著者
鈴木 有美
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.145-155, 2002-12-27
被引用文献数
1

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
海老原 史樹文 鍋島 俊隆 髙田 耕司 阿部 訓也 間宮 隆吉
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

抗うつ薬の評価法として用いられる尾懸垂試験における無動行動を制御する遺伝子Usp46を中心として、マウスの行動障害に関わる遺伝要因及び遺伝と環境との相互作用について分析し、その生理生化学的メカニズムを解明することを目的とした。その結果、Usp46は脳の様々な領域で発現し、GABA神経系を介して多様な行動に影響を及ぼすことが示された。また、Usp46変異マウスはストレスに対して脆弱であり、養育活動も低下するが、適正な養育活動を受けて成長すると、正常な養育行動が発現することが明らかになった。
著者
清水 明子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 心理学 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.45, pp.55-63, 1998-12-25

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
澤木 宣彦
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

消費電力が大きな従来型の計算機システムの弱点を克服するための結合量子井戸構造における波動関数の変化を利用する新しい演算システムの構築の可能性を探ることを目的とする。1.結合ドット構造への電子波束の注入法を探るため、磁場中の量子ディスク、量子細線における電子波束の運動を詳しく検討した。磁場が強い場合には波束の崩壊は起こらないこと、磁場に直交する電界を印可すると、波束は横方向へのドリフト運動を行うことがわかった。2.電子線露光法により、砒化ガリウムにシリコンを原子層ドープした構造に微小電界効果トランジスタを作製した。チャネルの幅ならびに長さは100-500ナノメートルとし、サイドゲート構造とすることによりチャネルの伝導制御を試みた。ドレインには分岐点を設け、原子層ドープ構造におけるパーコレーション的な伝導の効果を見いだすことを試みた。しかし、今年度の実験ではそのような効果を見いだすことはできなかった。サイドゲートによるポテンシャル変調が十分でなかった可能性がある。3.結合ドット構造からの信号の光による入出力の方法として、プラズモンポラリトンを用いる方法の有効性を検討した。半導体量子井戸構造の試料の表面に電子線露光法によって金属膜グレーティングを作製した。ヘリウムネオンレーザの光を特定の角度から入射することによって、半導体表面にプラズモンが励起できた。ついで、この角度付近で、量子井戸からの発光の強度が増加することを見いだした。量子井戸の励起子系と表面に局在した電磁波との相互作用の可能性が実証された。
著者
横山 智
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究で扱う納豆様の無塩発酵大豆食品(ナットウと記す)の起源や伝播経路に関しては、これまで数多くの議論が交わされてきたが、未だに明らかになっていない。そこで本研究では、これまでの議論を踏まえつつ、東南アジアとヒマラヤのナットウに焦点をあて、ナットウを製造する民族の食文化、製法、利用方法を調査した。その結果、各地のナットウの共通点と差異から「ナットウの発展段階論」を提示した。さらに、ナットウの形状に着目して地域分類を行ない、それらを総合的に考察した上で東南アジア大陸部とヒマラヤの4 地域で独自にナットウが発祥したとする仮説を打ち出した。
著者
尾里 建二郎 木村 稔
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

脊椎動物における背腹構造の形成機構は発生学上の焦点の一つである。メダカDa(double analfin)変異体は、胴部、尾部において背側が腹側化している表現型を示す突然変異体である。本研究ではDa変異体原因遺伝子のポジショナルクローニング単離を行った。1)メダカ遺伝的連鎖地図の作成とDa遺伝子のマッピング:メダカ遺伝的連鎖地図を作成したところDa遺伝子は連鎖群VIIIにマップされた。Da遺伝子を挟む形で両側に存在するもっとも近いマーカーとDa遺伝子との物理的距離は144kb、及び360kbであった。これは染色体歩行を開始するにあたり十分近い距離であると考えられた。2)整列化コスミドライブラリーの作成:Da遺伝子近傍のマーカーから染色体歩行を開始し、物理的地図を作成するために、HNI系統を利用してメダカコスミドライブラリーを作成した。平均インサート長40.2kbのものが約12万クローン(メダカハプロイド6ゲノム分に相当)384穴マイクロタイタープレート上に整列化した。これらをスクリーニングしてDa遺伝子近傍の2個のマーカーを含むコスミドクローンを得ることに成功した。3)Da遺伝子近傍の物理的地図の作成:このコスミドクローンをプローブとして、メダカ間期核に対してFISHを行い、これらのマーカーが物理的にも近接して存在していることを顕微鏡下で明らかにした。そこで、これら2個のマーカーから染色体歩行を開始し、BACクローンとコスミドクローンを用いて、Da遺伝子を完全にカバーするコンティングマップを完成させ、Da変異を含む最小領域の決定を行った。その結果、70〜250kbの範囲内にDa変異が含まれていることが明らかになった。これによってDa遺伝子は、1個のBACクローンでカバーされることが期待された。
著者
鈴木 康弘
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

阪神淡路大震災以降の活断層調査結果の集大成として、平成16年度末、全国を概観した地震動予測地図が地震調査研究推進本部によって作成され、活断層のデータベースも取り纏められた。しかし、その基礎データのひとつである活断層評価については、質・量とも十分とは言えず、今後に行うべき調査研究の内容に関して議論が続いている。本研究は、今後の活断層調査研究のあり方(モデル)を地理学の立場から具体的に示すために、被害軽減に真に役立つ(1)高精度な活断層位置情報の取得法、(2)強震動予測の基礎となる累積変位量(平均変位速度)計測法、(3)地震前後の変位量の面的把握法の提案を行い、活断層情報の有効な統合・公開に向けた「活断層GIS」のモデルを構築することを目指した。その結果、平成18年度までに方法論の整備をほぼ終え、活断層webGISを構築し、試験データ(糸静線北部地域の調査結果)を登録することに成功した。この間、平成17年度からは、文部科学省による糸魚川-静岡構造線活断層に関する重点的調査観測プロジェクトが始まり、研究代表者はこの中で変動地形学的調査を担うこととなったため、現地調査を含む詳細な新知見が数多く得られることとなった。本科研費による研究により開発された活断層GISのシステムは、重点調査観測プロジェクトによって整備されることになる糸静線活断層全域の変動地形学的調査データを統合・公開するための基礎技術として、今後も活用されることになる。
著者
丸井 文男 蔭山 英順 神野 秀雄 生越 達美 佐藤 勝利 水野 真由美 園田 紀子
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大學教育學部紀要. 教育心理学科 (ISSN:03874796)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.165-184, 1973-03-18
被引用文献数
1

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
松澤 和宏
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

1996年にソシュール自身の手による草稿が発見され、それ以前に発見されていた草稿と共に『一般言語学草稿』(ガリマール、2002年)が刊行された。しかしながらこの版は数多くの判読上の誤りを含み、50頁にのぼる草稿を無視している。本研究の目的は注釈を付した文献学的な校訂版を作成し、ソシュールの沈黙に関わる問題を検討することであった。すなわち、なぜソシュールは理論的体系の試みを放棄したのか、という問題である。本計画は、草稿の解読に伴う困難のために完全には実現できなかったが、草稿が我々に示すのは一般理論の構築の不可能性を表現しているもう一人のソシュールであることが明らかになった。
著者
夏目 淳 根来 民子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

熱性けいれん重積後早期に行ったMRI拡散強調画像(DWI)で24人中7人、約1/4の小児に片側海馬の異常高信号が認められた。異常は発作の持続が長い患者でみられやすかった。急性期にDWIで異常高信号を呈した海馬は1カ月後には萎縮を呈していた。重積発作後2年の時点でFDG-PETを行ったところDWI異常と同側の側頭葉ではブドウ糖代謝の低下がみられた。ただし典型的な内側側頭葉てんかんにおけるブドウ糖代謝の低下よりもその程度は軽かった。また熱性けいれん重積症の患者ではMRIでHIMAL (hippocampal malrotation)と呼ばれる先天性の海馬の形成異常を示唆する所見もみられた。易けいれん性を引き起こす先天性の素因と重積発作による海馬の損傷の2段階の機序によって後に側頭葉てんかんが発症するという2ヒット仮説が考えられた。
著者
宗宮 弘明 山本 直之 後藤 麻木 吉野 哲夫
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究によって、新たに23種の発音魚が記載された。マツカサウオ(キンメダイ目マツカサウオ科1種)、カマキリ(カサゴ目カジカ科1種)キントキダイ科魚類(7種)、キンチャクダイ科魚類(11種)、コトヒキ(スズキ目シマイサキ科1種)、イシダイとイシガキダイ(スズキ目イシダイ科2種)などが発音器を持つことが正確に記載された。マツカサウオ、カマキリ、コトヒキ、イシダイとイシガキダイは後頭神経を使って鳴き、キントキダイ科魚類とキンチャクダイ科魚類は脊髄神経を使って鳴くことがわかった。とくに、キンチャクダイ科魚類では、7属26種のうちサザナミヤッコ属(6種)とアブラヤッコ属(5種)だけが発音することもわかった。いずれの発音魚類も後頭神経か脊髄神経のどちらか一方だけを使って鳴き、両方の神経を使って鳴く魚種は観察されなかった。
著者
奥山 剛 藤田 晋輔 林 和男 鈴木 滋彦 大谷 諄 岡野 健
出版者
名古屋大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

最近の木造住宅は、省エネルギ-と、室内環境制御装置の導入によって、ますます気密化が進んでいる。一方、室内には無機材料が多用されるようになっている。このような住宅は将来増加の一途をたどることは明らかな状況である。住宅内のラドンの問題は、北欧やカナダ・アメリカでは大きな問題としてとりあげられているが、日本では、ここ5〜6年の間に、放射線安全工学の分野でとりあげられるようになったばかりである。放射線、特に低レベルの放射線に対する人間の健康への影響は不明な点が多いが、複合的な環境汚染が進むなか、木造住宅内のラドン濃度を低くおさえるための基礎的な調査が必要と考え、本総合研究を組識した。二年間にわたり、北海道から鹿児島まで12名の研究者に協力をいただき合計28の建物のラドン濃度を通年測定した。結果を要約すれば以下のとおり。1).全体としてみると、木造住宅はRC造住宅よりラドン濃度は低い。RC造住宅の新築のものに特に高いレベルのものがみられた。2).木造住宅では、床下及び地下室の濃度が高く300Bq/m^3を越える場合がある。そして、1階、2階と上階へいくに従って低くなる。このことから、木造住宅の最大のラドン発生源は床下地面であり、それは居室へと拡散していく。3).床下ラドン濃度は、一般に冬に低く、高温多湿となる夏期に高い。4).床下ラドン濃度は、床下地面の防湿施工によって低下する。5).床下換気口の適切な配置は床下ラドン濃度を低下させる。6).室内の空気が滞溜する押入れなどでは高いラドン濃度を示す。特にRC建物では1200Bq/m^3を越える場所がみられた。以上から、無機建材が用いられ換気が少なくなれば室内ラドン濃度が上昇することが明らかで、将来の日本の住宅もラドン対策が必要。
著者
川上 正浩
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.343-358, 2001-12-27

国立情報学研究所で電子化したコンテンツを使用している。
著者
塚本 眞幸
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

バクテリアの二次情報伝達物質として注目されている環状ジアデニル酸 (c-di-AMP) の効率的な化学合成法を確立した。この手法を基盤として生理活性探索を行ったところ、 c-di-AMP が淡水域に生息する緑藻類の一種であるクラミドモナスの細胞分裂を促進することがわかった。さらに、2'位に種々の置換基を有する c-di-AMP 誘導体も同様の生理活性を示すことが明らかとなった。
著者
水野 幸治 三木 一生 山本 創太 田中 英一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究では,CRS使用時の小児の傷害の詳細解析を目的とし,成人人体有限要素モデルTHUMS AM50のスケーリングに基づき,3歳児FEモデルを作成した.3歳児の人体計測値に基づき,身体各部位におけるスケールファクターを求め,AM50モデルに対して形状のスケーリングを行った,その結果,3歳児の人体計測値との誤差が10%程度であり,3歳児の形状を表した人体FEモデルを作成することができた.3歳児の骨の材料特性は文献を基に骨の弾性係数,破断強度,ひずみを求め,小児の骨の応力-ひずみ曲線を推定した.この推定した3歳児の特性から,3点曲げ解析を実施し,実験結果とよく一致した.3歳児FEモデルの衝撃応答を3歳児ダミー校正要件を用いて検証した.特にCRSの拘束に関連する胸部,腰部の特性に対して検証を行った.本モデルは衝突ダミーの胸部応答要件を満たし,さらにダミーよりも死体に近い応答を示した.すなわち,本モデルでは衝突ダミーよりも詳細に人体の胸部傷害メカニズムを再現できる可能性がある.3歳児FEモデルを用いシールドタイプのチャイルドシート(CRS)による衝撃解析を行った.3歳児FEモデルではシールドにより荷重を受けた胸椎を中心に体幹が屈曲した.衝突ダミーでは腰椎で体幹が屈曲した.本モデルの応答は,衝突ダミーよりも死体の応答に近く,人体挙動を再現していると考えられる.さらに軟部組織の応力について検討した結果,シールドタイプのCRSでは胸部の圧迫により,胸部内臓傷害の危険性があることがわかった.本研究で開発した3歳児人体有限要素モデルを用いることで,従来,困難であった子供の骨折などの詳細な傷害の評価,CRSの拘束方法の評価が可能となり,本モデルが傷害再現のための有効なツールであることが示された.さらにこのモデルにより,子供の解剖学的特長及び傷害メカニズムを考慮したCRSの設計開発のための有用な知見が提供できると考えられる.