著者
米山 州二 齊藤 かおり 小笠原 悠 陸 拾七 間 陽子
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.e114-e121, 2022 (Released:2022-06-15)
参考文献数
17

牛伝染性リンパ腫ウイルス(BLV)の高度感染酪農場で清浄化を達成した.まず,感染牛の血中プロウイルス量(PVL)及びBoLA-DRB3アリルから各感染個体のBLVの伝播源としてのリスクを推定し,感染高リスク牛を優先的に淘汰した.また,子宮内感染を避けるため,原則,後継牛は非感染牛に雌の性選別精液を人工授精して得た.続いて農場内放牧を中止し,牛舎内の感染牛の飼養区域を完全分離し,境界に抵抗性アリルを有する感染牛を配置した.感染母牛から生まれた子牛11頭中,5頭が感染牛で,高PVLの母牛でより高頻度だった.搾乳牛の82.8%が感染していた2015年10月から対策を開始し,2020年5月に清浄化を確認した.高度感染農場でも子宮内感染に注意し,高PVL牛の優先的淘汰と感染牛の分離飼育をあわせることで清浄化は可能である.
著者
山田 将史 仲瀬 寛輝 小木曽 望 南部 陽介
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.31-39, 2022 (Released:2022-07-12)
参考文献数
29

Though our developed nano-satellite, HIROGARI released to orbit in March 2021 achieved the missions successfully until the end of 2021, the satellite encountered significant problems in the early operation stage. Because the satellite condition did not follow the expected behavior, the operation policy had to be decided with insufficient data. However, it was difficult to decide the operation policy rationally, since a nano-satellite has poor battery and communication margins. For the next nano-satellite development, this study constructed a resilient operation model for a nano-satellite using Systems-Theoretic Process Analysis (STPA) with lessons learned from operation experiences of HIROGARI. STPA is known as a new hazard analysis method that focuses on the interaction between a controller and the controlled object and that can be applied in conceptual design stage before detailed configurations are determined. The resilient operation model was constructed by considering the ground station as the controller and the satellite as the controlled target. Then, validity of adopting STPA to construct the operation model is discussed through comparing the unsafe control actions (UCA) and our lessons learned from operation of HIROGARI.

1 0 0 0 OA 添付地図その2

出版者
日本地図学会
雑誌
地図 (ISSN:00094897)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.AP3, 1967-03-31 (Released:2011-07-25)
著者
伊藤 豊志雄 岩井 浤
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.491-495, 1981-10-20 (Released:2010-08-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

センダイウイルスに感染したICRマウスの体重および体温は減少し, その減少の程度は投与ウイルス量に比例した。重症例においては, ヘモグロビン, ヘマトクリット, 赤血球数, 白血球数とロイシンアミノペプチダーゼの上昇と, 網赤血球と乳酸脱水素酵素の減少をみた。
著者
小山 博史 柏木 公一 中口 俊哉 黒田 嘉宏 金井パック 雅子 井野 秀一 藤原 道隆 足立 吉隆 江頭 正人 松井 邦彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

研修医や新人看護師など医療者のリアリティショックによるPTSDや早期離職が社会問題となっている。その理由の一つに臨床現場における多重課題に対する訓練不足が指摘されている。本研究では、現実世界での経験が困難な多重課題の臨床現場をバーチャルリアリティ(以下VR)技術を用いて仮想世界に再現し、多重課題シナリオを被験者(熟練者と初心者)に体験させ、その際の被験者の観察箇所や判断データを取得し、ヒューマンファクターデータとともにデータマイニング手法を用いた解析により多重課題における意思決定要因の解明と今後の臨床現場でのナビゲーションの基礎となる意思決定支援モデルの作成に関する研究を行う。
著者
中山 勝矢
出版者
一般社団法人 日本真空学会
雑誌
真空工業 (ISSN:18837174)
巻号頁・発行日
vol.4, no.8, pp.240, 1957-08-05 (Released:2009-09-29)
参考文献数
2
著者
古川 徹
出版者
一般社団法人 日本膵臓学会
雑誌
膵臓 (ISSN:09130071)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.944-948, 2018-12-25 (Released:2019-01-21)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

BRCA1,BRCA2,PALB2はBRCA経路遺伝子と呼ばれ,その産物はDNA二重鎖切断の相同組換え修復に関与する.BRCA経路遺伝子の生殖系列変異は膵癌発症のリスクを高め,また,BRCA経路遺伝子異常を持つ癌腫は白金系薬剤やPARP阻害剤に特異的に感受性が高く,臨床的に劇的な効果を見ることがある.我々は孤発性膵管癌,家族性膵癌,膵腺房細胞癌においてBRCA経路遺伝子変異を検索し,それぞれ2.4%,9.3%,43%に明らかな病原性変異を認めた.孤発性膵管癌例においては病原性あるいは効果不明のBRCA経路遺伝子変異を持つ患者群が有意に予後良好であった.また,BRCA経路遺伝子変異を持つ膵腺房細胞癌の多発肝転移がcisplatin投与で完全寛解した例を経験した.BRCA経路遺伝子変異を持つ膵腫瘍を見出すことは今後展開されるゲノム医療上極めて意義深いと考えられる.

1 0 0 0 日英新誌

出版者
日英新誌社
巻号頁・発行日
vol.13, no.147, 1928-04
著者
松田 健 Takeshi Matsuda
出版者
関西外国語大学・関西外国語大学短期大学部
雑誌
研究論集 = Journal of Inquiry and Research (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.181-198, 2013-03

19世紀の終わりに発明された録音技術は、音楽聴取を演奏現場から解放した。しかしその後100年ほどは「自宅に設置した装置で」再生するのが基本形であり続けた。その後音楽聴取デバイスのポータブル化と個別化が進み、CDに代表される音源のデジタル化は高品位の音源を簡便に入手できる環境をもたらした。 音楽の個別聴取化とデジタル化が進行した後に生まれた「デジタル世代」の大学生たちはどのように音楽行為(Christopher Smallの言葉を借りると"musicking")をしているのだろうか。筆者は2011年に118人の大学生に探索的な質問票調査を行った。 その結果、彼らの音楽聴取は個別形態をとる傾向が強く、スピーカーよりもイヤホンで音楽聴取をする時間が長いことがわかった。音楽聴取時間のうち「ながら聴取」が占める時間がおよそ4分の3に達することもわかった。またおよそ6割の回答者がパソコンを音楽聴取デバイスとして使用している状況もわかった。
著者
八田 学 御舩 斎紀
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898336)
巻号頁・発行日
no.85, pp.73-79, 2022-07-01

学生の体験を足掛かりに「総合的な学習の時間」を学生に指導してきた.その際,従来からある「特別活動」との違いを「探究」という言葉で,厳格に区別し取り扱ってきたが,それぞれの共通性・違いに鑑みたとき,もっと包括的に「総合的な学習の時間」を捉え,進めていくことの方が多忙を極める現場にとってより有益になるのではないかと考えた.この観点に立って今後の「総合的な学習の時間」のあり方について考えてみた.
著者
村口 孝子 平野 裕美 木村 由里 前田 陽子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898335)
巻号頁・発行日
no.85, pp.61-72, 2022-07-01

本研究では,3 年間の成人看護学実習の前後,実習指導者の実習指導行動がどのように変化したのか,また,実際指導を受けている学生が実習指導をどのように評価しているのか調査した.分析した結果から,指導者は学生の理解に努め指導に当たっていたが,学生は指導者が思っている以上に緊張が強く,指導者の指導を十分に受け入れていなかった.指導者は指導が十分にできていないと感じていたが,学生は実践家としての役割モデルとして指導を受け止めていたことが考えられた.
著者
藤原 美智子
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898334)
巻号頁・発行日
no.85, pp.47-60, 2022-07-01

JICA の看護継続教育プロジェクトの終了後のエルサルバドルの看護師の活動状況および保健統計データを確認した.現地の看護師たちは様々な自立発展的な活動を行っていた.その結果,一次医療施設での看護ケアは大幅に改善された.また,全国レベルでのリプロダクティブヘルス研修が自立運営されている.看護師の思いと行動力,委員会活動が看護ケアの質向上に貢献していていることが示唆された.
著者
板倉 一枝
出版者
鳥取看護大学・鳥取短期大学
雑誌
鳥取看護大学・鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE OF NURSING AND TOTTORI COLLEGE (ISSN:21898333)
巻号頁・発行日
no.85, pp.37-46, 2022-07-01

鳥取県の家庭料理に関する郷土資料から,料理に使用される醤油の種類について調査を行った.醤油を利用する料理のうち,「濃口」や「淡口」などの具体的な表記は全体の 4 分の 1 程度であり,多くは「醤油」とだけ表記されていることが確認できた.醤油の種類が多様化している現状を踏まえると,より言語化された具体性のあるレシピにすることが必要であるとともに,一方で,何を誰に伝え継ごうとしているのかを意識するなど,多文化共生的視点の必要性も示唆された.