著者
若林 哲史 鶴岡 信治 木村 文隆 三宅 康二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.10, pp.2046-2053, 1994-10-25
被引用文献数
39

文字輪郭線の局所方向ヒストグラムを特徴量とする統計的手書き数字認識において,種々の方向量子化数と領域分割数の組合せに対して,大量の手書き数字データを用いた認識実験を行い,認識率および正規性との関係を調べた.また,より高い精度で方向量子化を行うために,濃度値こう配を利用する方向量子化の有効性を検討した.その結果,(1)特徴量の次元数を増加する場合,領域分割数は,4×4あるいは5×5程度とし,あとは方向量子化数を増加させるとよいこと,(2)同じ次元数では,正規性が良いほど認識率が高い傾向があること,(3)濃度値こう配を用いる方向量子化が,特徴量の正規性を保つのに有効であること,(4)量子化レべル数削減におけるフィルタ処理には,正規性を改善する効果があり,認識率の向上に有効であることなどがわかった.また,実際の郵便物から収集した郵便番号の手書き数字に対して,濃度値こう配の局所方向ヒストグラム(400次元)を用いた場合に,平均で正読率99.18%の良好な結果が得られた.
著者
瀬戸 優貴 野口 康人 登坂 繭 井上 智雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.554, pp.55-60, 2008-03-15
被引用文献数
5 2

本研究では,食事時における実物体の履歴情報からユーザに対し適応的に品目の推薦を行うシステムを開発している.本システムでは,ユーザの箸と食卓上の皿との接触情報を食事行動の履歴として取得し,ここからユーザの食事の進行状況と現在食べたいと思っている品目を推定する.そして,その推定情報を基にユーザに対し追加品目の推薦を行う.
著者
永田 亮一 川口 剛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.448, pp.77-82, 1999-11-18
被引用文献数
11

画像中の位置や大きさが未知の顔を、計算機によって自動的に認識するためには、顔認識処理の前に、顔領域を切り出す処理が必要である。この処理は、顔検出と呼ばれる。本論文では、複雑な背景をもつカラー画像から人物顔を検出するための新たな手法を提案する。提案手法は、人物の頭を直立しただ円で近似し、だ円内部に膚領域と頭髪領域を定義する。そして、画像中でだ円を生成しながら、だ円の適合度を計算する。だ円の適合度は、頭髪領域の境界線のエッジ画像とのマッチ度、膚領域内の膚色ピクセルの密度、および、頭髪領域内の輝度値がしきい値以下のピクセルの密度の和によって与えられる。そして、提案手法は、適合度の大きい順に、画像中の顔の数だけだ円を出力し、これらを顔と判定する。
著者
大島 裕明 田中 克己
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.75, pp.49-54, 2012-05-29

本稿では,まず,東京の寿司屋に対するオンラインレビュー情報について,専門家による評価情報とどの程度異なるかを明らかにする.さらに,オンラインレビュー情報で提供されている情報を用いて専門家による評価情報と似たような寿司屋のランキングを行う手法について,HITSアルゴリズムを基にした手法を提案する.提案手法について評価実験を行い,その有効性を明らかにする.
著者
梶田 剛広 高橋 英士 矢守 恭子 田中 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.88, no.10, pp.2042-2051, 2005-10-01
被引用文献数
8

コンテンツ配信を効率的に行う手段として, 同じコンテンツに対するユーザからの配信要求を集めて, マルチキャストで配信する方法がある. しかしながら, この方法においては, 適切な配信間隔設定を行わないと, 無駄に長く待ったり, あるいは回線ふくそうを起こしたりして, ユーザ効用が減少する可能性がある. また, パケット損失を防ぐことを重視すると, 一人の低速回線ユーザがマルチキャストグループに加わることによって, 配信全体の速度が低下し, ユーザ効用が減少する. そのため, 呼受付制御を行うことにより, ユーザ効用の減少を抑えられる可能性がある. 本論文では, ダウンロード形のマルチキャストコンテンツ配信におけるユーザ効用に注目し, ユーザ効用を最大化する配信間隔設定並びに呼受付制御について検討を行っている. その結果, マルチキャストの配信間隔には最適値があること, また, ユーザが待ち時間に対して敏感な状況において呼受付制御が有効であり, 呼受付率に最適値があることを明らかにしている.
著者
五十嵐 治一 川人 光男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.6, pp.1104-1113, 1994-06-25
被引用文献数
5

視覚情報処理における光学の逆問題の解法として,標準正則化理論によるアプローチが有名である.しかし標準正則化理論ではエネルギー関数が2次形式に制限されており,正則化パラメータも経験的に定めているのが実情である.本論文では,こうした視覚情報処理における逆問題のみならず,一般的な逆問題の解法として2層確率場モデルを用いた一つの方法を提案する.2層確率場モデルでは,二つの確率場が階層構造をなしており,下層の確率場の状態が与えられたときに上層の確率場の状態の起こりやすさを表した条件付き確率によって緩やからに結合されている.本方法では,シミュレーテッドアニーリングによりエネルギー関数の最小状態を求めると共に,正則化パラメータなどのエネルギー関数中の重み係数の値を適切な値に自動調節することが可能である.例題として,原画像に関する正確なエッジ情報を用いて観測画像から原画像を復元する.2次元濃淡画像の修復問題を取り上げた.アニーリングによるエネルギー最小状態の探索処理と,エネルギー関数中の重み係数の調整アルゴリズムは,ともに並列化されており,SIMD型の並列計算機であるコネクションマシン(CM-2)を用いて大きな画像(128×64)を対象にすることが可能となった.計算機実験により,本論文で提案する逆問題の解法の正当性を検証することができた.
著者
野地 保 荻野 正 齊藤 まゆ子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SWIM, ソフトウェアインタプライズモデリング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.70, pp.7-11, 2010-05-28
被引用文献数
1

救急医療の現場では,救急隊員が搬送先と直接連絡して受け入れ先を探索する手法を用いており,救急患者の受け入れ先を探索して決定するまで長い時間を要するため,結果として「たらい回し」の現象に繋がっている.我々は,探索時間の短縮を図るため,同時に発言できるチャットシステムを同報通信手段として用い,共有するクラウド上の空き情報に基づき,受け入れ可能な病院を探し当てる搬送先探索モデルを提案する.我々の電話探索モデルとチャット探索モデルの実現性評価結果では,チャット探索モデルは,電話探索モデルに比べて,救急患者の受け入れ先病院が3件以上決まらない場合に時間短縮の効果が得られた.提案するモデルは,救急医療における搬送先探索モデルとして有効であることが分かった.
著者
坂野 鋭 武川 直樹 中村 太一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.1549-1556, 2001-08-01
被引用文献数
36

本論文において我々は,新しい物体認識アルゴリズム,核非線形相互部分空間法を提案する.前田によって提案された相互部分空間法は複数の入力画像を主成分分析することにより,高度な物体認識を実現する優れた手法である.しかしながら,通常の部分空間法と同様,カテゴリーの分布が非線形構造をもつ場合には性能が低下するという問題がある.この問題を解決するために我々は強力な非線形主成分分析法として知られている核非線形主成分分析を相互部分空間法に適用し,新しい物体認識アルゴリズム,核非線形相互部分空間法を理論的に導出した.提案手法を顔画像による個人識別問題に適用したところ,最高精度では従来法と大きな差がつかなかったものの,提案手法を用いた実験では物体運動の自由度と高い認識率を示す部分空間次元数の関係が無矛盾に説明できることがわかった.また,提案手法では認識辞書がよりコンパクトな構造をとり,大規模認識問題に対して有効である可能性を示すことができた.
著者
若宮 直紀 村田 正幸 宮原 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.428, pp.79-84, 1999-11-15
被引用文献数
5

通信品質保証のないインターネットにおいては,高品質な通信を求めるデータ系アプリケーションはTCPを,高速な通信を求める実時間型アプリケーションはUDPをそれぞれ利用するため,ネットワークにはTCP,UDPの異なるプロトコルが存在している.そのようなネットワークにおいては,動画像通信に代表されるマルチメディアアプリケーションの生成する大量のトラヒックがUDPによりなんの制御も行なわれないまま転送されるため,輻輳制御を行なうTCPの使用帯域を圧迫し極端な品質劣化を招く. そこで,本稿ではTCPと公平な動画像転送を実現するため,TCP-friendlyの概念を導入したレート制御を対象に,動画像転送への適用可能性や効果的な制御手法について検討した.動画像の品質を保ちつつ,TCPと公平な通信を実現するレート制御を行なうためには,(1)制御間隔を適切に設定し,(2)ネットワークの状態を推測し,(3)TCPのスループットを推定して(4)動画像データの生成レートを調整しなければならない.シミュレーションによる評価により,動画像をRTTの約32倍の制御間隔でTCPの推定レートにあわせてMPEG-2イントラスライス符号化して送出すれば,TCPとの公平性を実現しつつ,高品質な動画像転送が可能であることを明らかにした.
著者
成瀬 央 早瀬 義喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.64, pp.57-60, 2014-05-22

本報告では、ブリルアンゲインスペクトル(BGS)周波数シフトのひずみ依存性に基づく光ファイバひずみ計測システムを用いた、動ひずみの計測方法を提案している。高サンプリングレートでBGSを観測できるシステムが開発され、動ひずみがリアルタイムに計測されている。それに対して提案方法では計測対象の動ひずみを、BGS観測時間より十分短い周期で時間変化する高周波数の動ひずみとし、既存のシステムをそのまま用いてBGS観測時間内での動ひずみの情報を得る。本方法では動ひずみ下のBGS形状をモデル化し、このモデルを観測されたBGSにあてはめる。ここでは正弦的に時間変化する動ひずみを取り上げ、そのモデル化、最大ひずみを求めるのに必要となるひずみの振幅と中心の計測方法について述べる。また、シミュレーションによって計測誤差の特性を明らかにしてる。
著者
浜口 斉周 道家 守 金子 浩之 井上 誠喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.216, pp.95-98, 2008-09-18

TVML (TV program Making Language)とTVML Playerのインタラクティブ再生機能を用いて,キーボードでCG(コンピュータグラフィックス)キャラクタをリアルタイム動作させる"アドリブシステム"を開発した.アドリブシステムはリアルタイムで制御されるため,番組出演者と臨機応変に掛け合いをさせることができる.また,スクリプトベースなので制作現場で直接動作・演出を編集・加工することができる.さらに,声優の声を入力としてリアルタイムにCGキャラクタのリップシンクが可能である.ノートパソコン1台で動作するためコンパクトで,番組制作現場で使いやすいシステムとなっている.
著者
懸川 裕貴 大倉 典子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.7-10, 2010-05-06

近年,ストレス社会に対して、癒しを与えるなどを目的としたインタラクティブシステムの研究が多く行われているが,人を活動的な気分にするシステムの研究はあまり行われていない.本研究では,人をわくわくさせることで活動的にするようなインタラクティブシステムを開発するにあたって,システム使用者の感じているわくわく感の程度を生体信号で評価できることと,恐怖を感じると交感神経が活性化し心拍周期に変化が起きることに着目し,心拍周期の変化によってリアルタイムでコンテンツ内容を変化させていくシステムを実現した.ワイヤレス心電計から得られる心拍周期の変化を検出し,その結果にあわせてコンテンツを制御するシステムを開発し,実験によりその有効性を評価した.
著者
原 嘉孝 紀平 一成 関口 高志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.464, pp.11-16, 2002-11-14
被引用文献数
4

ビーム形成を用いるW-CDMA基地局では,アクセス制御を行うにあたりアレー出力における希望信号対干渉雑音電力比(SINR)の把握が重要となる.そこで,本稿ではW-CDMA上りリンクにおいてアレー出力のSINRを測定する方法とその精度について論じる.アレー信号処理では高品質な受信信号を得られるものの,SINR測定に関しては干渉雑音成分の影響を受けやすい.この問題解決のためアンテナ数に応じた補正法を導入し,SINR測定精度の向上を目指す.性能評価では,さまざまなビーム形成法に対して平均受信SINRとSINRの時間分散に基づく性能比較を行う.その結果,チップ単位でMMSE合成ウエイトを演算する方法では,他のビーム形成法と比較して高い平均受信SINRと小さいSINRの時間分散を実現でき,高性能なW-CDMA基地局の構築に有効であることが分かった.
著者
蓮実 梢 石田 貴士 秋山 泰
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.105, pp.185-191, 2014-06-25

標的となるタンパク質を定めて行う薬剤開発において,薬剤標的タンパク質の選定はとても重要となる.この標的タンパク質探索には,既に病原体のゲノム情報等を利用して探索を行うための統合的なデータベースシステムが提案されてきたが,その生化学経路情報については統合の対象とされていなかった.しかし,この情報を用いることであるタンパク質が病原体の生命維持に対して致命的であるかという議論が可能となるため,生化学経路情報の統合は標的タンパク質の探索のために有用であると考えられる.そこで本研究では,顧みられない熱帯病の新薬の標的タンパク質を探索するための統合データベースシステムiNTRODBに,トリパノソーマ科寄生原虫に関する生化学経路情報を追加し,またそこにゲノム等に関連する情報を表示するインタフェースを開発することで,標的タンパク質の探索の更なる効率化を目指した.
著者
許 蛍雪 崔 珍赫 宮崎 隆行 川口 博 桜井 貴康
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.384, pp.65-70, 2003-10-24

高リーク世代において、Self-Timed Cut-Offに基づくブロックレベル活性化法は、待機時のみならず動作時においてもリーク電流を減らすことができ有効である。その基本動作は統計情報に基づいている。Self-Timed Cut-Offスイッチを使い、一定時間動いてないブロックをスリープモードに入れる。本提案の有効性を8ビットRISCマイクロプロセッサのVerilog HDLによるシミュレーションと々もに、0.25umのSOIプロセスで試作された64ビットのcarry look-head 加算器の測定を通して検証した。
著者
清山 信正 今井 篤 三島 剛 都木 徹 宮坂 栄一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.6, pp.918-926, 2001-06-01
被引用文献数
11

一般に高齢者にとって, 早口で話された音声が聞き取りにくいと感じられる場合がある.これを補償するため, 発声者の声の特徴を残したまま「ゆっくり」した音声に変換する話速変換技術の開発が進められている.一方, ビデオの早見や音声内容の検索を目的に早口に変換する試みもあり, それらの話速変換技術の一部は既に実用に供されている.また, マルチメディアの発展により, ハードディスク上に記録された映像・音声を可変速で再生する環境も整いつつある.同時にテキスト音声合成の高品質化に伴い, 音声波形の継続時間長を直接制御する技術としても, 高品質な話速変換技術が不可欠である.本論文では, 話速変換技術の広範な応用とその品質の自然性向上を目的として, 無声区間も含めた伸縮による話速変換方式を提案するとともに, 高齢者に対する音声放送サービス向上を目指した小型の話速変換器の開発について報告する.
著者
東條 弘 田辺 暁弘 井筒 香 林 経正 岩下 克
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.74, pp.35-40, 2002-05-16
被引用文献数
4

IPマルチキャスト技術を用いた映像配信サービスは、今後の高速インターネットアクセスにおける重要なサービスであると考えられる。本検討では実サービス提供時に必要不可欠な認証・課金機能を具備する管理システム構成法について提案する。また多種多様なサービスレベルを提供するために新たに7つの課金レベルを設定し、配信映像のチャンネルおよび番組毎に料金設定が可能な電子番組表の構築手法について述べる。また検証用IPマルチキャスト映像配信ネットワークを構築し、ユーザ端末(STB:Set Top Box)からの映像視聴開始・終了操作によるIPマルチキャスト映像配信ならびに配信番組に応じた課金処理に関する検証実験を行い、本検討のIPマルチキャスト映像配信サービス管理システム構成法の有効性を確認した。
著者
橘 高志 藤吉 正明 貴家 仁志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.850-859, 2004-03-01
被引用文献数
14

動画像へリアルタイムで透かしを埋め込むことを目的に,埋込みに伴う画質劣化を自動的に制限する画質保証型の電子透かし法を提案している.この提案法は,画像に依存せず常に所望の画質(PSNR)をもつ透かし画像の生成を可能とする.更に,透かし抽出時に原画像を必要としない非参照型電子透かし法の特徴も有する.従来の画質保証型電子透かし法では,透かし系列要素は実数値でありかつ正規分布に限定されるが,提案法ではこれらの制約は解除され,種々の統計分布をもつ透かし系列に適用可能である.また,提案法は,透かし系列を抽出することなく,埋め込んだ透かし系列の消去が可能であり,消去することによって画質を向上できる.シミュレーションでは,一様分布の2値系列を透かし系列として埋め込み,画質が保証されること,透かし系列の消去により画質が向上することを確認している.
著者
柏樹 博信 鈴木 慎治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.2, 1997-08-13

通信装置などの信頼性が要求されるシステムではPLLが二重化構成をとっており、PLLの警報出力によって後段にある選択回路で系選択をさせている。しかし、PLLの入力に瞬時の雑音があった場合、正常であるのに警報を検出してしまう(誤検出)。また、同期外れ(ドリフト)発生時、過渡的に正常範囲に入るため、警報検出しなければならないのに正常と見なしてしまう(不検出)が問題となっている。本稿ではこれらの誤検出、不検出を低減させたPLLの警報信号制御方式について報告をする。
著者
蔭山 佳輝 斎藤 英雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-03-11
被引用文献数
5

「感性工学」とは,「人間が持つイメージをモノの設計要素に翻訳する技術と定義されている.「感性工学」の実践例として,「かわいい」・「豪華な」といった曖昧なイメージから画像を検索するシステムが考案されている.しかし,こうしたシステムはSD法と重回帰分析を用いて得られる統計量と感性とを対応付けしているため,十分に個人性を考慮できていないという問題があった.そこで本稿では,逆誤差伝播法によるニューラルネットワークを用いてユーザの感性の個人差に対応できる画像検索システムを提案する.