著者
梅田 勇雄
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.576-578, 1973-08-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
5

今まで淡口しょう油の一部として取り扱われていた白しょう油が, 独立して独自の規格をもつようになった。これより先, 白しょう油が今までどのように製造されていたかを解説して新しく定められた規格について簡単に説明している。
著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.11, pp.862-866, 2006-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
16

終戦の翌年 (昭和21年), 奄美諸島は突然鹿児島県から切り離されて, 米軍政下におかれることになった。 以来, 紆余曲折を経て, 昭和28年に宿願の本土復帰をはたしたが, 軍政下の8年間は奄美の歴史のなかでも極めて特異な時期であった。 すなわち, 軍政下という小さな独立国のなかで, 奄美島民が主体的に行政, 経済, 文化を担うことになったからである。本稿では, 奄美群島政府の行政資料や新聞記事などにもとついて, 軍政下における奄美の酒造史, 特に 「黒糖焼酎」 誕生までの前史について2回にわたって解説していただいた。
著者
高橋 美絵 磯谷 敦子 宇都宮 仁 中野 成美 小泉 武夫 戸塚 昭
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.5, pp.403-411, 2007-05-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
21
被引用文献数
5 7

製麹工程における麹の香りの変化を明らかにした。1.製麹工程中の香りは, 麹らしい香りの全体的強度, キノコの香りの強度は経時的に増加する傾向を示し, 甘い香りは出麹時に最も強くなり, 栗香は出麹以降に強くなることが認められた。2.栗香については, Phenylacetaldehydeが床もみ後40時間で最大となり, 1-Octen-3-one, 1-Octen-3-olは菌体量の増加とともに44時間から49時間の出麹にかけて約2倍に増加したことから, これらの成分のバランスで栗様の香りになるものと考察した。3.製麹工程において麹中のアミノ酸は出麹に向けて経時的に増加する傾向を示したが, 香気成分の前駆物質と考えられるアミノ酸 (Val, Leu, Met及びPhe) において固有の動向は見られなかった。4.製麹工程における脂肪酸の動向を検討したところ, 脂肪酸は菌体量の増加, 菌体外タンパク質量と共に増加する傾向を示し, 脂肪酸は麹菌の増殖の指標となると考えられた。5.リノール酸を基質として麹から抽出した粗酵素液を反応させたところ, HOD及び1-Octen-3-olの生成が確認された。1-Octen-3-ol生成酵素活性は製麹後半 (リノール酸の増加開始約4時間後付近) で約10倍高くなり, 基質であるリノール酸に制御されていることが示唆された。6.1-Octen-3-olを基質として粗酵素液を反応させたところ, 1-Octen-3-oneの生成が確認された。1-Octen-3-one生成酵素活性は盛仕事以後の製麹工程中において一定であり, 香りに強弱がある麹間においても差は認められなかった。7.製麹後期の麹の香りは, リノール酸を前駆体として生産されるものであり, この香りを製麹管理及び麹の品質評価の指標として活用できることが確認された。
著者
永谷 正治
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.447-449, 1966 (Released:2011-11-04)

1. 清酒の粘度は一定温度下ではアルコール度数と日本酒度の関数と考えられ粘度/アルコール度数対日本酒度をプロットすると直線関係が得られた。2. 清酒の粘度温度との間には1℃ から43℃ の間ではAndradeの式が成立し, logη 対1/Tが直線関係を示す。3. 上記のグラフを利用して求めた粘度と実測値とは測定誤差の範囲でよく一致した。清酒醸造工程において, もろみの圧搾をはじめ濾過, オリ引き, ポンプ輸送, 火入れなど熱交換等の計算をする場合, 粘度の値が必要であるが, 清酒の粘度のまとまった実測値はなく, 化学成分からの推算法も見当らない。著者等は実用的な見地から清酒の粘度をアルコール度数と日本酒度から求める方法を検討した結果, 簡便な方法を得た。
著者
宮尾 俊輔
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.103, no.10, pp.742-749, 2008-10-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

吟醸酒の製造にカプロン酸エチル高生産酵母は不可欠な存在になっている。カプロン酸エチル高生産酵母は醒後半のキレが鈍る傾向にあり, そのため発酵能が高い酵母との混合仕込が普及している。最近, 日本醸造協会が開発し, 頒布しはじめたカプロン酸エチル高生産酵母のきょうかいm1号は, 発酵能が高い酵母として注目されている。筆者らはかねてからカプロン酸エチル高生産酵母の混合仕込について詳しく調べており, 今般きょうかい1801号の混合仕込を行い, 発酵能や香気成分の生成量などを検討した。混合仕込全般を含めきょうかい田1号について得られた最新の知見を詳しく解説していただいた。
著者
松井 徳光 大杉 匡弘
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.11, pp.833-838, 2006-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
15
被引用文献数
6

古来より味噌は麹カビを用い, 耐塩性酵母および耐塩性乳酸菌の働きで造られてきた。筆者らは, 子嚢菌類 (麹カビ) とともにいわゆる真菌類の主体をなす担子菌類 (きのこ類) がアミラーゼ, プロテアーゼ, 乳酸脱水素酵素, アルコール脱水素酵素を有することを見出だし, きのこを用いるワイン, ビール, 清酒などの製造も試みておられる。さらに, きのこには抗ガン作用や抗血栓作用などもあり, 機能性食品素材としても注目される。筆者らは, 食品素材としてのきのこに着目し, 機能性食品の開発を主目的として大豆素材の特性を活かしながら, 機能性に優れ独特の風味を有するきのこ味噌 (無塩味噌, むしろ味噌様食品と呼ぶべき食品) の製造を試みられた。知恵と経験を活かしながら, 今迄にない食品素材と微生物組み合わせることによって, 新しい風味を呈し種々の疾病予防に効果を示す発酵食品の製造が可能の好例として大いに参考になるものと思われる。
著者
鰐川 彰
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.4, pp.241-250, 2003-04-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
21
被引用文献数
8 6

ウィスキーの製造工程全般にわたり酒質に及ぼす影響を検討したところ, 乳酸菌がモルトウィスキーの新規香気成分生成に関与することを解明した。乳酸菌は, 従来汚染菌として発酵停止やオフ・フレーバー生成の原因となることは知られていた。一方, 新しく他の微生物と協調してファッティな甘い香気成分を生成し, 同定の結果γ-decalactoneとγ-dodecalactoneと判明した。その生成経路につき, また伝統的に使用しているビール余剰酵母の酒質に及ぼす影響をも検討した。
著者
石田 秀人
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.98, no.1, pp.23-30, 2003-01-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

本稿は, 古代エジプトの壁画に表されたビール造りを再現実験によって意味付けを行う実験考古学的アブローチを用いて, 古代ビールを復元した貴重な研究である。復元された古代ビールは, アルコール分約10%, 高い乳酸濃度のためボディーがあり, 白ワインに似た味のものであった。筆者は, この研究によって, パンを粥にしたものからビールが出来たとする従来の自然発酵説を否定し, 乳酸を含むサワーブレッドを用いることによる静菌作用が, 酢酸発酵を防止しビール製造に必要であったとしている。この乳酸による静菌技術は, 日本酒の生翫造りだけではなく, 開放発酵系の酒造りに必要な共通技術であるとする等, 非常に興味深い内容である。

4 0 0 0 OA ビール酵母

著者
有村 治彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.95, no.11, pp.791-802, 2000-11-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
62
被引用文献数
2 3

醸造の基本技術シリーズとして、ビール製造における原料及び仕込工程について解説されてきた。また、ビール醸造において「酵母」は欠くことのできない存在であり、たとえ「よい原料」を用いたとしても,「元気な酵母」でなければ,「うまいビール」を製造することはできない。本稿では, ビール酵母において, 最近得られた情報を踏まえ, 基本的な知見を紹介するとともに, 醸造工程における酵母の取り扱い方 (ハンドリング), 酵母活性測定法について解説して頂いた。
著者
吉田 元
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.12, pp.887-894, 2007-12-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
14
被引用文献数
1
著者
家村 芳次 片岡 浩平 原 昌道
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.91, no.2, pp.130-135, 1996-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
17
被引用文献数
9 10

The laboratory-scale sake mashing was carried out using rice of various polishing ratio; 70%, 80% and 90%.Amino acidity of sake mash was the lowest at polishing ratio 90%, in spite of highprotein content of polished rice.To elucidate its mechanism, the balance of nitrogen in sake mashwas investigated, and results described below were obtained. More than 50% of nitrogen releasedfrom koji and steamed rice was taken in yeast cells in sake mash.The amount of nitrogen releasedfrom both koji and steamed rice was the largest at polishing ratio 90%, whereas, the amount of nitrogen taken in yeast cells was about 1.5 times as large at polishing ratio 90% as that at polishing ratio 70%. Consequently the nitrogen concentration of liquid phase was lowest in sake mash atpolishing ratio 90%. The cell concentration of yeast in sake mash at polishing ratio 90% was 2.5times as high as that at polishing ratio 70%, whereas the amount of nitrogen per dry weight of yeast was about the same regardless of polishing ratio, though the dry weight per 108 yeast cells at polishing ratio 70% was 1.7 times as high as that at polishing ratio 90%. From these results, it was comprehensible that the amount of nitrogen taken in yeast cells in sake mash was the largest at polishing ratio 90%.
著者
布村 伸武
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.101, no.3, pp.151-160, 2006-03-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
37
被引用文献数
1 4

日本の醸造醤油の最も特徴づける香味成分は, このフラノン類の一種HEMFである。この香味成分は最近, 発がん抑制効果があることが認められた。香味成分「HEMF」研究の第一人者の筆者に詳しく解説いただいた。

4 0 0 0 OA ビールの色

著者
橋本 直樹
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本釀造協會雜誌 (ISSN:0369416X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.128-132, 1980-02-15 (Released:2011-11-04)
参考文献数
28