著者
杉山 孝男 椎塚 久雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.772-782, 1993-08-15 (Released:2017-09-24)
被引用文献数
2 6

本論文は, ファジィ積分を階層的に用いて意思決定に関する新しい視点について述べている.本論文で提案する階層化ファジィ積分 (HFI : Hierarchical Fuzzy Integral) は, 評価基準となる項目の重要度をファジィ測度で与え, 各評価項目における評価対象の評価値をファジィ積分することにより, 評価値を統合し総合評価値を求める方法である.これは, 従来の階層化意思決定法(AHP)を特別な場合として含む, より柔軟性を伴った一般的な評価法であることが示される.
著者
服部 雄市 野津 亮 本多 克宏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.420-425, 2014

本研究ではマルチエージェントシステムを用いて,SIRモデルを参考にした感染症の流行過程を仮想的に観察するためのシミュレータを作成した.SIRモデルは数理モデルの一つであり,感染症の流行過程を記述するモデル方程式である.このモデルをマルチエージェントシミュレータに用いる事により,創発的な現象である感染症の流行過程を表現することが出来る.またこのシミュレータでは,相互に関係しつつ,通勤経路,住居を決める.このシミュレータを通じて,都市モデルの違いにより感染流行の様子の違いを検証した.
著者
濱田 真樹 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.122, 2006 (Released:2007-05-30)

本論文は、日本語のなぞなぞを、言葉のおもしろさを考慮して生成するシステムを提案する。提案するシステムは3つの部分から成っている。それは、生成部、おもしろさ決定部、分別部である。生成部は、単語のデータベースを参照し、なぞなぞの候補を生成する。おもしろさ決定部は、生成されたなぞなぞ候補に対していくつかの指標を割り当て、ファジィ測度・ファジィ積分を用いてそれらの候補のおもしろさを決定する。分別部は、それらのおもしろさにしたがって、なぞなぞを選ぶ。本論文ではまた、提案したシステムの妥当性を確認するための被験者実験について述べる。
著者
Le Quang Phuc Dong Fangyang Arai Yoshinori Hirota Kaoru
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.185, 2009 (Released:2009-12-15)

多項式初期化とユニタリ演算子に基づく画像処理のために、量子画像の柔軟な表現(FRQI)を提案し、その計算量を解析する。FRQIは、色彩及び相当空間位置の情報を取得する量子状態を現す。量子計算における初期状態から量子画像表現状態までの過程を、提案する多項式準備定理により多項式の単純なゲート数の量子回路で設計でき、効果的に遷移できる。画像の各画素位置で処理する代わりに同じ色を持つ画素を纏めて処理することで、単純なゲート数を減少する量子画像圧縮手法を提案する。実験で、画像処理における基本演算子をユニタリ交換で実現し、量子フーリエ変換を用いた量子画像内の線分など単純な対象の解析が可能なことを確認する。
著者
米田 光宏 田崎 博 土屋 直樹 中嶋 宏 濱口 剛宏 奥 正次郎 志賀 利一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.90-99, 2008-02-15 (Released:2008-05-20)
参考文献数
17
被引用文献数
2 7

生体インピーダンス法を用いて内臓脂肪量を推定する手法は,X線 CTや MRIによる計測に比べると,コストや安全性の点で優れている.しかし,この手法で高い推定精度を実現するためには,複雑な組成を持つ生体の個体差を考慮した計測とその信号解析およびモデリングが重要となる.本稿では,特徴量のバリエーションを確保し,有効な特徴量の選定によるモデリング手法を提案する.具体的には,カーディナリティという指標を用いて特徴量の性質を定量的に評価することにより,特徴量のバリエーションを確保する.さらに,統計的な評価指標である赤池情報量規準を用いることにより,特徴量の選定を行う.実験の結果,提案手法によって構築した推定モデルが,高い推定精度と安定性を示すことを確認した.
著者
一井 亮介 前田 陽一郎 高橋 泰岳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.560-570, 2012-02-15 (Released:2012-02-27)
参考文献数
12

本研究では,リラクゼーションサウンド生成システム構築のためのリラクゼーション効果計測手法の提案を行う.まず意識集中(ストレス時)と音楽聴取(リラックス時)の脳波計測を行い,人間の覚醒状態に関わりがあるとされる特定の周波数帯(θ波,α波,β波)を抽出し,各含有率を解析することによりリラクゼーション傾向をつかむ.次に,提案手法の有用性を検証するため,本研究室で開発した同期性を制御できる大規模カオスを用いて音高,音長,音量を決定し,ユーザが自在にサウンドを生成することが可能なインタラクティブ・カオティック・アミューズメント・システム(ICAS)により人間にサウンドを提示することでリラックス度の有効性検証実験を行った.実験を行った結果,被験者にICASのサウンドを提示したときのアンケート評価値と,本提案手法によるリラックス度の数値がほぼ同じ傾向を示していることが確認できた.
著者
清川 清
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.318-325, 2007-08-15 (Released:2018-02-04)
被引用文献数
2
著者
有田 皓亮 高橋 健一 上田 祐彰
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.121, 2010 (Released:2010-11-05)

近年,大学などへのパソコンの普及とともに,eラーニングシステムが広く用いられるようになってきた.eラーニングシステムは,時間や場所を選ばず、学習者の理解度に応じて学習を進められるなどの利点を持っている反面、学習者の学習意欲の持続が難しいことや,教師が学習者の状況を視覚的に把握できないことなどの欠点も持っている.そこで本研究では、Webカメラにより学習者を正面からと側面からの2方向から撮影し、撮影画像に画像処理を施すことによって学習者の集中度を推定するシステムを構築する.正面からの撮影画像からは,Haarlike特徴を用いたAdaboostによって学習された識別器を用いて学習者が正面を向いて学習を行っているかを判定し,横からの撮影画像からは,ニューラルネットワークを用いて学習者が正しい姿勢で学習を行っているかを判定する.また,これらの有用性を確かめるために,それぞれの判定の正答率を調べ,その結果について考察する.
著者
西念 星宝 谷津 元樹 原田 実
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.797-807, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
10

照応詞と照応関係にある先行詞を同定することは,ロボット対話や質問応答などの自然言語処理の応用研究において,高精度を達成するために必要な要素技術とされている.そこで意味解析システムSAGEを用いて文を意味解析し,語間の意味的類似度を用いて指示代名詞の先行詞を高精度に同定する照応解析システムAnasysDを開発した.先行詞らしさを数値化するために,先行詞文節と照応詞の受け側文節との共起類似度素性や先行詞文節の上位概念分類と先行詞文節の深層格による2次元の事後確率など12種類の素性を設定した.NAISTテキストコーパスを用いてナイーブベイズ法で正解率の確率分布を学習し,先行詞らしさの確率が最も高い文節を先行詞文節とする.5分割交差検定で評価した結果,63.42%の精度を達成した.
著者
北垣 郁雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.100-104, 1990-02-15 (Released:2017-09-19)
被引用文献数
1

あらまし コンピュータが"笑う"には、"笑い"の誘発の仕方を定式化する必要がある。ここでは、客体の通俗性と劣弱性をはじめ、おかしみにかかわる数個の要因に限定し、これらから、"おかしみの大きさ"を規範的に求める方法をファジィ論的に提案している。また通俗性と劣弱性についての若干の考察を行う。
著者
高橋 恒介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第23回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.435, 2007 (Released:2009-01-14)

情報技術者でもコマーシャルやアニメのバックミュージックとなる音楽を作曲できるように、作曲またはサウンドデザイン手法を教育指導するためには、心地よい響きの音楽が対位法で導き出される理由を説明する必要がある。和声や和声の進行だけでない。そのための一手法として音楽のグラフ表示とグラフ分析方を提案する。対位法を考慮して、2声~4声の音楽でのパート間音程間隔の推移をグラフ化し、心地良さの原因を提示する。代表的な合奏曲での良い響き事例を示す。