計算複雑度と低空間複雑度で達成できることを明らかにしている.polar符号は,多端子符号化問題を含め様々な符号化問題に対して,その理論的限界を低計算複雑度と低空間複雑度で達成する符号の構成法に関して一つの基本的な原理をもたらすことが期待される.本稿では,polar符号を情報源符号化と通信路符号化について紹介するとともに,polar符号のCプログラミングによる例を紹介する.
著者
水木 敬明
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.179-187, 2016-01-01 (Released:2016-01-01)
参考文献数
23

カードベース暗号とは,物理的なカード組を利用して,秘密計算等を実現するものである.1989年に5枚のカードで論理積を秘密計算できることが示されて以来,数多くのカードベースプロトコルが考案されている.カードベースプロトコルは,コンピュータやネットワークを必要とせず手軽に実行することができるとともに,その正当性や安全性は高校生でも容易に理解できる.本稿では,カードベース暗号の歴史を概観するとともに,最近の研究成果を紹介する.
著者
池田 尚志 松本 忠博
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.282-292, 2011-04-01 (Released:2011-04-01)
参考文献数
35

点字は視覚障害者にとっての文字である.晴眼者が用いる墨字のテキストは点字に変換しなければ視覚障害者は読むことができない.一方,手話は聴覚障害者が使用する言語である.聴者の音声言語との間の対話には手話通訳が必要である.このような言語コミュニケーションのバリアを克服するために点訳ボランティアや手話通訳士などが携わっているが,対処できる量には限りがあり理想の状態からは程遠い.技術的な支援が期待されるゆえんである.本稿では,点字と手話を中心に言語バリアフリーへ向けて自然言語処理技術の側面から我々が行ってきた研究について解説する.