著者
亘理 靖展 堀尾 一生 入江 英嗣 五島 正裕 坂井 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.79, pp.7-12, 2007-08-01

本研究室で提案しているツインテール・アーキテクチャでは,発行幅を増やさずにスーパスカラ・プロセッサに演算器を追加することで実質的に発行幅が増えたような効果が得られる.ツインテール・アーキテクチャでは並列にメモリ・アクセス可能なロード命令が増えることで大きな性能向上が得られる.しかし,プロセッサ内のロード命令の数を増やすためにはロードストア・キューのサイズを大きくする必要があり,配線遅延の増大を招く可能性がある.本論文では,ロードストア・キューからアクセス・オーダ・バイオレーションの検出機構を分離し,アクセス・オーダ・バイオレーションの検出をするバッファを別途設けることで,ツインテール・アーキテクチャにおいて,配線遅延の増大を招くことなく,同時にメモリ・アクセスできるロード命令を増加させるモデルを提案する.シミュレーションによる提案モデルの評価では,ツインテール・アーキテクチャにおいてアクセス・オーダ・バイオレーション検出時の再実行方法を理想的にしたモデルとほぼ同等のIPCの向上が得られた.We propose Twintail Architecture, an architecture which gives effect similar to widening issue width but does not lead to greater latency. Twintail Architecture contributes to superscalar processor's throughput by enabling paralell memory access. However, it seems to provoke wiring delay with enlarging the size of load/store queue for the purpose of increasing in-flight load instructions. In this paper, we propose an reasonable model which increases the number of in-flight load instructions, by decoupling the function of access order violation detection from the load/store queue and enlarging a buffer which detects access order violation. Evaluation showed proposed model improves IPC as well as ideal re-execution model.
著者
井上 倫夫 小林 康浩 加納 尚之 井上 公明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.645-651, 1992-05-15
被引用文献数
16

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は 知覚 感覚は保たれているものの 運動神経が次々に麻痺していく難病である患者の意識は明瞭であるにもかかわらず 末期においては自らの意志を第三者に伝えることがほとんど不可脂な状態となるそこで 患者の要望事項を医師や看護婦 看護人に伝達できるようなツールを開発することが切望されている本報告は このようなALS愚者向けのコミュニケーション・エイド(CA)に関するものである開発の主眼は 患者の貧弱な運動能力でも簡単な操作で文章作成ができるようにすることであるこのCAでは 患者が2文字を入力すれば それを「見出し」とする9例の文節が画面の右側に提示され 患者はその中から所望の文節を選択する仕組みになっている各文節を漢字仮名混じりで登録しておけば これらの文節の選択によって結果的に"かな"-漢字変換を行ったことになる作成された文章は 漢字仮名混じり文となり第3者にとっても読みやすいものとなるまた 全文を"ひらがな"で入力する必要がなく スイッチ操作回数と文章作成時間の双方とも減少させることができ 患者の労力負担を軽減することができる
著者
大槻知史 齋藤 直樹 中井 満 下平 博 嵯峨山 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.245-255, 2002-02-15
被引用文献数
12

本稿では,隠れマルコフモデル(HMM)を用いて,人間が鍵盤入力した演奏情報(標準MIDIファイル)の発音時刻の間隔から,意図された音価列を復元推定する手法を提案し,実験によりその効果を実証する.人間が音楽演奏する際の物理的音長は,音価に対応する正規の長さから意識的・無意識的に揺らぐため,楽譜入力や自動採譜などでは,楽譜として意図された各音符の音価を正しく推定するのは容易ではない.そこで,連続音声認識の定式化にならって,音楽的な演奏を学習・認識する原理をHMMの手法を用いてモデル化する.さらに,同様の原理により小節線・拍子推定,テンポ変化推定も可能となることを示す.This paper proposes the use of Hidden Markov Model (HMM) for rhythmrecognition from musical performance recorded in the standard MIDIfile format. Intentionally or unintentionally, physical durations ofmusical notes in human performances often fluctuate from nominallengths of the intended notes. Estimating intended note sequences is,therefore, not trivial for computers. In this paper, we formulate theprocess of understanding and recognizing musical rhythm patterns usingHMM similarly to continuous speech recognition (CSR). It is shownthat the same principle enables bar line allocation, beat recognition,and tempo estimation.
著者
王 卉歓 中谷 直司 小池 竜一 厚井 裕司 朴 美娘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.9, pp.3125-3136, 2007-09-15
参考文献数
24

近年スパムによる被害に対抗するため,ベイズ学習アルゴリズムを用いたスパムフィルタが注目されている.また,同様にメールを媒介として多くの被害をもたらすコンピュータウイルスにおいても,既存の手法では対応困難な未知ウイルスに対し,ベイズ学習アルゴリズムを用いたウイルスフィルタの研究が行われている.しかし,ベイズ理論に基づくウイルスフィルタに関する研究は,十分な検討が行われたとはいえない状況である.そこで本論文では,現在スパムフィルタとして広く用いられているPaul Graham 方式,Gary Robinson 方式,naive 方式の3 種類のベイズ方式を用いたスパムおよびウイルスフィルタとしての性能に関する考察と,メールに対しスパム検出と同時にウイルス検出を行ううえで実装コストの面で有利になる,スパムとウイルス両方のフィルタで高い性能を示す新しいベイズ方式の提案を行う.実験により提案方式は従来方式によるベイジアンフィルタよりも,同等あるいはより低い誤検出率を維持したまま,より高い検出率をスパムとウイルス両方において実現可能であることが示された.The spam filter that used Bayes learning algorithm was paid attention in recent years as the countermeasure for damages of spam. In computer virus that causes a lot of damage through the medium of mail, the existing technique is difficult to take the countermeasure against the unknown virus. Some researches including us have studied and developed the virus filter that use the Bayes learning algorithm. But it seems that the enough research has been not done until now. In this paper, we compare the performance of spam filters and virus filters that use Paul Graham method, Gary Robinson method, naive method which have previously shown a good performance and widely have been used as spam filter. We also propose the new Bayes method that shows best performance of both spam filter and virus filter. It has advantage that we can detect a number of virus and spam mails at the same time in respect of the mounting cost. As the result, it is possible that the proposed method outperforms three original methods in exterminating both spam and virus with the same or lower false detection rate.
著者
中山 泰一 角田 博保
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.11, pp.1-6, 2013-12-07

通教科 「情報」 の高等学校学習指導要領では, 「多くの情報が公開ざれ流通している現状を認識させるとともに,情報を保護することの必要性とそのための法規及び個人の責任を理解させる」 と規定されており,その内容の取扱いとして,「知的財産や個人情報の保護などについて扱い,情報の収集や発信などの取扱いに当たっては個人の適切な判断が重要であることについても扱うこと」 と記されている.一方,国,地方自治体,独立行政法人などの行政機関から情報を収集する意義や手続きについてはあまり扱われていない.本稿では,行政機関の公文書という生の情報を収集することは市民社会を健全に育成するために重要であるとの観点から,大学の教職科目の情報科教育法への公文書公開手続きの活用について,実践例とともに議論する.One of the purposes of the high school's official subject of the `Information' is stated in the courses of study "to enable the students understand current situation of a flood of information disclosed and communicated within the society as well as the needs of protection of the information and the problems arising in the course of collection and emission of information including individual person's responsibility relating thereto". Despite the above description referring to the disclosure of information, we have not dealt with the process for the collecting information from the national and local governments or quasi-government bodies. In this paper, in light of our belief that collecting raw information from the government bodies is invaluable for developing healthy democratic society, we would like to discuss about the ways in which we utilize the public information disclosure system in our teacher-training program for information education.
著者
中村 嘉志 友部 博教 須永 剛司 西村 拓一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.23-28, 2008-01-31
被引用文献数
3

本稿では,ワークショップ(参加体験型の創造的活動)での活動記録を目的として,記録した複数の音響信号から,参加者のその場における位置履歴を推定する手法について述べる.提案手法は,ワークシヨップの音声記録を行うだけでなく,位置センサや方向センサを用いなくとも,録音装置と音源装置を用いるだけで参加者の位置履歴を推定することができる.音源装置から発せられた固有音は録音装置で記録され,この固有音を頼りに解析することにより,オブジェクト(ヒトやモノ)のそれぞれの位置関係を抽出する.ユーザは,抽出された位置関係を位置による活動履歴として後で振り返ることができる本稿では〆予備実験を通して提案手法の有効`性を評価する.This paper proposes an activity capture method of attendees and facilitators for indoor interactive work shops, which are events designed for participatory learning and creative endeavors in group. Without any special location sensors or direction sensors, a simple acoustic recorder and player for every user and artifact in the workshop enables the method to estimate the user location history as well as recording the audio scenery. Each audio signal captured by a recorder is analyzed and identified as a specific sound emitted from a corresponding audio player. The locations and orientations of all users are estimated by collecting all the information in the vicinity of each attendee. Users can re-experience the workshop audially and visually using a map of the workshop room and attendees' locations and orientations. Our preliminary experimental results demonstrate the feasibility of our estimation method.
著者
土岐 真里奈 牛尼 剛聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.35-45, 2013-09-27

本論文では,Twitterに代表されるソーシャルストリームに対するユーザの閲覧時の振舞いから,ユーザのプロファイルを構成する手法を提案し,被験者実験により有効性を評価する.本手法では,ソーシャルストリームの閲覧時におけるユーザのスクロール操作を利用し,各ツイートを読む時間(滞留時間)を推定する.そして,推定した滞留時間に基づいてユーザプロファイルを構成する.本論文で提案するユーザプロファイルは,単語に対する興味を表す「興味単語プロファイル」と,コンテンツの発信者に対する興味を表す「興味ユーザプロファイル」から構成される.興味単語プロファイルを構成するために,TF-IDF法を滞留時間によって拡張したTF-IDF-RT法を提案する.また,興味ユーザプロファイルを構成するために,滞留時間に基づいてユーザが興味を持つ投稿者を推定する手法を提案する.提案手法で構成したユーザプロファイルを利用して推薦されるツイートに対して,ユーザが興味の度合いを評価するタスクに関する被験者実験の結果に基づいて,提案手法の有効性を示す.In this paper, we introduce a method for composing a user profile of a user based on browsing behaviors of the user on social streams such as Twitter, and evaluate the effectiveness of our method based on subjective experiment results. The proposal method estimates the time of reading each tweet (retention time) in a timeline according to scrolling operations of the user on the timeline, then compose a profile of the user based on the estimated retention times. The user profile that is proposed in this paper consists of interest word profile and interest user profile; an interest word profile represents which subjects the user is interested in, on the other hand, an interest user profile represents which users the user is interested in. In order to compose an interest word profile, we introduce the IF-IDF-RT method, which is an expansion of the TF-IDF method with the retention time. On the other hand, in order to compose an interest user profile, we introduced an technique for estimating other users who interests the system based on the retention time. We evaluate the effectiveness of our method based on subjective experiment results on the tasks that extract tweets that interest the subjects from timelines by means of the user profiles that our method composed.
著者
竹渕瑛一 山田泰弘 鈴木浩 服部哲 速水治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.381-383, 2013-03-06

昨今,いくつかのWebAPIを組み合わせることで新たなWebサービスを立ち上げるマッシュアップの事例が増えている. 提供されるWebAPIの多くは,特定のURLに対しリクエストを発行することによって,リクエストに応じたデータを得られる方式を採用している.取得時の処理はサーバサイドで行われている. 本研究ではWebAPIをクライアントサイドで動作させる方式の検討と評価を行った.試作システムとしてPixivを対象に提案方式によるWebAPIを実装した.従来方式ではWebAPIをサーバサイドで動作させるが,提案方式ではクライアントサイドにWebAPIを設置し,逐次サーバサイドのWebページにアクセスすることでデータを取得する.
著者
亀澤 寛之 野村 真義 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.80, pp.25-32, 2003-08-04

ネット上でサービスを行うサーバプログラム、特にウェブサーバの性能に関する研究はこれまで多くなされてきた。しかし、家庭内へのネットワークの普及、複雑化するサービス、サービスの種類増大に伴うファイルサイズの増大を考慮すると、サーバの性能向上は未だ重要課題である。コンピュータやネットワークスイッチの価格性能比の向上もあり、近年のサーバ/OSに関する研究は、OS の改善等よりサーバの性能向上を行うより、クラスタ化やハードウェアの性能をあげる事による性能改善を行う議論が多くなされてきた。しかし、サーバプログラムの性能を議論する上では、単一マシン上での実験によるパラメータの計測も不可欠である。本稿では、独自に開発した実験用OS(Orbと呼称)上で、様々なパラメータとシングルスレッドウェブサーバ、thttpd の性能測定を行う。Orb は キメラ的なOSであり、オリジナルなコードを多く含むが、他のOSから流用したコードも含んでおり、Linux2.4 のほとんどインタフェイスに加えて、BSD でサポートされるkqeueue を実装している。thttpd(www.acme.com)は single thread で poll/kqueue mmap と 非同期socket を用いた高速webサーバである。計測結果では、cpu が networkに追いつく場合には個々の要素のオーバヘッド改善よりもスケジュールが問題になる事示す。There are many studies for performance improvement of Internet Servers, especially web servers.Current trend of increasing home internet users, more and more complicated service,large file size with variety of services, show improvementing web server performance is still impotrant problem. With decreasing cost of computers and network switch, recent studies for server/OS are about performance of clustering, hardware enhancement,performance with security,instead of perfomance improvement with new OS interface.However for considering server application program, it is important that performance measurements on single machine. In this paper,we present performance measurement of thttpd\cite{ACME}, on Opereating System ``Orb'' which we developped.Orb is a kimera OS,has original code and imported code from Linux and BSD,and support Linux2.4 interface + BSD's kqueue.thttpd is a very fast web server developped by ACME Laboratory.That is designed as single-threaded web server,using poll/kqueue,mmap,non-blockin socket.From our experiments, when cpu overcomes network,scheduling is more important than each working cost degration techniques.
著者
若宮 翔子 李 龍 角谷 和俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.159-176, 2013-06-28

今日の都市における交通ネットワークの複雑化や人々の活動領域の拡大などにより,都市空間での近接感は単に地理的な距離だけでなく移動時間や訪れる頻度によって歪んでおり,あらゆる場所間の近接関係を直感的に測ることが困難である.そのため,ユーザの目的ごとに距離や時間などの観点から都市空間での近接性の歪みを考慮して近接したところを容易に探せるようにする必要がある.本研究では,経験的・社会的な観点から生じる空間の歪みによる都市地域の複雑な近接関係を抽出するために,位置ベースSNSを通した群衆の移動経験に基づく地域間の近接性分析手法を提案する.具体的には,都市空間での膨大な群衆のライフログが簡単に得られるTwitterを用いて実空間における群衆の移動経験を観察し,市区町村を単位とした地域間の近接性を測定し,都市空間における地域クラスタ間の空間的な歪みを分析する.実験では,Twitterにおける群衆のライフログと社会調査の一環として地域間の移動量を集計したパーソントリップOD量データを用いて群衆の移動経験を抽出し,移動距離,移動時間,移動量の観点で測定した地域クラスタ間の近接性を比較する.また,日常生活における規則的な移動に関する調査結果であるパーソントリップOD量データと比べ,Twitterのデータを用いた群衆の移動経験では,より多様な目的の移動経験を中心とした地域クラスタ間の近接性を観察することが可能であることを示す.Due to the growing complexity of urban areas by sophisticated transportation network and dramatically expanding area of human activities, urban areas are conceptually distorted in terms of moving time and familiarity, consequently making it difficult to intuitively comprehend the overall distortion of urban areas. Hence, it is critical to support user's urban exploration considering the dynamic nature of the urban areas. In this work, in order to figure out and utilize the distortion of urban space, we propose a method to analyze urban proximity based on location-based social networks. In particular, we observe crowd movements through Twitter, which can provide lots of crowd's daily moving activity logs, for the purpose of deriving the distorted urban image as an index map. In the experiment, we examine the availability of Twitter as a source to observe crowd movements to analyze distortion of urban space, in comparison to person trip OD (Origin-Destination) data, which is a social survey to investigate people's movements between urban areas. Finally, we will show the significant benefit of Twitter utilization for crowd movement observation, particularly reflecting on a variety of human activities which cannot be easily acquired with the conventional social investigations.
著者
鷲野 浩之 岡野 祐一 川又 武典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.11, pp.55-61, 2008-01-31

近年,タッチパネルを搭載した電子機器が広く普及している.PDAやカーナビなどをはじめとして,最も多く利用されているのはアナログ抵抗膜タイプのタッチパネルであるが,アナログタイプのタッチパネルでは,デジタルタイプのように2点を同時に検出することができないため,2点タッチを利用したユーザ・インタフェースを実現することができなかった.本研究では,タッチパネルの両端にある直交する4つの端子の抵抗値の変化に基づいて2点タッチを精度良く検出するとともに,対向する2つの端子の抵抗値の変化に基づいてタッチされた2点間距離を検出することで,アナログ抵抗膜タイプのタッチパネルにおいても,2点タッチを利用した拡大・縮小などのユーザ・インタフェースを実現する.Resently, IT device with touch panel interface is a part of modern life. The touch panel of the analog resistance sensing type is most common, and it is used for PDA and the car navigation system, etc. However, it is difficult to detect multi-point touching on the analog type touch panel, and is not able to provide User Interface using multi-point touching. In this research, we developed a technique that can detect multi-point touching based on the resistances between the orthogonal 4 terminals of the two-layered panel, and can detect the distance between two points touched on the panel based on the resistances between the facing 2 terminals. This method enables us to provide User Interface using two-point touching such as zoom in/out display of the image.
著者
片山 徹郎 菰田 敏行 古川 善吾 牛島 和夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.2223-2232, 1993-11-15
被引用文献数
3

ソフトウェアのテストを行う際、テストデータについての条件を記述したテストケースは、ソフトウェアの信頼性向上に重要な役割を果たす。逐次処理プログラムのテストケース作成技法については、さまざまな方法が実用化されている。しかしながら、並行処理プログラムの場合、テストケースの考え方すらほとんど研究されていない。並行処理プログラムが実用化されるようになり、並行処理プログラムのテストの質を向上させることが重要になっている。本稿では、並行処理プログラムのテストケースの定義、およびその生成ツール(TCgen)の試作と利用経験について述べる。プログラム単位ごとに事象グラフを作り、事象グラフ間で同期する節点を同期関係で結んだ事象同期グラフ(ESG)によって、並行処理プログラムをモデル化する。事象同期グラフ上の協調路(Copath)を、並行処理プログラムのテストケースと定義する。テストケース生成ツールTCgenは、プログラミング言語Adaで書かれた並行処理プログラムを入力とし、協調路を出力とするツールである。ツールTCgenによって作成された協調路は、テストケースの漏れや重複を少なくすると期待される。しかしながら、実際のテストデータを作成する段階で、実行可能性についての間題が残る。
著者
戀津魁 伊藤彰教 三上浩司 近藤邦雄 菅野太介 金子満
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.1, pp.605-607, 2011-03-02

映像作品を制作するにあたって,初めに作成される情報としてシナリオがある.シナリオなくして映像制作をするのは非常に困難であり,シナリオ執筆は必須の作業と言える.しかし,シナリオを記述するためにはキャラクター設定やエピソード等膨大な情報を考え,記述したものを管理する必要があり,シナリオ執筆自体にかかる以上の労力を必要とする.そこで本研究では,PHPとMySQLデータベースを用いてシナリオライターの情報管理を補助するシステムを開発した.Webブラウザを介して執筆過程の情報を随時データベースシステムに登録し,好きなタイミングでユーザーが参照できるインターフェースを作成した.また,記述された情報を自動的にシナリオの体裁を整えた形に表示する機能を実装した.これによって,多種・多数に渡る中間生成物をシステムが管理するためライターの負担を軽減し,また執筆完了後は記述された情報を効率的に参照できる形として出力可能になる.
著者
海沼賢 宮下 芳明 西本 一志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.24, pp.113-120, 2006-03-14
被引用文献数
1

本研究では3Dマップ上を自由にウォークスルーしつつ,その地形に触発されて思いついたコメントを書き捨てて行けるシステムを開発し,小説創作における支援を試みた.まずオーサーは自分のイメージする物語の舞台となるマップを作成し,物語構築に協力してもらいたいビジターに配布して,思い思いの「妄想」を書き込んでもらう.オーサーは作品執筆の際,ビジターによって多くのコメントが書き込まれたマップ上を歩き回り,他者の妄想を拾い読みながら自らの発想の糧にしていく.これにより一人の人間による発想の限界を超えた多種多様なアイデアを得ることが可能となり,発想の行き詰まりを打開すると期待される.本稿では,マップをビジターに配布して発想を集めるビジター実験と,それを用いて実際小説の執筆を行うオーサー実験によってシステムの評価を行った.We developed a system that the users can walk through a 3D map and can write and leave their whimsical thoughts with basis on its terrain. In this paper, we evaluated its potential as support for writing novels. At the very start, the author creates a 3D map that forms a setting of his story, and distributes it to the people (visitors) whom the author wants to help him. The visitors write their whimsical thoughts freely; the author strolls on the map, browsing the comments, and gets new inspirations from them. In this way, the author collects many ideas that cannot be cooked up by himself, and finally may end a deadlock. To examine how the system actually works as we intended, we conducted two experiments. In the first experiment, we collect whims using the system, and analyzed what types of comments can be collected. In the second experiment, we took five people writing a novel with the system, and observed their activities.
著者
研谷 紀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.1-5, 2013-07-27

2010 年代より普及した、タブレット端末に対応する Digital Cultural Heritage が多数開発され公開されてきている。タブレット端末が普及する黎明期に、どのような文化資源を対象としたコンテンツが発売されたかを把握することは、将来 Digital Cultural Heritage の歴史を編成する上で、重要な記録となろう。記録を行う上では、文字によるメタデータの形で残すことが必要であるが、どのような項目を遺すべきかについて検討する必要がある。また、メタデータ情報を形成する場合、Apple 社の Apple iTunes Store などの公開頒布サイトで公表されているメタデータを活用することが考えらえる。本試論では、主に公開頒布サイトで公開されているメタデータが Digital Cultural Heritage の記録を遺すメタデータとしてどの程度有効であるかを検証する。その上で、タブレット向けの Digital Cultural Heritage の存在をどのように後世に残していくかについても検討する。Digital Cultural Heritage has been developed and published for the tablet machine which spread out in 2010s.It becomes important for considering and descripting about the history of Digital Cultural Heritage in the future to record content of it. Although literal metadata should be reserved, we should consider what kind of element should be adapted. And, one method of constructing metadata is adapting metadata which published in Apple iTunes Store .In this tentative study, I verify the availability of metadata which published in Apple iTunes Store as preserved and succeeded metadata for Digital Cultural Heritage. Moreover, I considered how to record existence of Digital Cultural Heritage for tablet in the future.
著者
福地 健太郎 暦本純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1682-1692, 2005-07-15
参考文献数
26
被引用文献数
3

多点入力システムとは,ユーザがGUI画面上の複数の箇所を同時に独立に指示できるシステムである.このシステムにより,画面上の複数のオブジェクトの同時操作や,オブジェクトに対する多様な操作を可能にする.我々は,非接触の人体形状センサであるSmartSkinを用いて多点入力システムを構築した.SmartSkinは,センサ面上にある複数の手指の位置形状を,静電容量の変化を感知して計測する.試作システムでは画像処理技術を応用して,10個以上の指先位置を実時間で追跡する.また,手全体の形状の動きを解析し,複数オブジェクトの同時操作のための新しい技術を開発した.本論文では多点入力システムの実装について述べ,同システムを用いた新しい対話技法を紹介する.Multiple Pointing Input System (MPIS) allows multiple users to point to multiple positions on a graphical screen independently. It enables to control multiple objects on the screen simultaneously or increases the variety of manipulation. We implemented a new MPIS on SmartSkin, a sensor architecture for freehand manipulation. This sensor recognizes multiple hand positions and shapes and calculates the distance between the hand and the surface by using capacitive sensing and a mesh-shaped antenna. The prototype system can track over 10 fingertips motions simultaneously in real time. We also developed a new interaction techniques, which tracks the motion of the hand for massive concurrent manipulation. This paper describes the implementation of MPIS and new interaction techniques on the system.
著者
福地 健太郎 暦本純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.1682-1692, 2005-07-15
参考文献数
26
被引用文献数
3

多点入力システムとは,ユーザがGUI画面上の複数の箇所を同時に独立に指示できるシステムである.このシステムにより,画面上の複数のオブジェクトの同時操作や,オブジェクトに対する多様な操作を可能にする.我々は,非接触の人体形状センサであるSmartSkinを用いて多点入力システムを構築した.SmartSkinは,センサ面上にある複数の手指の位置形状を,静電容量の変化を感知して計測する.試作システムでは画像処理技術を応用して,10個以上の指先位置を実時間で追跡する.また,手全体の形状の動きを解析し,複数オブジェクトの同時操作のための新しい技術を開発した.本論文では多点入力システムの実装について述べ,同システムを用いた新しい対話技法を紹介する.Multiple Pointing Input System (MPIS) allows multiple users to point to multiple positions on a graphical screen independently. It enables to control multiple objects on the screen simultaneously or increases the variety of manipulation. We implemented a new MPIS on SmartSkin, a sensor architecture for freehand manipulation. This sensor recognizes multiple hand positions and shapes and calculates the distance between the hand and the surface by using capacitive sensing and a mesh-shaped antenna. The prototype system can track over 10 fingertips motions simultaneously in real time. We also developed a new interaction techniques, which tracks the motion of the hand for massive concurrent manipulation. This paper describes the implementation of MPIS and new interaction techniques on the system.
著者
高橋 聡子 岩井 輝男 田中 良夫 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.1050-1057, 1997-05-15
参考文献数
14

リスト処理プロセスとGCプロセスを同時に複数動作させることによって,リスト処理を並列化することによる処理時間の短縮が可能になった.しかし,セルの消費のペースはアプリケーションによって異なり,CPUの数も計算機によって異なるので,リスト処理プロセスの最適な数はアプリケーション,計算機によって異なると考えられる.本稿では,セルの消費速度やフリーセルの残量によってリスト処理プロセスとGCプロセスのCPU割当てを動的に決定する機能により,Lispの代表的なアプリケーションに対し,処理速度と実時間性とのバランスのとれた処理を行うことを可能とする並列Lispシステムの報告を行う.本システムの実装にあたっては,できるだけリスト処理の中断が生じることがなく,リスト処理に最大数のCPUが割り当てられるようCPU割当てのパラメータを設定し,CPU割当てを動的に決定した.その結果,リスト処理の中断がなくなり実行時間が短縮された.Parallel lisp system with parallel garbage collection(GC)can produce improvements in throughput by executing list processing in parallel.But,the optimal number of list processes and GC processes depends on machines and applications because the number of processors on a machine and cells which are consumed by various applications is different.In this paper,we report parallel lisp system which makes it possible to balance throughput and real time performance by dynamic allocation of CPU depending on speed of consuming cells and the number of remaining free cells.We dynamically changed CPU allocation according to the parameter which was set to avoid a disruption of list processing and allocateas many CPU as possible to list processing.Consequently,our system yielded improvements in throughput without any disruption of list processing.