著者
上野 敏孝
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.593-598, 1997

ここ数年、鹿児島市では1840年代誕生の石橋群を守る運動が繰り広げられた。「治水」事業として、西田橋などの多連アーチが撤表され、同時代の海頭工太鼓橋が今や風前の灯火である.ことの本質は災害対策での、川の三面側溝化・直線化にある。川の直線化で水質が悪化し、人間を含む生態系が衰退しないのか。本稿ではかっての水循環システムの復活をめぐり、治水・文化・環境など、多様な側面を論じたい。
著者
松永 千晶 塚本 恭子 大枝 良直 外井 哲志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.I_699-I_709, 2015

本研究は,防犯環境設計に基づいた安全・安心な通学路設計を考察するため,登下校時の中学生対象の犯罪および不審行為とその影響要因の関係を表現する数学モデルを作成する.モデルは,これらの犯罪や不審行為の多くが,ターゲットに適した人や物,犯行に適した環境要因が時間的・空間的に揃った場合に遂行されやすい機会犯罪と呼ばれるものであり,現場周辺でのターゲットとの遭遇機会と環境要因が犯行企図者に影響を与えるという仮説に基づくものである.<br>モデルを実際の中学校区での事例に適用したところ,モデルは学校からの距離に応じたエリアごとの犯罪・不審者の発生しやすさの分布を再現できた.また,ターゲットとの遭遇頻度と,沿道からの監視性に関する物理的環境要因が犯罪・不審者発生に与える影響を定量化できた.
著者
吾郷 太寿 松永 千晶 角 知憲
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.331-336, 2010
被引用文献数
5

本研究は,防犯環境設計に基づいた安全・安心な通学路設計のための定量的な知見を得ることを目的とし,児童の交通量,児童以外の交通量および沿道状況や路上設置物などの物理的な道路空間を構成する要素と不審者出没との関係を分析する.児童を対象とした犯罪の多くが下校時の通学路上で発生する機会犯罪であるという前提と,道路交通に関する物的空間構成要素が不審者出没に影響を与えているという仮説に基づき,児童の存在密度を用いた不審者出没モデルを作成し,そのモデルから得られた結果より判別分析をおこなう地点を定めた.福岡市内5校区を対象とした判別分析の結果,静的・動的監視性に関する空間構成要素が不審者出没に与える影響度を定量的に表現できた.
著者
塩谷 茂明 村上 麻衣 柳 馨竹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_1123-I_1128, 2016

瀬戸内海は,我が国の主要港を有する,交通の要衝である.多数の船舶が瀬戸内海の主要港に入出港し,さらに九州や東海方面からの海上交通の航路でもあるため,交通量は多い.また多島海であり複雑な地形を有するので,航路が複雑に交差し,危険な海域である.<br> 航行船舶の船種は多種多様であり,タンカーや化学物質などの危険物搭載船舶も多く,もしこれらの船舶による衝突や座礁等の海難が発生すれば,周辺海域に甚大な被害を与える.<br> 本研究では,瀬戸内海における,特に危険物搭載船舶の海上交通の実態調査を実施した.調査の結果,危険物搭載船舶の海上交通の実態の把握が可能になった.
著者
五十嵐 翼 丸山 喜久
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_258-I_266, 2018 (Released:2018-11-01)
参考文献数
19

本研究では地震時の高速道路の復旧日数の予測モデルを高精度化することを目的とし,多重ロジスティック回帰分析を用いて復旧予測モデルを再構築した.2004年新潟県中越地震,2007年新潟県中越沖地震,2008年岩手・宮城内陸地震,2011年東北地方太平洋沖地震,2016年熊本地震の際の高速道路の開通までに要した日数をもとに,復旧予測モデルの構築に関する検討を行った.また,復旧日数の予測値の高精度化を図るため,道路構造の違いが復旧期間に与える影響を考慮した復旧予測モデルの検討も行った.さらに,構築した復旧予測モデルを南海トラフ巨大地震に適用し,復旧日数の推定を行った.
著者
スーマン ランジャン センサルマ 岡田 憲夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.299-308, 2006

本研究では智頭町・市瀬集落の災害リスク軽減問題に伴うコンフリクトの時間的展開のプロセスを理解することを目的として、当該コンフリクトを二段階 (1985-2002, 2002-2005現在) に分けてモデル化する。各段階のコンフリクトは静的な構造とみなして、それをGMCRモデル (Graph Model for Conflict Resolution) により定式化し、分析を行った。ついで、第一段階と第二段階の間のごく短期間に構造変化が発生したと定性的に解釈した。そのような構造変化が結果として生じたのには、社会的な衝撃が関与していたと考えた。すなわち自然災害のインパクトに、地方行政主体における政治的な転換が相乗的に関係したと推測されることを定性的に分析した。このように二つの分析法を組み合わせた方法論を提示することにより、本研究で取り上げたような静的・動的構造特性を有した実コンフリクトをシステム論的に記述することが有用であることを示した。
著者
清水 英範
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:21856532)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.49-68, 2012 (Released:2012-06-20)
参考文献数
62
被引用文献数
3

ジョサイア・コンドルが明治18年(1885)1月に立案した官庁集中計画は,霞が関を官庁街,日比谷を公園とすることを初めて示した計画であり,近代都市計画史上,重要な意味を持っている.しかし,この計画に関する既存研究は極めて少なく,計画に至る経緯やコンドルの計画意図については,これまでほとんど明らかにされてこなかった.本研究は,幾つかの新たな史料を用いて,この問題に初めて迫り,1)太政官による官庁集中計画の実施とコンドルの登用は,井上馨が明治17年4月に提出した建議により決定されたこと,2)コンドルの計画には二案あったが,コンドルの本意は,諸官庁を日比谷練兵場内西側及び教導団の土地に集約し,地質粗悪な日比谷練兵場内東側を大公園とする,第二案の方にあったことなど,幾つかの新事実を明らかにした.
著者
石田 健一 バクテイアル ガファ
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:09127348)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.547-552, 2000
被引用文献数
1

This study aims to apply the participatory planning method to contribute solving local problems in the fisherysector. Northern Sulawesi, Indonesia was selected as study area. Fish catch had been declining recent ten years and that incident had a serious negative impact not only to fishing operation but also to society. The authors applied the participatory planning methods to analyze problems and attempted to allocate solutions. In many parts the decline of fish catch was suggested by the tremendous increasing fishing effort of foreign fleet as well as non-existence of adequate program for regional fishery management. A Project Design Matrix (PDM) was formed as a trial to solve those issues. The paper also discusses about the lessons learned during the course of participatory workshop.
著者
金森 貴洋 厳 網林
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.261-274, 2018 (Released:2018-10-20)
参考文献数
29
被引用文献数
2

東日本大震災から6年が経過し,津波被災地では集団移転が完了しつつある.究極的な津波予防対策である集団移転によって安全性が確保される一方で,高齢者住民の生活は大きく変容することが予想される.本稿では,人口減少・高齢化が進む中で行われた地形起伏の大きい地域における集団移転が高齢者住民の徒歩による生活にどのような影響を与え得るのかを明らかにした.具体的には傾斜・身体機能による影響を反映した歩行負荷量を算出し,各集団移転団地から最寄りの生活施設までの徒歩アクセシビリティ評価を行った.分析の結果,気仙沼市において全96団地中6割が公共交通の徒歩圏外にあり,15団地は全ての生活施設まで徒歩で到達することが困難であることが明らかになった.また,標高が高い団地は徒歩アクセシビリティが悪化する傾向がみられた.
著者
中山 達貴 中村 俊之 宇野 伸宏 Schmöcker Jan-Dirk
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.I_1093-I_1104, 2017

本研究では,速度超過による交通事故発生が多い名阪国道を対象にプローブデータを用いた潜在的な事故危険性の把握手法を構築するものである.本研究では特に商用車の走行軌跡データから速度推移に基づき,潜在的な事故危険性を伴う走行をクラスター分析により分類し,潜在的事故危険性を誘発している区間の抽出に二項ロジスティック回帰分析を適用した.分析の結果,当該路線における潜在的事故危険性の高い走行は安全な走行と比較して,速度推移に差異が生じる地点が実際の事故多発区間よりも上流側に存在してことが明らかになった.本研究で得られた知見を踏まえ,今後の交通安全対策の実施が期待される.
著者
宇野 宏司 高田 知紀 辻本 剛三 柿木 哲哉
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_1609-I_1614, 2016 (Released:2016-11-15)
参考文献数
15
被引用文献数
3

太平洋に直面する徳島・高知沿岸では,繰り返される南海トラフ地震によって,大きな津波被害を受けてきた.同沿岸域では,2011年の東北地方太平洋沖地震で津波被害の大きかった三陸地方沿岸と同じリアス式海岸となっている区間も多く見られる.一方,東日本大震災では多くの神社が津波からの被災を免れたことが知られている.古い歴史を有する神社は地域とともに歩んできた重要な公共空間であり,現在の分布は,過去の大災害等によって淘汰された結果を示しているとも考えられる.こうした社会背景を踏まえ,本研究では徳島・高知沿岸神社の空間分布と南海トラフ地震の津波被災リスクについて検証した.
著者
富田 孝史 丹羽 竜也
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.I_236-I_240, 2013 (Released:2013-11-12)
参考文献数
13
被引用文献数
6

The tsunami generated by the 2011 off the Pacific coast of Tohoku earthquake inundated coastal flat areas, moved auto vehicles, boats and ships and destroyed part of a breakwater in Hachinohe Port. In this paper, propagation and inundation calculations of the tsunami are implemented from an estimated tsunami source. Consideration of the breakwater damage in the calculations provides a good result of the tsunami in the port in comparison with the waveform observed at a tide station in the port, the measured inundation border and heights of tsunami watermarks. Based on the time of breakwater destructions in the calculation, failure mechanisms of the breakwater damage are estimated. Further, movement of a ship in the port is calculated and compared with a result of video footage analysis.
著者
靏巻 峰夫 久保 朱里 山本 祐吾 吉田 登
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.II_23-II_34, 2016 (Released:2017-04-10)
参考文献数
28
被引用文献数
2

少子高齢化,過疎化の問題に同時に直面する地方圏域では生活排水処理,廃棄物処理等の静脈系インフラの維持運営は難しさを増している.加えて,低炭素社会や経済性の要請によってインフラ運営が非効率にならないよう改善も必要とされている.本研究では,従来,別系統のシステムで運営されている生活排水処理と可燃ごみ処理を連携させてエネルギーリサイクルの促進と効率化を図ることによって,このような圏域でも適用できるシステムにより削減できる温室効果ガス量を検討したものである.可燃ごみのメタン発酵,発酵分離水の処理,発酵残渣及び排水処理汚泥の焼却等の対策に技術進展を加味した連携によって現在のシステムに対して約40%の削減の可能性があることがわかり,連携の有効性を明らかにした.
著者
岡本 直久 石田 東生 佃 晋太郎 古屋 秀樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.871-877, 2003

高速道路におけるETCサービスの本格運用が開始されているものの, ETC車載器の普及は進んでいない. ETCは利用者数の増加に伴いその効果が増加するという特性を持つため, 現状のような低需要の状況では効果が発揮されない恐れがある.<BR>本研究では, 自動車保有者のETC車載器購入意思決定と, ETC車混入率がもたらす道路ネットワークサービスレベルへの影響とを関連づけた普及シミュレーションを作成した. シミュレーションに基づき車載器価格変動料金割引施策が, 車載器普及にどのような影響を与えるかを分析している. 特に車載器価格の初期低価が普及に大きな影響を与えることが明らかになった.
著者
比江島 慎二 高松 宏彰 大熊 広樹 上田 剛慈
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発) (ISSN:21854688)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.24-34, 2017 (Released:2017-05-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2

振り子の流体励起振動を用いた革新的な水流発電機を開発してきた.本研究では,円柱振り子の渦励振を用いた従来の方式に代わり,半円柱や半楕円柱の振り子に生じるギャロッピングを採用した新方式を提案した.この新方式において,半円柱振り子は円柱振り子の5倍,半楕円柱振り子は半円柱振り子のさらに2倍のエネルギー取得性能を発揮した.半楕円柱振り子の無次元仕事率は,低流速域では,振り子長さに関係なく一本の回帰直線に沿って無次元流速とともに線形的に増加し,高流速域では,無次元流速に対してほぼ一定値を示すことが明らかとなった.
著者
宮川 愛由 西 広樹 小池 淳司 福田 崚 佐藤 啓輔 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.I_393-I_405, 2016 (Released:2016-12-23)
参考文献数
28
被引用文献数
3

地方創生が叫ばれる現在,大型店舗が地域に与える影響に関する知見が重要となっている.しかし,筆者らが知る限り,消費者の大型店舗での買い物が,地域経済に与える影響に関して,国内においては実証的な知見が見当たらない.そこで,本研究では,消費者の買い物店舗の選択が地域経済に及ぼす影響の検証を目的として,京都市内の様々な経営形態の食料品小売店舗を対象に調査を行い,消費者の買い物支出の帰着先を分析した.分析の結果,買い物支出のうち京都市に帰着する割合が,大型店舗では地場スーパーや地元商店の半分程度であることが示された.本研究成果は,地域活性化に向けた望ましい消費者行動とは如何なるものかについての示唆を与えると同時に,大型店舗の進出による地域活性化への期待に疑義を唱えるものといえよう.
著者
髙西 照彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.59A, pp.353-361, 2013 (Released:2014-03-14)

In order to control vibration on a structure having two degrees of freedom system of swaying and twisting vibrations during harmonic ground shaking, two kinds of tuned system damper are installed on the structure. In this paper, one method is proposed to determine approximate optimum dynamic parameters of these two dampers (optimum frequency ratio, mass ratio of a damper to that of the structure and optimum damping constant). A five dimensional nonlinear simultaneous equation which satisfy conditions minimizing response of acceleration of two corners of structure was deduced. This equation was resolved by using iterative procedure by Newton's method and five optimum values of dynamic parameters were obtained.
著者
昌子 住江
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D2(土木史) (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.282-287, 1988

汚物掃除法 (明治33年法律第31号) により塵芥の処理は市の義務となった。当時横浜市では、塵芥処理を民間の業者に請負わせており、その処理方法は埋め立てと千葉方面への肥料としての搬出であった。1911 (明治44) 年市では全市のごみを焼却すべきであるとの方針を示したが、焼却場予定地の住民による激しい反対運動で建設は進まず、震災復興事業の一環として滝頭に焼却場が完成したのは1931 (昭和6) 年であった (その二年前には一部が完成して焼却を開始していた)。この焼却場は、ごみの焼却熱を利用して発電を行ない、場内で使用するとともに余った電気を市電に送電する計画をもっていた。大正期には、大阪をはじめいくつかの市でごみ発電の可能性が検討されたが、水分の多い日本のごみでは安定した発電量が得られないなどの理由から見送られていた。横浜市では、第一次大戦後の電力・電灯需要の増大に対応し、低廉な価格で供給するための市営電力事業が計画されており、焼却の試験炉が予算化された1921 (大正10) 年には市街電車の市営化もなって、電力市営への世論も高まっていた。丁度この年、市内に電力を供給していた横浜電気が東京電灯と合併したが、料金は以前のままで東京より高く、市会でも不満が高まっていた。1925 (大正14) 年焼却場の建設をめぐって再び反対の姿勢を強める住民にたいして、市側は市電に売却して電車を動かす一挙両得の計画であると説得している。市電への送電は、1929 (昭和5) 年11月から1935 (昭和10) 年1月まで行なわれたが、重油を炊いて熱量を補ったため、費用がかさむのと煤煙問題で市会では毎年のように批判が出された。1935 (昭和10) 年に東京電灯の電力料金が値下げされ、焼却場からの料金より安くなったのを期に、市電への送電は中止されたのである。
著者
小川 一志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.53A, pp.550-559, 2007 (Released:2007-08-01)

An Impact Mass Damper (IMD) is a simple damping device which consists of a weight and a cushion attached on a tower. It utilizes energy dissipation due to collision between the weight and the cushion on the tower. Considering damping capacity of the IMD depends on the collision, the impact force caused by collision cannot be neglected and it may have a bad effect on habitability of the tower. This paper proposes the new IMD idea which has the lower impact force and the enough damping capacity to suppress the harmful vibration, by investigating the vibration characteristics of the cushion.
著者
山内 正仁 松元 皓隆 山田 真義 八木 史郎 村山 陵 山口 善敬 山口 隆司
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.85-92, 2012 (Released:2012-04-20)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本研究では,まずきのこ栽培用の焼酎粕・でん粉粕培地の臭気物質の同定と定量を行った.その結果,アセトイン,酪酸,ジアセチルが主成分となり,これらにその他の臭気物質が混ざり合うことで独特の不快な臭いを発していることが示唆された.また,これらの臭気物質は培地に菌糸が蔓延するにつれて消失した.つぎに液体培地を用いて,主成分の臭気物質の消臭メカニズムを検討した.その結果,これらの臭気物質は菌体外酵素の働きで消失している可能性は低く,きのこ菌糸そのもので分解されている可能性が高いことが示唆された.さらに,臭気指数およびにおいの質について調査し,焼酎粕・でん粉粕培地の臭いは,培養が進むにつれて培地本来の酸っぱい臭いから,きのこの匂いへ,においの質が変わると同時に,臭気指数は減少することが明らかになった.