著者
丸家 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRU, パターン認識・理解
巻号頁・発行日
vol.93, no.395, pp.65-72, 1993-12-16

ステレオ立体計測で得られた物体表面上の画像、すなわち曲面上のテクスチャを2次元平面に展開し、平面テクスチャを生成する方式を提案する。ステレオ立体計測の目的の一つの被計測物体のCD画像の作成であるが、計測時テクスチャは曲面上の画像としては得られるため、そのままではテクスチャマッピングに利用できない。提案法によりテクスチャマックピングを利用したテクスチャ表現が可能になり、少数のポリゴンでも計測されたデータを有効に利用したリアルな表示が可能となる。また本方式では展開図を用いるため、テクスチャの記録密度がほぼ一定であるという特徴もある。
著者
草島 直紀 ルイズデルガド アルバロ 示沢 寿之 横枕 一成 今村 公彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.490, pp.249-254, 2015-03-04

近年の急激なトラヒック増加に対応するため,3GPP(The third Generation Partnership Project)では,LTE(Long Term Evolution)リリース13において,ライセンス帯域からの補助によるアクセスを前提に,5GHz帯のライセンス不要帯域でLTEを運用するライセンス補助アクセス(LAA:Licensed-Assisted Access)の検討が行われている.しかしながら,ライセンス不要帯域では無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)等の他の無線システムが既に運用されている.そのため,LTEがWLANと共存する環境下において,LTEの導入がWLAN等の無線システムへ影響を与えないことが重要である.WLANシステムでは,LBT(Listen Before Talk)の1つである衝突回避機能を持つキャリアセンス多元接続(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)が用いられる.WLAN等の無線システムとの公平性の観点から,LAAを適用した基地局(eNB:evolved Node B)および端末(UE:User Equipment)も同様にLBTの導入が必要となる.そこで本検討では,下りリンク(DL:Downlink)において,LTEの物理信号構成を考慮した2種類のLBTを検討し,システムレベルシミュレーションによりLAAの導入によるWLANへの影響およびLAAのスループット特性を評価する.シミュレーション評価によって,LAAの導入がWLANに影響を与えないことを示すと共に,LAAの特性がWLANに対して大幅に向上することを示す.
著者
村田 眞哉 永野 秀尚 川西 隆仁 平松 薫 柏野 邦夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.521, pp.245-249, 2015-03-12

本論文では特定物体が映る画像をクエリとして,映像中からその特定物体を探索するタスクに対する我々の探索法を説明する.その際画像クエリ内の特定物体の領域を示す注目領域情報(region-of-interest, ROI)も同時に入力されることを想定し,その効果的な使用法を提案する.提案法は検索結果のリランキングになっており,ROI内の画像特徴のみを使用した検索結果ランキングの上位K件を,ROI外の特徴でリランキングする.これにより特定物体の背景情報(ROI外の特徴)によるトピックドリフトをある程度防ぐことができ,背景情報を特定物体の情報と同時に使用する従来法と比べて探索精度の改善が期待できる.実際、TRECVIDのインスタンスサーチタスクのデータセットを使用した実験により、提案法の探索精度が従来法の探索精度より高いことを確認した。
著者
村上 誉 石津 健太郎 伊深 和雄 松村 武 児島 史秀 矢野 博之 長谷川 幹雄 原田 博司 森川 博之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.490, pp.237-242, 2015-02-25

ホワイトスペースLTE方式において,実トラフィック量に応じて動的に基地局と端末の双方の通信方式やパラメータを変更することでネットワークのキャパシティを向上させる手法を提案してきた.しかし,本手法は各ユーザへのリソースの分配までは考慮していないため,十分な性能を引き出すためにはLTE基地局のスケジューラが整合したリソース配分を行う必要がある.そこで本稿では,既存のProportional Fair方式をもとに各ユーザの実トラフィック量に合わせたリソースブロックの割り当てを行う改良方式を提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を示す.
著者
井上 美智子 萩原 兼一 都倉 信樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ = The transactions of the Institute of Electronics, Information and Communication Engineers (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.76, no.7, pp.405-406, 1993-07-25

本論文では,非同期の超立方体状ネットワークでの最小重み生成木構成分散問題のメッセージ複雑度の下界がΩ(nlogn)であることを示す(最悪時評価,n:プロセッサ数).上界O(nlogn)は知られているので,この下界はオーダ的には最良である.
著者
和泉 潔 池田 竜一 山本 仁志 諏訪 博彦 岡田 勇 磯崎 直樹 服部 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.96, no.12, pp.2877-2887, 2013-12-01

本研究では,構成論的なアプローチに基づくエージェントベースの社会シミュレーション研究の新たな方法論,可能世界ブラウザを提唱した.更に,実際の購買データに基づいたシミュレーションによる購買ターゲットの特定を題材にして,可能世界ブラウザを応用した結果を紹介した.顧客の購買行動をエージェントベースモデルに組み込んだシミュレーションモデルを作成した.そしてユーザが目的となるようなケースを作り出す.特定ケースでのエージェントの購買行動パターンの特徴を分析することで,目的の達成に大きく関係している購買行動パターンを特定し,更にその成分の組合せから具体的な消費者像の推定を行うことで顧客ターゲティングにつなげることができた.
著者
野畑 周 内藤 弘朗 清水 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.31-35, 2014-09-11

感情分析を適用することによって、ユーザによって生成されたコンテンツ(UGC)に基づくサービスに新たな側面を加え、サービスをより充実させることができる。本稿では、ヤフージャパンのツイート検索サービスであるリアルタイム検索における感情分析について紹介する。
著者
新井 優太 小林 暁雄 増山 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.37-40, 2014-09-04

現在,インターネット上には膨大な情報が存在しており,家電製品などでトラブルが発生した際,消費者はインターネット上にある同様のトラブル事例を検索し,問題解決にあたることが多い.しかしながら,そういった情報が議論されている掲示板などでは問題が複雑になるにつれて一つの話題あたりの記述量が増え,結果として求める情報を獲得するのが困難になる.そこで,その掲示板内から必要な情報を抽出するための足がかりとして,本稿では掲示板スレッドの構造化を考える.スレッド内の個々の投稿に含まれるアンカーや投稿者名の呼びかけを用いて投稿間のつながりを表した擬似ネットワークを生成した.
著者
池田 晃人 小林 暁雄 坂地 泰紀 増山 繁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.47-52, 2014-09-04

日本の動画共有サイトであるニコニコ動画の最大の特徴は投稿コメントである.この投稿コメントは,再生中の動画上の任意の時間,場所に重ねて表示することができ,それがニコニコ動画の動画をより一層ユーザにとって楽しいもの,価値のあるものにしている.ニコニコ動画のコメントは,その動画の1つの特徴であるといえる.動画の特徴であるコメントの情報を用いることで,動画推薦や動画検索などの様々な応用が考えられる.本研究では,ニコニコ動画のコメントから情報を得ることを容易にするために,コメントにアノテーションを行う.ここでは,アノテーションを行うのための分類を行う.
著者
山中 顕次郎 青木 道宏 漆谷 重雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.292, pp.17-22, 2013-11-07

現在のネットワークでは,リンクアグリゲーションにより,広帯域性を確保することが多い.従来のTCP/IPベースのファイル転送方式では,一つまたは少数のTCPコネクションを用いてファイル転送を行うため,1)トラフィックがリンク間で偏在し,リンク全体では帯域に余裕があるのに,輻輳を引き起こす,2)結果として,リンク全体の帯域を使った高速転送が困難,という課題があった.本稿では,リンクアグリゲーションされた広帯域ネットワークにおいて,リンク間でトラフィックを均等に分散できるファイル転送プロトコル,MMCFTP (Massively Multi-Channel FTP)を提案する.MMCFTPでは,数百,数千といった非常に多くのTCPコネクションを用いて,ファイル転送を行う.このため,ポート番号をトラフィック分散の基準に使うネットワークであれば,リンク間で効果的にトラフィック分散できる.
著者
色川 泰史 竹内 章 野崎 洋介 島陰 豊成
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.150, pp.125-130, 2008-07-17
参考文献数
4
被引用文献数
1

エネルギーネットワークに搭載される新エネルギー発電設備の最適スケジューリングに用いるための太陽光発電予測技術を開発し,愛知万博および中部臨空都市の太陽光発電システムにおいて実証検証を行った.翌日予測においては,年間を通して安定した予測精度を保っていた.また,システム構成・設置地域が異なる2つのサイトにおいても同等の予測精度を実現した.これにより,提案法は季節・地域・システムが異なっても安定した予測が可能な,汎用的な技術であることを確認した.また,一週間単位の予測についても,入力情報である週間天気予報を中間値で表現する方法により,翌日予測と同等の予測精度を実現した.
著者
吉村 ミツ 村里 英樹 甲斐 民子 黒宮 明 横山 清子 八村 広三郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.779-788, 2004-03-01
被引用文献数
24

本研究では,日本舞踊動作を解析して,舞踊家が師匠の技を模倣している程度,すなわち上達度を評価している.利用データは,赤外線追跡装置で取得した日本舞踊動作の3次元時系列である.筆者らの以前の研究では,このデータから注目動作部分を抽出するために,移動と回転に応じて動く3種類の動座標系を用いた.本研究ではその動座標系を改善した上で,移動,回転,向き補正,腰部揺動を同時に考慮した動座標系を考え,それを1回の変換で実現するアルゴリズムを考案している.筆者らは以前の研究で,舞踊家の上達度を客観的・定量的に表す指標として,動作の安定度と周波数特性に関する指標を定義した.本研究ではこれとは別の側面として,移動量に関する指標とガボール変換を利用したスペクトル成分の指標を定義している.ある流派の師匠と,その師匠から学んだ経験年数,性別が異なる4人の舞踊家,合わせて5人に舞踊実験を行ってもらい,注目動作の抽出と,その抽出結果を用いた指標の測定を行い,提案指標に基づいて上達度の評価を試みている.抽出が十分な精度で実現していて,指標が上達度や性による違いを表していることを確かめている.
著者
坂井 駿太 遠藤 朋実 藤井 威生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ASN, 知的環境とセンサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.399, pp.123-127, 2014-01-16

無線センサネットワークにおける情報収集手法の一つとして,筆者らは観測情報を無線通信における物理量パラメータにマッピングする周波数変換を用いたデータ収集手法を提案している.観測情報を直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)におけるサブキャリア番号に直接変換することで,端末が多数存在する場合でもパケット変換方式を用いた手法に比べて高速にデータ収集することが出来る.しかし,これまで提案していた方式では,各端末の識別に時間スロットを割り当てて時分割で伝送していたため,同時に使用できる端末数が時間タイムスロット数に依存していた.本稿では,端末の識別に周波数ホッピングのパターンを用いることで,時分割で送信していた従来手法に比べて多くの端末から同時にデータ収集することが出来るようになることを示す.
著者
山本 文彦 古川 眞一 須田 裕之 小山田 弥平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.2, 1994-09-26
被引用文献数
3

分岐形光線路を用いた1.31/1.55μm波長多重(WDM)伝送システムが検討されている。本稿では、分岐形光線路について、インサービス時に光加入者ネットワーク装置(ONU)または光線路内に故障が生じた場合に、故障の切分けを行う技術について検討し、その結果を示す。
著者
太田 昌孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PN, フォトニックネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.236, pp.59-64, 2005-08-12
参考文献数
11
被引用文献数
34

光スイッチの真価は、波長多重などで利用可能な全帯域を個々のパケットの伝送に利用しその帯域全てを同時にスイッチすることで発揮される。1500Bのパケットを1Tbpsで伝送すると12nsだが、ナノ秒程度で動作する高速な光スイッチが実用化されつつあり、ナノ秒程度では制御は電子回路で十分間に合うので、全光データパスルータの実現が視野に入ってきた。その全光データパスルータを構成するために必要ないくつかの要素について検討した。平均パケット長500Bとパケット間隔6nsで、1Tbps(平均実効速度400Gbps)4ポート全光データパスルータは256個の1:2光スイッチから構成でき、その消費電力は640Wとなる。
著者
一岡 義宏 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1299-1310, 2001-07-01
被引用文献数
7

本論文では, 不特定多数の人で混み合う都市型コミュニティでの人々の生活や行動を支援する情報提供システムの新しいアーキテクチャを提案するとともに, 本システム実現のために必要な赤外線簡易放送型通信プロトコルIrBRCとIrUCIS を提案する。提案システムは, 扱う情報を「上映用コンテンツ」と「持帰り用コンテンツ」に分けることによって, 発信者により生産, 発信された情報を受信者が手持ちの携帯端末に受信し, 移動しながら自由に閲覧できるモバイル時代のスタイルを可能にし, 発信者から受信者への情報の生産, 配信, 消費という情報の流通を生み出すことを目的として開発したシステムである。本システムは, 狭いエリアでの集中した情報取得要求によって引き起こされる配信サーバへの負荷の集中を, メインサーバとエリア内に点在させた近傍サーバによる階層化構成によって分散させることで解決し, 一方で分散化によって引き起こされる情報内容の一貫性の問題を, 情報のバージョン管理を行い変更による差分データをメインサーバから近傍サーバへ迅速に配信することで解決した。更に, 近傍サーバでの情報取得アクセスによる輻輳は, 赤外線による簡易放送型通信を用いることで解決した。
著者
松田 篤 須栗 裕樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.331, pp.21-28, 2012-11-23

宮城大学では2013年8月に,全学の情報ネットワークシステムの更新を予定している.情報ネットワークシステムは,情報基盤システム及び教育研究・業務支援システムから構成されている.本稿では情報基盤システムの設計を依頼する業者を選定するためのRFPの開発について述べる.現在の情報ネットワークシステムの概要を紹介し,更新プロジェクトの遂行方針及び手続きについて説明する.現状の問題点の分析結果に基づき開発したRFPの概要を述べる.
著者
鎌田 早織 坂本 寛幸 井垣 宏 中村 匡秀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.450, pp.91-96, 2010-02-25
被引用文献数
3

異なる種類のライフログを効率的に集約・連携(マッシュアップ)するために,先行研究において我々は,ライフログのための標準データモデルと,ラィフログデータを横断的に検索・取得するマッシュアップAPIを提案している.これらの有効性を評価するために,本研究では提案するマッシュアップAPIを用いて実際のライフログサービスをマッシュアップするアプリケーションを構築する.具体的には,Twitter, Flickr, GARMIN Connectの3つのライフログサービスを連携し,ウォーキング中のつぶやきと写真データを,歩いたコースの地図上にオーバーレイするサービスLifeLogMapsを開発する.ライフログサービスが公開しているAPIを用いた場合と,マッシュアップAPIを用いた場合の二通りの開発を行い,両者の比較評価を行う.