著者
加藤 靖恵
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

日仏の図書館や研究所で集中的に調査を行い,またフランス各地の代表的なゴシック教会の資料を収集した。またフランス学士院図書館でマール草稿の調査も開始した。19世紀にゴシック時代の彫刻作品と古代ギリシア美術とを好んで比較する傾向を調査し,国際集会,フランスの論考集,日仏の学術雑誌で発表,またパリ第3大学のプルーストセンターで講演を行った。
著者
加藤 丈佳 鈴置 保雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

半径 4km 圏内の 17 地点で観測した日射量データや、協力企業から提供を受けた中部地域の日射量データについて、観測地点間における短周期変動の独立性などを解析した。その結果、1/√N 則を適用することで、1 地点の観測データは半径 15~20km の範囲の空間平均日射変動特性を表せることを確認した。その結果に基づき、遷移仮説を応用して観測点周辺の日射変動平滑化効果を表すローパスフィルタ(LPF)を構築した。LPF を中部地域 61 地点の日射データに適用するとともに、住宅分布に基づく各観測点の重みを考慮して、中部地域全体の空間平均日射を算定し、 32 分周期以下の短周期変動特性や数時間にわたる大きな日射変動の年間発生回数等を統計的に評価した。また、日射変動特性の評価の一環として、翌日の空間平均日射量 1 時間値を予測する手法を開発した。さらに、スプライン補間によって観測地点間の任意地点の日射量を推定する手法や天空画像の解析によって一定範囲内の空間平均日射量をリアルタイムに把握する手法を開発した。
著者
波多野 学
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

有機金属反応剤を用いるカルボニル化合物への炭素-炭素結合生成反応は有機合成化学の基幹反応である。従来の主流はカルボニル基の活性化を促すルイス酸化学であった。しかし、有機金属反応剤そのもの、すなわち炭素-金属結合が活性化できれば、求核性が増大し、反応効率は飛躍的に高まるはずである。研究代表者は種々の実用的な有機金属反応剤の求核能向上に着目し、炭素-金属結合の活性化を基盤とする触媒的炭素-炭素結合生成反応の開発を行い、不斉触媒反応へと展開した。
著者
佐藤 理史
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

本年度は、オンラインニュースの見出しを詳細に分析し、以下のことを明らかにした。1.日本語で、ニュース記事が伝えるような情報を短い見出しとして要約する場合、10文字台前半(12から15文字)が目安となる。この分量のテキストで、読者が記事を取捨選択できるだけの情報を伝達することができる。2.1つのコト(事態)を伝える見出しのほとんどは、見かけ上は体言で終わる場合でも、動作性を有する述語または述語相当語を持つ。また、その末尾に、モダリティを表す特殊な表現を伴うこともある。すなわち、見出しは、短くするために特殊な形式を取っているが、通常の文とほぼ同じ構造を有する。3.見出しを構成する文節数は2から4である。文節の平均文字数は、前から単調減少する。たとえば、3文節であれば、最初の文節の文字数が多く、最後の文節(述語)の文字数が少ない。これは、情報量の多い文節を前方に配置する原則が働いているものと見なすことができる。4.見出しの短さは、つぎの4つの合わせ技で達成されている。(1)単文要約:複雑な内容の情報も、その中核的内容は単文に要約できる。(2)プロトコル化:比較的よく現れる情報タイプに対しては、見出しの定型化(プロトコル化)が進む。(3)省略:重要な要素を優先して残し、それ以外は思い切って省略する。(4)縮約:述語、連用修飾語、補足語、連体修飾語のそれそれに対して、長さを短くする(縮約する)ための機構が存在する。
著者
服部 美奈 西野 節男
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

研究成果を以下の4点に要約する。第一に、インドネシア・マレーシアのイスラーム高等教育機関では近年、イスラーム法学やイスラーム教育などのイスラーム諸学に、非宗教的な学問諸学である法学や教育学を統合する試みが進められている。さらに、イスラーム高等教育機関は様々な価値が混在する多元化社会に対応し、同時に非宗教系高等教育機関とは異なる人材の輩出、つまり宗教と非宗教といった二元的な学問類型を越えたイスラーム指導者を養成しようとしている。一方、マレーシアのイスラーム高等教育機関は1980年代からアラビア語と英語を教授用語とするマレーシア国際イスラーム大学の設立など、グローバル化に対応した教育改革を行い、国内外のイスラーム指導者を養成している。また各州における独自の取り組みも注目される。第二に、イスラーム高等教育機関における研究の進展は顕著である。多くのイスラーム高等教育機関には女性研究センターPusat Studi Wanita、イスラーム研究センターが設けられ、イスラーム諸学の研究が進められていると同時に、現代の諸問題に照らした教義の再解釈や社会科学の手法にもとづく実証研究が推進されている。この意味で、各国のイスラーム高等教育機関における研究の蓄積と発信が今後のイスラーム研究の重要なリソースとなりつつある。第三に、しかしながら異宗教間対話という観点からインドネシア・マレーシアのイスラーム高等教育機関をみると、イスラーム諸学と非イスラーム諸学との学問的統合あるいはより広い分野での就職・活動の機会を学生に提供しているという点において、価値多元化社会への対応は確実に進んでいるといえるものの、諸宗教間の対話を現在のイスラーム高等教育機関が積極的に提供していると結論づけることはできない。第四に、2011年に開催した国際シンポジウムにおいて、各国(インドネシア、マレーシア、ブルネイ、オランダ、ヨルダン)のイスラーム高等教育機関に所属する研究者を招聘し、東南アジア、ヨーロッパ、中東地域におけるイスラーム高等教育機関の価値多元化社会への対応を直接議論することにより、国際的な研究交流を促進した。また、この国際シンポジウムの開催により、東南アジア地域のみならず、ムスリムがマイノリティとして居住するヨーロッパにおけるイスラーム高等教育機関の現状と課題を共有し、より普遍的な課題の検討と問題提起が可能となった。
著者
高木 一義 高木 直史
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

単一磁束量子デバイスによる実現に適した論理回路構成法を検討し、回路設計フローとそのために必要な設計支援に関する研究を行ない、以下の成果を得た。(1) 乗算および開平のための回路アルゴリズムの設計を行なった。(2) クロック同期式順序回路の合成のための一手法を提案した。(3) クロック信号の配信のための、クロックスケジューリングアルゴリズムを提案した。(4) レイアウトを考慮したクロック木構成法を開発した。(5) パイプライン動作の検証手法を開発した。
著者
北神 慎司
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

ジェンダーバイアス(own-gender bias)とは,異性の顔よりも同性の顔のほうが認識しやすく,記憶しやすいという現象である.本研究では,ジェンダーバイアスの生起に,接触経験などの知覚的熟達要因,あるいは,同性他者への興味・関心などの社会的認知要因が関与しているかどうかを検討した.その結果,特に,再認記憶におけるジェンダーバイアスには,知覚的熟達要因ではなく,社会的認知要因が関与していることが示唆された.
著者
北島 健 佐藤 ちひろ 山口 芳樹 真行寺 千佳子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

受精における糖鎖の重要性は多数の報告があるが、遺伝子改変動物の解析結果から受精の成立には必ずしも必須ではない場合があることが例証されるなど、現在、糖鎖が関わる受精の分子機構の再評価が課題である。その課題解決のために、我々は糖鎖が集積してタンパク質や脂質とともに形成する分子複合体「細胞膜マイクロドメイン」に着目して研究を行った。本研究では、精子マイクロドメインに局在し糖鎖に富むGPI-アンカー分子が、これまで見出されていたウニと哺乳類以外にも、鳥類、両生類にも存在することを明らかにした。また、これらの分子が糖鎖を介して細胞内Caイオン調節に関わることを証明した。
著者
佐塚 隆志 北野 英己
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

イネの胚発生突然変異体club-shaped embryo1(cle1)、tryptphan deficient dwarf1(tdd1)、club-shaped embryo3(cle3)の3系統を用いて、イネ胚の器官形成におけるマイクロRNAやオーキシンによる制御機構について解析を行った。cle1、cle3は、胚が棍棒状になる変異体であり、tdd1は胚が球状になる変異体で、共に器官形成を行うことができない。ポジショナルクローニングの結果、cle1の原因遺伝子はOsDCL1、tdd1はアントラニル酸シンターゼベータサブユニット遺伝子であることが明らかとなった。これらの変異体を用いた詳細な解析の結果、イネの胚発生におけるマイクロRNA及びオーキシンによる制御機構が解明された。また、別の棍棒状胚変異体cle3の原因遺伝子は第6染色体に、また、重力屈性が異常な変異体crown root less2(crl2)は第1染色体に原因遺伝子が座乗することが明らかとなり、イネの胚発生とオーキシンの関係についての研究基盤が構築された。
著者
吉田 正人 山本 浩之
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

樹木の姿勢はあて材に発生する成長応力で調整されている。しかし、木材にあて材が含まれると、割れ・反りが大きくなり、高度利用の障害となる。そこで本研究は、針葉樹のあて材がどのように形成するのかを遺伝子発現の立場から理解することを目指した。細胞壁リグニンの合成に関連する遺伝子を調べたところ、あて材が形成されるときだけに発現する遺伝子を発見し、これをCoLac1と命名した。この遺伝子はあて材の細胞壁においてリグニン増加と密接な関係にあることを明らかにした。また、次世代シーケンサであて材形成時の遺伝子発現を網羅し、あて材形成の理解を深めた。
著者
山本 圭
出版者
名古屋大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本年度は英国University of Essex, Department of GovernmentにてAletta J. Norval博士のもとで研究課題を遂行した。まずは研究課題である闘技的民主主義の諸相を捉えるべく、一般に「闘技理論」としてカテゴライズされる政治理論-ハンナ・アーレント、シャンタル・ムフ、ウィリアム・コノリー-のマッピングを行った。これらを比較検討することにより、それぞれのあいだの差異、つまりは闘技理論の様々な可能性を吟味出来たと同時に、これらのあいだに見出される共通点を闘技理論の特徴として抽出することが可能となった。続いて闘技理論を批判する熟議民主主義の議論を検討した。熟議民主主義は今日、単に対立のモメントを拒絶しているわけではなく、むしろ対立をどのように熟議のうちに取り込むかに関心をもっていることに着目し、それらの議論を二つのタイプに分けることを試みた。すなわち第一に、熟議のうちにも対立の契機が存在することを主張するもの、そして第二には如何なる闘技も一定の合意に基づいたフレームワーク、ないしは熟議の結果としてのルールを前提とせざるをえない、というものである。これらの議論を検討することで、通常熟議/闘技として認知されている現代民主主義理論の二項対立の有効性を疑問に付し、この二分法を超えるパースペクティブの必要性を提示した。この成果は、Kei Yamamoto, "Beyond the Dichotomy of Agonism and Deliberation",(Multiculturalism, Nagoya University, Graduate School of Languages an and Cultures, No. 11, pp. 159-183, 2011)として発表された。
著者
森 仁志 榊原 均
出版者
名古屋大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

茎のプラスチドに局在し、頂芽切除によって変動するタンパク質を網羅的に同定することで、茎のオルガネラを理解し、腋芽の成長制御をオルガネラの観点から解析することを目的としている。頂芽切除前後のエンドウの茎からプラスチドを調製し、両プラスチドに含まれるタンパク質で量が変動するものを、質量分析法を用いた比較プロテオーム解析により検索した。比較プロテオーム解析は、質量の異なる修飾基(^<12>Cが^<13>Cに置換してある)を用いて、比較する試料を標識し、両者の量比を比較することによって行った。今年度はICPL(Isotope Coded Protein Labeling)法とNBS(13CNBS Stable Isotope Labeling)法で比較プロテオーム解析を行った。ICPL法では、まず両試料のタンパク質群のLys残基のε-アミノ基をニコチン酸(^<12>C_6/^<13>C_6)-NHSで修飾した。次にタンパク質群の複雑度を下げるために、SDS-PAGEでタンパク質を分画し、ゲルを87片の短冊に切り出した。各ゲル片をトリプシンでin gel消化し、生じたペプチド断片を逆相クロマトグラフィーで約50の画分に分画し、MALDI-TOF MSで解析した。質量差が6マスのペアペプチドイオンを探し、両者の量を比較した。その結果、頂芽切除前と切除3時間後、6時間後で量比に変化のあるペプチドが見いだされたが、概ね2倍以内の差であった。一方、NBS法ではタンパク質中のTrp残基を質量の異なるNitrobenzenesulfenyl(NBS)基(^<12>C_6/^<13>C_6)で特異的に修飾した。標識したタンパク質群をトリプシンで消化後、標識されたペプチドを、標識によって増加したペプチドの疎水性を利用しPhenyl Sepharoseカラムで濃縮した。このことによりペプチドの複雑度を下げることができた。8画分に分画した溶出試料をMALDI-TOF MSで解析し、質量差が6マスのペアペプチドイオンを探し、両者の量を比較した。しかし、ICPL法の場合と同様に顕著な差のあるペプチドを検出することはできなかった。
著者
篠田 知和基
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

日本とフランスを中心として、昔話、および伝説の異類婚説話の比較を行なった。広くインド・ヨーロッパ文化圏の説話と日本の説話が民衆文化のレヴェルで相同性を示すことはすでに、吉田敦彦氏らによって証明されているが、とくに神話レヴェルに近い昔話としての異類婚説話を検討すると、それが、獣祖と天人との結合を物語る始祖説話から発生することが了解され、そのひとつとして、たとえば、フランスのメリュジーヌ説話と日本のトヨタマヒメ説話の相同性なども出てくるが、それは、決して直接的な一方の他方への伝播でなはく、双方の中間地帯からの同時両方向的伝播の結果だが、それも単に単一説話の移動ではなく、自然と人間とのかかわり方を説明する説話体系の複合的移動が、文化的に変容を蒙っていった果ての一致であることがわかる。すなわち、昔話では、フランスの代表的な昔話、「悪魔の娘」が、日本の「天人女房」と構造的一致を示し、「青髭」は「猿婿」の文化的変容である。また、動物相の変化の法則により、中央アジアの狼は日本では蛇(神)になり、メソポタミアを経由したヨーロッパでは竜になるが、それが、さらに、攻撃者と犠牲の相互可逆性の法則により、昔話では蛙になり、また、文化英雄の遺棄の説話は超自然的保育神話に接続するときに、授乳者としての雌鹿のイメージをうんでもゆく。それらを総合して、日本とフランスは同一文化の両端に属し、同種の文化変容を遂げつつ、それぞれ、特有の風土性を示し、かつ、早くから、近代化を蒙りながらも、その両者を対照させることで、いくつかの説話の古層の原態を再現することができる文化であることが証明された。
著者
太田 美智男 山田 景子 岡本 陽
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

1.黄色ブドウ球菌biofilm形成は菌株によって発現が異なる。Biofilm高度産性株において、ica遺伝子ノックアウト、プロテアーゼ処理、DNase処理のいずれでもbiofilm産生は大幅に低下した。したがってbiofilm高度産生にはica産物であるPIAならびに蛋白、DNAが関与していた。icaノックアウト株ではプロテアーゼ処理、DNase処理の影響はほとんど見られなかった。したがってノックアウト株が形成する少量biofilm形成はc-di-GMPの影響を受けるが、蛋白、DNAが関与せず、恐らく他の多糖体のみによって形成される。このことはc-di-GMPが主に多糖体合成調節に関与することを示唆する。2.A群連鎖球菌はc-di-GMP生合成を行うGGDEFモチーフを持つ蛋白をゲノム配列から見いだすことができない。これは他の連鎖球菌においても同様である。しかし我々はA群連鎖球菌の細胞内にc-di-GMPを検出することに成功した。ゲノム配列を再検索したところ、GGDQVモチーフを持つ蛋白が一種類見いだされた。この蛋白はPAS,DHHドメインを有し、c-di-GMP生合成に関与することが予想された。この蛋白の遺伝子をノックアウトすると、biofilm形成が促進された。またc-di-GMPの産生が失われた。したがってこの蛋白はc-di-GMPの合成を行うことが証明された。GGDQV蛋白はGGDEF蛋白を持たない多くのグラム陽性菌などにおいて広く見いだされた。したがってc-di-GMPは細菌におけるbiofilm合成に関与する普遍的なシグナル分子であることが明らかとなった。
著者
アレクシッチ ブランコ
出版者
名古屋大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

シナプス足場タンパク質のMAGI2はグルタミン酸受容体を含む多様な機能分子と相互作用し、統合失調症の認知機能障害との関連が示唆されている。本研究ではMAGI2の遺伝子多型と統合失調症の関連解析を行い、さらにその多型が認知機能に与える影響について検討を行った。その結果、MAGI2の2つの遺伝子多型(rs2190665、rs4729938)が統合失調症と関連し、さらにrs2190665は統合失調症に特徴的な実行機能障害にも関与することが明らかになった。
著者
井土 愼二
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

研究計画に示した通り、論文では明代の資料『回回館雑字』、ヘブライ語表記のブハラタジク語資料、そして録音から得られる音響データを組み合わせてタジク語とウズベク語の母音体系を分析した。その結果、タジク語の母音体系の成立過程については、これまでに知られていなかった幾つかの事実が明らかになった。15世紀のサマルカンドでの母音体系の『回回館雑字』に基づいた再構や、タジク語母音推移の過程や時期のヘブライ語表記のタジク語資料と音響分析に基づいた推定などがそれにあたる。研究の主目的であるウズベク語母音体系の成立過程の解明については、上述の論文のうちの1本がその嚆矢となっている。今後発表を続けていきたい。
著者
家森 信善
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究は、近年、金融市場との融合が進んでいる商品先物市場の現状を分析し、投資家が安心して投資対象にできる商品先物市場を構築するための基礎的な研究を行った。具体的には、(1)商品先物市場の価格変動の特徴に関する研究、(2)商品先物を活用した個人投資の可能性に関する研究、(3)商品先物取扱業者の経営破綻に関する研究、の3つの研究を行った。制度的な整備は進んでいるものの、実際の利用は進んでいないし、また、金融化の行き過ぎが新たな問題を生み出している。