著者
元木 章博
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.27-35, 2014

視覚障害者の支援者は,視覚障害者がコミュニケーションをするのと同じように読み点字・書き点字を使う能力を持つべきである.現状での点字表現は2次元に留まっており,その表現方法について,あまり注意が払われていない.従って,点字の3次元表現について議論することは重要である.本論の目的は,3DCGやGIFアニメーションを活用した学習支援システムの開発をすることである.既存の学習支援システムにこの2つの機能を追加する.これにより,学習者一人ひとりが読み点字だけでなく書き点字も含めて3DCGで学ぶことができ,彼らは"鏡像関係"の表現方法としてのGIFアニメーションを見ることが出来る.その結果,(1)点字の表現として3DCGの方が2Dよりも分かりやすいと回答した学習者が,68%であった.そして,(2)3DCGで表現した鏡像関係のGIFアニメを提供することは出来たが,一部学習者において不適切な理解があり,システムや授業内容の改善が望まれる.
著者
横山 隆光 加藤 直樹 日比 光治 興戸 律子 山崎 宣次 及川 浩和
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.234-237, 2013-11-09

小中学校教職員を対象に個人情報保護と著作権の取り扱いに係る調査を行った.その結果正答率が低い項目があることが分かり,2010〜2011年度の調査と同様な傾向となっていた.職員会等や研修で取り上げた内容の正答率は高くなっていた.小学校教職員と中学校教職員とで有意な差がある項目があることも明らかになった.
著者
田中 恵梨 佐藤 正明 林 知代 三宅 茜巳 粥川 恵子 林 成子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.346-347, 2011-08-20

岐阜県下呂市に,拝殿が吹きさらしのため風雨にさらされ,劣化が進んでいる天井絵がある.この天井絵には下呂地域の自然や風景,明治21年当時の道具等が描かれており,この地に住んでいた人々の生活を窺い知ることができるため,地域資料として重要なものであるといえる.本論では天井絵の記録撮影,データベース化,コンテンツの作成を通して地域資料の発掘と活用について考察した.
著者
佐藤 正明 加藤 真由美
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.110-113, 2011-08

地域の図書館は、地域文化資料のデジタル・アーカイブ化とその保存・流通をし、教育等への提供とMLAの方向付けが1つの課題となってきている。このため、デジタル・アーカイブ講座に図書館司書の受講者が多くなり、これらに対処できる司書を対象にしたデジタル・アーキビスト教育のカリキュラムを構成した。
著者
加藤 尚吾 加藤 由樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.23, pp.248-249, 2007-08-20

本研究は、大学生を対象に、携帯メールで、立場の異なる相手から4種類の感情(怒り、罪悪、悲しみ、喜び)を生じる内容のメッセージを受け取った際に、どのようなメディア(携帯メール、PCメール、電話、手紙、対面)を使って返信をするかを調べた。さらに、どのようなメディアを使ったとき、自分の生じた感情を相手にどの程度伝わると思っているか、についても分析した。その結果、学生が、返信の際に使用するメディアと自身の感情がより伝わると思ってるメディアの間にずれがあることがわかった。
著者
持田 宗周 三宅 茜巳
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.23, pp.216-217, 2007-08-20

岐阜県下に、現在28座の「地芝居」が活動している。夫々が異なった風土の中で旧い歴史を保存し活力に溢れている。活動の中核に人と風土がある。古老からの聞き取りを軸に「村国座」「相生座」「白雲座」を調査し考察する。
著者
松本 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.28, pp.86-89, 2012-08-25

1990年代の中頃以降,地方分権がに推進されている。2010年代に入ってもその傾向は依然続いている。本稿では,1990年代中頃以降の地方分権および関連する政策(規制緩和,地方分権,行政改革,財政改革など)を整理しながら,公立図書館への影響について明らかにする。特に,公立図書館に関わる制度的変化に着目した。団体自治が強化される中,図書館経営を集権的な自治体経営にいかに位置づけるかが課題となっている。
著者
増山 一光
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.29, pp.62-65, 2013-11-09

神奈川総合産業高等学校は,独立行政法人情報処理推進機構が主催する第8回IPA情報セキュリティ標語・ポスター・4コマ漫画コンクールに学校として参加し,情報セキュリティ標語で優秀賞を得ることができた.この取り組みにおいて,多くの生徒が情報セキュリティ標語の作成をしている.そこで,本稿では,これらの作品に対して計量テキスト分析等により,高校生の情報セキュリティ意識を関する考察を行うことで情報セキュリティに対する考え方の特徴や傾向を明らかにする.
著者
大塚 基 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.16, pp.94-97, 2000-11-11

可児市では「しなやかで魅力あふれる情報交流都市」という地域像を実現するために市民主体の情報環境の整備に取り組んでいる.そのための一つのコミュニケーションツールとして,ケーブルテレビを光・同軸ハイブリットとし,市全域を網羅した双方向ネットワーク(コミュニティネットかに)を構築している.このネットワークを活用することで,小中学校と教育研究所,社会教育関係の施設,その他市内の公共施設・機関などが連携し,情報交流を行いながら地域社会の中で学校教育を推進していくことが求められている.小学校における授業実践事例をもとに,学習指導における地域の通信ネットワークの利用方法や授業構成のあり方等について提案する.
著者
齋藤 陽子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.26, pp.406-409, 2010-08-21

社会科における個の特性を生かす電子教科書の構成に関して,特に地域素材の教材化について検討した.電子教科書のマルチメディアとハイパーリンクを生かした構成が効果的であると考え,デジタル・アーカイブ手法により教材化された地域素材をデータベース化し,学習者が個に対応して主体的に情報にアクセスすることができる構成が必要であると考えた.さらに,通信ネットワークの利用により,直接地域の人々とコミュニケーションを図ることができたり,さらなる情報を検索したりすることが可能であると考えた.ここに,個の特性を生かす電子教科書教材としての地域素材の総合化について検討したので報告する.
著者
太田 容次 梅田 真理 伊藤 由美
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.206-209, 2011-08-20

国立特別支援教育総合研究所では,発達障害教育情報センターを2008年8月に設置した。当センターでは,発達障害のある子どもの教育の推進・充実に向けて,発達障害にかかわる教員及び保護者をはじめとする関係者への支援を図り,さらに広く国民の理解を得るために,Webサイト等による情報提供や理解啓発,調査研究活動を行うことを目的としている。本発表では,発達障害のある子どもの教育に関わる教員を対象に,双方向型Webの機能を活用し実施した教材教具の活用に関する2010年度の情報交換の概要を報告する。
著者
山田 政寛 松本 佳穂子 赤堀 侃司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.15-24, 2009
被引用文献数
3

高帯域ネットワークが普及し,テキストチャットなどの同期型CMCツールは日常的なコミュニケーションツールとして利用が増加している.しかし,第二言語コミュニケーション学習の中で実践利用が乏しく,どのように利用するべきか知見が少ない状況にある.本研究では第二言語コミュニケーション教育に特化した同期型CMCを開発し,授業において評価を行った.具体的にはビデオカンファレンスとテキストチャットを使用し,主観的評価として,学習意識,相手への親近感,学習満足度について質問紙で,学習パフォーマンスの点では発言数,定型表現利用数,自分で自分の発言の誤りを修正する自己修正数で実践の事前事後で比較評価を行った.その結果,ビデオカンファレンスは意味伝達を強く意識し,会話の自信がつくなどの情意面に有効であり,また全てのパフォーマンスが向上することが示された.一方,テキストチャットでは文法的な正確性意識を向上させる効果があることが示された.
著者
林 徳治 泉 廣治
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.49-56, 1995-11-30

平成7年1月17日に発生した兵庫県南部地震において発震直後に見られたさまざまな状況の中から,情報にかかわる防災課題について分析を試みた.その結果,組織・被災者の対応行動を支える災害情報の収集・伝達システムが未整備であり機能しなかったことや,その根底に社会を構成する個々人の情報活用能力の未熟という課題の存在が明らかになった.今後,災害に強い社会を構築するためには,自然科学的な面での防災対策だけでなく,社会を構成するすべての人々に対する災害時にも機能する情報活用能力の育成が不可欠である.こうした情報活用能力育成に向け,情報教育が取り組むべき内容を明らかにした.
著者
宮田 仁
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.160-163, 2005-08-20

宮田が2002年に開発した携帯電話対応コメントカードデータベースシステムを応用し, 愛知万博の中米パビリオンで来館者対象の携帯電話対応パビリオン展示評価システムを構築し, 実施した。中米7ヶ国のパビリオン関係者に日本のモバイル先端技術を提供するとともに, 来館者に混雑したパビリオンでの待ち時間や移動時間にアンケートに回答できるユビキタス環境を提供した。その結果, 毎日来館者約1, 000名から回答が寄せられ, その評価得点や意見をもとにパビリオン展示を具体的に改善し, 改善点が来館者から歓迎されたことを確認できた。来館者による本システムの評価も良好であった。
著者
井上 透
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.21, pp.52-55, 2005-08-20

国立科学博物館は、自然史・科学技術史標本資料及びバーチャル自然観察など学習資源コンテンツのデジタル・アーカイブス化を進めている。近年、新館オープンに併せて展示解説の支援システムやネットワークを通じた全国的な博物館情報提供システムの開発を行い、活用の高度化を図っている。今後は全国規模での人材育成により各博物館のデータ連携協力が望まれる。
著者
藤本 弘之
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.9, pp.174-177, 1993-07-27

代々木ゼミナールでは、平成元年12月よりJCSAT2号の専用回線を使用し、授業を中心とする各種教育番組の全国中継を行っている。今年の4月からさらに1本の衛星回線を使い、2チャンネル体制となったこの衛星教育システムの現状と今後について説明する。 なお「サテライン」とは、「サテライト(衛星)」と「ライン(通信網)」を合成した造語で、代々木ゼミナール衛星教育システムの総称である。
著者
松田 大佑 加藤 直樹
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.304-305, 2011-08-20

高等学校教科情報の授業において,作品制作の場面を中心に課題の遂行可能性が向上する授業を実施した.教科の目標に従い,生徒が学習に能動的に関与するには,目標達成を見通す力を育てる必要があり,自己効力感を高める取り組みが必要不可欠であると考える.そこで,情報の実技指導における自己効力感の向上を狙った授業実践の報告と,自己効力感が向上する過程を検討する.
著者
横山 隆光
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.14, pp.102-105, 1998-08-03

生徒が学校で観測した気象のデータを登録し、各学校で学習に利用する気象の遠隔共同調査のホームページを作成した。岐阜県内の中学生が参加して、秋分の日と冬至の日の前後1週間の気象観測を行い、観測結果をホームページに登録した。登録された岐阜県内の各学校所在地の観測結果を気象の学習に活用することで、興味を持って、意欲的に学習に取り組む生徒の姿が見られた。
著者
沖 裕貴 宮浦 崇 林 泰子 井上 史子
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.27, pp.74-77, 2011-08-20

アメリカではユニバーサル化の進展に伴って1970年代後半から全米の州立大学やリベラルアーツ・コレッジの一般教育で初年次教育が取り組まれ始めた。そして,その初年次教育に欠かせないものがピア・リーダーシップ・プログラム(peer leadership program)である。ピア・リーダーシップ・プログラムとは,成績やリーダーシップ,初年次教育セミナーの経験をもとに選抜された上級生か,訓練を受けた後,主に(1)オリエンテーション・プログラム,(2)リメディアル授業,(3)アカデミック・アドバイジング,(4)寮生活における新入生対象プログラム等に従事するものである。本稿では,アメリカのピア・リーダーシップ・プログラムに類似する活動として,立命館大学を中心に我が国の各大学で取り組まれているピア・サポート制度等の学生参画の制度を紹介し,その定義と分類,活動の内容,成果と課題について報告,検討する。