著者
林 まゆみ
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.435-438, 1999-03-30
参考文献数
26

中世末期から織豊期にみられる寺院や城郭の石垣普請には技術水準の高い土木,造園的職能の形成が示唆されている。本研究では,これら石垣普請の職能形成に関して,当時の日記や史料などからの検討や,土木作業にあたっていた散所といわれる階層を含む民や寺社の座の分析,また,現存する石垣の遺構を考察することなどを通じて,石垣普請に携わった職能の発展過程を検討した。その結果,石垣普請に関わる職能は大工や河原者などの職能形成には遅れるものの,権門寺社の石垣構築や佐々木六角氏や浅井氏などの戦国大名の居城建設等を契機として,散所の民や権門寺社お控えの職人層が各地で石垣を積み,技術力を高めそれらが安土城で集大成された後,秀吉の時代に棟梁化して石垣積みの穴太としての地位を高めていく過程が考察された。
著者
奥 敬一 深町 加津枝 森本 幸裕 奥 敬一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.587-592, 2000-03-30
被引用文献数
8 2

京都大学芦生演習林を訪れた48グループの一般利用者を対象として写真投影法による調査を行った。得られたテータから,現実の森林レクリエーション行動下において体験され,評価される森林景観を,視対象,視点,視距離,地形,構図などの複合的な要素からなる景観型として整理し,それらの操作可能性を論じるとともに,景観型と来訪者の利用形態との関係を検討した。その結果,林内散策行動の条件下で景観体験となりやすい景観のパターンが抽出された。また,レクリエーション利用者の環境に対する態度は,異なる複数のタイプとしてとらえられ,多様な景観体験を確保したレクリエーション地域計画の必要性が示唆された。
著者
十代田 朗
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.105-108, 1996-03-29
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

近代におけるわが国のリゾートの成立には,西洋から輸入された「避暑」思想が深く関わっていた。そこで,本研究は,未だ解明されていない「避暑」がわが国で受容され普及し実践されていった過程を明らかにしている。主要な分析結果は,以下の4点である。1)外国人が気候風土の異なる地に「転地」してすごすという「避暑」を輸入し,日本人がそれを模倣し,浸透していった。2)避暑地としては明治中期には,既存温泉地が選ばれたが,その後,外国人は高原を発見し避暑地とした。3)明治後期から避暑地としての繁栄は海浜に移ったが,これは健康意識と深い関連があった。4)避暑のための長期滞在を可能にする宿泊システムが存在していた。
著者
進士 五十八
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.24-31, 1989-08-25
被引用文献数
1
著者
十代田 朗 安島 博幸 武井 裕之
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.373-378, 1992-03-31
被引用文献数
1 1

戦前の東京には,武蔵野を中心に数多くの別荘が存在していた。しかし,これらの別荘は同時代に高原や海浜に盛んに立地していた避暑・避寒を目的とした別荘とは異なり,気温の違いを求めたものではなかった。これらはわが国における別荘の原型のひとつであるが,武蔵野に関する研究は,多くがその開発史や風景・イメージに関するものであり,武蔵野に存在した別荘はあまり研究の対象とされることがなかった。そこで本研究では,市区史,地誌,古地図,現地踏査,別荘所有者へのヒアリング,伝記などによって,戦前の武蔵野における別荘の多くが"はけ"に立地し,レクリエーション拠点,書斎,農園など多様な利用がされたこと,その成立背景を示した。
著者
松本 浩 下村 彰男 熊谷 洋一 小野 良平
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.225-228, 1996-03-29
参考文献数
12
被引用文献数
7 3

本研究では,身近な自然が豊かな東京西部の野川流域において,環境問題を扱う市民団体の活動の変遷を明らかにし,今後の活動の展開について考察することを目的とした。野川流域に存在し,かつ野川流域の環境や開発に関心を持ち活動している市民団体を対象にし,ヒアリング,会報等の出版物をもとに,活動対象,目的を達成する手段としてみた住民との関わり,行政との関わりの3つの観点から検討を進めた。その結果,野川流域の市民団体の活動の変遷は,「行政要求型」の1種類だった活動のタイプが,「まち型」「浸透実践型」が加わり,3種類に多様化してきたことがわかった。
著者
姜 信龍
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.16-33, 1993-08-27
被引用文献数
2

1876年の開国以降,欧米の公園に関する情報が国内にかなり伝えられ,韓国々内でも居留地内に最初に公園が造成され始めた。複雑な社会・政治状況に影響され,居留民・独立協会・韓国政府によって公園が造成されていったが,公園造成は制度化されることなく,日本の植民地になった。日本人居留民にとって,神社保護のために整備された境内外そのものは公園地であった。韓国政府によりパゴダ公園が造成されたものの,造成から約13年が経過した1913年から一般市民の平日入園が達成された。特に,独立公園と仁川各国居留地内に造成された自由公園は,最初から市民或は居留民のために造成された近代的な意味の公園として評価される。
著者
姜 信龍
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.61-66, 1993-03-24
被引用文献数
1

1407年開設された釜山倭館は,龍頭山を中心とした地域一帯に1677年4月に移館・新築された。この草梁倭館が日本専管居留地に開放され,この時すでに龍頭山上には彼らによって神社が営まれていた。総督政治になると,神社参拝強要に代表される皇民化政策によって,神社境内外は拡張され神域化されていく。神社と公園の併立といった考え方は変わり,「神社と公園の並立は不可」となった。そのためか,神社創建と並行して造成された公園のすべてが,特に都心に位置する公園としての機能を失い,韓国人には嫌われるものとなった。公園内の神社建築の殆どが,韓国独立と同時期に,市民の手によって破壊されていったのは当然なことと言える。
著者
李 樹華
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.461-464, 2003-03-31
参考文献数
7
被引用文献数
1

This paper involves the planting design and using of Musa spp., an important and a special plant for Chinese gardens. Through literature studying and observation on gardens of Suzhou, the major results of the findings are: (1)It began from at least 2100 years ago to plant Musa spp. in imperial gardens in the Han Dynasty(B.C.206-A.D.220). Then, this plant was being used in imperial and private gardens from the Jin Dynasty(256-420). (2)Musa spp. not only have special tree-form, fresh and green stems and leave, but also can demonstrate the landscape in tropical subtropical land rather than Cycas revolute and Trachycarpus spp., etc. And Chinese cultured people like enjoying the sound beat by rain, the form swung by wind and the shadow by sunlight in day and by moonlight in night.(3)The typical methods of planting design were usually planting Musa spp. together with strange rocks, with Firmiana platanifolia, with bamboo, etc. (4)The places planting Musa spp. were inside the garden's doors, near the front of windows, under the side of roof and corridor, near the railing, near the steps and near the stream, etc.
著者
清水 裕子 川崎 圭造 伊藤 精晤
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.517-520, 2003-03-31
参考文献数
10
被引用文献数
2 2

Expectations have been placed on scenic thinning in recent years in recovering the environmental conservation function and promoting recreational purposes of the increasing uncontrolled artificial forest stands. Although there have been recent reports on scenic thinning, there are very few examples of implementation. This study was conducted for the purpose of examining the possibilities of scenic thinning by investigating its impact on the place where Ito et al practiced it within the Shinshu University in 1992. We conducted the study by complete enumeration and vegetation survey of the tree and bush layers against the forest where scenic and ordinary thinning were carried out stand (scenic and ordinary thinning areas) and made a comparative review. As a result, there were no significant disparities of tree layers between both areas and no difference were found in the growth, which was expected in the scenic thinning area. However, with the bush layer, the average height of bush layer of arboreal vegetations was significantly taller with the scenic thinning and the differences in the distribution of tree height were great as well. This suggests that woodlands managed by scenic thinning can be lead effectively to multiple layered forest stands in comparison to ordinary thinning and indicates the forest's stability and the possibility of natural scenic cultivation.
著者
俵 浩三
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.73-83, 1987-11-15
被引用文献数
2

函館公園の成立史については、既に二、三の先学による論考があるが、まだ十分に解明されていない点も多い。ここでは主として開拓史関係文書を使用し、明治7年に函館公園が開設された直接的な動機、および明治11〜12年に函館公園が大整備された時の諸事情を、社会的背景を含めて明らかにし、函館公園の成立が、当時の日本の公園の歴史の中で、特異な地位を占めるものであったことを明らかにした。
著者
田中 美穂 包清 博之 杉本 正美
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.655-658, 2001-03-30
被引用文献数
4 8

街区公園などの人々に身近な公園に対する評価には,公園そのものの質以外にも,周辺市街地の状況に応じて存在するオープンスペースなどの環境要素や公園を利用する人々の行動が関係していると考えられる。そこで本研究では,周辺市街地の状況の違いと公園利用行動からみた公園に対する評価との関係を捉えることを目的とした。具体的には,市街地状況の異なる3地区をスタティエリアとし,公園に対する評価や利用行動に関するアンケート調査を行った。その結果,多様な周辺環境要素が存在すること,周辺環境要素が人々から「お気に入りの場所」として認識されること,立ち寄り行動などにより公園と関係づけられることの重要性を考察した。
著者
小野 佐和子
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.18-23, 1987-03-31
被引用文献数
1 2

摂津池田稲束家の別荘不蔵亭の成立の事情とそこでの宝暦・天明期の生活を明らかにした。その結果、不蔵亭は、稲束家の経済力の上昇期に、その社会的地位の確立をめざして設けられ、社交・接客・交際の場として、あるいは、家族のレクリエーションの場として使われたこと、その背景に、池田の富裕層の間にみられた、別荘で趣味の生活を楽しむ伝統が存在したことを認めた。
著者
沢田 天瑞
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.35-40, 1973-02-28

The ancient Chinese defines the spirit of Zen as the following ; Zen is the name of heart. The heart is body of the Zen. Therefore, the essence of Zen is "Mu" shown as "FURITSUMONJI KYOGAIBETSUDEN". It means that the spirit of Zen is free or nothing like an echo in the deep valley, or a reflected image upon the water. Thus, there are no appreciation rules for the Zen sect gardens, and yet no written records on the conception for their gardens. The author celieves that the Zen sect garden is a reflection of the heart of man, that is Zen priest, whose phyrosophy is symbolised in his garden design. It is especially true for the famous Zen disciples, founders of new temples, who wish to express their conception of Zen creeds and teachings, or history of their spiritual awakenning for their temples. Here, they played very important role upon the formation of garden compositjon ; they were the composers and ofen the landscape architects. The gardeners took part of only engineer. Therefore, the Zen sect gardens are a part of symbole of phyrosophy of Zen. Change of garden forms symbolises history of spiritual awakennig of priest, and in the change of his phyrosophy, it is hidden the heart of Zen. The author believes that the need of research upon these hypotheses are necessary in terms of spirit of Zen that is symbolised in the garden forms quite logically. This study is divided into the following parts ; 1. source of theme in relation to the Zen phyrosophy, 2. theme of garden, 3. conception for imaginative garden by the founder priest, 4. composition in relation to the imagination. The Koho-An Garden was constructed as a Kare-Sansui Styled of the Lin-Zai Zen sect Zen-Rin Garden by Enshu Kobori in 1612. The priest, Kogetsu Sogan was invited by Enshu Kobori as the founder of the Koho-An which used to be constructed in the Ryuko-In (temple). The relationship between the garden composition and the Zen spirit is identified as the following. The source of theme for the garden is asked for in fhe texts of "Daitokokushi Goroku", "Linzai roku", and "Hekiganroku". The theme of garden is "musabetsubyoto", everything is equal in this world. The garden conception is spiritual awakenning, Satori in Japanese. Image of the garden composition is sought in the landscape of "Syoso-Hakkei" in Chaina. (the further description on details is omitted in the English summary. )
著者
小椋 純一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.25-30, 1993-03-24
被引用文献数
3 9

古い時代の植生景観については不明な部分が少なくないが,明治時代になると本格的な地形図や詳しい地理的記録など,かつての植生景観を考える上での良い資料が多く残されるようになる。本研究は,今から百年余り前の明治中期に測図された迅速図の植生に関する不明部分やその精度などを,その原図やそれと同時に作成された偵察録などをもとに考察することを中心にして,その頃の房総丘陵の植生景観を明らかにしようとしたものである。その結果,その地の当時の植生景観は,森林とともに草地的なものの割合が大きく,また,森林は松林や楢類などからなる低林が多く,高木の大面積の森林の大部分は官林であったなど,今日とは大きく異なるものであった。
著者
増山 他計男
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園学雑誌
巻号頁・発行日
vol.3, no.6, pp.320-331, 1927-06-01
著者
土屋 十圀 中村 良夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.229-234, 1993-03-24
被引用文献数
3 3

本研究は,親水河川・公園の設計・デザインのための基礎的な調査として,親水公園の人工水路における流れと自然河川の流れの流水音,流水形態(水理量)の測定を行い,それらの類似性及び相違点を比較検討し,考察を行ったものである。調査対象の河川と親水水路は都内の多摩川,秋川等の渓谷河川の早瀬,チャラ瀬,跳水などの流れと,小松川・境川親水公園における変化に富んだ流水形態である。その結果,快適な流水音とされる『ゆらぎ』を伴う音は早瀬や人工の滝ではなく,比較的流速の遅い『さざ波の流れ』や規則的な『誂水』などに見いだすことができた。また,変化に富んだ流水形態を創り出すには必ずしも流量の多少が支配要因とならないことが分かった。
著者
進士 五十八
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.16-31, 1975-03-20
被引用文献数
5 9

1. In defining an urban area, we can. take it as "a space occupied by artificial surfaces in a natural ecosystem,, which has originally existed but has been* partially destroyed by artificial structures resulting from human activities." Therefore, from the standpoint of physical planning, each urban area may be uniformly grasped as "an entity comprising two elements-natural surfaces and artificial surfaces." In other words, the form and shape of artificial surfaces occupying a certain space ( i. e., unit area) and the percentile ratio of the area occupied by artificial surfaces to the area of that space can be used as a planning index for that particular space. 2. Using Natural Surface-Artificial Surface (N-A) Formation Factor as a planning index, we have studied at this time to determine the limiting value of natural surfaces that are desirable in a unit area (or our daily life zone) measuring 90,000 sq. meters. This N-A formation factor may be expressed as follows : N-A Formation Factor (%) [numerical formula] Natural Surface Rate (%) = 100 - (N-A Formation Factor) 3. The study was made in the following manners : (1) The total area (11,727 hectares) of Takasaki City in Gunma Prefecture was divided into 1,303 meshes each measuring 90,000 sq. meters. Aerial photographs were taken for respective meshes and an N-A formation factor for each mesh was read by guess from such aerophotos. In this case, artificial surfaces comprised buildings, roads and the like. (2) N-A formation factors thus obtained (which ranged from O to 100%) were divided into 10 sections by an increment of 10% (i. e., 0-10%, 11-20%, 21-30%, …91-100%). Then, a survey was made at administrative areas within each of these sections to find out inhabitants' consciousness of satisfaction with natural environment (or their surrounding greens). The survey was conducted by the. use of a questionnaire which contained the following questions : I. Please reply to each of the following questions concerning your surrounding greens by selecting one of the following five answers : (i) Very-much. (ii) Comparatively less, (iii) Neither more nor less. (iv) Comparatively less, (v) Very little. A. How do you feel about your house or garden green? Ans. (i) (ii) (iii) (iv) (v) B. How do you feel about your neighbor's green? Ans. (i) (ii) (iii) (iv) (v) C. How do you feel about your town (or village) green? Ans. (i) (ii) (iii) (iv) (v) D. How do you feel about your city green? Ans. (i) (ii) (iii) (iv) (v) II. In the overall analysis of your living environment, how do you rate your living environment? E. Ans. (i) Excellent, (ii) Good, (iii) Fairly good, (iv) Bad. The above questionnaire was addressed to 1250 households randomly selected as subjects of the survey, 79.2% of which responded to the questionnaire. An analysis of those who replied to the questionnaire by age and sex has revealed that more than 85% of those who responded were of ages ranging from 30 to 69 and that the ratio of male respondents was 5 : 4. (3) Correlation charts for each of the above questions (as shown in Figures 5, 6 and 7) were prepared for analysis by combining N-A formation factors with inhabitants' responses to the consciousness of satisfaction with surrounding greens. (For the purpose of this analysis, the following plus and minus values were given to respective answers to Question I : (i) + 2, (ii) + 1, (iii)O, (iv)-1, and (v)-2. 4. The results of the study have indicated an extremely high correlation between N-A formation factors and inhabitants' responses to the consciousness of satisfaction with surrounding greens. For example, in Fig. 7 which is suggestive of a certain standard of our living environment, significant difference exists at a level of 0.1%, while Spearman's correlation coefficient shows -0.95. Also in Fig. 7, the N-A formation factor at the point of inflection from plus to minus value falls within the range of 50-60%. Judging from the results of this chart only, it can be concluded that natural surfaces in our living environment should be at least 40 to 50% of our daily life zone to satisfy ouy consciousness of green. These natural surfaces may consist not only of trees and woods, but also of the surface of water, dry river beds, bare lands, lawns, grasslands, paddy fields, farms and what not, irrespective of their private or public ownership. 5. The above-mentioned conclusion was solely based upon the method of determining the physical quantity of natural things (or naturals) to satisfy our consciousness of green vegetation as a human environment (Method 1). In addition, two other methods may be conceived of to determine this quantity. One concerns with a study of the efficacies or functions of green vegetation such as the stabilization of oxygen supply, the utilization of a green tract, of land, etc. (Method' 2) and the other,' with a study of the limit necessary to maintain a natural ecosystem which integrates both aboveground and underground spaces (Method 3). Although these two methods are now in the stage of finalization study and have questions yet to be solved, we have reviewed the results of this study by making a comparison with the results of trial calculations performed according to Methods 2 and 3, as will as with the results of similar studies by Method 1. As conclusions drawn from such review, we present the following for, discussion. (1) In case a daily life zone measuring 90,000 sq. meters is regarded as a unit area, natural surfaces should be secured up to a minimum of 40 percent of the unit area. (2) In the development of an urban area, artificial surfaces should be preferably held within 40 per cent of the total area intended for the urban area. (3) The percentile ratio of the area occupied by artificial surfaces in an urban area to the area occupied by natural surfaces in the same urban area should-normally be 50 to 50.
著者
村上 修一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.352-359, 2001-03-29
被引用文献数
1 1

米国のランドスケープ・デザイナー,ガレット・エクボ(1910-2000)の空間理論に対する近代芸術の作用を解明することを目的に,1937〜69年の著作52点を調査して表明される注目対象を抽出し,理論展開との関係や位置づけを考察した。その結果,空間理論構築の契機,基本概念や芸術原理の空間理論への継承や適用,空間特性の応用による多領域性と連続性の共存する形態創出,抽象による形態理念の意見や生成というエクボの空間理論に対する近代芸術の作用が明らかとなった。また,近代芸術の一動向というエクボの理論および実践に対する意識が判明したことを受けて,近代芸術におけるエクボの空間形態の位置づけを明らかにするための課題を示した。