著者
柳田 靖 鈴木 恵二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.26, pp.15-22, 2007-03-14

テーマパーク問題とは,現実問題に即した群ユーザ支援研究を行うための一つの例題であり,大規模動的スケジューリングを単純化した問題として提案されたものである.本稿では,このテーマパーク問題に関してより現実問題に近い多種多様な環境・状況を実現するために,スモールワールド・ネットワークやスケールフリー・ネットワークを代表とする複雑ネットワークの概念を用いたテーマパークモデルを提案する.また,様々な状況に瞬時に対応できる施設利用調整のための巡回戦略を適用したマルチエージェントによって,そのモデル及び戦略の有効性と効率性を比較・検証していく.そして,提案モデルにおける大規模な個人スケジュール調整のための巡回戦略による群ユーザ支援の可能性を示していく.The theme park problem is one of exercises to research on the Mass-User support of applying social problem and it is suggested as the problem that simplified on a large scale dynamic scheduling. In this paper, it is suggested the theme park models which used the general idea of the complicated networks such as small-world networks and scale-free networks to come true the complicated environment such as the real problems. It is compared with the effectiveness and efficiency of the models and the strategies to introduce the multi-agents which is applied the traversal strategies that can support the various situation to coordinate the institutions using instantly. In addition, It is shown that possibility of the Mass-User support by the traversal strategies for large-scale personal schedule adjustment in the suggestion model.
著者
山田 寛康
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.47, pp.13-18, 2007-05-24

本稿では日本語固有表現に対してShift-Reduce法に基づく抽出法を提案しIREX日本語固有表現抽出タスクを用いてその有効性を検証する. 提案手法はShift-Reduce法に基づくことで 文頭から順に固有表現の語境界推定後にその種類を推定するという自然な解析が実現できる. また日本語における形態素単位解析では 形態素語境界と固有表現の語境界が異なる場合の誤抽出が問題となる. この問題に対し 提案手法は簡単な拡張アクションを追加することで 入力文全てを文字単位に解析することなく対処できる. CRL固有表現抽出データを用いた五分割交差検定による評価実験では 文頭から文末に向かって部分的に文字単位解析する効率的な方法で 0.88 のF値を得た.We propose a method for Japanese Named Entity (NE) extraction based on shift-reduce parsing in a deterministic manner. After shift action is employed to determine the word boundaries of an NE composed of multiple morphemes, reduce action is applied for the estimation of the NE type. In analysis of Japanese NEs for each morpheme, incorrect extractions are inevitable because of some NEs whose word boundaries are different from the morpheme's ones. While most well known work analyzes NEs for each character in sentences at the expense of efficiency, our method can analyze NEs for each morpheme in most cases by introducing two types of additional shift-reduce actions that adjust to the word boundaries of an NE. The result of 5-fold cross validation using CRL NE data-set shows that the 0.88 F-value is comparable with related work, and our left-to-right analysis for each morpheme is more efficient.
著者
近藤 無滴 星野 純子 村上 紀夫 福島 幸宏 師 茂樹 後藤 真
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-8, 2014-05-24

本報告では、時空間情報技術を用い地蔵盆と 「お地蔵さん」 の現状と変化の分析をおこなうためのデータ作成と整理について述べた。過去の研究によると、関西では一般的な行事である地蔵盆が近年の高齢化・少子化により変化し、簡略化あるいは行われない地域が増加しているとされている。また、地域では 「お地蔵さん」 の維持管理ができなくなり、寺院へ預ける地域が増え、路地に点在する 「お地蔵さん」 の数が減少しているともされている。そこで、本報告では京都を対象として、フィールドワークを行い、GPS カメラ等を用いてデータの収集を行った。そのデータに時空間情報技術を活用して、「お地蔵さん」 と地蔵盆の現状を記録、変化・傾向を様々な面から分析し、先行研究の妥当性について検証した。これにより、「お地蔵さん」 ・地蔵盆の研究において、時空間情報の活用が有効である実践例を示すと同時に地域のお地蔵さんのデータのアーカイブを行った。In this paper, using the spatiotemporal data technology, we would like to analyze the changing of "Ojizosan" and "Jizobon." According to the previous studies, although "Jizobon" is a common event in Kansai Area, the events are decreasing in number, or being simplified due to declining birthrate and aging poplulation. Moreover, in many regions "Ojizosans" are entrusted to the temples, because the residents can no longer maintain them. Therefore, the number of "Ojizosans" on the roadsides is decreasi ng. We are collecting the data through fieldwork in Kyoto using GPS cameras in order to record the current status of "Jizobon" and "Ojizosan," analyze their change using the spatial and temporal information technology, and verify the validity of the previo us studies. In this paper, we demonstrate that the spatial and temporal information technology is useful for the analysis of "Ojizosan" and "Jizobon," and an example of the digital archive of the regional "Ojizosan."
著者
Bond Francis 藤田 早苗 橋本 力 笠原 要 成山 重子 Nichols Eric 大谷 朗 田中 貴秋 天野 成昭
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.1, pp.83-90, 2004-01-13
被引用文献数
1

本稿では、基本語彙知識ベース構築の一環として構築した、ツリーバンク「檜」を紹介する。「檜」は、HPSGで書かれた日本語文法JaCYに基づいて辞書の語義文を解析したものであり、詳細な統語情報と意味情報の両方が付与されている。本稿では、「檜」構築の目的や理論的基盤などについて述べる。 また、「檜」の有効性を示す一例として、知識獲得の予備実験を行なった結果について報告する。In this paper we present the motivation for the construction of the Hinoki treebank. It is a rich and dynamic treebank of dictionary definition sentences parsed using a Japanese HPSG. We show how the treebank is being used to build an ontology, and outline plans for further work.
著者
丸川 雄三 岩山 真 奥村 学 新森 昭宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.87, pp.23-28, 2002-09-17
被引用文献数
1

従来のDPマッチングでは難しかった交差の存在するテキスト間の対応付けを行う手法を提案する.提案手法の特徴は以下の二点である.まずはテキスト間における部分文字列同士のアラインメント,すなわちローカルアラインメントの概念と,その計算手法としてローカルアラインメントDPマッチングを導入した点であり,もう一点はローカルアラインメントの順位付けを行い,対応付けに利用した点である.前者の工夫により,DPマッチングの利点である類似度の最適化と計算量の削減を実現し,後者の工夫により,交差にも対応したテキスト間の柔軟な対応付けを実現した.提案手法の適用例として,公開特許公報全文における「請求項」と「発明の詳細な説明」との対応付けを紹介し,本手法の有効性を議論する.A method of aligning a text with another text, in which the partial alignments include crossovers and overlaps, is proposed. This method has the following two characteristics. One is to introduce the concept of the local alignment between sub-strings and use the dynamic programming to enumerate the possible local alignments. Another is to extract sub-optimal local alignments in addition to the optimal one. The former realizes efficient enumeration of local alignments and the latter realizes flexible text matching, where the partial alignments have crossovers and overlaps. We show an example of applying the method for finding alignments between "claims" and "embodiments" in a patent application, and discuss its effectiveness.
著者
今井 克暢 森田 憲一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [プログラミング-言語基礎実践-]
巻号頁・発行日
vol.94, no.21, pp.121-128, 1994-03-09

一斉射撃問題を可逆(すなわち,逆向きにも決定的な)セル・オートマトン(RCA)で実現できるか考察した.まず従来の単一の射撃状態からなる一斉射撃解は構成できないことを証明した.そこで,RCAにおける一斉射撃解を複数の射撃状態を許したものとして定義し,この条件の下でMinskyの3n時間解を540状態のRCAに埋め込めることを示した.その際,分割セル・オートマン(PCA)を用いた.これはCAのサブクラスとみなすことができ,RCAの設計を容易にする.さらに3n時間解に基づく99状態の解を可逆PCAによって構成した.
著者
佐々木 孝輔 林 勇吾 井上 智雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.53, pp.1-8, 2014-03-06

プログラミング学習手法の 1 つに,コーディングを行う Driver と,Driver に対してアドバイス等を行う Navigator の役割に分かれて作業を進めるペアプログラミングがある.このペアプログラミングにおける学習者の行動および会話と,学習の成否については関係性があることが報告されている.本研究では分散同期環境を想定した,テキストチャットを用いるペアプログラミング支援システムを開発するため,音声対話における行動および会話と学習の成否についての関係性がテキスト対話においても認められるかを検証する実験を行った.その結果,Driver が課題において発生するエラーを解決するために要する時間が長くなるほど,2 者のテキスト対話後における Driver のコーディング動作の頻度,および両者によるチャットの頻度が減少することが判明した.また本研究では,この結果を生かしたシステム開発の指針についても言及する.
著者
高木 裕之 青山 幹雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.12, pp.1-8, 2014-03-12

異なるクラウド基盤を連携するハイブリッドクラウドが注目されているが,クラウド基盤ごとに API と構成管理方法が異なるためユーザの要求を満たすアプリケーションの分散構築が困難である.本研究では,クラウドアプリケーションの標準構成記述仕様である TOSCA を拡張し,異なるクラウド基盤上に分散配置を可能にする.そして,クラウド基盤ごとに異なる API を抽象化し,クラウド基盤によらない仮想マシン生成を実現する.分散構築自動化基盤アーキテクチャを提案する.提案アーキテクチャのプロトタイプを実装し,その有効性を評価する.Currently, hybrid clouds that integrate private clouds and public-clouds are attracting attention. However, construction of hybrid cloud is difficult due to the complicated configuration management and the difference of levels of abstraction off APIs for each cloud infrastructure. In this article, we extend TOSCA (Topology and Orchestration for Cloud Applications), a standard specification of configuration description for cloud application, in order to enable building of distributed applications on different clouds. We define a set of abstract APIs that encapsulate different APIs of each cloud, which enable to create virtual machines independent of cloud infrastructures. We propose an architecture for automatic building of distributed applications on a hybrid cloud computing. We developed a prototype of the architecture, and demonstrate the validity of the proposal architecture.
著者
矢部 純 高橋 伸 柴山 悦哉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.85, pp.13-18, 1999-10-15
被引用文献数
6

ネットニュースで行われた議論における投稿者関係や意見のやりとりの様子を理解し易くするために、議論をTVの討論番組のように見せる手法を提案する。また、この手法を使ってTVMLで書かれた台本を自動作成するシステムを紹介する。このシステムは、まずネットニュースのスレッドから引用情報にもとづいたシリアライズによって番組の脚本を作成し、それに投稿者やリファレンス等から抽出される意見のやりとりの様子を効果的に見せる演出を付加することで台本を作成する。
著者
中村 めぐみ 朝倉 啓充 成田 干城 重野 寛 岡田 謙一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.2, pp.1-8, 2004-01-15

インターネットを利用する際,個人情報漏洩などの不安から,匿名でアクセスをしたいという要求がある.一方サービス提供者は,どのようなユーザがどのように使用しているかといった情報を収集することにより,より良いサービスを提供したいという要求がある.そのため,ユーザが様々なシステムを使用すると,システムが結託することにより同一ユーザが公開した情報を収集されてしまう可能性があるので,ユーザの特徴情報と行動情報の結び付きを秘匿できるような認証方式が提案されてきた.しかし,ただ匿名性を提供するだけの個人情報保護手法では,匿名者が繰り返しアクセスをしても,それぞれが匿名であるために同一ユーザの繰り返しであることが証明できず,アクセス数によるサービスの提供などができない.そこで本稿では,匿名状態のままで匿名者同士がアクセス履歴を証明する手段を提案する.Since there is a possibility that pedrsonal information may be revealed when using the Internet, there is demand of wanting to access using anonymity. On the other hand, those who offer service think that he wants to offer better service by investigating what user is using service how. If a user uses various systems, a user's information is collectable because a system coordinates. Therefore, the system which keeps secret connection of a user's personal information and action information was proposed. However, if anonymity is used, it cannot be shown even if a user accesses a system repeatedly. Then, in this paper, we propose the method of showing the history that anonymity persons accessed.
著者
峯松 信明 広瀬 啓吉 関口 真理子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.2186-2196, 2002-07-15
被引用文献数
9

対話システムの高度化にともない,入力音声から単に言語情報(文字情報)を抽出するだけでなく,話者性や感情など,話者の静的および動的特徴を的確に把握しながら効率的に対話を遂行することを目的とした研究が行われるようになってきた.本論文では種々の話者特性の中でも「年齢」に焦点を当てる.特に高齢化社会を考慮し,音声の音響情報より高齢話者を特定する手法を提案する.本論文ではまず,高齢話者音声データベースに対して聴取実験を行い,「高齢者であることを意識した対応が必要である」と考えられる話者を特定した(主観的高齢者).先行研究より高齢者としての特徴がスペクトル情報に反映されるとの知見があるので,主観的高齢者の同定を話者認識技術を利用して行った.その結果,約91%の正答率が得られた.さらに,聴取実験の結果得られた「高齢者としての対応が必要である」と判断した理由について分析し,スペクトル情報以外の音響情報である韻律的特徴を実験的に検討した.その結果,話速とパワーの局所変動を考慮することで,同定率を約95%まで向上することができた.また,提案手法に基づいて,発話者に対する主観的年代の自動推定に関する分析を行ったのでその結果についても報告する.Recent advancement of spoken dialogue systems requires techniques not only torecognize users' utterances, but also to capture their static and dynamiccharacters, with which more efficient and fruitful dialogue between humans andmachines can be realized. In the current paper, research focus is placed uponspeakers' agedness as one of the static characters and a method of automaticallyidentifying elderly speakers only with their voices is proposed. Firstly inthis paper, a listening test was done for JNAS and S-JNAS databases wheresubjects were asked to estimate each speaker's agedness subjectively and judgewhether the subjects should take special care of their speaking styles when talking tothe speakers. Secondly, a series of experiments were carried out to automaticallyidentify the subjectively-defined elderly speakers. In the first experiment,GMM-based speaker recognition techniques were immediately used and 91 %accuracy was obtained. Through experimental examinations of various prosodicfeatures, speech rate and local power perturbation were added to the GMM-basedidentification in the second experiment. The performance was raised up to 95 %.Finally, a method was also devised to estimate speakers' agedness using theproposed techniques. A rather high correlation between the agedness estimated bythe method and that obtained by the subjective listening test indicates thehigh validity of the method.
著者
津田 道夫 永岡 郁代 青木 一紀 和栗 正一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.11, pp.1-6, 1995-01-26
被引用文献数
2

ソフトウエア変更作業における、作業工程を分析して、必要な情報や作業内容、その結果として得られた情報を明確にした。また、実際に保守担当者が、どのような方法で仕様を理解して、プログラムの修正をしているかを、調査した。この結果、プログラム理解の方法が、保守経験値により異なることが判明した。この分析に基づき、ソフトウエア影響波及検索ツールのプロトタイプ(ツール名:FINDMA)を開発した。FINDMATEは、ユーザからの保守依頼に対応して、既存ソフトウエア・リソースの相互関連を検索する。これにより、影響波及対象のリソースを抽出して、作業見積、作業計画や修正作業に利用する。We analyzed processes of software modification and clarified essential information, contents of the modification operations, and information that is obtained from the operations. We also studied what kind of procedures the software maintainers use to understand programs and to modify them. As a result, we found that the procedures of understanding software depend on the years of experience of the software maintainers. According to the result, we have developed a prototype of the tool "FINDMATE", that finds the effects of software modification. FINDMATE can be used to search interrelationships across the existing software resources to meet users' maintenance requirements. FINDMATE identifies affected resources, which can be used for estimation of the amount of modification operations, planning of the operation, and the actual modification.
著者
須賀 祐治 山崎重一郎 村上 美幸 荒木啓二郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.54, pp.23-28, 1998-05-29

現在、インターネット上のプロトコル,アプリケーションはセキュリティを確保するために公開暗号鍵技術を使用しているが、それらが利用できる公開暗号鍵インフラ(public-key infrastructure PKI)の整備が急務となっている。X.509標準[2]はこのインフラのベースとなるもので、認証の基本的な枠組みおよび証明書のフォーマットが規定されている。またX.509デジタル証明書はすでに多くのアプリケーションで利用されている。本報告では、異なる認証ドメインの証明書の検証が可能になり、結果的にPKIクライアントのサービス有効範囲を拡大することができる相互認証技術をディレクトリサービスを用いた方式で提案する。Many Internet protocols and applications employ public-key technology forsecurity purposes and also require a public-key infrastructure (PKI in short) to manage public keys. The X.509 standard constitutes a basis for such an infrastructure, defining data formats and authentication framework. X.509 certificates are already used in multiple applications. This document proposes cross-certification by using the X.500 Directory, and it is possible to verify certificates on another domain and also extend scopes which PKI users can receive services.
著者
織田 哲治 木戸 彰夫 小田 明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. DD, [デジタル・ドキュメント] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.17-24, 1998-05-15
被引用文献数
1

国際符号化文字集合Unicode1.1及びISO10646-1が制定されてから、既に5年余りが経過しようとしている。現在も、ISOやUnicodeコンソーシアムによって文字の追加など符号化文字集合規格としての保守作業が行われる傍ら実装に向けての整備/検討が進められている。本稿では、Unicodeの内容解説から始め、その実装についての考察、他の漢字圏の符号化文字集合との関連を述べながらUnicodeの最新動向をまとめる。また昨今、その浸透とともにますますあちこちで聞かれるUnicodeに纏わるいくつかの批判的は議論についての技術的解説を試みる。本稿は、1章と全体のまとめを織田が、2〜4章を小田が、5章を木戸が執筆した。
著者
酒井 哲也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.147-158, 2006-02-15
参考文献数
12
被引用文献数
9

本稿では,「正解レベル」を扱うことのできるもの,かつ比較的最近提案されたものを中心に,情報検索システムの評価指標について簡単に解説する.一口に情報検索といっても,なるべくたくさんの「正解」が欲しい場合もあれば「正解」が1件見つかれば充分な場合もあり,適切な評価を行うには利用シーンに適した信頼性の高い指標を用いるべきである.また,古典的な情報検索の枠組みでは手に負えない質問応答,特許検索およびXML検索という新しいタイプの検索タスクの評価の難しさについて紹介し,これらのタスクにおける検索評価指標の適用可能性についても触れる.
著者
水本智也 松本裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.4, pp.1-5, 2014-05-15

第 2 言語を学習する人が増え,コンピュータによる第 2 言語学習支援に関する研究が盛んに行なわれている.その中でも特に英語の文法誤り訂正の研究が行なわれており,文法誤り訂正の性能を競う世界規模の Shared Task が 4 年連続で開催される.学習者の犯す誤りは様々なタイプがあり,全ての誤りタイプを訂正するために,統計的機械翻訳を用いた誤り訂正が提案されている.本稿では,統計的機械翻訳による誤り訂正結果の n-best の中に,1-best の場合よりもよい訂正が含まれていることに注目する.実際の出力結果を分析することで,リランキングによる性能向上が可能であるかを議論する.
著者
仁平 和博 井上 真吾 沖原 光晴 屋代 智之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.2963-2972, 2005-12-15
被引用文献数
8

著者らは,ソフトウェアと携帯端末のみを用いて歩行者にリアルタイムかつ地域に密着した情報提供を行うためにNomadic Agent(NA)を提案している.NA とは位置情報を認識し,特定の範囲内の情報を保持したまま,その範囲内に存在し続けることが可能な一種のMobile Agent である.本論文では,NA の移動先として選択する領域を情報提供範囲外にまで広げ,最適な移動先端末を選択する移動アルゴリズムと,特定の範囲内につねに2 つのNA を発生させることで,突発的なアクシデントに対応するDNA(Dual-NA)を提案する.We had proposed and implemented Nomadic Agent (NA) for pedestrians to provide locationbased and real-time information only using software and mobile terminals. NA is a kind of Mobile Agent, which migrates between terminals based on its physical location. NA is able to keep its position on a specific area and has a function to maintain information of the area. We propose agent migration algorithms to select the optimal terminal. "DNA (Dual-NA)" which has an ability to cope with unexpected accidents. To realize these functions, NA generates its clone as backup in the specific area.
著者
田中 厚子 広田 光一 金子 豊久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.2978-2987, 1999-07-15
被引用文献数
9

本研究では 仮想物体の切断操作における反力を実時間で表現するための計算方法について提案する.計算の中では切断操作にともない物体が微小に変形することが仮定され したがって 操作者が持つ刃物の実際の刃先位置に加えて 物体の変形が解除されたときにこれが物体の上でどこに相当するかという非変形時の刃先位置が定義される.両者の相対変位とその点における変形の柔らかさとから 刃先より物体に作用する力を近似的に求め これに基づいて刃先を移動することで切断の進行を表現する.この中では 刃先に作用する力として粘性抵抗 摩擦力 切断抵抗の3種類についてモデル化を行い これらを操作反力として操作者にフィードバックする.刃先を離散点に分割することで分布力を求める.また 変形の柔らかさを定数または計算の容易な関数として与えることで 実時間での力の表現を可能とする.これを仮想空間に実装することで 切りやすさの異なる物体の表現が可能であることを確認した.また この環境を利用した作業実験を行い 切断操作における力覚情報の提示が作業効率に寄与する1つの例を示した.さらに 変形が大きい場合の処理として 非変形時の刃先と実際の刃先を一致するように物体を視覚的に変形する方法を提案し 切断中の変形表現を実現した.In this paper, a method of calculating force during cutting operation is discussed. To calculate the distribution of force on the cutting edge, we defined the cutting edge as a set of discrete points that represent the infinitesimal part of the cutting edge. We proposed a method of representing forces caused by viscosity, friction, and cutting resistance based on this discrete-edge model. We developed a virtual environment with force feedback and implemented the proposed method in the environment. As an example of cutting tasks where the sensation of force is effectively used, we simulated a 'core extracting' operation and confirmed that the task is more efficiently performed with force sensation.
著者
久野 悦章 八木 透 藤井 一幸 古賀 一男 内川 嘉樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.1455-1462, 1998-05-15
参考文献数
23
被引用文献数
65

本論文では,重度肢体不自由者のコミュニケーション支援装置として,眼球運動を利用した視線入力インタフェースを提案する.本インタフェースは,ディスプレイ内のカーソルを視線で動かし,GUI上のメニューを選択するというものである.眼球運動測定法には臨床医学の場で広く用いられているEOG法(Electoro?Oculo?Graph)を用いた.キャリブレーションの工夫と,1次遅れ要素を持つ信号処理アルゴリズムの導入により,「ドリフト現象」と「瞬き」に対応している.This paper describes an eye-gaze input interface using eye movements.This interface enables a user to move a computer cursor with eye-gaze in order to select a GUI menu.It will be useful as a communication aid for severe mobility handicapped people.As an eye movement recording method,we introduce EOG (Electro-Oculo-Graph),which is widely used in clinical medicine.Drifting and blinking are handled with a unique calibration method and a signal processing with a positive feedback loop.