著者
尾崎 新斗 内海 彰
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.132, 2013

インクドロップスプレッド(IDS)法は機械学習の1つであり,対象システムの入出力データを複数の2次元平面に描画し,特徴を抽出する.更にその特徴を組み合わせることで対象システムを再現する.既存の研究においてIDS法は,2値分類問題の識別率が高いことが示されている.そこで本研究では多値分類への適用を行う.
著者
ファン ミントゥン 吉川 大弘 古橋 武 橘 完太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.115-115, 2011

近似は,データの特徴を把握する上で最も有効な方法の一つである.しかし,ガウス分布や一様分布などを用いた従来の近似手法は,空間的な特徴を含むデータに対して幾何的な性質を考慮していない.本研究では,複素数や四元数の一般形であるGeometric Algebra (GA) が持つ,物体や物体間の空間的な関係を簡潔に記述できるという特徴に着目する.本稿では,GA の一部ともみなすことができるConformal GA (CGA)を用いて,実空間ベクトルからCGA空間のconformalベクトルへの空間変換を行う,新たな近似手法を提案する.提案手法による近似方法では,超球や直線,円弧などの様々な幾何的なデータ分布を表現することができる.本稿では,提案手法を物体の関節位置分布の推定問題に適用し,提案手法の有効性を示す.
著者
渡邊 香 鈴木 秀和
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.44-44, 2011

当研究室が出場している中型リーグは,ロボットが完全に自律しており,カメラなどのセンサのみで環境を認識し,判断・行動している.RoboCupでは年々自己位置同定技術の重要性が高まっており,ボールをゴールに運ぶだけでなく,フリーキックやパスなどの戦術的な面でも注目されている.介護・福祉ロボットやホームロボットなど人間と共生するロボットは人と同様の環境認識・行動判断能力が求められている.自己位置同定技術はこれらのロボットへの応用も期待できる.RoboCupにおけるサッカーフィールド環境では様々なセンサを用いることで,自己位置同定に必要な指標をいくつか得ることができる.これらの指標を大きく二つに分類すると,エンコーダによる移動情報や電子コンパスなどから得られる内部情報と,カメラ画像などから得られる外部(周囲)情報に分けられる.本報告では,これらの情報を用いて自己位置同定の検証を行う.
著者
西田 泰士 本多 克宏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.543-547, 2018-04-15 (Released:2018-04-15)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究では,特許文献データを対象とし,技術課題の解決手段の可視化を通して解決手段の着想を支援する手法を提案する.まず,代表となる単語を抽出し単語レベルの共起確率ベクトルを生成する.そして,生成した共起確率ベクトル自身の相関係数を算出しベクトル化を行い,SOMに入力させる.共起確率ベクトルにより描いたSOM,そして相関係数ベクトルにより描いたSOMとを比較し考察することにより,新規技術開発における重要な関連要素の抽出を通してイノベーション加速を支援する手法の可能性を示す.
著者
高橋 毅 安東 由紀 西田 眞 遠藤 八郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.110, 2010

近年,製品の低価格化と高品質を両立させるため,物流システムの効率化による流通コストの削減が求められている.また,小売店の効率経営,インターネット通販の拡大のニーズから多品種少量物流の要請も高まっている.多品種少量物流における集配倉庫の出荷作業では,各オーダーに臨機応変に対応するため,人手に頼っていることが多い.出荷の主要作業はマニュアルピッキングであり,作業時間分析の結果では,歩行時間が作業時間の約52%を占めることが示されている.すなわち,冗長な歩行の低減によるピッキング効率向上は作業コスト低減に大きく寄与すると考える. そこで本研究では,多品種少量物流におけるトータルピッキング作業のモデル化および遺伝的アルゴリズムを用いた巡回経路自動導出法の検討を行った.また,小規模の倉庫を模擬してシミュレーションを行い,自由巡回と比較して提案手法が効率的な経路を選択できることを明らかとした.
著者
重盛 友章 川中 普晴 高瀬 治彦 鶴岡 信治
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.206-207, 2014

近年,認知症を患う高齢者数は年々増加傾向にあり,大きな社会的(かつ医学的)問題になりつつある.したがって,認知症を予防すること,および改善は非常に重要となる。そのため,認知症の予防や改善を目的としたロボットセラピーに関する研究が進められている.また現在,高齢者の認知症の進行度を評価するための認知症チェックテストや描画テストが多くの介護施設で行なわれている.しかしながら,被験者がテストであることを意識するためナーバスになってしまい,結果として適切な評価結果を得られない場合も多い.そのため,高齢者にテストであることを意識されずにチェックテストが行われることが望ましい.このような問題を解決するため,筆者らは会話型ロボット・タッチディスプレイを利用した認知症評価システムの開発を進めてきた.本稿では,開発しているシステムに導入するコンテンツの一つとして時計描画テストを取り上げ,描かれた時計画像から認知症のタイプや程度を推定するための特徴抽出方法について検討する.
著者
片岡 雅裕 橋山 智訓 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.350-353, 2015 (Released:2016-02-26)

推薦システムとは、履歴情報などを利用し利用者の好みにあうと思われる情報を提示するシステムである。推薦システムの発展により利用者の好みにあった情報を高い精度で取得できるようになった一方で、それ以外の情報に接触する機会が低下している。この状況はフィルターバブルと呼ばれ、気付かぬうちに接する情報が狭められる可能性がある。また選択的接触により情報に偏りが生じる可能性もある。選択的接触とは、人が情報を選択する際に好みに沿うものを選択しやすい傾向のことを言う。そのため閲覧する情報に偏りが生じる可能性がある。そこで本研究では利用者が閲覧する情報の偏りを気付かせる推薦システムのUIを設計する。
著者
野津 亮 河上 寛和 本多 克宏 生方 誠希
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.522-534, 2016
被引用文献数
1

本論文では,大まかに部分領域を評価しつつ,探索と活用を考慮に入れながら最適化問題を効率的に解くことのできる手法の開発を目指す.まず,数理計画問題における最も単純な探索アルゴリズムであるランダムサーチを改良したランダムグリッドエリアサーチを基礎アルゴリズムとして提案する.探索空間を分割することによって数理計画問題を多腕バンディット問題に置き換えることができ,探索と活用の度合いを考慮したアルゴリズムであるUCB手法などを適用することが可能になる.次に,バンディットアルゴリズムを適用したUCBグリッドエリアサーチ,UCTグリッドエリアサーチを提案,検討し,連続空間最適化問題における比較実験を行い,その収束速度の速さを確認した.
著者
狩野 達哉 柏熊 宏幸 佐瀬 圭祐 山口 崇志 河野 義広 マッキン ケネスジェームス
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.719-722, 2012

近年TwitterやFacebook、LinkedInなどのソーシャルメディアを介したキャリア形成が注目されている。これを受けて本学では学生にソーシャルメディアの利用のリテラシー教育し、就職活動に生かす取り組みがなされている。ソーシャルメディアの利用結果に対し随時教員の指導が行われているが、不適切な発言の抽出には多くのコストを要する。 本研究では、Twitterの発言において文章の感情極性を判定し、不適切な発言の抽出を試みる。TF-IDF法の評価値と単語感情極性対応表を基にした感情極性値を特徴量とし、文章の感情極性を推定する。人間が想定した文章の極性値と推定した極性値を比較検証した。
著者
菅生 雄矢 西崎 一郎 林田 智弘
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.131-131, 2010

本論文では,複数のプレイヤーが決められた順番に意思決定を行っていく展開型ゲームに関する研究を行う.多くの展開型ゲームにおいて,サブゲーム完全均衡は人間の行動を高精度で予測可能であることが知られている.しかし,サブゲーム完全均衡による予測と一致しない被験者実験がいくつか報告されており,ムカデゲームはその1つである.均衡理論ではプレイヤーは合理的であると仮定されているが.現実の人間は必ずしも合理的であるとは限らず,試行錯誤的な意思決定を行うこともある.本研究では試行錯誤的な意思決定構造を模倣できる人工適応型エージェントを用いたシミュレーションモデルにより,ムカデゲームにおける被験者の行動分析を行う.

1 0 0 0 OA 方言音声分析

著者
高丸 圭一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.25, no.6, pp.195-195, 2013-12-15 (Released:2017-12-14)

方言音声の研究では,日本各地の方言についてその音声的特徴の記述が行われる.重要なものの一つにアクセント体系の記述があり,古くから聞き取り調査によって研究が進められている.日本語のアクセントは単語ごとに規定される高低のパタンで,「雨」「飴」などの同音異義語の意味を弁別する機能をもつ.アクセントは地域によって異なり,例えば「雨が」は東京式アクセントでは「アメガ」,京阪式アクセントでは「アメガ」のように発音される.また,アクセントによる意味の弁別をしない無アクセントの方言もある.消滅しつつある伝統的方言を収集することは緊急の課題とされ,近年,全国規模で音声を収録して分析する調査が盛んに進められている.工学的には,標準的な日本語音声に対する研究は進んでおり,テキストを入力すると自然なピッチパタン(声の高さの変化パタン)で話す音声合成装置が開発されている.また,関西弁などの方言で話すカーナビもあり,方言は工学的に応用されている.合成音声のピッチパタンは,標準語や特定の方言の典型をモデル化したものである.自発音声ではピッチパタンに,方言ごとに異なるアクセントのほか,日本語のイントネーション(例えば,疑問か平叙か),方言イントネーション(例えば,尻上がり調),さらには表現方法の個人性などが含まれる.一つの連続量に様々な情報が重畳されるため,ピッチパタンを加工した合成音声による知覚実験により,方言を担う変化成分を特定する研究も試みられている.方言音声分析において,方言学と情報工学が連携できる可能性は大きい.統計的手法や機械学習の手法を用いて大規模な音声データに含まれる地域差を分析することができる.そこから得られる知見は,方言学の研究成果になるだけでなく,工学的な音声認識理解の研究にも役立つ.文系・理系の垣根を越えた学際的な研究連携の進展が望まれる分野である.
著者
山田 慶太 入江 寿弘 浅見 明
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.216, 2013 (Released:2015-01-24)

低中層建築物ではエレベーターを設置している建物は少なく重量物や大型機材の搬入・搬出作業は人手で行われている。著者等は変形車輪を用いた階段昇降機構を考案し、軽量負荷での昇降実験に成功している。実用化するには有る程度の重量物を安定に運搬する必要が有り、階段で荷台を水平に保つ機構が必要である。しかし、荷物によって重量,重心位置の状態が多様に変化し、それに対応できる水平維持制御が必要がある。本研究では荷台部分の水平維持機構を考案し、その運動モデルをもとに制御系を検討する。制御を行うには荷台部の姿勢をセンサで検出し、状況に応じた適切な制御パラメータを設定する必要があるのでファジイ理論のメンバーシップ関数を用いた安定化が有効と考えられる。
著者
北 恭成 長壁 篤史 野本 弘平 萩原 康嗣 斉藤 功一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.107-107, 2013

現在,動画配信システムは人々の日々の生活に普及しており,多くの人が楽しんでいる.しかし,従来の閲覧動画選択システムでは自分の好みにあった動画を見つけることは簡単なことではない.また,一度それを見つけると同じカテゴリの動画を選択し続ける傾向がある.その結果,様々なカテゴリから好きな動画と出会うことは難しい. 非平面型タッチパッドは,最近開発された新しい入力デバイスである.これは,平面型タッチパッドと比べユーザの直感的な意図表現を可能とする. 本研究では,非平面型タッチパッドを用い,新しい動画との偶発的な出会いを支援するシステムの提案を行い,また従来のシステムとの比較を行う.実験の結果,提案システムを用いることによりユーザは,普段見るカテゴリだけでなく今までほとんど見たことのない新しいカテゴリ内からも好みに合った動画に出会えることが明らかになった.
著者
川浦 孝之 遠藤 純 土居 安子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.89-89, 2013

本研究は,平成14年度に財団法人大阪国際児童文学館において開発をした子ども向け図書検索システム「本の海大冒険」の使いやすさの向上を目的とする.「本の海大冒険」は,子どもがインターネットを用いて自ら楽しみながら本を探すことのできるコンテンツを搭載した子ども向け図書検索システムである.このシステムで利用している検索対象の書誌データには基本的な書誌情報以外にあらすじや内容を示すキーワードを追加している.このキーワードにより,書名や著者名での検索以外に,利用者が思いついた自由なキーワードでの検索を可能としている.しかし,キーワードの付与は,実際に読んで選書をおこない,選書で残った児童書について子ども向けのあらすじとキーワードの付与をおこなっている.これまでに「本の海大冒険」に搭載している書誌データを用いて,書誌データへの付与が少なくアクセスが多いキーワード(利用者キーワード)と書誌データに付与されている独特なキーワード(提供キーワード)などを検証してきた.また,平成24年度は,提供側のキーワード分類の特徴についてDEMATEL法を用いて分析を行った.この分析では,「本の海大冒険」に搭載している絵本の書誌データに限定して,絵本に付与しているキーワードの中で影響を与えているキーワードや影響を受けているキーワードの分類を行い,絵本におけるキーワード間の影響関係を検証した.本稿では,「本の海大冒険」に搭載している「読みもの」の書誌データに限定して分析し,以前の研究を基に「絵本」と「読みもの」の形態の違いでのキーワードの影響関係の違いを検証する.さらに,「読みもの」を低学年,中学年,高学年に分けた場合のキーワードの影響関係の違いも検証する.この検証により,これまで手作業でおこなってきたキーワードの付与作業の支援に繋がる特徴を見つけたいと考えている.