著者
加藤 浩徳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は,業務目的の交通時間節約価値を包括的かつ理論的に分析することを通じて,情報通信技術の進展が交通行動及びプロジェクト評価に与える影響を検討することを目的とする.まず,業務交通を分析する上では,交通の意思決定者,交通時間節約に支払意思を持つ主体,移動中の労働の有無,業務交通のスケジュール,労働時間外の賃金支払いの有無が,留意すべき点であることを示す.その上で,被雇用者,雇用者,および両者の共同意思決定を含めた10の時間配分モデルを定式化し,それらから交通時間節約価値を導出する.最後に,以上の分析から得られる示唆を整理した.
著者
瀬野 徹三 大槻 憲四郎 楊 昭雄
出版者
東京大学
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.57-77, 2000

The Chi-Chi earthquake occurred at the thrust-decollement in the accretionary prism of a young collision zone in central Taiwan. This event is thus not different from a subduction zone earthquake if Taiwan were covered by the sea water. The surface ruptures were accompanied by little damage except for the collapse of buildings standing across the surface faults. The slip directions of the surface faults were mostly NW, which is consistent with the earthquake slip vector, but there were also many W-SW and N directed slips. At the northwest corner of the earthquake fault, significant uplifts and multiple thrusts in the river bed occurred. These might all be related to the fact that the shallow portion of the earthquake fault cut the weak accretionary prism and the sediment on it. The uplifts at the northwestern corner imply an abnormal tsunami if the area were under the sea, thus suggesting a new factor for the mechanism of tsunami earthquakes: deformation of the sediment or weak accretionary prism at the lowest trench slope (Seno, 2000). The Chi-Chi earthquake might provide a unique chance to observe a subduction earthquake on land.1999年9月21日台湾中央部で起きた集集地震は,ルソン弧と中国大陸縁との間の衝突でできた付加体を切る逆断層(スラスト)で起きた.ここはユーラシアプレートとフィリピン海プレートとのプレート力学境界にあたり,通常の沈み込み帯でおきる地震と地学的には変わらない.地表で車寵埔断層として知られていた活断層に沿って地表断層が現れたが,その付近では,地表断層をまたいだ建物が壊れているのが特徴で,それ以外の被害は小さかった.地表断層のすべり方向は,かなりのものは北西方向であったが,一方西,南西,北方向のすべりもかなりの数がみられた.地表断層の北端では,大甲渓という河川の中の滝,桃畑の砂利断層崖,ダムの破損地などにおいて,弾性理論から期待できる隆起よりも3mほど大きい隆起が起きた.
著者
劉 文兵
出版者
東京大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

戦後の日中映画交流に携わった、日中の映画人へのインタヴューに基づいた実証的な作業を行いつつ、日本映画が中国映画に与えた影響や、中国映画に現れた日本人のイメージなどについて考察してきた。本研究の研究成果を、著書の出版や、学術論文の執筆、学会発表をつうじて社会・国民に広く発信することができた。
著者
池田 博 岩坪 美兼
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

バラ科キジムシロ属キジムシロ群に含まれる広域分布種と、それらから派生したと考えられる地域固有種について、形態学的・細胞遺伝学的・分子遺伝学的解析をおこなった。解析の結 果、1) キジムシロ群植物は全て 2 倍体(2n=14)である、2) P. freyniana var. sinica は、別の種 として取り扱うべきである、3)ヒメツルキジムシロは雑種ではなく、独立した種と考えられる ことが判明し、4) P. koreana とキジムシロ、ヒメキジムシロとテリハキンバイとの雑種を見出 した。
著者
三宅 健介 柴田 琢磨
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012

我々は、EpithelialMembraneProtein3のトランスジェニックマウス(Emp3Tg)の作製および解析を行い、同マウスが自然発症性に拡張型心筋症様の病態を呈することを見出した。全身性にEmp3およびCre遺伝子を発現するEmp3Tg/CAG-Cre(n=11)は23週齢までに100%が死亡し、その多くが拡張型心筋症様の症状を呈した。しかし、Emp3TgマウスからCAG-Cre遺伝子を除くことで拡張型心筋症は発症しなくなるという予想外の結果となった。CAG-Creマウス自体にはDCM様症状は全く認められないことから、Cre遺伝子の強制発現により誘導される何らかの異常をEmp3が増長すると考えられる。今後、CAG-Creマウスで誘導されると予測されるERストレスなどにおけるEmp3の役割の解明が求められる。
著者
孫 炳吉
出版者
東京大学
雑誌
本郷法政紀要
巻号頁・発行日
vol.5, pp.145-176, 1996-12
著者
下山 淳一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究課題は、従来に無い高い酸素分圧下での合成や後熱処理による新規酸化物高温超伝導体の開発を目的としたものである。特性としては臨界温度の最高記録を目指すもので、平成10年度、11年度の2年間にわたる課題であった。主要備品である高圧酸素雰囲気発生装置を平成11年度に購入し、装置の立ち上げと性能検査を兼ねた基礎的な研究によって、所期の目標とした合成環境(酸素分圧500気圧以上)が達成可能であることを確認した。様々な銅系複合酸化物超伝導体のなかで従来最高の臨界温度を持つ水銀系超伝導体にまず着目し、広い範囲での化学組成比制御、元素置換や酸素量制御を試みてきた。結果的に、この系では高圧酸素雰囲気発生装置を用いても臨界温度を更新することはできず、タイ記録にとどまった。平行して、新規酸化物高温超伝導体の探索研究を様々な元素の組合わせで実施したが、このなかで新たに鉄を基本構成元素とする新超伝導体を平成11年末に発見した。化学組成式はFeSr_2RECu_2O_y(REは3価希土類元素、酸素量yが7.66以上のとき超伝導を示す)である。この元素の組合わせで合成できる相は従来半導体と考えられていたが、還元前処理に加えて高酸素圧下熱処理によって酸素量yを7.66以上にしたことにより初めて超伝導を発現した。この物質は銅以外に第一遷移金属元素を主構成元素として含む初めての高温超伝導体であり、新しい超伝導物質の設計・探索の切り口を開いたものである。さらに遷移金属特有の磁性と超伝導を合わせた新しい機能が期待できる。以上の成果についてはこの2月の高温超伝導国際会議で発表し内外から広く注目を集めた。
著者
及川 純 山本 圭吾 井田 喜明
出版者
東京大学
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.291-307, 1994
被引用文献数
4

霧島火山周辺で発生する地震波形を用いて,地下の地震波減衰領域を推定した.地震波の減衰の強弱を分類し,それらの波線分布を調べることにより,韓国岳周辺の深さ4,5kmより韓国岳火口直下にいたる地震波減衰領域の存在がわかった.The seismograms of 51 earthquakes around the Kirishima volcanoes are classified according to degree of attenuation of the waveform. The paths of seismic rays are assumed to be straight lines from the hypocenters to the seismic stations and the region which the rays of attenuated seismic waves mainly crossed, which correspond to the high attenuation region, is found from the distribution of seismic rays. As a result, the high attenuation region from the depth of 4-5 km to the surface beneath Karakuni- Dake is shown.
著者
神野志 隆光 齋藤 希史 徳盛 誠 内田 賢徳 身崎 壽
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本プロジェクトは各国文学のパラダイムを脱却し、歴史的実態に即した上代文学研究の新たな枠組みを「東アジア古典学」として提起しその具体化を試みた。国内外の研究者と連携し、古代の文字使用の実態、類書・幼学書の活用、文選の受容、万葉集の捉え直し等、共同研究によって新たな知見を獲得した。そうした研究と相乗的に、新たな枠組みを活かした教育プログラムの構築をも推進した。主な成果は『東アジア古典学のために2007-2010』にまとめられている。
著者
西川 邦夫
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

2013年度は、以下の点に注目して研究を進めた。第1に、家計・消費構造の歴史的検討である。本年度は戦間期の煙草消費に絞り、内閣統計局『家計調査』や、『東京市勤労家計調査』『細民調査』等の統計を利用して分析を行った。そこでは、低所得層ほど煙草消費が大きく家計を圧迫していることを析出した。第2に、茨城県筑西市を中心とした農地流動化の展開、大規模担い手経営の形成についての研究である。本年度は特に、政権交代に伴う変化に注目した。農業保護政策(直接支払政策)の損失補償水準の高まり、規模要件の除外の結果、水稲管理作業が採算化されることでこれまで農地の出し手だった農の営農意欲が刺激され、農地流動化が停滞したことを実態調査によって収集した資料から明らかにした。第3に、広島県世羅町における集落営農組織の展開についてである。世羅町における集落営農組織の経営目標は、労働力の削減につながる生産過程の効率化による収益性改善ではなく、経営多角化による収益性改善と雇用吸収力の増大の両立である。そして、それを支えているのが増大した直接支払であることを実態調査から明らかにした。第4に、山形県鶴岡市における農業構造変動の検討と、直売所展開との関連についてである。鶴岡市は小規模農家の離農と大規摸担い手経営への農地集積が遅れている地域である。残存する小規模農家の営農継続を支援しているのが市内各地に設立された農産物直売所である。農産物直売所では他業態と比べて低い手数料率、高齢者でも対応可能な少量多品目販売という直売所の展開は、停滞的な農業構造と極めて適合的であることを実態調査から明らかにした。
著者
荒井 良雄 箸本 健二 長沼 佐枝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では, 地理的位置情報に基づいた携帯電話の各種情報サービスを扱っている. 第1に, NTTドコモのIエリアサービスを例に情報提供サービスを分析し, 現行の地域区分の限界と登録店舗の地理的分布の特徴が把握された. 第2に, 金沢市竪町商店街を事例として, 携帯電話とQRコードを利用したプロモーション活動の実態分析を行い, 画一的な情報発信や商店街そのものへの集客促進に主眼を置いたシステムには限界があることが判明した. 第3に, GPS携帯電話利用の各種セキュリティ・サービスを検討し, その背景には, 高齢者や子供の安全確保に対する関心の高まりがあるが, それは現実の「安全」よりむしろ「安心」に向かっていること等の論点が示された.
著者
関戸 洋子
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究「小空間の認知特性」では、「小空間」をキーワードとして派生する次の主な3テーマ、1)子どもの嗜好する小空間としての住環境、2)空間容積の単位としての小空間「包pao」の検証、3)宇宙建築という限定された小空間、を軸として、これまでの研究活動を次のように実施した。1)「子どもの住環境」の研究については、a)実験とb)調査をおこなった。a)実験では、実際の親子による実験研究をおこない、b)調査では、乳幼児の住居への訪問調査をおこない、昨年度までの報告書に記載の通り、審査論文として研究成果を公表した。2)「空間容積の単位<包pao>」の研究については、文献・実測調査を継続した。これまで、都心の住居における実測などをおこなった。3)「宇宙建築」の研究については、RPD採用時の計画段階では、文献調査のみとしていたにもかかわらず、更に進展させた。具体的には、文献のほか、研究会を開催し、実験研究をおこない、その成果を本報告書に後述の通り、論文として公表した。更に、JAXA公募に選定され、微小重力下の限られた小空間である国際宇宙ステーションISSにおいて、空間の容積感・印象評価・ボール投げを通じたコミュニケーションについて、宇宙飛行士により10月に実施された。国際宇宙ステーションの都合により実施が遅れ、実施後データを受け取ることができたのはNASAやJAXAのデータ検閲を受けた後の12月であった。1月にはNASAへ速報を含む実施報告をおこなった。その後、現在もこの実施成果を審査論文としてまとめている最中である。また、今後のアウトリーチ活動への準備も進めつつある。以上の通り、「小空間」に関する研究活動を多角的におこない、最終的には、住環境の質の向上に資するための研究を着実に実施している。
著者
中村 正明
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近年、分数量子ホール効果を理解するための新たなアプローチとして、系にトーラスの境界条件を課して1次元格子模型に焼き直し、さらにトーラスが細い極限を起点とすることで相互作用を簡略化する方法が提案されている。この方法を用いて、分数量子ホール効果と1次元量子スピン系におけるハルデン問題との関連を論じた。また、分数量子ホール状態を記述する厳密基底状態を持つ模型を提唱し、さらに波動関数を行列積表示するという画期的な提案を行った。これらのほかに多層グラフェンにおける層間電気伝導の特性について議論し、また3体相互作用のある量子スピン系においてダイマー状態が出現することを厳密に示した。
著者
大久保 達也 下嶋 敦 鳴瀧 彩絵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

我々は以前、50nm以下のサイズ領域で粒子径の制御が可能な単分散球状シリカナノ粒子をグラムオーダーで合成する手法を確立した。この粒子はコロイド分散液として得られ、ボトムアッププロセスによる材料開発における優れたナノビルディングユニット(NBU)となり得る。本研究では、単分散球状シリカナノ粒子のさらに簡便な合成法を開発するとともに、粒子の組成、形状、内部構造などを多様化し、種々のNBUを得ることに成功した。さらに、液相中でNBU間に働く相互作用を制御し、NBUを一次元から三次元の各種次元へと自己集合させる方法を確立した。
著者
平地 健吾 高山 茂晴 吉川 謙一 大沢 健夫 辻 元 本多 宣博 山ノ井 克俊 伊師 英之 野口 潤次郎 山口 佳三 満渕 俊樹 奥間 智弘 神本 丈 松村 慎一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

4回の多変数関数論葉山シンポジウムを開催した.複素解析幾何の運営組織の世代交代を目標とし,世話人代表は順に吉川謙一,伊師英之,山ノ井克俊,本多宣博と神本丈が担当した.今後10年の運営組織が整ったと言える.後半では連携研究者に奥間智弘,松村慎一を加え,2度の特異点の幾何に関する国際研究集会および函数論サマーセミナーを開催した.また研究テーマを絞ったワークショップを3度(放物型幾何学,ベルグマン核,解析幾何学)を行い国際交流の活性化を図った.研究期間内に山ノ井克俊および本多宣博が日本数学会幾何学賞,大沢健夫がアメリカ数学会ベルグマン賞,平地健吾がICMの招待講演者になったことは特筆に値する.
著者
スチュアート ギルモー
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

HIVと結核はアフリカ及びアジアの一部において、深刻な課題である。本研究は新たな疫学的手法にてHIVコントロールに関する政策を評価した。サハラ砂漠以南のアフリカ32カ国の2000~2012年の人口保健調査データを用い、時空間回帰分析にてHIV検査実施率の推移及び新規HIV感染を2020年までに根絶するための目標検査実施率との比較を行った。結果9カ国は2012年の目標検査実施率を達成し、3分の1は統計学的有意に下回った。これは新規感染根絶の目標検査実施率からはるかに下回ることを示し、サハラ砂漠以南のアフリカにおけるHIVコントロール及び新規HIV感染根絶にはさらに効果的な新たな方策が必要である。
著者
森 俊哉
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究課題では、係留気球を用いた火山噴煙の観測手法の開発めざし、特に、噴煙中の火山ガス組成の測定をターゲットにした開発研究を実施した。気球に搭載できるよう、二酸化硫黄と硫化水素濃度を測定できる装置を小型軽量化し、噴火活動中の阿蘇中岳の噴煙中の火山ガス濃度比を係留気球を用いて観測を行い、観測手法の確立を行った。本研究で得られた知見や技術は、係留気球を用いた観測だけでなく、近年急速に進化した無人飛行機を使用した噴煙測定にも応用できると期待される。
著者
中尾 茂
出版者
東京大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1996

東京大学地震研究所鋸山地殻変動観測所に設置された10器のボアホール歪計で観測された歪データを用いて,ボアホール歪計の地殻歪に対する応答を評価する目的で潮汐解析を行なった.まず,公衆回線を用いたテレメータで回収されるデータ以外のデータ回収を行なった.現地ではパーソナルコンピュータを用いてハードディスクにデータを記録している.潮汐解析はBAYTAP-G(Ishiguro et al.,1984)を用いて行なった.解析期間は1992年10月の観測開始から1995年1月のデータであり,計算は1月毎に潮汐の振幅,位相を計算した.歪計各成分とも振幅は【plus-minus】10%以内のばらつきはあるもののそれ以上の大きな振幅変化はなかった.位相については平均値の【plus-minus】5度以内のばらつきであった.10器の歪計のうち同じ成分を測っている歪計は2〜3器ある.M2分潮(周期12.42時間)の振幅は同じ方向の観測成分についても2倍〜7倍異なっており,位相については2〜3度以内で一致し予測値はGOTICの日本版であるLTD2(Sato and Hanada,1984)を一番細かいメッシュサイズが約1km四方の海岸線データを用いて計算した.観測値と比較すると振幅は予測値の35%〜400%の範囲であり,位相については予測値からの遅れが最大で41度,最小で1度であった.予測値と観測値との差異は予測値を計算するときに用いる海岸線データの細かさ,海洋潮汐モデルの正確さに原因があると考えられる.そこで,観測点近傍の海岸線データを30mメッシュで作成し,計算した.また,鋸山検潮所のデータを用いて計算した海洋潮汐の振幅,位相をも参考にして観測点近傍の海洋潮汐モデルを作成した.振幅は予測値と観測値の差が小さくなるが,位相は90度近く観測値とことなる.これは海洋潮汐荷重潮汐の振幅の見積もりが改善前と比べて小さいことが原因であり,観測点近傍の海洋潮汐モデルの見直しが必要である.