著者
赤澤 計眞
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

本研究はイギリス中世後期社会の歴史的特質を明らかにすることを目的とし、平成6年度の研究課題は、中世後期のイギリス社会に視点を特に定め地域支配の行政(ローカル・アドミニストレーション)面に関する史料を分析対象に設け、領主権と地域支配組織との社会的・政治的関連を明らかにすることを研究の主たる目的としつつ、同時に裁判権をふくむ領主支配を明らかにすることに目標が置かれた。具体的には、この場合の中世後期のイギリス社会は大きな時代の変動期を内にもっている移行期で、中世後期とは主として13世紀から15世紀の時代を意味しているが、研究のねらいをしぼって、成果をできるだけ生産的にみちびき出すことが大切であるためこの課題を具体的に効果あるように深化させるために、平成6年度は13世紀から14世紀前半にわたる時期にほぼ限度に研究を進めることにした。交付額230万円のほぼ50パーセントを備品費に配合する計画を立てて研究の素材をととのえることに本年度は努力の目標を置くこととし、主として研究書および史料集の購入にあてて図書費として支出し、結果的に約60パーセントの金額が研究文献・史料集の購入に支出された。また、神戸大学・広島大学・東北大学・名古屋大学・東京大学等の研究室・図書館・資料室において史料収集をおこない、必要不可欠と思われるものについて複写・写真撮影をおこなった。平成6年度は土地訴訟・新侵奪訴訟など具体的な訴訟過程に注意を払い、また権原開示訴訟(プラキタ・デ・イオ・ワラント)との関連を解明することにもつとめている。これと共に領主権の基盤をなす土地所有関係と相続関係に研究の重点を置いた。
著者
山本 正信
出版者
新潟大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

コンピュータグラフィックス(CG)の分野では,近年ますます実写に近い映像が制作されてきている.これに伴いCG内の人物の動きもリアル性が求められている.人間の動作をリアルに実現するには,実際の人間の動作を真似るのが近道である.人間の動作を測定する装置として,モーションキャプチャ等が市販されている.しかし,これらは人体にマーカーや特殊な装置を装着することが多く,演技者の自然な演技を阻害している.本研究では,カメラからの動画像を使って人体に接触することなく動作を測定する.したがって,過去の俳優の動作も残された映画から復元でき,時間と空間を超えて俳優をCG映像内で共演させることが可能である.本年度の成果は次の通りである.(1)多重拘束に基づく動作測定:正確な動作測定を行うために,従来からの動画像拘束とキーフレーム拘束の他に,シーンから人体に加わる拘束を考慮した.例えば,ドアを開閉するとき手先の動きはドアノブの動きに拘束される.あらゆる拘束を用いることにより正確な追跡を行うことができた.(2)過去の映画から俳優の動作測定:女優として,映画「風と共に去りぬ」からビビアン・リ-(スカ-レット役)が相手役のレスリ-・ハワード(アシュレ-役)を殴打する動作を測定した.一方,男優として映画「フランケンシュタイン」からボリス・カ-ロフ(フランケンシュタイン役)が動き回る動作を測定した.(3)俳優の共演CGの作成:ビビアン・リ-とボリス・カ-ロフが共演するCGを作成した.互いに独立した演技の共演であるため,2つの動作シーケンスの同期が必要になる.動作シーケンスの時間シフト,動作の速度を調整するタイムワープ,動作の強度を調整するモーションワープ等を組み込んだ共演ソフトを作成した.
著者
奥田 一博 川瀬 知之 鈴木 啓展
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

歯周疾患により失われた歯肉および歯槽骨を成体由来細胞、増殖因子、マトリックスの三者を用いて組織工学的に再生させることを目的とした。とりわけ、細胞供給については少量の組織片から培養操作を経てシート状の大きさに拡大することにより初めて臨床応用が可能となった。具体的には歯肉組織片から上皮細胞と線維芽細胞に分離・培養して培養上皮シートと培養線維芽細胞シートを完成させた。また骨膜組織片から培養骨膜シートを完成させて、すでに報告済みの多血小板血漿(PRP)とハイドロキシアパタイト(HAp)顆粒混合物に被覆する形で歯槽骨欠損部に臨床応用を行った。基礎的研究成果として、培養上皮シートの細胞挙動、動物製剤を含まない培地で歯肉スポンジを培養する方法、骨芽細胞・歯根膜細胞における肝細胞増殖因子(HGF)の作用、細胞外ATPおよびATPγSの歯根膜細胞増殖に対する作用について検討した。臨床的研究成果として、培養線維芽細胞シートを従来の結合組織移植片の代替物として用い露出根面の歯肉被覆に成功した。培養骨膜シートを多血小板血漿(PRP)とハイドロキシアパタイト(HAp)顆粒混合物と用いることで、骨再生が飛躍的に向上した。今後、臨床研究については細胞プロセシングセンターでの培養を規格化し培養骨膜シートの症例数を増やしてかつ長期的予後を観察することで先進医療として申請したい。基礎的研究に関しては、さまざまな足場材料を検討するとともに細胞の播種方法に多血小板血漿やヒアルロン酸を応用することで細胞の更なる高密度の培養を図る予定である。
著者
宮崎 謙一
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

提示された音について音高名以外を答えることが求められる課題や, ピアノ音が聞こえてくる中で記憶する課題では, 絶対音感の保有者は, 求められている課題とは関連がない音高からの妨害を受けて, 非保有者にくらべて遂行成績の低下を示した. この結果から, 絶対音感保有者では音高と音高名が自動化のレベルに達していて, 音高の命名化が不可避的に起こることが示唆された. また指定された音高を歌う形の能動的絶対音感と, 事象関連電位を用いて音高と指の対応づけに関する脳過程を調べる実験を行った.
著者
松原 幸夫
出版者
新潟大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、日本の大学教育において、各種発明創造技法を活用した教育カリキュラムを開発することにある。平成21年度の研究実績の概要は以下のとおりである。・新潟大学農学部の「食肉の食感の評価測定法の研究」において、教材を作成し学習者中心の教授法および、TRIZを利用した検証授業を5月28日に実施し、その成果を踏まえ、農学部藤村忍准教授と新しい食感評価の測定法の開発について、研究を実施した。・日本の熟練技術の伝承法については、文献調査を行った上で、安田工業株式会社、株式会社テクノス、新潟県中小企業家同友会等を訪問し、ヒアリングを行った後、平成21年度社会連携フォーラムにおいて各団体の報告と参加者を交えて公開討論会を開催した。・第5回TRIZシンポジウムにおいて、英文論文を発表し、欧米、アジアのTRIZの研究者から質問を受け、意見交換を行った。上記研究成果について、日本知財学会第7回年次学術研究発表会、発明誌11月号、「協同の発見」誌2009年9月号(協同総合研究所)、特許・情報フェア(11/4、発明協会WEB雑誌事例紹介)、新潟県国立大学法人等新採用職員研修、都立両国高校附属中学校知的財産セミナー等において講演又は、発表した。
著者
田中 幸弘 伊藤 壽英 橡川 泰史
出版者
新潟大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

1.ヒアリング本研究課題のため本年度は以下の主体へのヒアリングを実施した。(1)みずほ銀行グループ等いわゆる「サブプライム問題」が本年度7月以降、マーケットで顕在化したことで、証券化商品及び地方債について保証業務を行っているいわゆる「モノライン」会社の信用リスクが顕在化し、当初想定していた地域の再生のために必要なインフラとしてのわが国における証券化型地方債モデルの枠組みの再考が必要となったため、みずほ銀行グループ等、海外・国外におけるCDO等の証券化商品及び地方債を手がける当事者に対して聞き取り調査を実施、解決を要する事項の法的検討を行った。(2)日本格付研究所トムソンフィナンシャル、他日本格付研究所トムソンフィナンシャル等、サブプライム問題による仕組み債、地方債の格付け実務への影響と今後の実務の枠組みの変容の可能性についてのヒヤリングを実施し、上記サブプライム問題顕在化によるマーケット環境の激変に対してどのような問題が地方債及び地方再生の法的枠組みに生じうる課について、投資家サイド(特に地銀)の地域再投資とバーゼルIIの枠組みとの関係、解決を要する事項の法的・実務的検討を行った。2.研究会及びとりまとめ研究分担者3名による研究会を3回実施した。本年度は昨年度の成果を踏まえ、分担者による実地調査の内容の報告と分析及び日本法における地方再生の法的枠組みの検討の論理的な問題・論点のまとめを行う予定であったが、年度中に起きたサブプライム問題による研究テーマへの影響と枠組みの再構築を考えざるを得ず、これに必要なテーマについて整理を行った。各回のテーマは以下の通り。わが国における地方再生の法的枠組みのあり方について・・・証券化型地方債モデルの可能性と法的留意点・いわゆるサブプライム問題の法的構造と地方債モデルにおけるモノライン会社の役割への影響・いわゆるMBS、CDO等の証券化商品の時価評価の枠組みと今後の証券化型地方債モデル構築の際の留意点
著者
織田 公光 相田 美和
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

低ホスファターゼ症は組織非特異型アルカリホスファターゼ遺伝子の突然変異に起因する先天的な代謝異常症である。しかし、遺伝子上の変異がどのように本疾患の発症に係わっているのかに関してはよくわかっていない。本研究では、重症の低ホスファターゼ症で報告されたジスルフィド結合に関わる2例の変異と、優性遺伝することが知られているミスセンス変異の解析を分子レベルで行い、その発症メカニズムを示した。
著者
鈴木 光太郎
出版者
新潟大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

本研究では,月の錯視を両眼視および眼位の点から検討した。夜間に野外(新潟大学人文学部屋上)で,被験者から50度上方向と水平方向3mの距離にある2枚の平面鏡(80×80cm)上に実際の月を映し,被験者に上方向の月に対する水平方向の月の大きさ(直径)のマグニチュード推定を行なわせた。1.その結果,両眼視の場合には,月の錯視(直径比が1.5倍程度)が生じた。一方,被験者に最初に単眼視で観察させた場合には,月の錯視はほとんど生じなかった。2.しかし,最初に両眼視条件を行なわせたあとの単眼視条件では,月の錯視が両眼視条件と同様に生じた。3.上方向の月を観察する際に,頭を傾け目が月に水平になるようする条件(水平視条件)と頭を垂直に保ち目だけを上に向ける条件(仰視条件)も設けた。その結果,両眼視条件では,水平視条件に比べ仰視条件での錯視量のほうが有意に大きく,眼位の効果が観察された。しかし,この効果は,単眼視条件では観察されなかった。4.以上の結果は,これまで問題視されることの多かったTaylor & Boring(1942)の知見を支持した。以上より,両眼視では,動眼系の状態(レンズ調節,輻輳,瞳孔)が上方向を見る時と,水平方向(地平方向)を見る時とで異なり,その違いが月の錯視を生じさせている可能性が示唆される。一方,単眼視では,上方向と水平方向とでは動眼系の状態に差がないため,錯視が生じない可能性がある。5.しかし,なぜ両眼視条件のあとの単眼視では月の錯視を生じるのかについては,今後さらに検討を行なう必要がある。
著者
野村 智幸
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

匂いを感じ取る嗅神経細胞は、定期的に死と再生を繰り返す珍しい細胞であることが知られている。しかし、その元となる再生母細胞やその細胞が再生後に成長していく様子は、不明な点が多い。本研究では、マウスの嗅球(嗅神経細胞の線維が入力される脳組織)を除去したり、アルカリで標本を処理するなどの工夫を凝らすことによって、嗅神経細胞の変性・消失(死んでいく過程)と成長の様子を光学顕微鏡や走査電子顕微鏡を用いて詳細に観察することができた。
著者
石田 美紀
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、CGIと実写映像の融合を推進するがゆえに、21世紀初頭のスペクタクル映画をもっとも象徴するモーション・キャプチャーについて、以下を明らかにした。1・その歴史的起源が1880年代の前映画史的時代にあること。2・視覚性の優位として批判されるCGI表現が演出技法としても成立していること。3・従来映画の主流であると考えられてきた実写物語映画は動画の領域の一部でしかないこと。以上の結果から、物語叙述の中心である俳優身体がCGIを纏うことによって物語映画にもたらす変容について、さらなる考察が必要であることが判明した。
著者
渡辺 徹
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.121, no.10, pp.562-564, 2007-10

新潟市民病院では,25年前から,当院で初期研修を終了した医師の希望者に対して,「特別研修医」の名称で1-3年の後期研修を行ってきた.2002年からは(シニア)レジデントに改称し,各科の研修プログラムを公開し全国公募を始めた.いままでに48名が当院で後期研修を終了し,13名が現在研修中である.後期研修として選択した科は小児科,消化器科,呼吸器科,救命科が多かった.後期研修終了後の進路は,大学医局への入局が半数強,当院へスタッフとしての就職が3割であった.当院における後期研修の問題点としては,後期研修終了後の進路について明確に提示していない点と,研修評価が十分なされていない点であり,改善が必要である.今後新潟大学や県内の各臨床研修病院と協力して,より良い後期研修体制が構築できるよう努力していきたい.
著者
酒井 靖夫
出版者
新潟大学
雑誌
新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.122, no.1, pp.7-11, 2008-01

当院は19診療科目,病床数427床,平均在院日数13.5日の一般急性期病院で,新潟市の中核病院の一つだが,脳外・皮膚科の常勤医が不在で,一人医長が6科もある.医師総数は49〜51名と減少傾向にある.救外当直は医師平均月1.5回で,一日平均23人が受診し,4-5人が入院した.当直翌日は通常勤務となり,一人診療科では大きな負担である.筆者は週3回の外来,毎朝の術前症例検討会および外来日以外の病棟回診および術後回診を行い,週4日午後から手術日である.診療以外に月1回管理会議,13委員会で4つの委員長を務め,毎週のNST回診を含めてかなりの時間がとられる.平日は朝7時半に家を出て,夜8時〜9時過ぎに帰宅している.手術などの診療内容の量と密度が医療の進歩に伴って増加しているが,それ自体はあまり負担でなく,説明義務・カルテ記載,種々の説明・承諾書類の急増,病院雑用・会議など医療以外の業務が集中して負荷過多になっている.また,患者の過剰な権利意識などに基づく苦情・トラブルよる精神的・体力的疲労に勤務医は悩まされている.改善策としては医師の絶対数を増やし診療報酬を適正化することが必要不可欠であるが,国民の理解を得るための啓蒙・広報活動,勤務医不足の要因となる早期離職グループを増やさない環境つくりの2点が我々に求められる.医師個人の行動は微力であり,発言する医師(会)や政治活動する医師を皆で援護する必要があろう.医師以外の新規専門職の創設・養成による積極的な診療外業務の代替・委任や補助作業の委譲,書類の簡素化・統一化・OA化などによる雑用減量が望まれる.無過失保障制度等の導入による被害患者救済,事故再発防止に向けた第三者・中立機関による検証と警察介入の抑制など医療紛争解決手段の充実も必要であろう.また,医療機関の機能分化(地域中核病院とサテライト病院・診療所)とそれに就労する医師の適正配置を行うことによる体力・気力・年齢に応じた医師の高齢化後の就労先の確保も重要である.勤務医継続に大切なのは仕事をする環境整備である.その経済的負担は,現時点では当該病院がしなければならないので,トップの考え方により病院内環境に格差が生じると推測される.
著者
ドレベトニャク イリーナ
出版者
新潟大学
雑誌
国際センター紀要 (ISSN:13461583)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.45-54, 2005-03

This work is dedicated to the comparative analysis of the Passive Voice in the Russian and Japanese languages. The Passive Voice in the Japanese language was analyzed with the help of classification, given by Choo. It is common to divide passive sentences in the Japanese language into four groups, called in the work A type, B type, C type and D type sentences. A type: Taroo ga Hanako ni nagurareta. B type: Taroo ga Hanako ni asi wo fumareta. C type: Taroo ga suri ni saihu wo surareta. D type: Taroo ga tsuma ni sinareta. In the work we tried to apply this classification to the Russian language. As the result, we pointed out the existence of not only A type passive sentences, which are common for many languages, but also B type sentences. C type and D type do not exist. However, the existence of B type passive sentences in the Russian language, in comparison with Japanese, is limited. In the work we pointed out the differences between B type sentences in the Russian and Japanese languages. As well, we defined circumstances, which influence on the existence of B type sentences and tried to explain them.
著者
林 英機
出版者
新潟大学
雑誌
新潟大学経済論集 (ISSN:02861569)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.55-80, 1994-10