著者
福与 真弓 原 征彦 村松 敬一郎
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.39, no.6, pp.495-500, 1986
被引用文献数
10 42

先にわれわれは緑茶より抽出した茶葉粗カテキン (タンニン) は血中コレステロール濃度を低下させる作用を持つことを観察したも。<BR>この事実をさらに調べるために, われわれは緑茶カテキンの主成分である (一) エピガロカテキンガレート (EGCg) を分離し, 15%ラードと1%コレステロール含有25%カゼイン食 (高脂コレステロール含有食) 投与ラットの脂質代謝に対する効果を調べた。EGCgは0.5%, 1.0%濃度で添加した。飼育期間は全実験で4週間とした。EGCgの添加は成長および飼料摂取に対して影響を与えなかった。高脂コレステロール含有食を与えたラットでは, 25%カゼイン食 (正常食) を与えたラットに比べて血漿および肝臓コレステロール濃度は増加した。EGCg投与で血漿総コレステロールとLDL-コレステロール濃度は減少し, HDL-コレステロール濃度は増加した。肝臓全脂質, 全コレステロールおよびトリグリセリド濃度は高脂コレステロール含有食投与ラットで増加したが, EGCg添加群ではこれらの濃度は減少した。さらに, EGCg投与は糞中への全脂質およびコレステロールの排泄量を増加させた。25%カゼイン食への1.0%EGCg添加では, 血漿および肝臓コレステロール濃度に影響を与えなかった。<BR>これらの結果は, EGCgはコレステロール投与ラットの血漿コレステロール低下作用を持つことを示している。
出版者
H. Stürtz
巻号頁・発行日
0000
著者
谷田 守
出版者
日本自律神経学会
雑誌
自律神経 (ISSN:02889250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.237-240, 2021 (Released:2021-09-24)
参考文献数
26

白色脂肪組織から分泌される摂食抑制ホルモンであるレプチンが発見されて20年以上が経過した.摂食調節機構の破綻は肥満,糖尿病などの生活習慣病発症に関わる為,摂食調節ホルモンの作用を明確にすることは,生活習慣病発症機序の解明に役立つことが期待されている.これまでの研究から,レプチンによる自律神経系への作用は,摂食や代謝などの生体機能維持に関与することが分かってきている.特に交感神経遠心路の褐色脂肪枝,肝臓枝,腎臓枝は,熱産生調節,糖代謝調節,循環調節にそれぞれ関与することから,本稿ではレプチンの自律神経調節作用を中心に,これまで示唆されてきた脳・視床下部での調節機序と末梢から中枢神経系への求心路の作用経路について解説する.
著者
小林 豊 喜多 敏明 柴原 直利 後藤 博三 寺澤 捷年
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.73-78, 1999-07-20
参考文献数
13
被引用文献数
2 1

再発性口内炎に清熱補血湯が奏効した四症例を報告した。清熱補血湯の使用目標は「血虚と血中燥熱があり, そのために口舌に瘡を生じ, びらんし, 痛み甚だしく, 長く癒えないもの」といわれている。症例は全てが女性であったが, 妊娠や分娩を契機に, あるいは月経のたびに再発性口内炎が増悪する傾向がみられた。また, 一例はベーチェット病の急性増悪による発熱や炎症など全身症状が治まった後に発症した再発性口内炎症例であった。これら血虚が悪化しやすい状態に伴った再発性口内炎に清熱補血湯が有用である可能性が示唆された。
著者
竹本 幹夫
出版者
中世文学会
雑誌
中世文学 (ISSN:05782376)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.16-25, 2020