著者
布施 陽太郎 竹之内 宏 徳丸 正孝
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.889-894, 2018 (Released:2019-01-09)

本研究は人とロボットの集団内において人が不快に思わないロボットの立ち位置探索モデルの提案とその有用性の検証を行う.今日,人とロボットの衝突回避の研究が盛んに行われており,ロボットは人と一定の距離感を保って移動する必要がある.その際,他者に近付かれると不快に感じる空間であるパーソナルスペースに踏み入れないこともまたロボットには求められる.しかし,人とロボットのやり取りの間には親しみ度合いが存在する中,常に一定の距離があると親しみが感じられない.そこで,集団内の遠すぎず近すぎない立ち位置の発見を目的とする.提案モデルをシミュレーションによって検証し,結果として提案モデルは77%の場合において他者のPSを侵害しないことが明らかになった.提案モデルは人間が規定するPSを概ね守りながら立ち位置を決められた.
著者
味方 さやか 小林 一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.480-490, 2011-08-15
参考文献数
22
被引用文献数
3

災害が起こった際には,複数のライフラインが同時に被害を受ける可能性がある.その際,我々は迅速かつ効率良く都市機能を復旧させる計画が必要となる.都市機能においては,複数のライフラインは相互依存関係を持っていることが考えられ,被災地の復旧順序や復旧人員の配置は被害地域全体の復旧速度に大きく影響する.現在までに一つのライフラインの復旧計画問題を解く研究は多くなされてきたが,複数のライフライン間の相互連関を考慮した復旧計画問題を解く研究は少なく,とても重要であると考えられる.そこで,本研究では複数のライフラインが同時に被害を受けた状況を想定し,ライフライン間の相互連関を考慮した復旧計画を作成することを目的とする.復旧計画作成手法として,遺伝的アルゴリズムを用い,複数の制約条件下における組み合わせ最適化問題を解くことにより課題を達成する.遺伝子のコーディングにおいては,復旧班の配置と復旧順序を同時に考慮した遺伝子モデルを利用して計算することにより,ライフライン間の相互連関を考慮した復旧計画の作成を実現しているまた,提案した遺伝的アルゴリズムを用いた解法の性能を向上させるために Random Flip という局所探索手法を導入し,満足する災害復旧計画を少ない計算時間で求められることを確認した.
著者
桧森 拓真 木村 泰知 坂地 泰紀 荒木 健治
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.645-652, 2019-04-15 (Released:2019-04-15)
参考文献数
13

本研究では,地方議会会議録に含まれるテキストの発言箇所を自動で推定する.実験のデータセットは,平成23年4月から平成27年3月までの4年間の4つの自治体の議会会議録であり,青森県,東京都,大阪府,福岡県の会議録に対して,人手で発言文と発言以外の文にアノテーションを行った.「4年間のデータを利用した発言文の推定実験」では,学習データと評価データに「同一自治体のデータ」を利用した実験,および,「異なる自治体のデータ」を利用した実験を行なった.実験の結果,SVMの平均正解率が最も高く,それぞれ,0.985,0.951となった.また,少量の学習データによる「1年間のデータを利用した推定実験」では,LSTMとSVMの比較を行った.比較実験の結果,LSTMの平均正解率が0.926となりSVMの平均正解率よりも6.1ポイント上回る結果となった.
著者
山本 萌絵 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.29, pp.151, 2013

本論文では、衣服の印象という観点からコーディネート生成に関する知見を得るための予備実験と、得られた知見を元にシステムが実際に出力したコーディネートの評価を行う。 予備実験により、衣服の印象に関する2つの因子の抽出と、印象空間の構築を行い、印象空間内で「同じ印象」「似た印象」「異なる印象」「反対の印象」に属する2つのトップス(インナ、アウタ)を合わせたときに受ける印象の関係を調べる。更にこの結果を元にして、着たい服の印象を入力としたコーディネートを出力し、評価する実験を行う。
著者
久坊 将之 星野 孝総
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.554-557, 2015 (Released:2016-02-26)

本研究は,Brain-Computer Interface(BCI)に使用するための小型化fNIRS機器の開発を行うことを目標としている. これまで所属研究室ではNIRS装置(日立メディコ社製: ETG-7100)を用いての脳計測実験を行ってきたが, 日常生活シーンでfNIRSをBCIとして使用する場合は,ウェアラブルのような小型化fNIRSが適していると考えられる.先行研究により小型化fNIRSはいくつか開発されているが,計測可能領域が前頭部のみのもの(DynaSense Inc.: PoketNIRS)や,装置の規模縮小が可能な部分がある[1].そこで,本研究ではBCIとして用いるためのfNIRS機器の提案を行う.本稿ではこれまで行った計測実験,現状況と今後の課題・展望について述べる.
著者
松岡 丈平 田中 豪 末竹 規哲 内野 英治
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.105, 2010 (Released:2010-11-05)

本報告では混合雑音により劣化したカラー画像の雑音除去問題を取り扱う.一般に,カラーの自然画像はRGB成分間において相関が高いために,成分ごとに独立にフィルタ処理を行うよりも,ベクトル信号として処理を行う方が望ましいとされている.提案手法では,まず,ロバストスイッチングベクトルメジアンフィルタに基づいたベクトル$\varepsilon$-フィルタを入力画像に繰り返し適用し,雑音をほぼ完全に取り除いた暫定的な雑音除去結果を得る.その後,入力画像と暫定出力画像との残差を求め,そのRGB成分間の相関情報を利用することで残差画像中の真値成分を抽出し,それを暫定出力画像に加えることで,画質の良好な出力画像を得る.実験を通して,提案手法の有効性を示す.
著者
大浜 公司 折居 英章 河野 英昭 前田 博 生駒 哲一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.131, 2009 (Released:2009-12-15)

書類や資料などの文章画像の二値化は,文字認識や古くなった本の電子化のような多くの応用において重要な役割をはたす.しかし劣化した文章画像において,背景と文字を判別することは難しい. 本研究では,そのような劣化した文章画像においてもうまく二値化できる手法を提案する. まず,大まかな背景画像を取得するために元画像にメディアンフィルタを適応する.その背景画像と元画像の差分を取り,背景が除去された画像を得る.さらにその差分画像をローカルに線形変換することで字部分の特徴を大きくし.その画像を二値化することによって劣化部分を取り除いた鮮明な文章画像を得る. 提案手法と四つの既存手法を複数の劣化した文章画像に対して適応し,その有効性を示す.
著者
村松 智穂 橋山 智訓 江崎 朋人 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.174-174, 2007

スポーツ,演劇,音楽コンサートは世界中多くの人に楽しまれているエンタテインメントである.特にスポーツ観戦の醍醐味は,直接試合を観ることに加え,歓声,ブーイングという行為を通じてスタジアム全体で一体感を感じることができる点である.ワンセグ放送の普及によりいつでもどこでも携帯端末機でのスポーツ観戦の機会が増えてくると予想される.しかし,スポーツの試合自体は届けられても一体感は届けられているとはいえない.ただし,パブリックビューイング,スポーツカフェでは,スタジアムの空間を共有していないにもかかわらずスタジアムに近い一体感を覚えることができる.本研究では,この携帯端末機での観戦とパブリックビューイングとの比較,分析を行い,一体感を提供するためのシステムに必要な要素,機能について考察した.そして,携帯端末機での観戦で一体感を提供できるシステムの構築を目指す.
著者
市村 匠 目良 和也
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第23回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.206, 2007 (Released:2009-01-14)

我々は表層的な感情の解析方法として、自然言語処理を行い、 文章に含まれる感情を分類し、その強度を求める手法を提案 してきた。さらに、求められた感情から、ニューラルネット ワークにより顔画像を生成する手法を提案した。ところが、 これらは人間の表面的な情報を処理する技術である。そもそも 感情が人間の内在する衝動を満たすために認知され、個人の 直感的な知識に関連した感性により表出するものであると すれば、内在する感情のモデルを構築することができるだろう。 この論文では、ニューラルネットワークによるモデル化を 試みる。
著者
藤井 岳大 徳丸 正孝 村中 徳明
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第21回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.147, 2005 (Released:2007-05-29)

服飾やインテリアなどさまざまな製品において,我々がそれらの配色を行う中で全体の調和の取れた配色を行うことは容易ではなく,色彩についての専門的な知識を要求される.本研究では,このような配色の支援をするために色彩調和論をもとに作成されたファジィルールと,メンバーシップ関数を作成し,色彩調和を自動的に判定して配色を作成するシステムを提案する.また,アンケート比較により評価を行う.
著者
宮本 定明
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.1008-1017, 2009-12-15 (Released:2010-03-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1

本稿では,ファジィクラスタリングの有用性を示すために,4種類の考察を行う.はじめに,階層的クラスタリングの議論において,ファジィグラフが中心的な役割を果していることを述べる.次に,エントロピー関数を利用したファジィc-平均法が,ガウス混合分布モデルの一般化に相当していることを示す.第3に,ファジィ分類関数を考察することによって,ファジィc-平均法から導かれたファジィルールの理論的性質が明らかになることを示す.最後に,ファジィクラスター妥当性基準は,クラスター数評価に有用であることを述べる.
著者
江崎 朋人 橋山 智訓 塚本 弥八郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 (ISSN:18820212)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.127, 2005

プロ棋士に勝つための将棋プレイングシステムが研究されている。ゲームの局面を見積もることは主な問題となっている。局面は進行に応じて序盤、中盤、終盤と呼ばれている。各状況によって、適切な戦略は異なっている。本論文では駒の強さを考慮した自己組織化マップにとる局面の分類を試みた。100のプロ棋士の棋譜を用いて、我々が提案する方法の実現可能性を示す。全ての棋譜で、3つクラスに分類できた
著者
中島 智晴 Julien Pierra
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第30回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.182-183, 2014 (Released:2015-04-01)

これまでにファジィ識別器をオンライン学習に対応させるための研究を行っているが,過去のパターンの取り扱いについては不明であった.本研究では,データストリーミングにおいて過去に得られた学習用パターンの取り扱いが識別性能に与える影響に関して調査研究する.
著者
今井 龍一 神谷 大介 井上 晴可 田中 成典 櫻井 淳
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.34, pp.407-408, 2018

<p>建設現場では多くの労働災害が発生する.また,エンジニアの高齢化や後継者の不足により労働者の雇用負担が増加しており,労働災害の増加が懸念される.特に,疲労による集中力低下に伴う人為的ミスの確率が増加すると考えられる.したがって,労働者の状態を常に把握できる安全対策の徹底が極めて重要である.既存研究では,血液や心電波による疲労やストレスの度合いを把握する取り組みがいくつか存在する.しかしながら,これらの方法は労働者の状態をリアルタイムに把握するのには適さない.一方,近年のセンサ技術の発展に伴い,心拍を簡単かつ安価に測定できるスマートウォッチが注目されている.スマートウォッチで疲労を検出できると効果的な安全管理が期待できる.そこで,本研究では,スマートウォッチの心拍データを用いて疲労度を検出し,その適用性を確認する.</p>
著者
森本 正昭 和多田 淳三 秋元 武
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.800-808, 1993-08-15
被引用文献数
2

経済変動のような社会現象には数多くのあいまい性が含まれている。そのため、計量的予測にはファジィ集合論に基づいたファジィ関数を用いることが有効と考えられる。この論文では可能性回帰分析を日本の広告費の予測に応用した事例について述べている。広告費の定義は時代とともに徐々に変化している。もとより広告の概念があいまいだからであり、コミュニケーションの手段やあり方が技術的にも社会的にも変化しているからである。このような状況から発生するデータを分析するには、統計的分布に従う分析法よりも可能性測度に基づく分析法の方が有効ではないかと考える。データが発生する環境条件が一様でないとか、データそのものがあいまいだからである。実際の分析方法としては、日本の広告費や四媒体広告費の時系列データを用いて、回帰係数がファジィである場合、データがファジィである場合、実験計画法を取り入れた手法について分析を行った。
著者
Panote SIRIARAYA Kodo MAEDA Takumi KIRIU Yusuke NAKAOKA Yukiko KAWAI Shinsuke NAKAJIMA
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.508-515, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
17

In recent years, there have been various systems developed to encourage people to engage in walking related activities. In this paper, we propose one such system and outline the concept for how a smart walking navigation system could be developed based on the notion of perceived exertion. Our system utilizes information about the geographical characteristics of the route along with data from social media to recommend a route for the user. In addition, we describe the results of 3 feasibility experiments carried out on the recommended routes by subjects studies, which overall support our proposed concept.