著者
村田 忠 小川 幸成
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.856-861, 1993
被引用文献数
4 2

本論文では, 電子機器の信頼度 (MTBF) を述べている。電子機器とか精密機器がフィールドで使用される場合, 機器の設計 MTBF と実測 MTBF の間には通常大きな差異がある。この問題は, 主として機器の加工や組立作業の不慣れのワークマンシップ不良による初期故障のためであるが, そのことが長い期間継続することがしばしば生ずる。本論文は, フィールドで使われる航空機用電子機器の MTBF をファジィ推論で予測している。そして各期間毎にその予測 MTBF がフィールドでの実測 MTBF と比較され, 約±10%程度で近似していることを確認した。これらのことにより本論文は, ファジィ推論が機器の信頼性工学の分野でも有効であり, 補用部品/機器の調達計画にも有用であることを指摘している。
著者
前田 陽一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.690-700, 1994
被引用文献数
3

「人間らしい」行動決定機能を知能ロボットにおいて実現することを考えた場合、あいまいな状況認識を含む行動シーケンスを表現できることが重要である。そこで筆者らはクリスプおよびファジィ演算が混在するようなシーケンスフローが表現可能なファジィアルゴリズムの概念を用いて、人間に近いマクロ行動決定アルゴリズムをすでに提案している。本論文では、ファジィペトリネット(FPN)の考え方に基づき、ファジィアルゴリズムのフロー全体の表現を行い、これを用いてファジィ真理値トークンの伝搬によりシステムのあいまい性の推移状況を捉えることを試みる。これにより従来困難であったシーケンスルールの多段発火におけるあいまい性の客観的・総合的評価手法を提案する。これを用いると、あいまいさの爆発が起こらないファジィアルゴリズムの設計やシステム挙動解析が可能になる。さらに、自律移動ロボットの行動決定ファジィアルゴリズムを例題として、本手法によるシミュレーションを行ったので報告する。
著者
辻本 拓也 高橋 泰岳 竹内 昇平 前田 陽一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.648-651, 2015 (Released:2016-02-26)

人とロボットのインタラクティブ情動コミュニケーション(IEC)と呼ばれる概念が提案され,研究されてきた.IECは,人の動作から情動を認識する情動認識,認識した情動に対するロボットの情動生成,さらにその情動に応じたロボットの情動表現動作生成の3つで構成されているが,これらはそれぞれ別々に人の手で設計されてきた.本報告では情動認識と情動表現を同時に学習する統一したシステムを提案する.具体的には,リカレントニューラルネットワークに情動表現のためのラッセルの円環モデルを導入し,人の情動とそれに対応する身体動作の時系列パターンを与えて学習する.実験を通して提案するシステムを評価する.
著者
家坂 光弥 内田 ゆず 米山 淳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.632-637, 2014 (Released:2015-04-01)

オノマトペは日本語での日常会話において、微妙なニュアンスを伝えるという重要な役割を担っている。 また、日本語は世界各国の言語の中でも特にオノマトペに富む言語であるため、世界各国の言語には日本語のオノマトペに対応する言葉が少ない。このため、日本語学習者にとって日本語のオノマトペの学習が必須なのは明らかである。既存の学習方法としては、72語のオノマトペをスキットを通して学習することができるwebサイトがある。しかし、日本語のオノマトペの学習方法は未だ確立されていないのが現状である。以上により、日本語学習者のオノマトペ学習を支援するシステムが必要である。本稿では、日本語学習者にとって最適なオノマトペ学習の方法を検討するため、日本人の擬音語・擬声語の判別方法や使用方法について調査する。さらに、擬音語、擬声語を検索、学習できるタブレット端末用のアプリケーションを開発する。
著者
砂山 渡 竹岡 駿 西村 和則
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.558-566, 2017-04-15 (Released:2017-04-15)
参考文献数
13

近年,社会問題や製品開発における問題解決に向け,蓄積される大規模なデータから,新たな知識を抽出するニーズが高まってきている.しかし,普段からデータ分析を行っていない人にとって,データから情報を抽出することは難しい.そこで,多くの人々にデータの活用を可能にするための環境として,テキストマイニングのための統合環境TETDMが開発されている.本研究では,統合環境TETDMに3つのゲームの要素を加えることで,利用者の利用意欲を向上させ,より多くの人がテキストマイニング技術を利用できるようになることを目指す.評価実験の結果,これらの要素が,テキストマイニングシステムの利用意欲の向上に役立てられることを検証した.
著者
Noh Su-Hee Na Doo-Young Lee Chang-Seok Kim Yong-Tae
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
SCIS & ISIS
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.908-913, 2010

In this paper, we present a visual navigation method in an indoor GPS environment using D* Lite and fuzzy motion planning for humanoid robots. First, we estimate the location of the robot using an inner GPS(iGPS). A global path is searched considering the direction to the goal based on D* Lite planning method. A fuzzy motion planner finds feasible locomotion primitives to track the global path. It selects an optimal primitive depending on a distance between the path and the humanoid robot and an angle difference between a tangent angle of the path and a pointing angle of the robot. Fuzzy motion planner also decides that selected primitive can be applied to the walking motion of humanoid. If it is feasible, a humanoid robot executes locomotion primitives in order to navigate to the goal along the path. We verify our approach through the navigation experiments by using a developed small humanoid robot. The experimental results demonstrate that the humanoid robot can navigate fast and stably to the goal.
著者
中津山 幹男
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.57, 2008 (Released:2008-12-06)

絵画を音楽に変換する方法には主観的方式、客観的方式および中間的な準客観的な方式がある。ここでは準客観的な手法を採用した。絵画としては浮世絵を取り上げ、浮世絵のd*d(0 < d < 20)程度の画素を平均し、かつ適切な変換により音符に変換する。未加工の音楽は感動的な要素が少ないので、主題となる主旋律をdの値を大きくすることなどにより求めて、音譜の修飾を行うとにより魅力的な音楽が得られる。絵画をスキャンする方式を改良して、より適切な主旋律を求めることを主目的とした。
著者
安高 真一郎 堀岡 久喜 安達 康生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.92, 2013 (Released:2015-01-24)

時間割の作成は、組合最適化問題の一つである。また、その組合せは教室の大きさや教員と学生数、授業の数など様々な要素により最適解を求めることが困難となる。本研究では、進化型計算手法として近年注目を集めている差分進化Differential Evolution (DE)を用い、効率よく質のよい準最適解を求める手法を提案する。
著者
宇野 健 徳山 陽一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.26, pp.140-140, 2010

携帯電話とQRコードを利用したスタンプラリー運営システムを開発した.これにより,コスト等の軽減を図るとともに,IT の利点を活かした参加者のルート追跡等の実現を目的とした.このシステムを用い,昨年東広島市で行われた酒祭りにおいて運用実験を行った.運用後のアクセスログ解析により参加者のルート追跡を行うことができた.
著者
柴田 愛子 坂井 優
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.96-104, 2002-02-15

分析の目的: 中央政府から地方政府への移転支出の配分構造を公正と効率及び政治的影響の視点から分析する。中央政府から地方政府への移転支出は、地方交付税交付金、地方譲与税、国庫支出金からなり、地方交付税交付金は多額で国家予算の2割を超える。その財源は、国税3税(所得税、法人税および酒税)の32%に平成元年より消費税の24%、たばこ税の25%が追加された。移転支出はナショナルミニマムの達成を目指すとされる。つまり公平性の観点からの所得再分配である。しかし、ナショナルミニマムの達成を超えた移転が行われている可能性も示唆される。つまり、移転支出は人口、面積等の客観的指標の他に、政治的要因も影響を与えているといわれる。また、長年そうした移転支出が行われていれば、公共投資の生産性の面で非効率な公共投資も行われるであろう。そこで、公平と効率の面、および、政治的影響の視点から移転支出を分析しようとする。分析手法:モデルを構築し、自己組織化マップ(SOM)と統計的手法を併用する。(SOMについてはAppendixを参照)次のようなモデルを導入する。Y=a+bx+e Yは移転支出で、Xは以下に示す変数であり、eは誤差項である。Xには人口と面積という客観的指標に、県民実質所得と政治的要因を加えた。そして、生産力の指標と地方債現在高の要因も付加した。A.まず、1991年の都道府県別クロスセクションデータを用いて分析する。1991年の単年度データを分析した理由は、自民党単独政権最後の第39回衆議院選挙(1990年)の結果を政治的要因の指標とした為である。いわゆる「55年体制」が終わり連立政権が成立したのは1993年の第40回衆議院選挙である。単年度分析では、回帰分析した後、自己組織化により作られたクラスタ内のノードを利用して、都道府県のクラスタ分析をした。B.さらに、この分析結果を踏まえ、1977年から1995年の時系列データの統計分析とクラスタ分析について検討する。分析結果:A.1991年の単年度分析の結果は、いくつかの政治的要因変数は有意ではないが、しかし、ほとんどの変数は5%水準で有意である。また調整済みの決定係数は0.975と非常に高く、モデルの当てはまりはよい。上記結果は都道府県を総括した結果である。しかし、地方により経済、社会、文化の事情は異なる。そこで、データを細分化して類似した都道府県をクラスタにまとめ、そのクラスタごとの分析を試みた。都道府県のデータ(上記説明の10要素)を入力データとし、自己組織化マップ(SOM)を使い図を描き、ノード数の大きなクラスタを第1、第2クラスタとして選択した。そして、移転支出の公平性と効率性についてみれば、全国データとクラスタデータでは、違いが見られた。また、政治的要因については、全国データの分析をよりわかりやすく理解できる結果を得た。B.この分析結果を踏まえ、1977年から1995年の都道府県パネルデータの統計分析とクラスタ分析について検討する。統計分析(固定効果モデル)は所得以外の仮説を支持した。さらにSOMによるクラスタ分析は公平性の仮説、つまり、所得が減れば、移転支出が増加するを支持した。分析の独創性:1991年の都道府県のクロスセクション分析において、SOMのクラスタ手法が利用され、結論が導かれた。幾つかのクラスラリングの手法はある。しかし、問題は都道府県別の限られたデータをさらにクラスタに分けるとデータ数が減ってしまう。そして、クラスタごとの統計分析をするのに問題が生じる。そこで、SOMという新しい手法によるクラスタリングを試みた。SOMでは、入力データに類似したデータを自己組織化で作るという特徴がある。SOMでクラスタリングマップを作った場合は、データ数が不足するという問題をある程度解決できる。さらに、パネルデータをクラスタに分け自己組織化マップで分析し、統計手法を併用することで、仮説を新たな角度から検討することができる。結論:SOMは特にクラスタリングに優れ、可視的な手法が、評価される。例えば、パネルデータの都道府県の自己組織化マップ上の動きは、今後の研究方向を示唆する。そして、自己組織化マップは、これからの研究開発が期待される手法である。
著者
半田 久志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.307-307, 2011

近年,CECなどのIEEEが主催する国際会議でビデオゲームを題材とした競技が行われている.Ms.PacManはその一つで,画面キャプチャを行い,キーボードイベントを発生することによりパックマンを制御する競技や,シミュレータ上でゴーストとパックマンの両アルゴリズムを対戦させる競技がある.本稿では,後者のシミュレータ上での競技ソフトを用い,強化学習によるパックマンアルゴリズムの構築を試みる.
著者
原 彰良 黒岩 丈介 諏訪 いずみ 白井 治彦 小高 知宏 小倉 久和
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.27, pp.243-243, 2011

本研究では,ロボカップサッカーシミュレーション(Robo Cup SoccerSimulation:RCSS) 2D リーグにおけるエージェント開発を支援するためのログビューワを開発する. RCSS は実機を使うことなく,コンピュータ上の仮想フィールドで 11 対 11 の自律プレイヤーエージェントがサッカーを行う.プレイヤーエージェント開発者は,自分の開発したプレイヤーエージェントが,意図した戦術通りに動作するかを試合を通して確認しながらプレイヤーエージェント開発を行う.この作業は労力を要し,更に何にどう注目するかで得られる結果も変わり経験が要求される.そこで本研究では,試合ログを使用し,試合の再生に合わせてこれまでのエージェントの軌跡,重心位置及びその軌跡,加えてこれからどう動くのかの軌跡を表示するログプレイヤーの設計と実装を行った. 具体的には,ログに書かれたエージェントの位置座標を利用して,エージェントの軌跡を表示する軌跡表示機能と,チームの重心を表示し,チームの攻守の傾向を把握可能なチームの重心表示機能,及びログ情報から得られるこの後の時点での動作を表示する未来動作表示機能,以上 3 つの機能を持つログプレイヤーである. これら新しい機能を試合の再生に合わせて表示することで,ただ試合を見直すより一度に得られる情報量が増えると考えられる. また,それにより開発者の負担軽減に繋がると考えられる.
著者
宮本 定明 近藤 晴香 松崎 慧太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.207-212, 2012 (Released:2013-07-25)

半教師付き分類に関する研究は数多いが、異なる技法間の関連を示したものや汎化能力を調べたものなどの考察は比較的少ない。本報告では、これらの方法論的考察を行い、異なる方法が同一の解を与える場合や、汎化能力が比較的簡単にわかる場合を示す。また、K-meansの変形技法として、 逐次的クラスタリング(on-line K-means)を拡張しつつ、半教師を導入 する方法についても考察する。
著者
Hirata Kei Yamashita Akihiro Tanaka Takayuki Arai Masaya Ono Ryota Kawamura Hidenori Suzuki Keiji
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
SCIS & ISIS
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.1015-1019, 2010

Cloud computer technologies are advanced better, and web service like IaaS is used as businesses for its easiness and flexibility. But people concern about security on the cloud service and still feel resident to storing enterprise data in external server. So people interest in private cloud environment. In this paper, we evaluate private cloud system including Eucalyptus, an open-source software implementation of cloud computing system like Amazon EC2. Evaluations are about basic performance, management and recovery, web application performance for this system. Finally, we conclude if limited to small-scale, enterprise private infrastructure for short time use, it can be a good private cloud system
著者
金川 晃士 山口 亨
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.157-157, 2006

現在住宅対象侵入強・窃盗の侵入犯罪や街頭において敢行される性犯罪などが著しく増加し、安全・安心に暮らせる街づくりが社会に求められている。そこで、人間中心型都市における防犯ロボットを用いた屋外の不審者を検出するシステムを提案する。防犯ロボットには一人乗り用の電気自動車である知的移動体i-mobilityを用いた。システムはファジィ連想メモリシステムに実装され連想推論によって、動作認識を用いた意図認識を行う。意図認識実験において、事例ノードを配置することで帰納的な学習ができ、学習事例を増加することで認識率が向上する。そして、事例の自動追加実験を行いシステムの利便性を向上させる。認識実験についての認識率を示しシステムの利便性を向上させることで、その有効性を示す。
著者
奥村 健太 酒向 慎司 北村 正
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.557-569, 2016-04-15 (Released:2016-04-20)
参考文献数
26

本稿では,特定の演奏者が持つ表情の特徴に忠実な演奏の自動生成を目的とした手法を提案する.多くの既存手法は演奏生成に際して演奏者が有するような専門知識の入力を必要とする.それらは使用者自身が演奏者として介在する用途には有用であるが,本提案の目的には不向きである.提案手法では演奏者による実際の演奏事例から得られる表情の特徴に対し,楽譜から専門知識を用いることなく得られる情報を関連付けたモデルを定義する.さらに楽譜の指示を基準に用い,個々の演奏事例について定義したモデル群をその表情の特徴別に分類することで,任意の演奏事例に付与された表情の特徴と楽譜の指示との因果関係を体系的に記述した規則を構造化できる.この構造を辿ることで,未知の楽譜の指示に対応する演奏事例の候補が得られる.これらの候補の中から最適な表情を備えた演奏事例の系列を探索する問題を,動的計画法の適用によって解決する.客観評価実験により,提案手法は最適な事例の系列を効率的に探索できることを示した.また,主観評価実験によって提案手法による表情の品質の高さを確認したほか,多様な楽曲で演奏者に忠実な表情の特徴を再現できることを示した.なお,提案手法による演奏は,自動演奏表情付けシステムのコンテストにおいて自律生成部門の第1位を獲得している.
著者
長谷川 健 橋山 智訓 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.153-153, 2013

近年、ゲームに登場するCGキャラクタモデリングは高精細化しており、その動きにもいっそうのリアルさが求められるようになっている。これらのキャラクタの動作は、単に行動を表すだけでなく、プレイヤのキャラクタに対する印象やゲームへの没入感を向上させる重要な役割を果たす。従来、これらの動作を生成するために、モーションキャプチャの利用や、GUIでポーズを作成しキーフレームとして用いる手法などが利用されている。しかし、人手で作ることができる動作の量には限界があり、動的に変化する環境のすべてに対応する動作を作成することは難しい。そこで本研究では、キャラクタの状況に応じて任意の動作を自動生成するシステムを開発することを目的とする。
著者
片上 大輔 小林 優 鳥海 不二夫 大澤 博隆 稲葉 通将 篠田 孝佑
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.370-374, 2015 (Released:2016-02-26)

擬人化エージェントとともにコミュニケーションゲームである人狼を対面環境で行なうことによって高度な対話技術を修得することを目標とし,人間が人狼をプレイする際の議論を実現できる擬人化エージェントを用いた人狼知能対戦システムを開発した. 本研究では,人狼知能対戦システムを用いて人間と人工知能の識別実験を行った.実験の結果,対戦に参加した各エージェントのCMCにおける印象評定尺度の評価には,実験参加者の味方の陣営のエージェントに対して人間と人工知能の間にわずかに差があり,味方陣営の人間と人工知能の見分けが付いている傾向が見られた.また,システムによって表出する動作と発言が統一されている環境では,人間らしさについての評価において人間と人工知能の間に差はなかったため,人狼におけるノンバーバル情報の重要性を確認できた.
著者
山根 宏彰 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.1008-1013, 2012 (Released:2013-07-25)

キャッチコピーは対象をより魅力的に伝えることを特徴としている. 本論文では, Web情報を用いたキャッチコピー自動生成システムを提案する. キーワードをクエリ化することにより, キャッチコピーの生成する対象に関してWeb情報を取得し, 知識抽出を行う. その後, キャッチコピーコーパスに含まれているモデルとなるキャッチコピーのフレームを利用することにより, キャッチコピー候補を生成する. 生成された一部の候補は対象に関して魅力的に表現できることが示唆されている.
著者
木村 翔伍 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第27回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.38, 2011 (Released:2012-02-15)

本論文では物語の脚色を支援するシステムを提案する。脚色は物語の登場人物の持つ基本的な役柄、アーキタイプを強調するような行動を新たに物語テキスト中に加えるという方法で行う。脚色案の提示には事例ベース推論を用いる。システムはテキスト処理部、クエリ作成部、脚色案提示部の3つの部分により構成される。テキスト処理部では入力された物語テキストの構文解析、格構造解析を行う。クエリ作成部ではユーザがアーキタイプを設定した登場人物とその行動、行動の物語テキスト中での位置から事例ベース推論に用いるクエリを作成する。脚色案提示部ではクエリ作成部で作成されたクエリから事例ベース推論を行い、ユーザへ脚色案を提示する。ユーザは提示された複数の脚色案の中から採用するものを選択し、文章を整え、台詞を加えるなどして物語を完成させることができる。本論文ではシステムの有効性を検証した被験者実験についても述べる。