著者
福田 理香 松浦 亜紀子
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 健康生活学部編 (ISSN:18807720)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.21-32, 2015-03-31

The purpose of this study is to make a sitting exercise program, which is based on the basic movements of human in a standing position.The points of making this exercise program are as follows : 1. Safety comes f irst, and the exercise intensity is lower than 3 Mets 2. Adopting movements of the three-dimensional diagonal spiral, which is the basic movement pattern in standing position. 3. Relating the sitting exercise program to the improvement of walking movement in the future. The first half is the dynamic stretch named "e-dynamic ROM", which is designed to improve range of movement. The next part, the second half is an aerobic exercise named "e-bics" consists of a dynamic and diagonal spiral movements. This sitting exercise program was named "e-exercise".
著者
田渕 久美子
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 健康生活学部編 (ISSN:18807720)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.91-102, 2007-03-31

This paper criticizes the concept of acquired a priori by Hisatake Kato. The concept of acquired a priori is to build the foundation of character formation by congenital condition and imprinting. Kato describes the importance of a parent-child relation during childhood to prevent of juvenile crimes. Because he thinks the morality of humans is built by imprinting. However, recent imprinting studies have shown the concept of acquired a priori to be unrealistic. In addition, the educational philosophy of Kato is based on paternalism. Paternalistic education prioritizes a child's protection over a child's will. If we want to educate rational character of children, we have to give a right to self-determination. For this, we need to develop the requited knowledge and appropriate attitude.
著者
石川 由香里 加藤 秀一 片瀬 一男 林 雄亮 土田 陽子 永田 夏来 羽渕 一代 守 如子 苫米地 なつ帆 針原 素子
出版者
活水女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

今年度を総括して述べれば、来年度への調査実施に向けた準備を順調に進めることができた年度と言える。中学生と高校生向けの調査票は、昨年度においてすでに完成していたが、それに加え5月に実施した研究会において、大学生に対する調査票を確定することができた。過去7回の調査結果の分析に際しては、独立変数に設定できる質問項目が少ないことが反省材料であった。とくに家庭の社会経済的背景についてたずねることについて、学校側の抵抗感が大きく、最近ではとくに質問項目として盛り込むことが難しくなってきた。しかし、一昨年および昨年度に行われた大学生対象の予備調査において、大学生であれば親の学歴や職業についての質問項目に答えることへの抵抗はほとんど見られず、分析に耐えるだけの回答を得ることができていた。したがって本調査においても、大学生対象の調査票の項目には、親の学歴や生活状況を尋ねる質問を含めることとした。今年度のもう1つの大きな取り組みとしては、調査先の決定があった。そのために協同研究者はそれぞれ、調査候補となっている都道府県及び区市町村の教育委員会ならびに対象校へ調査の依頼のために手分けしてうかがった。その結果、年度末までには、かなり理想に近づく形での調査協力を取り付けることができた。年度内に3回実施された研究会においては、調査協力依頼のための文書を作成し、またそれぞれの調査先から調査実施の条件として示された個別の案件についても審議した。また実査に加わる調査員に対するインストラクションの内容、保険、旅費の配分など、調査に必要なすべての事柄について確認を行った。
著者
久木野 睦子
出版者
活水女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究では、イカの殺し方および保存温度の違いがイカの鮮度保持にどのように影響するか明らかにするため、異なる4つの方法で輸送したイカの保存にともなう外套膜筋肉の物理的変化を詳細に調べた。実験は4つの実験群、生きたイカを神経切断により即殺して研究室まで2時間輸送(即殺群)、生きたイカを5℃の冷蔵ボックスに入れて輸送(冷蔵輸送群)、生きたイカを氷海水中に入れて輸送(氷海水蔵輸送群)、および活魚輸送車の水槽にて生きたまま輸送(活魚輸送群)について、その外套膜を5℃で保存し、保存にともなう物理的特性の変化を調べた。その結果、氷海水蔵輸送群では筋肉細胞中のエネルギー物質であるATPが保存開始時に殆ど消失していたのに対し、冷蔵輸送群では保存6時間後に消失し、即殺群と活魚輸送群のイカでは保存6時間後も約50%のATPが残存していた。透過型電顕による筋組織構造の観察においても氷海水輸送群のイカは保存当初より大きな筋束間乖離が認められ、レオメーターによる物性の測定においてもこのことが原因と思われる特異な破断特性が氷海水蔵輸送群の外套膜筋肉に認められた。外套膜筋肉の透明度の測定では、即殺群と活魚輸送群で透明度は良く保持され保存12時間後でも筋肉の透明度が残っていたのに対し、氷海水蔵輸送群では保存開始時にすでに透明度を失っており、イカ筋肉中に残存するATP量と符合した変化のように見受けられた。そこで、即殺したイカ外套膜の薄切片を用いて、各種濃度のATPを添加した場合の透明度保持効果を調べたところ、ATP添加による透明度の保持効果は観察されなかった。
著者
松岡 麻男 塩田 教子
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 家政科・一般教育・音楽科編 (ISSN:02888645)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.19-27, 1985-03

グラジエントゲルを使用してのSDS-PAGEによるブタ皮可溶性タンパクおよび加熱処理での可溶性タンパク質の分離を検討し、さらに主なタンパク質の分子量を求めた。1.HMWカリブレーションタンパク質を1%メルカプトエタノールを含む試料バッファー中で、60℃15分間処理し、グラジエントゲル(PAA4/30)SDS-PAGEを行った結果、300V10分間、150V2.5時間の泳動で分離し、分子量2万から40万の間で良好な結果を示した。2.上記の泳動条件で、タンパク質の移動比率(Rf)のプロットはその分子量の対数に対して直線関係を示した。3.ブタ皮の加熱よる可溶化タンパク質は、グラジエントゲルSDS-PAGEの結果において、SDS処理時にメルカプトエタノールがあっても無くても、同じような泳動パターンを示すことが判明した。4.生のブタ皮の可溶性タンパク質は、大部分、分子量6万のもので占められていた。5.ブタ皮を加熱すると、分子量6万以上の高分子量の可溶性タンパク質が生じることをグラジエントゲルSDS-PAGEにより明らかにした。その中で単一と思われ、かつ量的にも多いタンパク質の分子量は約15万であった。6.加熱により高分子量のタンパク質が量的にも、また質的にも多くなるのは、ブタ皮の不溶性コラーゲンの加熱による可溶化が原因であり、またその可溶化に伴うペプチド分子間の部分的加水分解に基づくと考えた。
著者
野中 和孝
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 現代日本文化学科編 (ISSN:13472305)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.1-16, 2013-03

This report is what I am considered how is the text of 'Genji-monogatari(源氏物語)' made. This time I follow the text of Youmei-bookcase's (陽明文庫本) and bring difference of that of Sanjyonishi-family's (三条西家本) to light on the volume of Kagerou. Thus I know that the text of Youmei-bookcase is characteristic on 'Genji-monogatari(源氏物語)'. In Particular I become aware that the transcribe of classic books have been rewrited in the Middle Age(日本中世).
著者
河合 潜二
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集 (ISSN:02888610)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.51-58, 1962-03

1)1960年7月24日〜9月25日に,セット位置の高さの違った金網トラップで以てハエを採集し,採集位置の高さが採集能率に何らかの影響を及ぼすかどうかを調べた。2)トラップは全部で,2m・1.2m・1m・0.8m・0.4m・・0.3m・Om及び草むらの申のOmの位置にセットし,垂直に3〜4ヶを連結して同時に吊るした場合,各々の高さのものを8m間隔に離して同時においた場合,1つのトラップで毎日高さを変えた場合など,計5回の採集実験をおこない,トラップの機能上の差をなくすために,使ったトラップは各々の高さを1巡するようにした。実験場所は長崎市内にある活水高校の構内3地点である。3)3〜4ヶのトラップを連結垂下した場合,トラップの位置の高さによる採集ハエ数に著しい違いがあり,最下位の0〜0.3mのトラップが採集能率が最大であって約50〜90%のハエが集まる。そのうちの優占種はミドリキンバエである。4)2ヶのトラップが同時に地上にセットされ,その1が草の中におかれた場合,裸地のトラップにより多くのハエが集まる。このときの第1優占種はセンチニクバエ,第2優占種はミドリキンバエであって,共に裸地・草地の2トラップに大差ない割合で(僅かに裸地に多く〉集まっている。5)日を違えて1ヶのトラップをいろいろの高さにセットした場合,採れたハエ数の間には有意差が認められず,優占種であるオビキンバエはどの高さのトラップにもかなり似た割合で集まっている。6)ハエ誘引の餌の臭気についてみると,地上から高いところ程風が強いので臭気が速く拡散し,低いところでは風が弱いので臭気が停滞しがちとなる。だから高さ別のトラップを同時にセットすると,下位のもの程誘引力が優っていると考えられ,実験結果がそれに符合している。
著者
野中 和孝 山縣 正幸
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 現代日本文化学科編 (ISSN:13472305)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-21, 2003-03-31

At the world of tanka on Gosaga-in(後嵯峨院), the eighty-second emperor, leyoshi Kinugasa(衣笠家良) is a famous poet in thirteenth century. He is established as a poet of anti-Mikohidari's sect(反御子左派). Certainly we can follow his action of the tanka's world as such with Shinkan(真観) and Rokujo-Tomoie(六条杜知家) and Kujo-M otoie(九条基家). But on the other hand we can not say that he is not an anti-Mikohidari's sect by the various estimations. Many scholars already have argued for leyoshi Kinugasa's achievements. And we can know by two texts of his poem collection. By reference to these studies and texts I would like to take hold of his whole life.
著者
塩田 教子
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 生活学科編 (ISSN:0919584X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.17-25, 1998-03

近年,食生活環境が変化して,家庭における行事食が衰微してきた。その原因は経済成長の結果,毎日「ハレ」の日のような食事が食べられるようになり,主婦が行事食に無関心になっため,子供達はその内容も知らずに成長した。しかし,子供達は国際社会の一員として日本民族の文化を理解しておく必要があり,そのため是非ともそれを経験し伝承することが大切と考えて,家庭において行事食の伝承が少なくなった現状では学校でその伝承を行う必要性を感じ,その指導要領を考察した。(1) アンケートによると学生達の行事食の喫食率はお正月料理,クリスマス料理,自分の誕生日の料理などが高く,また行事食を食べた経験はより伝承意識を高めるということがわかった。そして作ってみたい行事食の内容の選択では容易に作ることができる料理,和洋折衷料理,ご飯は混ぜご飯などが好まれ,時代に沿った新しい感覚の内容の献立が選ばれていた。(2) 行事食を指導した結果はある程度の基礎技能を習得した段階で,予め,調理に対する手順のフローチャートと作品のイメージを考えさせ,それをチェックしてやれば「料理法を読みとりながらの調理」の指導でも各自が作り上げる意欲が起こり,それまでの技能の復習と創造性を引き出せることが確認できた。(3) 食環境と行事食の伝承意識の調査では伝承意識は「手作り料理の食事が多いこと」や「ただ家で行事食を作ること」と相関がなく,「家で行事食を作って友達を招待すること」や「家族の慶事ごとにお祝い料理をよく食べる食環境」と相関が高いことを確認した。また,学校で行事食を作ることは行事食の特徴を把握させ,共食の喜びを経験させ,行事食に関心を持たせて伝承意識を高めることに役立つということも確認された。終わりに,行事食の献立資料をご提供いただきました北九州市のヘルスアップ料理研究会の栄養士の皆様に深く感謝いたします。
著者
石川 由香里 杉原 名穂子 喜多 加実代 中西 祐子
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 健康生活学部・生活学科編 (ISSN:13482572)
巻号頁・発行日
vol.47, pp.79-107, 2004-03-31

The purpose of this study is to clarify the effects of parenting during child socialization on the following three points. First, describing the transformation of parents' educational awareness and their behavior toward their children as the child grows. Second, whether parents' educational awareness varies according to locality. Third, how gender problems occur. In this paper, we report in four parts : parents-child relationship, parents' educational behavior, parents' thinking of desirous character for their child's future, and parents' educational experience. We relate these themes with children's degree, their locality and gender. Concerning gender, we analyze differences in parents' educational consciousness or educational behavior according to the child's sex. Further, we show that the mother's consciousness of gender is itself prescribed by her social class and educational qualifications, moreover there are correlations between the mother's educational career and her type of work. In different social classes, if people show variation in their awareness of children's education, whether it will be connected to the reproduction of social class.
著者
村瀬 義史
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集. 人間関係学科編 (ISSN:13482580)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.41-55, 2010-03-31

The purpose of this study is to describe and examine the thought of the Christian approach to other faiths of D.T. Niles (1908-1970), whose main location of the theological praxis was Ceylon where Christians were the minority among people of other faiths. Niles' understanding of other religions is formed in the personal contacts with the people of other faiths and therefore his thought of the Christian approach is rather practical and missionary than academic and systematical. In his discussion, we find a unique combination of the influences of dialectical theology and Methodism. Historically, Niles' thought of the approach to the other faiths gave fresh impetus to move the discussion forward at the founding phase of the postwar discussion towards the "interfaith dialogue" which emerged as a program of the World Council of Churches in the 1970's. In conclusion, evaluating the theological work of Niles in the historical context, I suggest that it is essential for Christians to reflect their historical presence in the eyes of the people of other faiths when they consider their tasks in the religiously plural society as well as the nature and mission of the Church.
著者
藤本 亮
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集 健康生活学部・生活学科編 (ISSN:13482572)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-17, 2003-03

In December 1999, the Supreme Court of Japan ruled a case disciplining a judge originally decided so in the Sendai High Courts. In that case, a judge was sanctioned since he had attended a political rally against the bills that would allow police to use tapping in its investigation. I review the Supreme Court ruling and discuss the importance of Judge's independence of anything other than laws and his/her conscience. He/she should have one's own person and should not hesitate to interact with the world outside courthouse. Also, people should learn that judges should be evaluated on the base of his/her legal competence not his/her personality or political orientation. The Supreme Court insists that judges should maintain his/her neutral appearance; even they should avoid to be seen as not-neutral politically. It hides judge's political orientation that of course everyone has. On the contrary, judge cannot wholly depend upon people's support. He/she should eliminate any influence from not only other branches of state but also litigation parties or mass media, and so on. Simple democracy could destroy the legitimacy of judiciary.
著者
仮屋園 璋
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集 (ISSN:02888610)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.17-22, 1974-03

長崎市内のカステラの品質について,保水度や硬さ,比容積の変化及びスポンジ状組織の切断面の状態,Batter生地の泡立ち性などこれらを包含した組織的性状や材料配合の適正そしてデンプン,タンパク質成分等の栄養的消化性など,三つの面より立体化し追究した一つの機構から,その本質を考察し,即ち品質的にすぐれているということは,どのような意味を持っているのか,又一般にカステラの特質というものは何であるかを考察した。主材料の一つである鶏卵卵白をはじめとして,適切な均衡ある諸材料の配合による,丈夫で安定した良く分散された泡立ちの良い,Batter生地の形成において,保水度の高い老化しにくい新鮮な香味の,スポンジ状組織構造が形成され,消化性の高い製品が得られる。品質的にすぐれているというのは,以上のそしてその為の一連の総合された要素によって構成される,一つの立体的機構により知ることが出来る。特にカステラが食品として所在し又それが嗜好される為には,卵白や糖類を中心とした適切な均衡ある諸材料の配合が必要である。ここにおいてカステラとしての品質に基づく特質が存在する。