著者
岩井 洋
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.273, pp.37-42, 2002-08-15

LSIの消費電力は増加の一途を辿ってきた。チップの消費電力もそろそろ本当の限界に到達しつつあるというのが大方の見方となっており、CMOSLSIの低電力化技術が真剣に検討されている。本論文では最近の低消費電力技術とその問題点を紹介するとともに、低消費電力技術にとって重要なゲート絶縁膜薄膜化技術の最近の動向を紹介する。
著者
那須野 薫 松尾 豊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.338, pp.25-28, 2013-11-27

2013年参議院選挙において国政選挙として初めてインターネット選挙運動が解禁された.情報拡散による有権者への認知度向上や働きかけの機会増加などを狙い,多くの候補者がマイクロブロギングサービスのTwitterを選挙運動に利用した.本稿では,Twitterにおける候補者アカウントの状態や情報拡散に焦点を当て当選者の予測を試みる.Twitterから直接取得できる6つのアカウントの状態に関する素性(フォロワー数,フレンド数選,挙期間中のツイート数など.以下,素性A)に加え,本稿で提案する3つの情報拡散に関する素性(情報拡散の大きさ,多様度,忠誠度.以下,素性B)を用いて教師あり学習のRandom Forestにより当選者を予測する.予測実験の結果,素性Aと素性Bを同時に利用した予測では,素性Aのみを利用した予測より予測性能(F値)が約12%向上した.また,各素性の予測への重みや選挙当落との相関から,当選するためのTwitterにおける望ましい状態が示唆された.
著者
鶴 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.292, pp.45-48, 2013-11-07

TCP/IPネットワーク(インターネット)の管理運用において、広域性・多様性・分散管理性を克服するためにネットワーク計測技術が着実に進歩してきた。筆者は10年来ネットワーク計測と関わり、部分から全体へ、検査・診断から治療・予防へ、という研究の流れの中で、逆問題としての多様性を楽しんできた。本稿では、ネットワーク時刻同期、ネットワークトモグラフィ、ユーザ連携計測などのアクティブ計測を例としてその面白さを伝えたい。最後に、SDNやビッグデータ技術の進展も踏まえながら、今後の課題や展望を論じる。
著者
伏見 卓恭 斉藤 和巳 池田 哲夫 武藤 伸明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.1158-1165, 2013-05-01

社会ネットワーク分析の分野で重要ノードを抽出する指標として中心性指標が提案されており,これらはノードの独立的な性質により,各ノードをランキングする手法である.本論文では,集合内での各ノードの協調的振舞いを想定して,任意のノード群に対する指標として拡張した集合中心性を提案する.集合中心性は,集合内で各ノードが互いに影響し合う点を考慮し,集合としての中心性値が高くなるようなノード集合を抽出する.集合次数中心性を求める問題はK-vertex covering問題に帰着し,集合近接中心性を求める問題はK-median問題に帰着できることを示す.集合媒介中心性においてK個の重要ノードを選定する問題は,看板配置問題という新たな数理問題の一解法であることを示す.更に,集合媒介中心性を効率的に求めるアルゴリズムを提案する.複数の構造の異なるネットワークを対象とした評価実験より,道路網上への看板配置問題への応用が期待できることを示す.
著者
小川 将史 井上 真郷
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.306, pp.321-328, 2014-11-10

本研究では,組み合わせ最適化問題である『複数巡回セールスマン問題』の厳密な最適解の探索を行う.この問題では,全ての都市を何れかのセールスマンが一度ずつ訪れて共通の出発地点に全員戻るのに要する時間を最小にしなければならない.ゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)とsimpathアルゴリズムを応用することにより,条件を満たす解を全列挙し,最適解の効率的な探索が可能なアルゴリズムを提案する.
著者
小川 将史 井上 真郷
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.306, pp.321-328, 2014-11-17

本研究では,組み合わせ最適化問題である『複数巡回セールスマン問題』の厳密な最適解の探索を行う.この問題では,全ての都市を何れかのセールスマンが一度ずつ訪れて共通の出発地点に全員戻るのに要する時間を最小にしなければならない.ゼロサプレス型二分決定グラフ(ZDD)とsimpathアルゴリズムを応用することにより,条件を満たす解を全列挙し,最適解の効率的な探索が可能なアルゴリズムを提案する.
著者
鈴木 洋一郎 石丸 敦彦 大塚 久之 南谷 晴之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.1, 1996-03-11

ストレス社会といわれる昨今,疲労・ストレスといった主観量は具体的に定量化されておらず,問題視されていながらも適切な処置がなされないまま疾病にいたるケースも珍しくない.そこで,ストレスや疲労を生理的パラメータで定量化しようという試みから,口中で手足を拘束せず比較的安定に測定が可能なマウスピース型を採用した.更に無拘束化のためテレメトリシステムを構築し,体温,唾液pH,呼吸を測定した.
著者
山之上 卓 吉村 圭一郎 小田 謙太郎 下園 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.495, pp.59-65, 2015-02-26

Twitterの呟きがその模様に現れる「着る電光掲示板」の開発について述べる.この掲示板を着た人は,歩く広告塔となるだけでなく,災害発生時の連絡通知手段となる可能性を持つ.
著者
山之上 卓 吉村 圭一郎 小田 謙太郎 下園 幸一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.495, pp.59-65, 2015-03-05

Twitterの呟きがその模様に現れる「着る電光掲示板」の開発について述べる.この掲示板を着た人は,歩く広告塔となるだけでなく,災害発生時の連絡通知手段となる可能性を持つ.
著者
吉田 龍生 フォン ヤオカイ 内田 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.357, pp.55-60, 2012-12-06

本研究の目的は,プロジェクタから投影されたスクリーン上でタッチスクリーン操作を実現することである.その一つの手段として,スクリーンのタッチパネル化が考えられる.しかし,タッチパネルの大型化にはコスト面での課題が残る.そこで,カメラ・プロジェクタシステムを用いることを考える.カメラ・プロジェクタシステムとは,既存のプロジェクタシステムにカメラを備えつけ,そのカメラから得られる情報とプロジェクタの特性を活かし,構築するシステムである.本研究において,構築するシステムに用いるカメラは,web カメラ1 台と限定する.そうすることで,タッチパネルの大型化に残るコスト面での課題を克服することが可能である.カメラ・プロジェクタシステムによるタッチスクリーン操作の実現には,指領域の検出,スクリーンへの接触検知,トラッキングが必要となる.本稿では,まず指領域の検出及びスクリーンへの接触検知の方法について述べる.そして,トラッキングの手法を提示し,その手法による実験を行ない,タッチスクリーン実現への検証を行なう.
著者
北村 裕貴 湯浅 将英 武川 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.457, pp.55-60, 2010-03-01

本研究は人同士のコミュニケーションにおいて視線によって伝わる意図や興味の理解と表出の仕組みを探り,意図や興味を表現できるロボットの視線動作をデザインすることを目的とする.人の意図や興味を理解すると同時に,人にわかりやすく意図や興味を伝える親密なコミュニケーションができるロボットの開発に寄与することを目指す.ここでは,特に人の興味や意図を表わす「いる」「いらない」を表す視線動作に注目し,人の視線によって意図を伝える場合とロボットの視線によって伝える場合とを比較する.コミュニケーションロボット(Phyno)を用いて評価実験を行った結果,ロボットの視線動作も人の場合と同様に人により理解可能であることを明らかにする.また,ロボットと人では凝視時間によって「いる」,「いらない」の解釈が変わることを示す.
著者
内田 英夫 木曽 茂 柳沢 武三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響
巻号頁・発行日
vol.95, no.304, pp.1-6, 1995-10-19

一般幹線道路において、3ヶ月間にわたり10分おきに道路交通騒音を測定し、道路交通騒音の日変化について検討した。その結果、月曜日の朝から土曜日の午前ぐらいまでは同じ日変化になることが明らかとなった。日変化の原因を知るために、30分おきに交通量と車速を調査した。その結果道路には交通容量があり、交通量と車速がおおむね2次曲線的な関係にあること。このため交通量がある範囲では騒音レベルが余り変化しないことが明らかになった。
著者
坂本 修一 小玉 純一 本郷 哲 岡本 拓磨 岩谷 幸雄 鈴木 陽一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EA, 応用音響 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.171, pp.19-23, 2010-08-02

我々は,多数のマイクロホンを設置した球状マイクロホンアレイSENZI(Symmetrical object with ENchased Zillion microphones)を収音に用いた音空間収音・再生手法を提案している.これまでの研究結果から,SENZIを設計する際に,1)空間的折返し歪みの影響を避けるためできるだけ密にマイクロホンを設置すること,2)制御方向の間隔を5°以下にすること,3)SENZIの直径を聴取者の頭部サイズに合わせること,といった設計指針が得られてきた.本報告では,この指針にしたがって設計,実装した252chのECMマイクロホンから構成されるSENZIシステムについて記す.計算機シミュレーションにより再現される音空間の精度を検証した結果,設計した252chの球状マイクロホンアレイにより,音空間を精度高く収音できることが示された.
著者
大野 敬弘 鹿嶋 雅之 佐藤 公則 渡邊 睦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.427, pp.325-332, 2008-01-10
被引用文献数
1

近年、銀行ATMなどでは暗証番号として、4桁の数字が多く利用されている。しかし一方ではカードの偽造や、暗証番号入力時の盗撮はあとをただないのが現状である。そこで静脈認証システムなどのバイオメトリクスが普及してきているが、その導入コストはかなりの高額となる。本研究では可動性の高い部位として手形状を用いたセキュリティキー入力システムについての研究を行うことを目的とする。手形状認識に必要なパラメータとして、手の開閉、指の本数、指の種類の3種類のパラメータを取得し認識を行う。認識された手形状を暗証番号の替わりにして、セキュリティキーとするものである。また赤外線カメラを用いることで、照明条件や肌の色に左右されず、安定した画像が取得できるという特徴がある。手形状認識及びセキュリティキー入力実験を行い、提案法の有効性を示した。
著者
鳥海 不二夫 石田 健 石井 健一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.1135-1143, 2010-07-01
被引用文献数
4

近年,SNS(Social Networking Service)やBlogなどインターネットを利用したコミュニケーションツールの利用が増加している.我々はネットワークの視点から小規模SNSを分析し,どのような構造が形成され,成長しているかを明らかにし,mixiなど大規模なSNSとの構造を比較することで,小規模SNSの特色を明らかにした.また,分析結果に基づいてSNSのネットワーク成長モデルの提案を行った.その結果,Fitnessモデル,CNNモデルを併用したモデルによって,実際のSNSと類似したネットワークを構築可能であることが確認された.
著者
杉本 等 曽根 秀昭 高木 相
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-II, エレクトロニクス, II-電子素子・応用 (ISSN:09151907)
巻号頁・発行日
vol.77, no.9, pp.371-376, 1994-09-25
被引用文献数
20

Agコンタクトにおける,アークと性能(接触抵抗,消耗転移)の関係の詳細を分析する目的で,毎回動作ごとのアーク継続時間と接縦抵抗を同時に測定する実験を行った.従来から,接触抵抗は,メタリック相のみで終わるアークが続けば低く安定し,ガス相まで移行するアークが続けば高くなることが筆者らの実験から知られている.本論文では,両者の関係がアークのメタリック相とガス相の両相でいかに異なるかを見るため,電流条件を2.5〜3.5Aに設定しガス相移行率を変化させ実験を行った.その結果,アーク継続時間とアーク直後の接触抵抗との間に強い相関があることを明らかにした.アークがガス相へ移行しなければ接触抵抗は40mΩ程度で安定する.ガス相へ移行するアークがあった直後に,接触抵抗は3〜40mΩ程度上昇する.ガス相へ移行するアークが更に続けば,動作ごとに3〜10mΩ程度ずつ増大し10mΩ程度まで高くなる.その後メタリック相のみで終わるアークが発生すれば,接触抵抗は100mΩ程度から動作ごと3〜10mΩ程度ずつ低下し,10回から20回続けげ40mΩ程度の低い値に安定することが明らかとなった.
著者
長谷山 美紀 金子 千晶 北島 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.661-664, 2005-03-01
被引用文献数
1

リング周波数フィルタは, 高速かつ高精度に眉間の位置を検出できるが, 前髪を眉の近くまでおろしている人の顔に対しては, 適用ができない.本論文では, このような場合にも, 適用を可能とするためにフィルタの適用領域を限定する前処理を提案する.
著者
中尾 好佑 峯 恒憲
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.51, pp.31-36, 2009-05-15

ブラウジング支援のための情報推薦手法として、「関連ページ推薦」を提案する。関連ページ推薦とは閲覧中のWebページと関連が深いと思われるWebページを推薦する手法であり、この手法によりユーザによりパーソナライズされたブラウジングを提供することができると考える。ページ間の関連の深さはユーザの履歴を分析することによって算出される。本研究では、ユーザの閲覧履歴が林構造にマッピング可能であるということ、またタブブラウザにおいて異なるタブで同時に出現するページの間には共起性があるという仮説に基づいた関連度の算出法を提案し、さらに行った実験の結果を考察することで今後の課題、方針を示す。
著者
早川 稔 力宗 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.450, pp.67-72, 2010-02-25

Webアクセシビリティが注目される中,スクリーンリーダ等に触れたことのないWeb製作者が多く,また,音声読み上げに配慮されたWebサイトも少ない.そこで,本研究では,音声配信のWeb APIを用いた音声読み上げシステムをFirefoxのアドオンであるGreasemonkeyスクリプトとして開発した.本システムを導入することによりFirefox上で表示されるWebページを音声で読み上げることができる.また,FirefoxのアドオンであるGreasemonkeyで動作するシステムのため,古いバージョンのFirefoxでも動作し,OSの種類やマシンなどの環境に依存しないのが特徴である.
著者
森 武宏 小亀 英己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.898-901, 1993-06-25

カリトノフの定理は,70年代末に初めて報告された,どちらかと言えば古典的な内容の多項式の安定定理である.80年代半ばに至って,ロバスト制御理論の隆盛を背景に改めてその価値が見直され,ロバスト安定解析に関連したさまざまな研究の動機を与えてきた.また,その意味するところの大きさに比して定理自身は至って簡潔であるが故に,定理そのものが研究の対象となり多くの別途証明が提示されている.それらは,おおむね,周波数領域における議論に基づくものである.定理は多項式のフルヴィッツ安定性に関するものであるから,フルヴィッツの安定規範との関連が探られてしかるべきと思われるが,筆者らの知る限りこの線に沿った検討はいまだ報告されていない.本論文は,この課題に取り組んだ結果を報告するものである.すなわち,フルヴィッツ安定判別法を主要な道具にして,カリトノフの定理を証明する.フルヴィッツ規範のほかに,従前の多くの結果と異なり多項式の根とこの根における他の多項式の値の符号をもとにして求める結果が導かれてる.